JPH0757206B2 - 化粧料容器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、口紅やアイライナー等の化粧料を充填する
容器に関する。

（従来の技術） 従来、口紅、アイライナー等の化粧料においては、あら
かじめ押出部と共に成形、固化した化粧料を別体の容器
に装填し、容器の回動部を回動させることにより、化粧
料を突出、収納してなるもの、又は、パイプ体に溶融充
填し固化した化粧料を適宜下方より押出すことにより所
要量を得るもの等がある。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記固化した化粧料をネジ部の回動によ
って突出、収納してなるものの場合、化粧料の使用に応
じて突出、収納を行うことができるが、成形、固化した
化粧料の一方の端を保持しなくてはならず、そのため、
ある程度の硬さを必要とし、極端に柔軟な化粧料とする
ことはできない上、一度化粧料を使用し尽くすと再び化
粧料を充填することなく、新たに購入しなければならな
い。さらに、パイプ体を用い、使用に応じて必要な化粧
料を突出させて使用する場合は、化粧料を使い尽くす
と、新しいカートリッジを購入することにより、容器ま
でも交換する必要がないという利点があるが、パイプ体
より化粧料を突出させるだけでパイプ体内に収容するこ
とができない欠点がある。そこで、この発明は、使用に
応じて取り外し交換自在な上、比較的柔軟な化粧料を充
填できるカートリッジを具える、化粧料容器を得ようと
するものである。

（課題を解決するための手段） そのために、化粧料をパイプ先端開口部より溶融充填し
固化せしめて、カートリッジ体内に内挿すると共に、上
記パイプ内に内蔵された芯チャックに、容器内方に配さ
れた摺動軸先端を嵌着、連接し、上記パイプにはＯリン
グが周設される尾栓を固着し、上記芯チャック後方に固
着された中皿には空気抜き孔を設け、更にはカートリッ
ジ体先端を覆うキャップには上記カートリッジ体を気密
に閉鎖する中栓を具えてなるものである。

（作用） 上記の構成を具えるので、容器内を前後退できるように
配される摺動軸が、カートリッジ体の芯チャックに嵌着
連接されることにより、摺動軸の後方よりの押出に応じ
て、芯チャックを介し化粧料をカートリッジ内より突出
させることができ、また摺動軸を後退させることによ
り、芯チャックと共に化粧料をカートリッジ内へ没入、
収納し、必要に応じ細太異種化粧料を交換することがで
きるとともに、化粧料を収容するカートリッジ体の前方
はキャップの中栓により、後方は尾栓のＯリングと摺動
軸の密接により密封して化粧料の変質を防止し、化粧料
は中皿に設ける空気抜き孔によりカートリッジ体内に容
易にかつ完全に充填できる上、化粧料容器の衛生管理を
完全にできるものである。

（実施例） この発明を図に示す実施例により更に説明する。第１図
はこの発明の実施例である化粧料容器（１）の断面図で
ある。この化粧料容器はカートリッジ体（14）と容器
（３）から構成され、容器（３）の内方には従来周知の
押出、繰出機構により可能な摺動軸（５）が設けられ、
この摺動軸（５）の先端には、エートリッジ体（14）を
容器（３）に充填したとき、係合する係合体（６）がそ
の後方に設ける係止溝（７）と共に配設されている。一
方カートリッジ体（14）は、筒体（２）内にパイプ（1
7）先端開口部より化粧料（４）を溶融、充填、固化さ
せたものが内挿され、この化粧料（４）の後半は、芯チ
ャック（９）の中央部に付設した周リブ（16）により抜
けを防止して一体的に係止されている。この芯チャック
（９）の後方には中皿（19）が嵌合され、この中皿（1
9）には化粧料（14）を充填する時の空気抜きをする空
気抜き孔（15）が設けられ、この孔（15）は特に化粧料
（４）の径が小さい場合、充填に当りこの孔（15）より
反対側へ吸引することにより充填を完全にすることがで
きる。芯チャック（９）は後半部に若干個の爪片（12）
を周設し、その爪片（12）先端に係合突起を設けて、係
合部（６）を接合係止する。

この発明の実施例は以上の構成によりなるので、容器
（３）にカートリッジ体（14）を装填すると、容器
（３）内に設けられている摺動軸（５）の段部（８）が
爪片（12）後端を押し、カートリッジ体（14）内で芯チ
ャック（９）を前進させ、このとき、芯チャック（９）
の爪片（12）の外方に設けた突起がカートリッジ体内の
内壁にパイプ（17）と尾栓（22）により形成された段差
により爪片（12）後端内方に設けた係合突起が摺動軸
（５）の先端に設けた係止溝（７）に係合する。そし
て、芯チャック（９）と摺動軸（５）が連設することと
なり、摺動軸（５）の前進によっては段部（８）が爪片
（12）を押圧すると共に、芯チャック（９）に付設した
周リブ（16）により一体的に係止される化粧料（４）を
筒体（２）外へ突出させ、その化粧料により化粧をする
ものである。また摺動軸（５）の後退により芯チャック
（９）の爪片（12）に係合する係合体（６）が容器
（３）内に没入することとなるため、芯チャック（９）
に係止される化粧料（４）は筒体（２）内へ収納される
ものであり、更に係合体（６）を後退されて爪片（12）
との結合を解くことにより、カートリッジ体（14）を容
器より取り外すこともできる。なお、あらかじめハイプ
（17）内に離型剤を塗付しておけば、使用に当り、化粧
料とパイプとの分離が容易である。

ここで、パイプ（17）に化粧料（４）を充填するには、
あらかじめパイプ（17）に芯チャック（９）と尾栓（1
1）を取付けた状態で化粧料（４）を充填、固化させた
上で、筒体（２）中へ挿嵌するものである。これは筒体
（２）外表面に装飾などを付ける場合、化粧料表面が汚
されないもので化粧料を衛生的に管理できるものであ
る。そこで、パイプ（17）の内径と芯チャック（９）の
外径をほぼ同一としても、芯チャック（９）はパイプ
（17）内で摺動自在となるものである。なお、芯チャッ
ク（９）の前端には、芯チャックの厚み分の縮径による
折損防止のため、切込み（18）を設けてもよい。芯チャ
ック（９）内には空気抜き孔（15）を設けた中皿（19）
が固着され、空気抜き孔（15）を細孔にすることにより
吸引充填時において、粘性のある溶融化粧料は細孔部分
で粘性抵抗のため停止する。

特に、揮発性成分を含んだ化粧料（４）を充填したカー
トリッジ体（14）の場合、カートリッジ体（14）を容器
（３）に装填した状態時点で摺動軸（５）は尾栓（11）
に周設されたＯリング（22）によってカートリッジ体
（14）後方の密閉性が保持され、さらに中栓（26）をキ
ャップ（21）内に設けられることにより、カートリッジ
体（14）の先端を密閉することにより、化粧料（４′）
内に含まれる揮発成分の発散を防止しできるものであ
る。また、揮発性成分を含む化粧料を内蔵するカートリ
ッジ単体の状態においては、その前後開口部を蓋をする
か、全体をアルミ箔等を用いて密封することにより、成
分の発散を防止することができる。その上、この化粧料
容器（１）の摺動軸（５）は、その後端に具えられる突
起（24）がネジ筒（27）のネジ（23）に嵌合して、前進
後退するものである。なお、（28）はカートリッジ体
（14）の筒体（２）を保持し、後部において周知の繰出
機構に連結された継手である。

（発明の効果） 以上のとおり、化粧料を溶融した後、係合部を具える芯
チャック、中皿、パイプと共にカートリッジ体に充填、
固化させ、しかも、空気抜き孔を通じて空気を抜いて完
全に化粧料を充填させることができる。特に揮発性化粧
料の場合は、カートリッジ体内の化粧料を前方はキャッ
プの中栓により、後方は摺動軸と密接するＯリングを具
える尾栓により完全に外部から遮断して揮発、変質を防
ぐことができる。さらには、あらかじめパイプ内に化粧
料を完全に充填して全工程中、手指による化粧料への接
触なしに化粧料容器を衛生的に製造できる等の優れた効
果をもつものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の実施例の断面図である。 １……化粧料容器、２……筒体、３……容器、４……化
粧料、５……摺動軸、６……係合体、７……係止溝、８
……段部、９……芯チャック、10……筒、11……尾栓、
12……爪片、13……係合突起、14……カートリッジ体、
15……空気抜き孔、16……周リブ、17……パイプ、19…
…中皿、21……キャップ、22……Ｏリング

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭58−71319（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−75810（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−133909（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】軸方向に空気抜き孔を有する中皿を後方に
   固着した芯チャックを内蔵し、後端にはＯリングを周設
   した尾栓を固着したパイプの先端開口部より化粧料を溶
   融充填し固化せしめて、筒体に挿嵌してカートリッジ体
   とし、このカートリッジ体を装着する容器内には前記芯
   チャックと嵌着連設し前後退可能な摺動軸を設け、更
   に、上記容器に嵌挿するカートリッジ体先端が気密に閉
   鎖される中栓を具えるキャップを有する化粧料容器。