JPH0755417B2 - 鋳型の加工機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、鋳型（中子）のバリ取りとガス抜穴の穴明
け作業とを行なう鋳型の加工機に関するものである。

〔従来の技術〕

鋳型造型機によって造型された鋳型には、不可欠的にバ
リが発生する。

このバリを除去するバリ取り機の従来技術としては、特
開昭58−212836号公報のように架台フレームの中間位置
にポールをガイドとしてシリンダの作用により昇降する
中子バリ取り装置が設けられていて、この中子バリ取り
装置の直下にパレットが送り込まれると、上記中子バリ
取り装置が降下し、次いで片方移動板ともう片方移動板
との逆方向移動により張設ワイヤを中子のバリ発生部位
に当接させて、上記ワイヤをくの字状、逆くの字状に屈
曲変形する。

そして変形状態を維持させて中子バリ取り装置の上下動
によりワイヤによってバリを削り取る。

また、鋳型にガス抜穴を加工する場合、単軸成は多軸の
ポール盤を用いて行なう。

さらに、ブロー跡はハンドグラインダやヤスリ等を用い
て手作業で除去する。

〔発明が解決しようとする課題〕

くの字状に屈曲変形させたワイヤによりバリを取るの
で、凹入部を有する複雑な形状の鋳型にあってはバリを
取ることができない問題があった。

また、バリ取り後の鋳型をボール盤の治具に供給して穴
明け加工し、さらに別の治具に鋳型を供給してブロー跡
除去作業を行なうので、バリ取り加工、穴明け加工、ブ
ロー跡除去が別々になり、鋳型の移動、供給及び取り下
ろし等で著しく能率が低下する問題があった。

そこで、この発明は１個所でバリ取り加工と穴明け加工
及びブロー跡除去加工とができるようにした鋳型の加工
機を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、第１の発明は、上面の治
具に供給された鋳型を支持し、この鋳型を鋳型供給位置
と鋳型加工位置の間で移送する移送装置と、鋳型加工位
置に停止する鋳型の近接位置に配置され、多関節アーム
の先端に鋳型のバリ取り用回転刃を有するロボットと、
鋳型加工位置に停止する鋳型に対して各々進退動自在に
配置されたドライブ機能付の所要数のブロー跡切断カッ
ター及び穴明けドリルとからなる構成を採用したもので
ある。

同第２の発明は、上面に少なくとも三個の鋳型支持用の
治具が設けられ、この治具上に支持した鋳型を鋳型供給
位置と鋳型加工位置の間で移送する移送装置と、鋳型加
工位置に停止する鋳型の近接位置で鋳型の移送方向に対
する一方側方に配置され、多関節アームの先端に鋳型の
バリ取り用回転刃を有する二台のロボットと、鋳型加工
位置に停止する鋳型の移送方向に対する他方側方に各々
配置され、鋳型の並列方向に沿う横移動と鋳型に対する
進退動が自在となる、ドライブ機能付の所要数のブロー
跡切断カッター及びガス抜穴の穴明けドリルとからなる
構成を採用したものである。

〔作用〕

治具に供給した鋳型を移送装置により加工位置迄移送
し、そしてロボットを数値制御して多関節アームの先端
回転刃により鋳型のバリ取り作業を行なう。

上記バリ取り作業の終了後にカッタ及びドリルを前進さ
せながら、上記カッタにより鋳型の上面に突出するブロ
ー跡を切断し、かつドリルにより鋳型にガス抜穴を穴明
け加工する。

上記の加工後にカッタ及びドリルを後退させ、そして治
具上の加工ずみ鋳型を取下ろす。

また、三個或はそれ以上の治具にそれぞれ供給した鋳型
を移送装置により加工位置まで移送する。次いで、二台
のロボットをそれぞれ数値制御して多関節アームの先端
回転刃により二個の鋳型のバリ取り作業を行なう。

このとき、バリ取り作業の行なわれない鋳型に横移動さ
せて対向させたカッタ及びドリルを前進させながら、上
記カッタにより鋳型に突出するブロー跡を切断し、かつ
ドリルにより鋳型にガス抜穴を穴明け加工する。

上記の切断及び穴明け加工が終了したのち、後退させ
る。

また、一方のロボットによるバリ取り作業を続行し、か
つ他方のロボットによるバリ取り作業を（半周のバリ取
り作業が終了している）中断し、そして中断したロボッ
トの回転刃により上記切断及び穴明け加工の終了ずみ鋳
型のバリ取り作業を開始する。

上記後退させたカッタ及びドリルは、半周のバリ取り加
工を施こした鋳型に対向するよう横移動させ、次いで前
進させながらカッタによりブロー跡を切断し、かつドリ
ルにより鋳型にガス抜穴を穴明け加工する。

上記の切断及び穴明け加工が終了したのち、後退させ
る。

このとき、一方のロボットによるバリ取り加工が終了し
ているので、上記一方のロボットの回転刃により半周の
バリ取りずみ鋳型のバリ取りを行なう。

また、他方のロボットによるバリ取り作業は、半周終了
しており、残る半周のバリ取り作業を続行する。

しかして、上記後退させたカッタ及びドリルを全周のバ
リ取り作業の終了鋳型に対向するよう横移動させ、次い
で前進させながら、カッタによりブロー跡を切断し、か
つドリルにより鋳型にガス抜穴を穴明け加工する。

なお、上記切断及び穴明け加工の終了したカッタ及びド
リルは、後退させる。

上記の後退終了時には、残る二個の鋳型のバリ取り作業
が終了しており、両ロボットの運転を止める。

〔実施例〕

以下、この発明に係る実施例を添付図面に基づいて説明
する。

図において、１は上面に鋳型Ａ支持用の治具２を有し、
かつ上記治具２に供給された鋳型Ａを移送するよう設け
た移送装置である。

又移送供給位置の前方で停止した鋳型Ａの付近には、多
関節アーム３の先端にバリ取り回転刃４を有するロボッ
ト５が設けられている。

前記の移送装置１は、図示の場合下面の中心支軸６を軸
受７により軸承したテーブル８と、この支軸６に固着し
てあるピニオン９に噛み合うラック10を進退させるよう
設けられたシリンダ11とで構成され、まず、テーブル８
の周縁上に所定の間隔を存して配置してある治具２に１
個所から鋳型Ａを供給し、次いでシリンダ11の伸長作用
によりラック10を前進させながらピニオン９をドライブ
してテーブル８を180゜回転させる。

その後に数値制御により多関節アーム３を作用させ、か
つモーター12により回転刃４をドライブさせて鋳型Ａの
バリ取り作業を行なう。

さらに、テーブル８の上方は、バリ取り前或はバリ取り
後に鋳型Ａの上面に残るブロー跡ａを切断するドライブ
機能付の切断用カッタ13と、上記鋳型Ａの周側面巾木
ａ′にガス抜穴（図示省略）を穴明け加工するドライブ
機能付のドリル14とが進退自在に設けられている。

上記のカッタ13は図示の場合左右に二枚配置され、ドリ
ル14は図示の場合四個の巾木ａ′に同時にガス抜穴を穴
明け加工するよう四本並列し、また上記カッタ13及びド
リル14の据え付けプレート15の両端から突出するガイド
軸16をテーブル８を跨ぐ門型フレーム17の筒状体18にス
ライド自在に貫通させて進退ガイドし、フレーム17に支
持させたシリンダ19の伸長作用によりプレート15と共に
カッタ13及びドリル14を前進させながら、ブロー跡の切
断と穴明けとを同時に行なうようにしたが、別々に作用
させてもよい。

なお、加工後の鋳型Ａは、テーブル８を180゜逆回転さ
せて取下ろす。

このとき、治具２に供給された加工前の鋳型Ａは、加工
位置に送られる。

また、第１図及び第２図に示すようにテーブル８の中心
線を挾む両側に三個一組の治具２をそれぞれ並べ、加工
位置の両側に二台のロボット５、５を配置し、フレーム
17に対しモーター20の運転により中心支軸６と同軸上の
旋回支軸21を回動させて上記カッタ13及びドリル14の据
え付け板22を旋回自在とすると、まず第３図に示すよう
に三個の治具２にそれぞれ鋳型Ａを供給したのち、テー
ブル８を180゜回転させて第４図に示すように加工位置
に鋳型Ａを送り込む。

次いで、両ロボット５、５を数値制御して多関節アーム
３の先端回転刃４により第５図に示すように片側と中間
鋳型Ａのバリ取り作業を行なう。

モーター20の運転により据え付け板22を旋回させてバリ
取り作業の行なわれていない鋳型Ａに第５図に示すよう
にカッタ13及びドリル14を対向させ、然るのちシリンダ
19の伸長作用により上記カッタ13及びドリル14を前進さ
せながら、カッタ13によりブロー跡ａを切断し、ドリル
14により巾木ａ′にガス抜穴を穴明け加工する。

その後にシリンダ19の収縮作用によりカッタ13及びドリ
ル14を後退させる。

また、一方のロボット５により片側鋳型Ａのバリ取り作
業を続行し、かつ他方のロボット５による鋳型Ａのバリ
取り作業を半周で中断し、そして中断したロボット５の
回転刃４により第６図に示すようにブロー跡の切断及び
穴明け加工ずみのもう片側の鋳型Ａのバリ取り作業を開
始する。

上記後退させたカッタ13及びドリル14は、半周のバリ取
りを施こした鋳型Ａに対向するよう（第６図に示すよう
に）モーター20を運転して旋回させ、次いでシリンダ19
の伸長作用により前進するカッタ13によりブロー跡ａを
切断し、かつドリル14により巾木ａ′にガス抜穴の穴明
け加工する。

上記の切断及び穴明け加工の終了したカッタ13及びドリ
ル14は、シリンダ19を収縮作用させて後退させる。

このとき、一方のロボット５による片側鋳型Ａのバリ取
り加工が終了しているので、第７図に示すように上記一
方のロボット５の回転刃４により半周のバリ取りずみ鋳
型Ａのバリ取りを行なう。

また、他方のロボット５によるバリ取り作業は、半周終
了しており、残る半周のバリ取り作業を行なう。

しかして、モーター20の運転により旋回させたカッタ13
及びドリル14を全周のバリ取り作業の終了ずみ片側の鋳
型Ａに対向（第７図に示すように）させ、次いでシリン
ダ19の伸長作用により前進させて上記カッタ13によりブ
ロー跡ａを切断し、かつドリル14により巾木ａ′にガス
抜穴の穴明け加工する。

なお、上記の切断及び穴明け加工の終了したカッタ13及
びドリル14は、シリンダ19を収縮作用させて後退させ
る。

上記の後退終了時には、残る二個の鋳型Ａのバリ取り作
業が終了しており、両ロボット５、５の運転を止める。

第８図はテーブル８を180゜回転させて、加工ずみ鋳型
Ａと未加工の鋳型Ａとを入れ替えた状態を示す。

なお、治具２を三個以上、例えば四個を一組とした場
合、二台のロボット５、５により二個の鋳型Ａの全周バ
リ取り作業を行ない、その間に残る二個の鋳型Ａのブロ
ー跡ａの切断と巾木ａ′のガス抜穴の穴明け加工を行な
う、上記の加工終了後バリ取り終了ずみ二個の鋳型Ａの
ブロー跡切断及び巾木ａ′にガス抜穴の穴明けを施こ
し、ブロー跡ａの切断及びガス抜穴の加工ずみ二個の鋳
型Ａのバリ取り作業の二台のロボット５、５を運転して
行なう。

また、上記テーブルにかえてチェンコンベヤ等で鋳型を
移送するようにしてもよい。

このとき、カッタ及びドリルは、鋳型移送方向に往復移
動させる。

〔効果〕

以上のように、この発明に係る鋳型の加工機によれば、
鋳型のバリ取り作業とブロー跡の切断及びガス抜穴の穴
明け作業とを１個所で行なうので、著しく作業の能率向
上をはかることができる。

また、カッタ及びドリルを各治具の鋳型に対向するよう
横移動させると共に、二台のロボットを配置してあるの
で、作業時間に無駄のない加工ができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明に係る実施の一例を示すもので、第１図
は正面図、第２図は同平面図、第３図から第８図迄は加
工工程を示す平面図である。 Ａ……鋳型、ａ……ブロー跡、 ａ′……巾木、１……移送装置、 ２……治具、３……多関節アーム、 ４……回転刃、５……ロボット、 ６……支軸、７……軸受、 ８……テーブル、９……ピニオン、 10……ラック、11……シリンダ、 12……モーター、13……カッタ、 14……ドリル、15……プレート、 16……ガイド軸、17……フレーム、 18……筒状体、19……シリンダ、 20……モーター、21……旋回支軸、 22……据え付け板。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上面の治具に供給された鋳型を支持し、こ
   の鋳型を鋳型供給位置と鋳型加工位置の間で移送する移
   送装置と、鋳型加工位置に停止する鋳型の近接位置に配
   置され、多関節アームの先端に鋳型のバリ取り用回転刃
   を有するロボットと、鋳型加工位置に停止する鋳型に対
   して各々進退動自在に配置されたドライブ機能付の所要
   数のブロー跡切断カッター及び穴明けドリルとからなる
   鋳型の加工機。
2. 【請求項２】上面に少なくとも三個の鋳型支持用の治具
   が設けられ、この治具上に支持した鋳型を鋳型供給位置
   と鋳型加工位置の間で移送する移送装置と、鋳型加工位
   置に停止する鋳型の近接位置で鋳型の移送方向に対する
   一方側方に配置され、多関節アームの先端に鋳型のバリ
   取り用回転刃を有する二台のロボットと、鋳型加工位置
   に停止する鋳型の移送方向に対する他方側方に各々配置
   され、鋳型の並列方向に沿う横移動と鋳型に対する進退
   動が自在となる、ドライブ機能付の所要数のブロー跡切
   断カッター及びガス抜穴の穴明けドリルとからなる鋳型
   の加工機。