JPH075494B2 - プロスタグランジン類 - Google Patents

プロスタグランジン類

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JPH075494B2
JPH075494B2 JP61098926A JP9892686A JPH075494B2 JP H075494 B2 JPH075494 B2 JP H075494B2 JP 61098926 A JP61098926 A JP 61098926A JP 9892686 A JP9892686 A JP 9892686A JP H075494 B2 JPH075494 B2 JP H075494B2
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茂雄 雨宮
和男 小山
宜芳 岩田
武史 大島
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C405/00Compounds containing a five-membered ring having two side-chains in ortho position to each other, and having oxygen atoms directly attached to the ring in ortho position to one of the side-chains, one side-chain containing, not directly attached to the ring, a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, and the other side-chain having oxygen atoms attached in gamma-position to the ring, e.g. prostaglandins ; Analogues or derivatives thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07C405/005Analogues or derivatives having the five membered ring replaced by other rings
    • C07C405/0075Analogues or derivatives having the five membered ring replaced by other rings having the side-chains or their analogues or derivatives attached to a condensed ring system
    • C07C405/0083Analogues or derivatives having the five membered ring replaced by other rings having the side-chains or their analogues or derivatives attached to a condensed ring system which is only ortho or peri condensed, e.g. carbacyclins
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
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  • Organic Chemistry (AREA)
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 本願発明は、優れた血小板凝集阻害作用等を有する新規
なプロスタグランジン類及びその薬理上許容される塩に
関する。
最近、強力な血小板凝集阻害作用を有するプロスタサイ
クリン(PGI2)が発見されてその生理作用が注目され、
数多くのグループによつてその類縁化合物の研究がなさ
れ、優れた作用を有するとともに、化学的に安定なカル
バサイクリン誘導体が見出されている(例えば、特開昭
54−95552号公報及び特開昭54−117450号公報)。
本願発明者等は、カルバサイクリン誘導体の合成及び薬
理活性について、長年に亘り、鋭意研究を行つた結果、
α−側鎖に特異な構造を有するプロスタグランジン類
が、活性が強く、持続性も高い優れた血小板凝集阻害作
用、血管拡張作用、気管支拡張作用、抗潰瘍作用、細胞
保護作用(特に、強い血小板凝集阻害作用、抗潰瘍作
用)等を示すこと及び活性化合物の合成のための重要中
間体であることを見出して本発明を完成させた。
〔発明の構成〕
本願発明に係る新規化合物は、一般式 を有する。
上記式中、 R1は、保護されていてもよいカルボキシ基、テトラゾリ
ル基、置換されていてもよいカルバモイル基、保護され
ていてもよいホルミル基、保護されていてもよいヒドロ
キシメチルカルボニル基又は保護されていてもよいヒド
ロキシメチル基を示し、 R2及びR3は、同一又は異なつて水素原子若しくはC1〜C4
のアルキル基を示すか又はそれらが結合している炭素原
子と共に形成する3乃至7員環のシクロアルキル基を示
し、 R4及びR5は、同一又は異なつて水素原子又は水酸基の保
護基を示し、 R6は、水素原子又はC1〜C4のアルキル基を示し、 R7は、置換されていてもよいアルキル基、置換されてい
てもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルキニ
ル基又は式‐D-R8を有する基〔式中、Dは単結合又は酸
素原子、硫黄原子、C3〜C7の環状アルキレン基若しくは
ビニレン基を含んでいてもよいC1〜C6のアルキレン基
(直鎖又は分枝状)を示し、R8は、置換されていてもよ
いC3〜C10のシクロアルキル基、C5〜C10のシクロアルケ
ニル基、アリール基、ヘテロシクリル基又はヘテロアリ
ール基を示す。〕を示し、 Aは、単結合、弗素原子を含んでいてもよいC1〜C7の直
鎖状アルキレン基、式‐CH=CH-(CH2)n‐を有する基
(式中、nは0乃至5の整数を示す。なお、左端の結合
でR1と結合している。以下同じ。)又は式‐(CH2)p‐E-
(CH2)qを有する基(式中、pは0乃至3の整数を示し、
qは1乃至3の整数を示し、Eは酸素原子又は硫黄原子
を示す。)を示し、 Bは、エチレン基、ビニレン基又はエチニレン基を示
し、 点線を含む結合は、2位又は3位の二重結合を示す。
R1のカルボキシ基の保護基としては、通常使用されるカ
ルボキシ基の保護基なら特に限定されないが、例えばメ
チル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、
t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オ
クチル、n-ノニル、n-デシルのようなC1〜C10のアルキ
ル基;後述するC3〜C7シクロアルキル基;ベンジル、p-
ブロモベンジルのようなアラルキル基;フエニル、トリ
ル、ベンゾイルアミノフエニルのようなC1〜C4のアルキ
ル、アシルアミノで置換されていてもよいフエニル基;
ベンツヒドリル基;フエナシル基又はゲラニル基をあげ
ることができ、好適にはC1〜C10のアルキル基である。
R1の置換されてもよいカルバモイル基としては、カルバ
モイル基又はモノ若しくはジ置換カルバモイル基をあげ
ることができ、その置換基としては、例えばメチル、エ
チル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルのような炭
素数1乃至4個のアルキル基(以下、C1〜C4のアルキル
基という)、フエニル、トリルのような置換されていて
もよいフエニル基、アセチル、トリフルオロアセチル、
ベンゾイルのようなアシル基又はメタンスルホニル、エ
タンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p-トルエンスル
ホニルのようなC1〜C4のアルカン若しくはアリールスル
ホニル基をあげることができるが、好適にはカルバモイ
ル基又はメタンスルホニルカルバモイル基であり、特に
好適にはメタンスルホニルカルバモイル基である。
R1のホルミル基の保護基又は後述するR7に含まれるアシ
ル基の保護基としては、通常使用されるホルミル基の保
護基なら特に限定されないが、例えば を有する基(式中、R9はC1〜C4のアルキル基を示し、T
はエチレン、プロピレン、トリメチレン、ブチレン、テ
トラメチレン、2,2-ジメチルトリメチレンのようなC2
C5のアルキレン基を示し、Gは酸素原子又は硫黄原子を
示す。)を有する基をあげることができるが好適にはG
が酸素原子を示す基である。
R1のヒドロキシメチル基の保護基、R4若しくはR5の水酸
基の保護基又は後述するR7に含まれる水酸基の保護基と
しては、通常使用される水酸基の保護基なら特に限定さ
れないが、例えばアセチル、プロピオニル、ブチリル、
イソブチリル、バレリル、ベンゾイル、ナフトイルのよ
うなC2〜C5の脂肪族若しくは芳香族アシル基;ベンジ
ル、p-ニトロベンジル、p-メトキシベンジルのようなア
ラルキル基;2-テトラヒドロピラニル、2-テトラヒドロ
フラニル、4-メトキシテトラヒドロピラン‐4-イル、2-
テトラヒドロチオピラニルのようなアルコキシ基を置換
分として有するか有しない環内に酸素原子又は硫黄原子
を含有する5乃至6員環状の複素環基;メトキシメチ
ル、メチルチオメチル、エトキシメチル、ベンジルオキ
シメチルのようなアルコキシ基、アルキルチオ基若しく
はアラルキルオキシ基を置換分として有するメチル基;1
-メトキシエチル、1-エトキシエチルのような1-アルコ
キシエチル基;トリメチルシリル、トリエチルシリル、
トリn-プロピルシリル、t-ブチルジメチルシリル、ジフ
エニルt-ブチルシリルのようなトリC1〜C4のアルキル若
しくはジアリール‐C1〜C4アルキルシリル基又はトリチ
ル基をあげることができ、好適にはR1におけるヒドロキ
シメチル基の保護基がアラルキル基であり、R4及びR5
水酸基の保護基が2-テトラヒドロピラニル基又は2-テト
ラヒドロフラニル基であり、R7に含まれる水酸基の保護
基がトリ置換シリル基である。
R2及びR3が、それらと結合している炭素原子と共に形成
する3乃至7員環のシクロアルキル基としては、例え
ば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル又はシクロヘプチルをあげることができ
る。
R7の置換されてもよいアルキル基のアルキル部分として
は例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、
n-ブチル、イソブチル、n-ペンチル、イソペンチル、1-
メチルペンチル、2-メチルペンチル、n-ヘキシル、n-ヘ
プチル、1,1-ジメチルペンチル、1-メチルヘキシル、2-
メチルヘキシル、2-エチルペンチル、n-オクチル、2-メ
チルオクチル、n-ノニル、2-メチルノニル、2-エチルオ
クチル、n-デシル、2-メチルデシルまたは2-エチルデシ
ルのようなC1〜C12のアルキル基をあげることができ、
好適にはC3〜C10のアルキル基、例えばイソプロピル、n
-ブチル、イソブチル、n-ペンチル、イソペンチル、1-
メチルペンチル、2-メチルペンチル、n-ヘキシル、n-ヘ
プチル、1,1-ジメチルペンチル、1-メチルヘキシル、2-
メチルヘキシル、2-エチルペンチル、n-オクチル、2-メ
チルオクチルまたは2-エチルオクチル基であり、さらに
好適にはn-ペンチル、1-メチルペンチル、n-ヘキシル、
1,1-ジメチルペンチル、1-メチルヘキシル基または2-メ
チルヘキシル基である。
R7の置換されてもよいアルキル基、アルケニル基若しく
はアルキニル基の置換分としては、例えば弗素、塩素、
臭素のようなハロゲン原子、メトキシ、エトキシ、n-プ
ロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシのようなC1〜C4
アルコキシ基、保護されていてもよい水酸基又はアセチ
ル、プロピオニル、ベンゾイルのようなアシル基をあげ
ることができ、好適には、弗素原子、塩素原子又はメト
キシ基である。
R7の置換されていてもよいアルケニル基のアルケニル部
分としては、1-ブチルビニル、アリル、2-プロピルアリ
ル、2-ブテニル、2-ペンテニル、4-ペンテニル、2-メチ
ル‐3-ペンテニル、4-メチル‐3-ペンテニル、1-メチル
‐4-ペンテニル、1,1-ジメチル‐4-ペンテニル、4-ヘキ
セニル、5-ヘキセニル、1,4-ジメチル‐3-ペンテニル、
5-ヘプテニル、1-メチル‐5-ヘキセニル、1,1-ジメチル
‐5-ヘキセニル、6-メチル‐5-ヘプテニル、2,6-ジメチ
ル‐5-ヘプテニル、1,1,6-トリメチル‐5-ヘプテニル、
6-メチル‐5-オクテニル、2,6-ジメチル‐5-オクテニ
ル、6-エチル‐5-オクテニル、2-メチル‐6-エチル‐5-
オクテニル、2,6-ジエチル‐5-オクテニルのようなC3
C12のアルケニル基をあげることができ、好適にはC5〜C
9のアルケニル基、例えば、1-ブチルビニル、2-プロピ
ルアリル、2-ペンテニル、4-ペンテニル、2-メチル‐3-
ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1-メチル‐
4-ペンテニル、1,1-ジメチル‐4-ペンテニル、4-ヘキセ
ニル、5-ヘキセニル、1,4-ジメチル‐3-ペンテニル、5-
ヘプテニル、1-メチル‐5-ヘキセニル、1,1-ジメチル‐
5-ヘキセニル、6-メチル‐5-ヘプテニル、2,6-ジメチル
‐5-ヘプテニルである。
R7の置換されていてもよいアルキニル基のアルキニル部
分としては、例えばプロパルギル、2-ブチニル、2-ペン
チニル、3-ペンチニル、1-メチル‐2-ブチニル、2-ヘキ
シニル、1-メチル‐2-ペンチニル、1-メチル‐3-ペンチ
ニル、1,1-ジメチル‐2-ペンチニル、1,1-ジメチル‐3-
ペンチニル、1,1-ジメチル‐2-ヘキシニル、1-メチル‐
3-ヘキシニルのようなC3〜C8のアルキニル基をあげるこ
とができ、好適にはC4〜C7のアルキニル基、例えば2-ブ
チニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、1-メチル‐2-ペ
ンチニル、1-メチル‐3-ヘキシニルまたは1-メチル‐3-
ペンチニル基であり、さらに好適には1-メチル‐3-ペン
チニル基である。
R7におけるDの酸素原子、硫黄原子、C3〜C7の環状アル
キレン基若しくはビニレン基を含んでいてもよいC1〜C6
のアルキレン基(直鎖又は分枝状)としては、例えば、
メチレン、エチレン、メチルメチレン、トリメチレン、
ジメチルメチレン、テトラメチレン、1-メチルトリメチ
レン、1,1-ジメチルエチレン、ペンタメチレン、1,1-ジ
メチルトリメチレン、ヘキサメチレン、オキシメチレン
(‐CH2‐O-)、チオメチレン(‐CH2‐S-)、メチレン
オキシメチレン(‐CH2‐O-CH2‐)、アリレン(‐CH2
‐CH=CH-)、1,1-エチレンメチレン、1,1-エチレンエ
チレンをあげることができるが、好適には、酸素原子又
は硫黄原子を含んでもよいC1〜C4のアルキレン基、例え
ばメチレン、エチレン、メチルメチレン、トリメチレ
ン、ジメチルメチレン、オキシメチレン又はチオメチレ
ンである。
R8の置換されてもよいC3〜C10シクロアルキル基として
は、例えばシクロプロピル、1-n-ペンチルシクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、3-エチルシクロペ
ンチル、シクロヘキシル、3-プロピルシクロヘキシル、
4-メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ
〔4.3.0〕ノナン‐7-イル、アダマンチルのようなC1〜C
6のアルキル基を置換分として有してもよく、縮環して
もよいC3〜C10のシクロアルキル基をあげることがで
き、好適にはシクロペンチル基又はシクロヘキシル基で
ある。
R8のC5〜C10のシクロアルケニル基としては、例えば、1
-シクロペンテニル、2-シクロペンテニル、3-シクロペ
ンテニル、2-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、
4-シクロヘキセニル、ビシクロ〔4.3.0〕‐7-ノネン‐9
-イルのような縮環してもよいC5〜C10のシクロアルケニ
ル基をあげることができ、好適には、2-シクロヘキセニ
ル基である。
R8のアリール基としては、フエニル、o-トリル、m-トリ
ル、p-トリル、p-エチルフエニル、m-n-プロピルフエニ
ル、m-メトキシフエニル、p-メトキシフエニル、o-エト
キシフエニル、o-フルオロフエニル、m-フルオロフエニ
ル、p-フルオロフエニル、m-クロルフエニル、p-クロロ
フエニル、p-ブロモフエニル、p-トリフルオロメチルフ
エニル、3,4-ジメチルフエニル、3-フルオロ‐4-メチル
フエニル、2,4-ジクロロフエニルのようなC1〜C4アルキ
ル、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン原子又はトリフルオロ
メチルを1乃至2個置換分として有してもよいフエニル
基をあげることができるが、好適にはメチル、弗素原
子、塩素原子、又はトリフルオロメチルで置換されても
よいフエニル基であり、さらに好適にはフエニル基であ
る。
R8のヘテロシクリル基としては、例えば、テトラヒドロ
フリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオフエ
ニル、ピロリジニル、ピペリジル、モルホリニル、モル
ホリノのような酸素、硫黄又は/及び窒素原子を含有す
る5乃至6員複素環基をあげることができるが、好適に
は、2-テトラヒドロフリル基又は2-テトラヒドロピラニ
ル基である。
R8のヘテロアリール基としては、例えば、フリル、チオ
フエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソ
オキサゾリル、ピリジルのような酸素、硫黄又は/及び
窒素原子を含有する5乃至6員環状芳香複素環基をあげ
ることができるが、好適には、2-チオフエニル基又は3-
チオフエニル基である。
Aの弗素原子を含んでいてもよいC1〜C7の直鎖状アルキ
レン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメ
チレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチ
レン、ヘプタメチレン、1,1-ジフルオロトリメチレン
(‐CF2‐CH2CH2‐)、2,2-ジフルオロトリメチレン
(‐CH2CF2CH2‐)、3,3-ジフルオロトリメチレン(‐C
H2CH2CF2‐)をあげることができる。
Aは、好適には、単結合、弗素原子を含んでいてもよい
C1〜C7の直鎖状アルキレン基、‐CH=CH-CH2‐又は式‐
(CH2)p‐E-(CH2)q‐を有する基(式中、pは0乃至3の
整数であり、qは1乃至3の整数であり、Eは、酸素原
子又は硫黄原子である。)であり、さらに好適には、単
結合、C1〜C5の直鎖状アルキレン基又は‐(CH2)p‐E-(C
H2)q‐を有する基(式中、pは0乃至3の整数であり、
qは1乃至3の整数であり、Eは、酸素原子である。)
である。
R2及びR3は、好適には同一又は異なつて水素原子又はC1
〜C4のアルキル基である。
R6は好適には、水素原子又はメチル基である。
Bは、好適にはトランス‐ビニレン基である。
点線を含む結合は、好適には2位の二重結合である。
本発明の前記一般式(I)を有する化合物のうち、R1がカ
ルボキシ基である化合物は必要に応じ薬理上許容される
塩の形にすることができる。薬理上許容される塩の形と
しては例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カ
ルシウムのようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属
の塩;アンモニウム塩;テトラメチルアンモニウム、テ
トラエチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニ
ウム、フエニルトリエチルアンモニウムのような第四級
アンモニウム塩;メチルアミン、エチルアミン、ジメチ
ルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、N-メチルヘキシルアミン、シクロペンチル
アミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジ
ベンジルアミン、α‐フエニルエチルアミン、エチレン
ジアミンのようなアルキル、シクロアルキル又はアラル
キルアミンの塩;ピペリジン、モルホリン、ピロリジ
ン、ピペラジン、ピリジン、1-メチルピペラジン、4-エ
チルモルホリンのような複素環式アミンおよびそれらの
C1〜C4のアルキル誘導体の塩;モノエタノールアミン、
エチルジエタノールアミン、2-アミノ‐1-ブタノールの
ような親水性の基を含むアミンの塩等をあげることがで
きる。
又、本願発明の化合物(I)はα‐,β‐,γ‐サイクロ
デキストリンのようなホスト化合物と包接化合物を形成
させ、使用することもできる。
なお、前記一般式(I)を有する化合物において、シクロ
ペンタン環及びその側鎖の不斉炭素に基づく光学異性
体、R7がアルケニル基である場合における二重結合に基
づく幾何異性体並びにシクロペンテン環内の二重結合に
基づく等の位置異性体が存在する。従つて前記一般式
(I)を有する化合物がこれらの立体異性体の混合物で得
られる場合には常法により分離および分割して、それぞ
れの異性体を得ることができる。前記一般式(I)におい
てはこれらの光学異性体及び立体異性体等の混合物が全
て単一の式で示されているが、これにより本発明の記載
の範囲は限定されるものではない。
又、一般式(I)において、好適な化合物としては、 1)R1が、カルボキシ基、C1〜C10アルコキシカルボニル
基、カルバモイル基、モノ若しくはジ置換カルバモイル
基(該置換基は、C1〜C4のアルキル基、フエニル基又は
メタンスルホニル基である。)、ホルミル基、式 若しくは を有する基(式中、R9はC1〜C4のアルキル基であり、T
はエチレン、トリメチレン又は2,2-ジメチルトリメチレ
ンである。)、ヒドロキシメチルカルボニル基又はヒド
ロキシメチル基である化合物、 2)R2及びR3が、同一又は異なつて水素原子又はC1〜C4
アルキル基である化合物、 3)R4及びR5が水素原子である化合物、 4)R6が、水素原子又はメチル基である化合物、 5)R7が、弗素原子、塩素原子若しくはC1〜C4のアルコキ
シ基で置換されていてもよいC3〜C10のアルキル基、C5
〜C9のアルケニル基、C4〜C7のアルキニル基又は式‐D-
R8を有する基(式中、Dが、単結合又は酸素原子若しく
は硫黄原子を含んでいてもよいC1〜C4のアルキレン基で
あり、R8が、C1〜C4のアルキル基で置換されていてもよ
く、縮環していてもよいC5〜C10のシクロアルキル基、C
5〜C6のシクロアルケニル基又はC1〜C4のアルキル基、C
1〜C4のアルコキシ基、トリフルオロメチル基若しくは
ハロゲン原子で置換されていてもよいフエニル基であ
る。)である化合物、 6)Aが、単結合、弗素原子を含んでいてもよいC1〜C7
直鎖状アルキレン基、‐CH=CH-CH2‐又は‐(CH2)p‐E-
(CH2)q‐を有する基(式中、pが0乃至3の整数であ
り、qが1乃至3の整数であり、Eが、酸素原子又は硫
黄原子である。)である化合物、 7)Bが、トランス‐ビニレンである化合物、 8)点線を含む結合が、2位の二重結合である化合物、 9)R1が、カルボキシ基、C1〜C10アルコキシカルボニル
基、カルバモイル基、モノ若しくはジ置換カルバモイル
基(該置換基は、低級アルキル基、フエニル基又はメタ
ンスルホニル基である。)、ホルミル基、式 若しくは を有する基(式中、R9はC1〜C4のアルキル基であり、T
はエチレン、トリメチレン又は2,2-ジメチルトリメチレ
ンである。)、ヒドロキシメチルカルボニル基又はヒド
ロキシメチル基であり;R2及びR3が、同一又は異なつて
水素原子又はC1〜C4のアルキル基であり;R4及びR5が水
素原子であり;R6が、水素原子又はメチル基であり;R7
が、弗素原子、塩素原子若しくはC1〜C4のアルコキシ基
で置換されていてもよいC3〜C10のアルキル基、C5〜C9
のアルケニル基、C4〜C7のアルキニル基又は式‐D-R8
有する基(式中、Dが、単結合又は酸素原子若しくは硫
黄原子を含んでいてもよいC1〜C4のアルキレン基であ
り、R8が、C1〜C4のアルキル基で置換されていてもよ
く、縮環してもよいC5〜C10のシクロアルキル基、C5〜C
6のシクロアルケニル基又はC1〜C4のアルキル基、C1〜C
4のアルコキシ基、トリフルオロメチル基若しくはハロ
ゲン原子で置換されていてもよいフエニル基である。)
であり;Aが、単結合、弗素原子を含んでいてもよいC1
C7の直鎖状アルキレン基、 ‐CH=CH-CH2‐又は‐(CH2)p‐E-(CH2)q‐を有する基
(式中、pが、0乃至3の整数であり、qが、1乃至3
の整数であり、Eが、酸素原子又は硫黄原子である。)
であり;Bが、トランス‐ビニレン基であり;点線を含む
結合が2位の二重結合である化合物、 10)R1が、カルボキシ基又はC1〜C10アルコキシカルボニ
ル基であり;R2及びR3が同一又は異なつて水素原子又は
C1〜C4のアルキル基であり;R4及びR5が水素原子であ
り;R6が、水素原子又はメチル基であり;R7が、C3〜C
10アルキル基、C5〜C9のアルケニル基、C4〜C7のアルキ
ニル基又は式‐D-R8を有する基(式中、Dが、単結合又
は酸素原子若しくは硫黄原子を含んでいてもよいC1〜C4
のアルキレン基であり、R8が、C5〜C6シクロアルキル基
又はメチル、トリフルオロメチル、メトキシで置換され
ていてもよいフエニル基である。)であり、Aが単結
合、C1〜C5の直鎖状アルキレン基、又は‐(CH2)p‐E-(C
H2)q‐を有する基(式中、pが0乃至3の整数であり、
qが1乃至3の整数であり、Eが酸素原子である)であ
り、Bが、トランス‐ビニレンであり、点線を含む結合
が、2位の二重結合である化合物 をあげることができる。
本発明によつて得られる前記一般式(I)を有する化合物
としては、例えば以下に記載する化合物をあげることが
できる。
1)式(I)において、AがCH23‐又は‐CH2‐O-CH2
であり、R4,R5及びR6が水素原子であり、点線を含む結
合が2位の二重結合である化合物 2)式(I)において、Aが式‐(CH2)3‐又は‐CH2‐O
-CH2‐であり、R4及びR5がテトラヒドロピラン‐2-イル
基であり、R6が水素原子であり、点線を含む結合が2位
の二重結合である化合物 3)式(I)において、Aが‐(CH2)3‐又は‐CH2‐O-C
H2‐であり、R4及びR5が水素原子であり、R6がメチル基
であり、点線を含む結合が2位の二重結合である化合物 4)式(I)において、R1‐A-が、ヒドロキシメチル基
であり、R6が水素原子であり、点線を含む結合が2位の
二重結合である化合物 表中、t-Buは、t-ブチル基を示す。
又、表1-表3において、R1がカルボキシ基である化合物
については、そのナトリウム塩又はカリウム塩をあげる
ことができる。
本発明に係る化合物(I)は、以下の方法に従つて製造
することができる。
A法 B法 C法 D法 上記式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,B,E,n,p,q及び
点線を含む結合は、前述したものと同意義を示し、R4
は、水酸基の保護基を示し、R7′は、R7に含まれる水酸
基及びアシル基が保護されている以外R7と同意義を示
し、R10は、水素原子又はカルボキシ基の保護基を示
し、R11及びR12は、同一又は異なつて水酸基の保護基を
示し、R13は、複素環,置換メチル,アラルキル若しく
はトリ置換シリルで保護されたヒドロキシメチル基又は
テトラゾリル基を示し、R13′は、複素環,置換メチ
ル,アラルキル若しくはトリ置換シリルで保護されたヒ
ドロキシメチル基を示し、R14は、保護されたヒドロキ
シメチル基又はテトラゾリル基を示し、R15は、保護さ
れていてもよいカルボキシ基又はテトラゾリル基を示
し、R16は、C1‐C4のアルキル基又はアリール基を示
し、R17は、保護されていてもよいカルボキシ基、保護
されていてもよいヒドロキシメチル基、保護されたホル
ミル基又はテトラゾリル基を示し、A′は、単結合又は
弗素原子を含んでいてもよいC1‐C7の直鎖状アルキレン
基を示し、B′は、ビニレン基又はエチニレン基を示
し、Wは、硫黄原子又はゼレン原子を示す。
A法は、化合物(I)において、Aが、単結合又は弗素
原子を含んでいてもよいC1‐C7の直鎖状アルキレン基で
ある化合物(Ia)を製造する方法である。
第1工程は、一般式(III)を有する化合物を製造する
工程で、不活性溶剤中、化合物(II)を塩基と処理し、
カルバニオンを発生させた後、一般式 X-A′‐R13 (XXI) (式中、R13及びA′は、前述したものと同意義を示
し、Xは、塩素原子,臭素原子又は沃素原子のようなハ
ロゲン原子を示す。)を有する化合物と反応させること
によつて達成される。
なお、本工程の原料化合物(II)は、公知化合物である
か、公知の方法に従つて容易に製造される(ヨーロッパ
特許公開136779号公報参照)。
使用される塩基としては、例えば、ジエチルアミノリチ
ウム、ジ‐イソブチルアミノリチウム、イソブチル‐シ
クロヘキシルアミノリチウム、ジンクロヘキシルアミノ
リチウムのようなジアルキル(C1‐C4のアルキル、シク
ロアルキルを含む)アミノリチウムをあげることができ
るが、好適には、ジアルキルアミノリチウムである。
又、R10が水素原子である場合には、好適には2当量以
上の塩基を使用する。
使用される不活性溶剤としては、反応に関与しなければ
特に制限されないが、好適には、エーテル、テトラヒド
ロフランのようなエーテル類、ヘキサメチルホスホリル
トリアミドのようなリン酸アミド類又はそれらの混合溶
剤をあげることができる。
反応温度は、カルバニオンを発生させる工程では、−10
0℃乃至−20℃であり、化合物(XXI)と反応させる工程
では、−80℃乃至室温であり、反応に要する時間は、前
者の工程では、5分間乃至30分間であり、後者の工程で
は、15分間乃至5時間である。
第2工程は、一般式(IV)を有するアルコール体を製造
する工程で、不活性溶剤中、化合物(III)を還元剤又
は/及び一般式 R2′‐Mg-X (XXII) R2′‐Li (XXII′) 又はXMgCH2)r−MgX (XXIII) (式中、Xは前述したものと同意義を示し、R2′は、C1
‐C4のアルキル基を示し、rは、2乃至6の整数を示
す。)を有するグリニヤール試薬若しくはアルキルリチ
ウムと処理することによつて達成される。
化合物(III)を還元剤と処理することにより、R2及びR
3が水素原子である化合物が得られ、化合物(III)を約
当モルの化合物(XXII)又は化合物(XXII′)と処理す
ることによつて、特に好ましくは、R10が水素原子であ
る化合物を化合物(XXII′)と処理し、得られたケトン
体を、反応中又は単離して、還元剤と処理することによ
つて、R2及びR3の一方がC1‐C4のアルキル基であり、他
方が水素原子である化合物が得られ、上記ケトン体を化
合物(XXII)又は化合物(XXII′)と処理することによ
つて、R2及びR3が同一又は異なつてC1‐C4のアルキル基
である化合物が得られる。又、化合物(III)を2当量
以上の化合物(XXII)又は化合物(XXII′と処理するこ
とによつて、R2及びR3が、同一のC1‐C4のアルキル基で
ある化合物が得られる。さらに、化合物(III)を化合
物(XXIII)と処理することによつて、R2及びR3が、そ
れらと結合している炭素原子と共に形成するC3‐C7員環
のシクロアルキル基である化合物が得られる。
使用される還元剤としては、カルボキシ基又はアルコキ
シカルボニル基をヒドロキシメチル基に還元する試薬な
ら特に制限されないが、好適には、水素化リチウムアル
ミニウム、水素化ホウ素リチウム、ジイソブチルアルミ
ニウム水素、ジボランのような水素化金属又は水素化ボ
ロン化合物をあげることができる。
使用される不活性溶剤としては、反応に関与しないもの
なら特に制限されないが、好適には、エーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類である。
反応温度は、−20℃乃至室温であり、反応に要する時間
は、30分間乃至5時間である。
反応終了後、反応目的物は常法に従つて反応混合物から
採取される。例えば、反応混合物を水にあけ、必要に応
じて中和した後、水不混和性有機溶剤で抽出し、有機溶
剤を留去することによつて得ることができる。さらに、
必要に応じて、常法、例えばカラムクロマトグラフイ
ー、再結晶法等によりさらに精製することもできる。
第3工程は、所望に応じて、R13に含まれる水酸基の保
護基を他の水酸基の保護基に変換する工程で、以下の4
つの反応によつて達成される。
(1)化合物(IV)の水酸基(R2,R3が結合している炭素
原子に結合している)の保護化反応 (2)R13に含まれる水酸基の保護基の除去反応 (3)(2)の反応で得られた水酸基を所望の保護基(R14
含まれる保護基)で保護する反応及び (4)(1)の反応で保護された水酸基の脱保護化反応。
本工程を円滑に行うためには、脱保護化反応の条件を考
慮して、水酸基の保護基を選択する必要がある。
R13に含まれる水酸基の保護基が、アラルキル基の場合
には、(1)の反応で付される保護基は、複素環基,置換
分を有するメチル基又はトリ置換シリル基(好適には、
ジメチル‐t-ブチルシリル基又はジフエニル‐t-ブチル
シリル基であり、特に好適には、ジフエニル‐t-ブチル
シリル基である。)等であり、(1)の保護化反応後、還
元条件下で、アラルキル基を除去する(2)の反応を行
い、得られた水酸基を所望の保護基で保護する(3)の反
応を行う。この際、(1)の反応で付される保護基が、複
素環基又は置換分を有するメチル基のような酸性条件下
で除去される保護基である場合には、所望の保護基は、
アシル基又はジメチル‐t-ブチルシリル基若しくはジフ
エニル‐t-ブチルシリル基であり、(1)の反応で使用さ
れる保護基が、トリ置換シリル基のような酸性,中性又
は塩基性条件下で除去される保護基である場合には、所
望の保護基は、アシル基,複素環基又は置換分を有する
メチル基である。
R13に含まれる水酸基の保護基が、トリ置換シリル基の
場合には、(1)の反応で付される保護基は、アシル基,
複素環基,置換分を有するメチル基又はアラルキル基で
あり、(1)の保護化反応後、適宜、酸性,中性又は塩基
性条件で、シリル基を除去する(2)の反応を行い、得ら
れた水酸基を所望の保護基で保護する(3)の反応を行
う。この際、(1)の反応で付される保護基が、アシルの
ような塩基性条件下で除去される保護基である場合は、
所望の保護基は、複素環基,置換分を有するメチル基又
はアラルキル基であり、(1)の反応で付される保護基
が、複素環基,置換基を有するメチルのような酸性条件
下で除去される保護基である場合には、所望の保護基
は、アシル基又はアラルキル基であり、(1)の反応で付
される保護基が、アラルキル基のような還元条件下で除
去される保護基である場合、所望の保護基は、アシル
基,複素環基又は置換分を有するメチル基である。
本工程における水酸基の保護化反応及び脱保護化反応
は、後述するD法第22工程及びA法第5工程の相当する
反応と同様に行われる。
又、(2)又は(4)の脱保護化反応において、R11,R12及び
/又はR7′に含まれる水酸基若しくはアシル基の保護基
が除去された場合には、(3)の反応で適宜保護化するこ
ともできる。
第4工程は、一般式(VI)を有する化合物を製造する工
程で、化合物(V)の水酸基をスルホニル化した後又は
ハロゲンで置換した後、塩基と処理することによつて達
成される。
スルホニル化反応は、不活性溶剤中、塩基の存在下、化
合物(V)をスルホニルハライドと反応させることによ
つて行われる。
使用されるスルホニルハライドは、例えば、メタンスル
ホニルクロリド、エタンスルホニルクロリド、ベンゼン
スルホニルクロリド、p-トルエンスルホニルクロリドの
ようなC1‐C4のアルカン又はアリールスルホニルハライ
ドであり、好適には、メタンスルホニルクロリドであ
る。又、使用される塩基としては、好適にはトリエチル
アミン、エチルジイソプロピルアミン、ピリジン、N,N-
ジメチルアニリンのような有機アミンである。
水酸基のハロゲン置換反応は、不活性溶剤中、化合物
(V)をチオニルクロリド、三臭化リンのようなハロゲ
ン化硫黄若しくはリン化合物又はホスフイン‐テトラハ
ロゲノ炭素と反応させることによつて行われる。
使用されるホスフインとしては、例えば、トリメチルホ
スフイン、トリn-ブチルホスフイン、トリフエニルホス
フイン、トリトリルホスフインのようなトリ‐アルキル
又はトリアリールホスフインであるが、好適には、トリ
アリールホスフインである。又、使用されるテトラハロ
ゲノ炭素は、四塩化炭素、四臭化炭素又は四沃化炭素で
あり、好適には四塩化炭素又は四臭化炭素である。
両反応に使用される不活性溶剤は反応に関与しなければ
特に限定されないが、例えばn-ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレンのような炭化水素
類;メチレンクロリド、クロロホルム、1,2-ジクロロエ
タンのようなハロゲン化炭化水素類;エーテル、テトラ
ヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサンのよ
うなエーテル類;又はアセトン、メチルエチルケトンの
ようなケトン類をあげることができるが、好適にはスル
ホニルハライドとの反応ではハロゲン化炭化水素類であ
り、テトラハロゲノ炭素との反応ではエーテル類であ
る。
反応温度は通常−30℃乃至50℃であり、反応に要する時
間は通常10分間乃至10時間である。
スルホニル化又はハロゲン置換された化合物と塩基との
反応は、不活性溶剤の存在下又は不存在下に行なわれ
る。
使用される塩基としては、例えばトリエチルアミン、エ
チルジイソプロピルアミン、N,N-ジメチルアニリン、4-
(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、1,5-ジアザビシクロ
〔4.3.0〕ノネン‐5(DBN)、1,8-ジアザビシクロ〔5.
4.0〕ウンデセン‐7(DBU)のような第三級アミン;水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのよ
うなアルカル金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウムのようなアルカリ金属炭酸塩;又はナトリウムメト
キシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、
ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、ナト
リウムt-ペントキシドのようなアルカリ金属アルコキシ
ドをあげることができるが、好適には第三級アミンであ
る。
使用される不活性溶剤としては、反応に関与しなければ
特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、
n-プロパノール、t-ブタノールのようなアルコール類;n
-ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キ
シレンのような炭化水素類;エーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル
類;又はヘキサメチルホスホリルトリアミドのようなリ
ン酸トリアミド類をあげることができるが、好適にはエ
ーテル類又はリン酸トリアミド類である。さらに、上記
第三級アミンを過剰に使用して、溶剤と兼用することも
好ましい。又、本反応は沃化ナトリウムのようなアルカ
リ金属ハライドを添加することにより好適に行われる。
反応温度は通常0℃乃至80℃であり、反応に要する時間
は通常10分間乃至5時間である。
各反応終了後、各反応の目的化合物は常法に従つて反応
混合物から採取される。例えば、反応混合物を氷水にあ
け、必要に応じて、中和した後、水不混和性有機溶剤で
抽出し、溶剤を留去することによつて得ることができ
る。さらに必要なら、常法、例えばシリカゲルカラムク
ロマトグラフイー、再結晶法等によつて精製することも
できる。
第5工程は、所望に応じて行う工程で、R14に含まれる
水酸基の保護基除去反応;得られたヒドロキシメチル基
をホルミル基に酸化する反応(保護する反応を含む);
ヒドロキシメチル基をカルボキシ基に酸化する反応;得
られたカルボキシ基をエステル化する反応;カルボキシ
若しくはエステルを置換されていてもよいカルバモイル
基に変換する反応;R11,R12及び/又はR7′に含まれる
水酸基の保護基を除去する反応;R7′に含まれるアシル
基等の保護基を除去する反応;並びにカルボキシ基をヒ
ドロキシメチルカルボニル基に変換する反応(水酸基の
保護化反応を含む)を含み、これらの反応は、適宜順序
を変えて行うことができる。
水酸基の保護基が低級脂肪族若しくは芳香族アシル基の
場合には、その除去は通常の加水分解反応によつて行な
われる。使用される酸または塩基としては一般の加水分
解反応に使用される酸または塩基が特に限定なく使用さ
れるが、通常は例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウ
ムのようなアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸
化物を用いて塩基性条件下で好適に行なわれる。使用さ
れる溶剤としては加水分解反応に用いられる溶剤が特に
限定なく用いられ、例えばメタノール、エタノール、n-
プロパノール、イソプロピルアルコールのようなアルコ
ール類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;ジメチル
スルホキシドのようなジアルキルスルホキシド類および
これらの有機溶剤と水との混合溶剤をあげることができ
る。反応温度には特に限定はなく、通常は室温付近乃至
溶剤の還流温度で行なわれる。反応時間は反応温度など
によつて異なるが、通常は1乃至12時間である。
水酸基の保護基がアラルキル基の場合には相当する化合
物を不活性溶剤中還元剤と接触することによつて達成さ
れる。
使用される還元剤としては、リチウム、ナトリウム、カ
リウムのようなアルカリ金属又は硫化ナトリウム若しく
は硫化カリウムのようなアルカリ金属硫化物をあげるこ
とができるが、好適にはアルカリ金属である。アルカリ
金属との反応は液体アンモニア又は液体アンモニアとエ
ーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類との混
合溶剤中で好適に行われ、アルカリ金属硫化物との反応
はメタノール、エタノールのようなアルコール類、テト
ラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類又はこ
れら有機溶剤と水の混合溶剤中で好適に行われる。
反応温度はアルカリ金属との反応では−78℃乃至−20℃
であり、アルカリ金属硫化物との反応では0℃乃至100
℃であり、反応に要する時間は通常20分間乃至6時間で
ある。
さらに保護基がp-メトキシベンジル基の場合にはセリウ
ムアンモニウムナイトレイトと含水アセトン中室温付近
で処理することによつても除去され、又は、ジクロロジ
シアノキノン、過硫酸ナトリウム等の酸化剤によつても
除去される。
水酸基の保護基が複素環基、アルコキシ若しくはアラル
キルオキシを置換分として有するメチル基、1-アルコキ
シエチル基又はトリチル基の場合は酸と接触させること
により容易に達成される。使用される酸としては例えば
ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、
シユウ酸、マロン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンフアースルホン酸
などの有機酸;塩酸、臭化水素酸、硫酸などの鉱酸が好
適に使用される。反応は溶剤の存在下または不存在下で
実施されるが、反応を円滑に行なうには溶剤を使用する
方が好ましく、使用される溶剤としては本反応に関与し
なければ特に限定はなく例えば水;メタノール、エタノ
ールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキ
サンなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン
のようなケトン類またはこれらの有機溶剤と水との混合
溶剤が好適に使用される。反応温度には特に限定はなく
室温乃至溶剤の還流温度で行なわれる。反応に要する時
間は30分間乃至10時間である。
または、メチルチオメチル基は、含水アセトニトリル
中、塩化第二水銀と処理しても除去される。この際、
R7′に含まれるアシル基の保護基が、 を有する基(式中、R9及びTは前述したものと同意義を
示す。)である場合には同時に除去される。
水酸基の保護基がトリ低級アルキル若しくはジアリール
低級アルキルシリル基の場合は水あるいは酸または塩基
を含有する水と接触させることにより容易に達成され
る。酸または塩基を含有する水を使用する場合に含有さ
れる酸または塩基としては例えばギ酸、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、シユウ酸、マロン酸などの有機酸;塩酸、
臭化水素酸、硫酸などの鉱酸のような酸または水酸化カ
リウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属およびア
ルカリ土類金属の水酸化物;炭酸カリウム、炭酸カルシ
ウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸
塩のような塩基が特に限定なく使用される。反応は溶剤
として水を使用すれば他の溶剤は特に必要ではない。他
の溶剤を使用する場合は例えばテトラヒドロフラン、ジ
オキサンなどのエーテル類;メタノール、エタノールな
どのアルコール類等の有機溶剤と水との混合溶剤が使用
される。反応温度には特に限定はないが通常は室温で好
適に行なわれる。反応に要する時間は30分間乃至5時間
である。又保護基がt-ブチルジメチルシリル基若しくは
ジフエニル‐t-ブチルシリル基の場合にはテトラヒドロ
フラン、ジオキサンのようなエーテル類の存在下フツ化
テトラブチルアンモニウムで処理することによつても達
成される。
反応終了後、水酸基の保護基を除去する反応の目的化合
物は常法に従つて反応混合物から採取される。例えば反
応終了後、適宜溶剤を減圧で留去するか、留去しないで
反応混合物を氷水にあけ必要に応じて中和して、次いで
適当な有機溶剤を加えて抽出を行ない、抽出液を水洗し
乾燥した後、抽出液より溶剤を留去することによつて得
られる。
R7′に含まれる水酸基の保護基、R11及びR12が同一の反
応条件で除去される保護基の場合には、上記の保護基の
除去反応により同時に除去される。又、保護基を適宜選
択することにより、選択的に脱保護することもできる。
ヒドロキシメチル基をホルミル基に変換する反応は1級
アルコールをアルデヒドに酸化する通常の方法に従つて
行われる。この際R11,R12は水酸基の保護基であること
及びR7′に含まれる水酸基は保護されていることが必要
である。
使用される酸化剤としては例えば無水クロム酸、無水ク
ロム酸‐ピリジン錯塩(Collins試薬)、無水クロム酸
‐濃硫酸‐水(Jones試薬)、重クロム酸ナトリウム、
重クロム酸カリウムなどのクロム酸類;N-ブロムアセト
アミド、N-ブロムスクシンイミド、N-ブロムフタルイミ
ド、N-クロル‐p-トルエンスルホンアミド、N-クロルベ
ンゼンスルホンアミドなどの有機活性ハロゲン化合物;
アルミニウム‐tert-ブトキシド、アルミニウムイソプ
ロポキシドなどのアルミニウムアルコキシド類;ジメチ
ルスルホキシド‐ジシクロカルボジイミド;ピリジン‐
無水硫酸などが好適に用いられる。
反応は、不活性有機溶剤中で、好適に行われ、使用され
る溶剤としては、例えばメチレンクロリド、クロロホル
ム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類、エーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル
類、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類又
はジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類をあげ
ることができる。
反応温度は0℃乃至室温であり、反応に要する時間は通
常30分間乃至3時間である。
反応終了後、目的のホルミル化合物は常法に従つて反応
混合物から採取される。例えば反応終了後、不溶物が存
在する場合には別して、氷水にあけ、適宜中和した
後、水不混和性有機溶剤で抽出し、溶剤を留去すること
によつて得ることができる。
さらに、必要ならホルミル基を常法に従つてアセタール
又はチオアセタール保護基に変換することができる。例
えば、ホルミル体を不活性溶剤中(例えばエーテルのよ
うなエーテル類)、相当するチオール又はアルコール類
とp-トルエンスルホン酸、ボロントリフルオライドのよ
うな酸の存在下に室温付近で、30分間乃至5時間反応さ
せることによつて達成される。又アセタール交換反応に
よつても達成される。
ヒドロキシメチル基をカルボキシ基に変換する反応は第
1級アルコールをカルボン酸に酸化する通常の方法に従
つて行われる。この際、R11,R12は水酸基の保護基であ
ること及びR7′に含まれる水酸基が保護されていること
が必要である。
使用される酸化剤としては例えば無水クロム酸‐濃硫酸
‐水(Jones試薬)、無水クロム酸、過マンガン酸カリ
ウム‐水酸化ナトリウム若しくは炭酸ナトリウム、酸化
銀、重クロム酸カリウム‐硫酸等をあげることができ
る。
反応は通常アセトンのようなケトン類、水若しくは水と
メタノール、エタノールのようなアルコールの混合溶剤
又は水とピリジンの混合溶剤中で行われる。
反応温度は−30℃乃至100℃であり、反応に要する時間
は通常30分間乃至50時間である。
又はホルミル化合物を原料として、本反応を行つても、
カルボキシ化合物を得ることができる。
なお、Jones試薬の場合には試薬の量及び反応条件を調
節することによつて、アルコールからアルデヒド又はア
ルコールからカルボン酸を選択的に得ることもできる。
反応終了後、目的のカルボキシ化合物は常法に従つて反
応混合物から採取される。例えば反応混合物を氷水にあ
け、溶液がアルカリの場合には、希酸で酸性とした後、
水不混和性有機溶液で抽出し、溶剤を留去することによ
つて得ることができる。
カルボキシ基をエステル化する反応は溶剤の存在下また
は不存在下でエステル化剤と接触させることによつて行
なわれる。使用されるエステル化剤としては、通常のカ
ルボキシル基をアルコキシカルボニル基に変換する際に
使用されるエステル化剤が特に限定なく用いられる。使
用されるエステル化剤としては、例えばジアゾメタン、
ジアゾエタン、ジアゾ‐n-プロパン、ジアゾイソプロパ
ン、ジアゾ‐n-ブタンなどのジアゾアルカン類;メタノ
ール、エタノール、n-プロパノール、イソプロピルアル
コール、n-ブタノールなどのエステル基を形成するアル
コール類と塩酸、臭化水素酸若しくは硫酸などの鉱酸ま
たはメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸若しくはp-
トリエンスルホン酸などの有機酸;臭化メチル、臭化エ
チルのような低級アルキルハライドと水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムのような塩基が好
適に用いられる。ジアゾアルカン類を用いる場合は反応
は溶剤の存在下で好適に行なわれる。使用される溶剤と
しては本反応に関与しなければ特に限定はなく例えばエ
チルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類が好適であ
る。反応温度には限定はないが副反応を抑え且つジアゾ
アルカン類の分解を防ぐだめ比較的低温で行なうのが望
ましく通常は氷冷下で好適に行なわれる。酸の存在下で
アルコール類を用いる場合は通常溶剤として過剰のアル
コール類が好適に使用される。反応温度は特に限定はな
いが室温乃至使用されるアルコール類の還流温度付近で
好適に行なわれる。反応時間は主に反応温度、使用され
るアルコール類の種類によつて異なるが約1時間乃至2
日間である。
又、カルボン酸のナトリウムの塩をベンジルブロミド、
p-メトキシベンジルクロリド、フエナシルブロミド、ベ
ンツヒドリルクロリドのようなハライドと塩基、例えば
トリエチルアミン、ピリジン、4-(N,N-ジメチルアミ
ノ)ピリジンの存在下、常法に従つて処理することによ
つて相当するアラルキル、フエナシル又はベンツヒドリ
ルエステルが製造され、又カルボン酸をチオニルクロリ
ド、五塩化リン等のハロゲン化剤若しくはピバロイルク
ロリドのような酸ハライドと常法に従つて処理し、相当
する酸ハライド、酸無水物のような反応活性体に誘導し
た後、不活性溶剤中(例えば、エーテルのようなエーテ
ル類)、塩基の存在下(例えば、トリエチルアミン、DB
Uのような有機アミン類)、置換されていてもよいフエ
ノールと室温付近で、30分間乃至3時間反応させること
によつて、相当するフエニルエステルが製造される。
反応終了後、エステル化反応の目的化合物は常法に従つ
て反応混合物から採取される。例えば反応終了後、反応
混合物より溶剤を留去することによつて、さらに必要に
応じて生成物を有機溶剤に溶解し、有機溶剤層を重炭酸
ナトリウム水溶液あるいは炭酸ナトリウム水溶液などの
炭酸アルカリ水溶液を用いて洗浄し乾燥した後、有機溶
剤層より溶剤を留去することによつて得られる。
エステルを置換されてもよいカルバモイル基に変換する
反応は溶剤の存在下でアミン化合物と接触させることに
よつて行われる。使用されるアミン化合物としてはエス
テル基をアミド化する際使用されるものなら特に限定さ
れない。使用されるアミン化合物としては、例えばアン
モニア又はメチルアミン、エチルアミン、n-プロピルア
ミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、アニリ
ン、p-メチルアニリン、ジメチルアミン、メチルエチル
アミン、ジエチルアミン、N-メチルアニリン、N-エチル
アニリン、N-メチル‐m-メチルアニリンのような1級若
しくは2級アミンをあげることができる。使用される溶
剤は反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば
水又はエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのよ
うなエーテル類をあげることができる。
反応は通常0℃乃至100℃で行なわれ、反応に要する時
間は1時間乃至24時間である。
カルボキシ基をN-アシルカルバモイル基に変換する反応
は不活性溶剤中、アセチルイソシアネート、トリフルオ
ロアセチルイソシアネート、ベンゾイルイソシアネート
のようなアシルイソシアネートと接触させることによつ
て行われる。使用される溶剤は、例えばベンゼン、トル
エン、キシレンのような炭化水素類又はエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジメトキシエタンのようなエーテル類
である。反応温度は通常室温であり、反応に要する時間
は30分間乃至10時間である。
カルボキシ基をN-スルホニルカルバモイル基に変換する
反応は不活性溶剤中、活性アミド誘導体に変換した後、
メタンスルホン酸アミド、ベンゼンスルホン酸アミド、
p-トルエンスルホン酸アミドのようなスルホン酸アミド
と反応させることによつて行われる。活性アミド誘導体
は相当する化合物をジシクロヘキシルカルボジイミドの
ような縮合剤の存在下、N-ヒドロキシコハク酸イミド、
N-ヒドロキシフタル酸イミドのようなN-ヒドロキシイミ
ドと通常室温付近で30分間乃至10時間反応することによ
つて製造される。活性アミド誘導体とスルホン酸アミド
との反応はナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カリウムt-ブトキシドのような塩基の存在下、室温
付近で30分間乃至15時間反応することによつて行われ
る。
上記両反応は好適には不活性溶剤中で行われ使用される
溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン
のような芳香族炭化水素類;エーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド
類;又はジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類
をあげることができる。
反応終了後、目的のアミド化合物は常法に従つて反応混
合物から採取される。例えば、反応混合物を氷水にあ
け、必要に応じて、中和した後、水不混和性有機溶剤で
抽出し、溶剤を留去することによつて得ることができ
る。さらに必要なら、常法、例えばシリカゲルカラムク
ロマトグラフイー、再結晶法等によつて精製することも
できる。
R7′に含まれるアシル基の保護基において、Yが酸素原
子である場合には、前記したように、酸性条件下で除去
され、Yが硫黄原子である場合には、相当する化合物
を、テトラヒドロフラン、エーテルのようなエーテル
類、塩化メチレン、クロロホルムのようなハロゲン化炭
化水素類、メタノール、エタノールのようなアルコール
類又は水或いはそれらの混合溶剤中、酢酸水銀、塩化水
銀又は酸化水銀(赤)と0℃乃至60℃で接触させること
によつて除去される。この反応では必要によりボロント
リフルオライド‐エーテル錯体等のルイス酸を触媒とし
て用いることができる。
カルボキシ基をヒドロキシメチルカルボニル基に変換さ
せる反応はカルボキシ基を前記した反応に従つて、ホル
ミル基に変換させ、保護されたヒドロキシメチル錫化合
物のアニオンと反応させ、2位の水酸基が保護された1,
2-ジ‐ヒドロキシエチル基に変換させた後、酸化し、保
護基を除去することによつて行なわれる。
ホルミル体を2位の水酸基が保護された1,2-ジヒドロキ
シエチル体に変換する反応は、ホルミル体を不活性溶剤
中、一般式 (式中、R16は前述したものと同意義を示し、R18は1-メ
トキシエチル、1-エトキシエチルのような1-(C1‐C4
アルコキシ)C1‐C4のアルキル基を示し、Mはリチウ
ム、ナトリウムのようなアルカリ金属を示す。) を有するアニオンと反応させることによつて達成され
る。
化合物(XXIV)は公知の方法、例えばザ・ジヤーナル・
アメリカン・ケミカル・ソサエテイ、100巻、1481頁(1
978年):J.Am.Chem.Soc.,100,1481(1978)と同様の方
法に従つて、反応液中で調製される。
使用される不活性溶剤としては、例えば、エーテル、テ
トラヒドロフラン、ジメトキシエタンのようなエーテル
類又はヘキサメチルホスホリルトリアミドのようなアミ
ド類をあげることができ、反応温度は−78℃乃至0℃で
あり、反応に要する時間は5分間乃至2時間である。2
位の水酸基が保護された1,2-ジヒドロキシエチル体の酸
化は常法に従つて上記コリンズ試薬と処理することによ
り行なわれ、水酸基の脱保護反応は前述の相当する水酸
基の脱保護反応と同様に行なわれる。
目的のヒドロキシメチルカルボニル化合物は常法に従つ
て反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を氷
水にあけ適宜中和し、水不混和性有機溶剤で抽出した
後、溶剤を留去することにより得ることができる。さら
に必要ならば常法、例えばカラムクロマトグラフイー、
薄層クロマトグラフイー、再結晶などを用いてさらに精
製することができる。
このようにして得られる目的化合物が種々の幾何異性体
及び光学異性体の混合物で得られる場合には、後述と同
様に適当な合成段階においてこれらの異性体を分離,分
割できるが、2位及び3位の二重結合に関する異性体の
混合物の分離は、化合物(Ia)において、R1がヒドロキ
シメチル基であり、R4およびR5が水酸基の保護基である
化合物について行うことが好ましい。
B法は、化合物(I)において、Aが −(CH2)p-E-(CH2)q−を有する基(式中、E,p及びqは前
述したものと同意義を示す。)である化合物(Ib)を製
造する方法であり、さらに詳しくは、B−(1)法は、化
合物(Ib)を製造する方法であり、B−(2)法は、化合
物(Ib)において、R2及びR3が水素原子であり、pが1
である化合物(Ib′)を製造する方法であり、B−(3)
法は、化合物(Ib)において、pが1である化合物(I
b″)を製造する方法である。
B−(1)法 第6工程は、一般式(VII)を有する化合物を製造する
工程で、A法の化合物(VI)において、式R14−A′−
を有する基が式R4′−OCH2 qを有する基である化合
物(VI′)(式中、R4′及びqは前述したものと同意義
を示す。)のR4′を除去することによつて達成される。
本反応は、前記A法第5工程における相当する水酸基の
保護基を除去する反応と同様にして行われる。
第7工程は、一般式(VIII)を有する化合物を製造する
工程で、化合物(VII)を一般式 X−(CH2)p-R15 (XXV) (式中、R15,X及びpは前述したものと同意義を示
す。)と反応させることにより、化合物(VIII)におい
て、Eが酸素原子である化合物が製造され、化合物(VI
I)をスルホニル化した後、一般式 HS−(CH2)p-R15 (XXVI) (式中、R15及びpは前述したものと同意義を示す。)
を有する化合物と塩基存在下反応させることにより、化
合物(VIII)において、Eが硫黄原子である化合物が製
造される。
Eが酸素原子である化合物は、不活性溶剤中、化合物
(VII)を塩基と処理した後、化合物(XXV)又はそのア
ルカリ金属塩(R15がカルボキシ基の場合)と反応させ
ることによつて達成される。
使用される塩基としては、例えばリチウム水素、ナトリ
ウム水素、カリウム水素のようなアルカリ金属水素化
物;カルシウム水素、バリウム水素のようなアルカリ土
類金属水素化物;メチルリチウム、n-ブチルリチウム、
フエニルリチウムのような有機リチウム化合物;ナトリ
ウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエト
キシド、ナトリウムn-プロポキシド、カリウムt-ブトキ
シド、ナトリウムt-ペントキシドのようなアルカリ金属
アルコキシド;又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
のようなアルカリ金属水酸化物をあげることができる
が、好適にはアルカリ金属水素化物である。
使用される不活性溶剤としては、反応に関与しなければ
特に制限されないが、例えばヘキサン、ベンゼン、トル
エン、キシレンのような炭化水素類;エーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジグライムのような
エーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ヘキサメチルホスホリルトリアミドのようなアミ
ド類;又はジメチルスルホキシドのようなスルホキシド
類,水或いはこれらの混合溶剤をあげることができる
が、好適にはアミド類、スルホキシド類又はこれらの混
合溶剤である。
反応温度は塩基との反応においては−78℃乃至50℃であ
り、化合物(XXV)との反応においては0℃乃至50℃で
ある。反応に要する時間は塩基との反応においては10分
間乃至1時間であり、化合物(XXV)との反応において
は1時間乃至48時間である。
Eが硫黄原子である化合物は、化合物(VII)を前記A
法第4工程における相当する反応と同様に処理して、ス
ルホニル化した後、得られたスルホニル体を、不活性溶
剤中、塩基の存在下、化合物(XXVI)と反応させること
によつて行われる。
使用される塩基及び不活性溶剤は上記Eが酸素原子であ
る化合物を製造する反応で例示したものと同様である。
反応温度は0℃乃至100℃であり、反応に要する時間は3
0分間乃至5時間である。
反応終了後、反応目的物は常法に従つて反応混合物から
採取される。例えば、反応混合物を氷水にあけ、必要に
応じて酸性にした後、水不混和性有機溶剤で抽出し、有
機溶剤を留去することによつて得ることができる。さら
に必要に応じて、常法、例えばカラムクロマトグラフイ
ー、再結晶法等により、さらに精製することもできる。
第8工程は、所望に応じて行う工程で、R11,R12及び/
又はR7′に含まれる水酸基の保護基の除去反応;R15
保護されたカルボキシ基である場合のその保護基の除去
反応;R15をヒドロキシメチル基に変換する反応;得ら
れたヒドロキシメチル基をホルミル基に変換する反応
(保護する反応を含む):R15のカルボキシ基をエステ
ル化する反応;カルボキシ若しくはエステルを置換され
てもよいカルバモイル基に変換する反応;R7′に含まれ
るアシル基の保護基の除去反応:並びにカルボキシ基を
ヒドロキシメチル基に変換する反応(水酸基の保護化反
応を含む)を含み、各反応は適宜順序を変えて行うこと
ができる。
上記反応のうち、カルボキシ基の保護基を除去する反応
以外の反応は、前記A法第5工程における相当する反応
と同様に行われ、カルボキシ基の保護基を除去する反応
は、次の操作により行われる。
カルボキシ基の保護基が低級アルキル基又はアリール基
の場合はその除去は通常の加水分解反応によつて行なわ
れる。本反応は前記水酸基の保護基がアシル基の場合と
同様に行われる。
カルボキシ基の保護基がアラルキル基、ベンツヒドリル
基又はフエナシル基の場合には、その除去反応は前記の
水酸基の保護基がアラルキル基の場合と同様な反応に従
つて行なわれる。
反応終了後、加水分解反応の目的化合物は常法に従つて
反応混合物から採取される。例えば反応終了後、反応混
合物を酸性とし、次いで適当な有機溶剤を加えて抽出を
行ない、抽出液を洗浄し乾燥した後、抽出液より溶剤を
留去することによつて得られる。
B−(2)法 第9工程は、一般式(IX)を有する化合物を製造する工
程で、A法の化合物(IV)において、R2及びR3が水素原
子であり、A′が単結合である化合物(IV′)を、前記
化合物(XXV)又は化合物(XXVI)と反応させることに
より達成され、各反応は、前記B−(1)法第7工程と同
様に行われる。
第10工程は、一般式(X)を有する化合物を製造する工
程で、化合物(IX)のR13′に含まれる水酸基の保護基
を除去して得られたアルコール体をスルホニル化した後
又はハロゲン化した後、塩基と処理することによつて達
成され、各反応は、前記A法第3工程及び第4工程の相
当する反応と同様に行われる。
第11工程は、所望に応じて行う工程で、R11,R12及び
R7′に含まれる水酸基の保護基の除去反応:R15が保護
されたカルボキシ基である場合のその保護基の除去反
応;R15をヒドロキシメチル基に変換する反応;得られ
たヒドロキシメチル基をホルミル基に変換する反応(保
護する反応を含む);R15のカルボキシ基をエステル化
する反応;カルボキシ若しくはエステルを置換されても
よいカルバモイル基に変換する反応;R7′に含まれるア
シル基の保護基の除去反応;及びカルボキシ基をヒドロ
キシメチルカルボニル基に変換する反応(水酸基の保護
化反応を含む)を含み、各反応は適宜順序を変えて行う
ことができる。
上記各反応は、前記B−(1)法第8工程の相当する反応
と同様に行われる。
B−(3)法 第12工程は、一般式(XI)を有する化合物を製造する工
程で、不活性溶剤中、化合物(II)を塩基と処理し、カ
ルバニオンを発生させた後、 一般式 (式中、R2及びR3は、前述したものと同意義を示す。)
を有するアルデヒド体又はケトン体と反応させることに
よつて達成される。
本反応は、前記A法第1工程と同様に行われる。又、本
反応は、クロル‐トリプロポキシチタンのようなチタン
化合物の共存下にも好適に行われる。
第13工程は、一般式(XII)を有する化合物を製造する
工程で、化合物(XI)の水酸基をスルホニル化した後又
はハロゲン置換した後、塩基と処理することにより達成
され、各反応は、前記A法第4工程と同様に行われる。
第14工程は、一般式(XIII)を有する化合物を製造する
工程で、化合物(XII)の式CO2R10基をヒドロキシメチ
ル基に還元することにより達成され、前記A法第1工程
の相当する反応と同様に行われる。
第15工程は、一般式(XIV)を有する化合物を製造する
工程で、化合物(XIII)を化合物(XXV)又は化合物(X
XVI)と反応させることにより達成され、各反応は、前
記B-(1)法第7工程と同様に行われる。
第16工程は、所望に応じて行う工程で、R11,R12及び
R7′に含まれる水酸基の保護基の除去反応;R15が保護
されたカルボキシ基である場合のその保護基の除去反
応;R15をヒドロキシメチル基に変換する反応、得られ
たヒドロキシメチル基をホルミル基に変換する反応(保
護する反応を含む);R15のカルボキシ基をエステル化
する反応又はカルボキシ若しくはエステルを置換されて
もよいカルバモイル基に変換する反応;R7′に含まれる
アシル基の保護基の除去反応;及びカルボキシ基をヒド
ロキシメチルカルボニルに変換する反応(水酸基を保護
する反応を含む)を含み、各反応は適宜順序を変えて行
うことができる。
上記各反応は、前記B−(1)法第8工程の相当する反応
と同様に行われる。
C法は、化合物(I)において、Aが式−CH=CH−(C
H2)n−を有する基(式中、nは前述したものと同意義を
示す。)である化合物(Ic)を製造する方法である。
第17工程は、一般式(XV)を有する化合物を製造する工
程で、前記化合物(Ia)において、Aが式CH2)2−(CH
2)n−を有する基であり、R1がR15である化合物(Ia′)
(式中、R15及びnは、前述したものと同意義を示
す。)を、不活性溶剤中、塩基で処理した後、一般式 R16−W−W−R16 (XXVIII) 又はR16−W−X (XXIX) (式中、R16,W及びXは前述したものと同意義を示
す。)を有する化合物と反応させることによつて達成さ
れる。
化合物(Ia′)のR15は好適には保護されたカルボキシ
基であり、さらに好適にはメトキシカルボニル基であ
る。
R16は好適にはアリール基である。
使用される塩基としては、例えばメチルリチウム、n-ブ
チルリチウム、s-ブチルリチウム、フエニルリチウムの
ような有機リチウム化合物;ジイソプロピルアミノリチ
ウム、ジシクロヘキシルアミノリチウム、イソプロピル
−シクロヘキシルアミノリチウムのようなジアルキルア
ミノリチウム;又はビス(トリメチルシリル)リチウム
アミド、ビス(トリエチルシリル)リチウムアミド、ビ
ス(ジフエニルメチルシリル)リチウムアミドのような
ビス−シリルリチウムアミドをあげることができるが、
好適にはジアルキルリチウムアミドである。
使用される不活性溶剤としては、例えばエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジグライムのよう
なエーテル類又はベンゼン、トルエン、キシレンのよう
な芳香族炭化水素類をあげることができるが、好適には
エーテル類である。
反応温度は塩基との反応については−100℃乃至室温で
あり、化合物(XXVIII)又は(XXIX)との反応において
は0℃乃至50℃であり、反応に要する時間は前者の反応
においては10分間乃至2時間であり、後者の反応におい
ては30分間乃至5時間である。
反応終了後、反応目的物は常法に従つて反応混合物から
採取される。例えば、反応混合物を水にあけ、水不混和
性有機溶剤で抽出し、有機溶剤を留去することによつて
得ることができる。さらに、必要に応じて、常法、例え
ばカラムクロマトグラフイー、再結晶法等によりさらに
精製することもできる。
第18工程は一般式(XVI)を有する化合物を製造する工
程で、不活性溶剤中、化合物(XV)を酸化剤と処理し、
その後必要に応じて加熱することによつて達成される。
使用される酸化剤としては、例えば過酸化水素又は過作
酸、過プロピオン酸、過安息香酸、メタクロロ過安息香
酸のような有機過酸をあげることができるが、好適には
過酸化水素又はメタクロロ過安息香酸である。
使用される不活性溶剤としては、例えばベンゼン、トル
エン・キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンク
ロリド、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類;
エーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジ
グライムのようなエーテル類;酢酸エチルのようなエス
テル類;メタノール、エタノール、n-プロパノールのよ
うなアルコール類;水;又はこれらの溶剤の混合溶剤を
あげることができるが、好適には過酸化水素を使用する
場合には水−アルコール類−エステル類の混合溶剤であ
り、有機過酸を使用する場合にはハロゲン化炭化水素類
である。
反応温度は通常−50℃乃至50℃であり、反応に要する時
間は30分間乃至5時間であり、さらに必要に応じて、二
重結合の生成を促進させるため、50℃乃至100℃で1時
間乃至5時間処理することもできる。
反応終了後、反応目的物は常法に従つて反応混合物から
採取される。例えば、反応混合物を水にあけ、必要に応
じて不溶物が生じた場合には過した後、水不混和性有
機溶剤で抽出し、有機溶剤を留去することによつて得る
ことができる。さらに、必要に応じて、常法、例えばカ
ラムクロマトグラフイー、再結晶法等によりさらに精製
することもできる。
第19工程は所望に応じて行う工程で、R4及び/又はR5
水酸基の保護基の除去反応;R15に含まれるカルボキシ
基の保護基の除去反応;R15をヒドロキシメチル基に変
換する反応;得られたヒドロキシメチル基をホルミル基
に変換する反応(保護する反応を含む);R15のカルボ
キシ基をエステル化する反応;及びカルボキシ若しくは
エステルを置換されてもよいカルバモイル基に変換する
反応を含み、適宜順序を変えて行うことができる。
本工程は、前記B−(1)法第8工程の相当する反応と同
様に行われる。
D法は、化合物(I)において、Bがビニレン又はエチ
ニレンである化合物(Id)を別途に製造する方法であ
る。
第20工程は一般式(XVIII)を有する不飽和ケトン誘導
体を製造する工程で、一般式(XVII)を有するアルデヒ
ド誘導体に一般式 又は一般式 (式中、R7′,R16及びMは前述したものと同意義を示
し、Yは水素原子又はハロゲン原子を示す。)を有する
ウイテツヒ又は変法ウイテツヒ試剤を反応させることに
よつて達成される。
反応に使用される前記一般式(XXX)又は(XXXI)を有
するウイテツヒ又は変法ウイテツヒ試剤は、常法に従つ
て溶剤の存在下で一般式 又は一般式 (式中、R7′,R16,X及びYは前述したものと同意義を
示す。) を有する化合物に水素化ナトリウム,水素化カリウムの
ような水素化アルカリ金属あるいはナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド
のようなアルカリ金属アルコキシド、ナトリウムアミ
ド、カリウムアミドのようなアルカリ金属アミド、n-ブ
チルリチウムのようなアルキルアルカリ金属、ナトリウ
ムジメチルスルホキシドアニオンのようなアルカリ金属
ジメチルスルホキシドアニオンなどのアルカリ金属塩基
を反応させることによつて得ることができる。使用され
る溶剤としては一般のウイテツヒ反応に用いられる溶剤
が特に限定なく用いられ、例えばエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのよう
なエーテル類;スルホランのようなチオエーテル類;ベ
ンゼン、トルエン、ヘキサンのような炭化水素類;ジメ
チルスルホキシドのようなジアルキルスルホキシド類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのような
脂肪酸ジアルキルアミド類;ジクロルメタン、クロロホ
ルムのようなハロゲン化炭化水素類;ヘキサメチルホス
ホリルトリアミド(HMPA)のようなリン酸トリアミド類
等の不活性有機溶剤をあげることができる。また反応は
窒素、アルゴン、ヘリウムのような不活性ガス中で好適
に行なわれる。反応温度には特に限定はなく、通常は−
10℃乃至溶剤の還流温度で行なわれ、好適には室温付近
で行なわれる。反応時間は反応温度などによつて異なる
が、通常は6乃至50時間である。
反応終了後、ウイテツヒ反応の目的化合物は常法に従つ
て反応混合物から採取される。例えば反応終了後、反応
混合物に氷水を加え、次いで必要に応じて酸処理を行な
い、エーテルのような有機溶剤を加えて抽出し、得られ
る有機溶剤層を水洗し乾燥した後、有機溶剤層より溶剤
を留去することによつて得られる。
第21工程は一般式(XIX)を有するアルコール誘導体を
製造する工程で、化合物(XVIII)を還元剤又は前記化
合物(XXII)と反応させることによつてそれぞれR6が水
素原子である化合物及びR6がC1−C4のアルキル基である
化合物が製造される。
還元剤との反応は通常不活性溶剤中で行われる。
使用される還元剤としてはカルボニル基のみを水酸基に
変換する還元剤であれば特に限定はなく、例えば水素化
ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ
素リチウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化トリ‐tert-ブ
トキシアルミニウムリチウム、水素化トリメトキシアル
ミニウムリチウム、水素化シアノホウ素ナトリウムなど
の水素化金属化合物又はアルミニウムイソプロポキシ
ド、ジイソブチル‐(2,6-ジ‐t-ブチル‐4-メチルフエ
ノキシ)アルミニウムのようなアルミニウム化合物をあ
げることができるが、好適には水素化ホウ素ナトリウム
である。
又、二重結合の還元を抑制するために、塩化セリウム等
を加えることもできる。
使用される不活性溶剤は反応に関与しなければ特に限定
されないが、例えばメタノール、エタノール、n-プロパ
ノール、n-ブタノール、t-ブタノールのようなアルコー
ル類又はエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンの
ようなエーテル類又はこれらの混合溶剤をあげることが
できるが、好適にはアルコール類、特にメタノールであ
る。
反応温度は通常0℃乃至室温であり、反応に要する時間
は反応試剤、反応温度等により異なるが10分間乃至2時
間である。
反応終了後、本工程の目的化合物は常法に従つて、反応
混合物から採取される。例えば反応終了後、溶剤を減圧
下で留去し、氷水を加えて水不混和性有機溶剤で抽出
し、有機溶剤を留去することによつて得られる。
なお、本工程の原料化合物(XVIII)において、R17がヒ
ドロキシメチル基である場合には、必要に応じてその水
酸基を保護した後、本反応に使用することができる。水
酸基に保護基を導入する反応は次に述べる第22工程の相
当する反応と同様に行われる。
又、化合物(XXII)との反応は、前記第2工程の相当す
る反応と同様に行われる。
第22工程は、所望により一般式(XX)を有する化合物を
製造する工程であり、化合物(XIX)のハロビニレン基
をエチニル基に変換する反応及び水酸基を保護する反応
を含む。
ハロビニレン基をエチニル基に変換する反応は、不活性
溶剤中、相当する化合物(XIX)を塩基と処理すること
によつて達成される。
使用される塩基としては、例えば、ナトリウムメトキシ
ド、カリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシド、ナト
リウムt-ペントキシドのようなアルカリ金属アルコキシ
ド又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアル
カリ金属水酸化物をあげることができるが、好適には、
カリウムt-ブトキシド、ナトリウムt-ペントキシド、水
酸化カリウムのような強塩基である。
使用される不活性溶剤としては、反応に関与しなければ
特に制限されないが、好適には、メタノール、エタノー
ル、t-ブタノールようなアルコール類又はエーテル、テ
トラヒドロフランのようなエーテル類をあげることがで
きる。
反応温度は、通常室温乃至溶剤の還流温度であり、反応
に要する時間は30分間乃至5時間である。
反応終了後、目的化合物は常法に従つて反応混合物から
採取される。例えば反応終了後、適宜溶剤を減圧で留去
するか、留去しないで反応混合物を氷水にあけ必要に応
じて中和して、次いで適当な有機溶剤を加えて抽出を行
ない、抽出液を水洗し乾燥した後、抽出液より溶剤を留
去することによつて得られる。さらに必要に応じて、常
法、例えばシリカゲルカラムクロマトグラフイー、再結
晶法等によつて精製することもできる。
水酸基を保護する反応は常法に従つて化合物(XIX)を
保護基を形成する化合物と接触させることによつて行な
われる。使用される保護基を形成する化合物としては例
えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、ナフタリン
カルボン酸のようなカルボン酸若しくはその反応性誘導
体;ベンジルクロリド、ベンジルブロミド、p-ニトロベ
ンジルブロミド、p-メトキシベンジルブロミドのような
アラルキルハライド化合物;トリチルクロリド、トリチ
ルブロミドのようなトリチルハライド;ジヒドロピラ
ン、ジヒドロチオピラン、ジヒドロチオフエン、4-メト
キシ‐5,6-ジヒドロ‐(2H)ピランのような5若しくは
6員環状の複素環化合物;メトキシメチルクロリド、メ
チルチオメチルクロリド、エトキシエチルクロリド、ベ
ンジルオキシメチルクロリドのようなアルコキシ、アル
キルチオ若しくはアラルキルオキシ置換アルキルハライ
ド化合物;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ルのような不飽和エーテル類;ヘキサメチルジシラザ
ン、トリメチルシリルクロリド、トリ‐n-プロピルシリ
ルクロリド、t-ブチルジメチルシリルクロリド、ジフエ
ニルt-ブチルシリルクロリドのようなシリル化合物など
を好適な化合物としてあげることができる。
カルボン酸化合物を使用する場合には、ジシクロヘキシ
ルカルボジイミドのような縮合剤の存在下に好適に行わ
れる。
カルボン酸の反応性誘導体としては、例えば酢酸クロリ
ド、酢酸ブロミド、ベンゾイルクロリド、ベンゾイルブ
ロミド、ナフトイルクロリドのような酸ハライド化合物
又は無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸のよう
な酸無水物をあげることができ、本誘導体を使用する場
合には、トリエチルアミン、ピリジン、4-N,N-ジメチル
アミノピリジン、キノリン、N,N-ジメチルアニリンのよ
うな有機塩基の存在下に好適に行われる。
本反応は溶剤の存在下で行われる。使用される溶剤とし
ては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、n-ヘキサ
ンのような炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、
四塩化炭素、クロルベンゼンのようなハロゲン化炭化水
素類、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのよ
うなエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンのよう
なケトン類をあげることができるが、好適には炭化水素
類である。
反応温度は通常0℃〜100℃であり、反応に要する時間
は反応試剤、反応温度、溶剤等により異なるが、30分間
乃至6時間である。
アラルキルハライド化合物、トリチルハライド、アルコ
キシ、アルキルチオ若しくはアラルキルオキシ置換アル
キルハライド化合物又はシリル化合物を使用する場合に
は、不活性溶剤中、化合物(XIX)を水素化ナトリウ
ム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物と反
応させ、化合物(XIX)のアルカリ金属塩を製造した後
に、相当するハライド化合物又はジシラザンのようなシ
リル化試薬を反応させることによつて達成される。
使用する不活性溶剤は反応に関与しなければ特に限定さ
れないが、例えばエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサンのようなエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリルトリアミ
ドのようなアミド類、アセトニトリル、ベンゾニトリル
のようなニトリル類又はジメチルスルホキシドのような
スルホキシド類をあげることができるが、好適にはアミ
ド類である。
反応温度は0℃乃至100℃であり、反応に要する時間は
反応試剤、反応温度により異なるが通常10分間乃至3時
間である。
又、トリエチルアミン、ピリジン、4-N,N-ジメチルアミ
ノピリジン、イミダゾールのような有機塩基又は水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムのような無
機塩基の存在下に、化合物(XIX)と相当するハライド
化合物を反応させることもできる。5若しくは6員環状
の複素環化合物又は不飽和エーテル類を使用する場合に
は、反応は不活性溶剤の存在下又は不存在下少量の酸、
例えば塩酸、臭化水素酸のような鉱酸またはピクリン
酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエ
ンスルホン酸、カンフアースルホン酸のような有機酸の
存在下で実施される。
使用される溶剤としては反応に関与しなければ特に制限
されないが、例えばエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサンのようなエーテル類、塩化メチレン、クロロホ
ルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類又はベ
ンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類
をあげることができるが、好適にはハロゲン化炭化水素
類である。又、不活性溶剤の不存在下、溶剤を兼ねて複
素環化合物又はビニルエーテル化合物を過剰に使用する
ことによつても反応は行われる。
反応温度は通常0℃乃至50℃であり、反応に要する時間
は反応試剤、反応温度等により異なるが、30分間乃至3
時間である。
以上の各反応終了後、水酸基の保護された目的化合物は
常法に従つて反応混合物から採取される。例えば、反応
混合物を氷水にあけ不溶物が存在する場合には別にし
た後、溶液が酸性又はアルカリ性の場合には適宜中和
し、水不混和性有機溶剤で抽出した後、溶剤を留去する
ことにより得ることができる。さらに必要ならば常法、
例えばカラムクロマトグラフイー、薄層クロマトグラフ
イー、再結晶法などを用いてさらに精製することができ
る。
なお、化合物(XIX)において、側鎖の水酸基の配位が
β位の化合物が相当量生成した場合には、必要に応じ
て、水酸基の保護基R11を除去して、常法、例えば再結
晶、カラムクロマトグラフイー等によつて、水酸基の配
位がβ位の化合物を除去して、本工程の水酸基の保護化
反応に使用することもできる。
第23工程は所望に応じて行う工程で、R17に含まれる水
酸基の保護基、ホルミル基の保護基若しくはカルボキシ
基の保護基の除去反応;R11,R12及び/又はR7′に含ま
れる水酸基の保護基の除去反応;R17に含まれる水酸基
の保護基を除去して得たヒドロキシメチル基をホルミル
基(保護基を付す反応も含む。)若しくはカルボキシ基
に変換する反応;カルボキシ基をエステル化する反応又
はカルボン酸若しくはエステルをアミド化する反応;
R7′に含まれるアシル基の保護基を除去する反応;並び
にカルボキシ基をヒドロキシメチルカルボニル基に変換
する反応(水酸基を保護する反応)を含み、各反応は適
宜順序を変えて行うことができる。
上記各反応は、前記A法第5工程及びB-(1)法第8工程
の相当する反応と同様に行われる。
D法の原料化合物(XVII)は、以下の方法に従つて容易
に製造される。
E法 F法 G法 上記式中、R2,R3,R4′,R11,R12,R13,R14,R15,R
16,R17,A′,E,W,n,p,q及び点線を含む結合は、前述し
たものと同意義を示し、R15′は、保護されたカルボキ
シ基又はテトラゾリル基を示し、R17′は、保護された
カルボキシ基、保護された水酸基、保護されたホルミル
基又はテトラゾリル基を示す。
E法は、化合物(XVII)において、Aが、単結合又は弗
素原子を含んでいてもよいC1-C7の直鎖状アルキレン基
である化合物(XVIIe)を製造する方法である。
本方法における第24工程乃至26工程は、それぞれ、前記
A法第1工程乃至第3工程と同様に行われ、一般式(XX
XII)を有する化合物を出発原料として、式(XXXII
I),式(XXXIV)を有する化合物を経て、式(XXXV)を
有する化合物が得られる。
なお、化合物(XXXII)は、公知化合物〔例えば、ケミ
カル・フアーマシユーテイカル・ブレタン、32巻、第37
68頁(1984年):Chem.Pharm.Bull.,32,3768(1984)〕
又は公知化合物から容易に製造される化合物である3-オ
キソビシクロ〔3.3.0〕誘導体を、公知の方法(例え
ば、ヨーロツパ特許公開136779号)に従つてウイテツヒ
反応を行うことによつて容易に製造される。
第27工程は、一般式(XXXVI)を有する化合物を製造す
る工程で、化合物(XXXV)の水酸基をスルホニル化した
後又はハロゲンで置換した後、塩基と処理し、さらに水
酸基の保護基であるR12を除去することによつて達成さ
れる。この際、必要に応じ、R14に含まれる水酸基の保
護基を除去し、得られたヒドロキシメチル体を他の水酸
基の保護基で保護する反応、ヒドロキシメチル体を酸化
してカルボキシ体に変換する反応及び得られたカルボキ
シ基を保護する反応を適宜行うことができる。
以上の各反応は、前記A法第4工程,第5工程及びD法
第22工程の相当する反応と同様に行われる。
R12の除去反応で、R12とR11が同一の反応条件で除去さ
れる保護基である場合には、両方の基は同時に除去され
る。この場合には、必要に応じて、第1アルコールと第
2アルコールの反応性の差を利用して、2級の水酸基を
再保護することもできる。例えば、R12とR11が同時に除
去されたジオール体(LIII)をトリクロロアセチルクロ
リド、トリフルオロアセチルクロリドのような活性アシ
ルハライドと反応させ、1級の水酸基がアシル化された
化合物(LIV)に導き(第46工程)、2級の水酸基を保
護して化合物(LV)を得た後(第47工程)、温和な条件
で活性アシルオキシ基を加水分解して(第48工程)、目
的とする化合物(XXXVII)が製造される。
上記式中、R2,R3,R17′,R11,A′及び点線を含む結合
は前述したものと同意義を示し、R19は活性アシル基を
示す。
第46工程及び第47工程はそれぞれ前記D法第22工程にお
ける相当する反応と同様に行われる。第46工程の反応に
おいては温和な条件で活性アシルハライドを過剰になら
ないように使用することによつて好適に行われる。
第48工程は化合物(LV)を不活性溶剤中、弱塩基と温和
な条件で反応させることによつて達成される。
使用される弱塩基としては、例えば、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属重炭酸塩;
酢酸ナトリウム、酢酸カリウムのような脂肪族カルボン
酸のアルカリ金属塩;塩基性アルミナ;又はトリエチル
アミン、ピリジンのような有機アミン類をあげることが
できるが、好適にはアルカリ金属重炭酸塩である。
使用される不活性溶剤は反応に関与しなければ特に制限
されないが、例えばメタノール、エタノール、n-プロパ
ノール、イソプロピルアルコールのようなアルコール
類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;ジメチルス
ルホキシドのようなジアルキルスルホキシド類およびこ
れらの有機溶剤と水との混合溶剤をあげることができ
る。反応温度には特に限定はなく、通常は室温乃至50℃
で行われる。反応時間は反応温度のなどによつて異なる
が、通常は1乃至12時間である。
第28工程は、化合物(XVIIe)を製造する工程で、化合
物(XXXVI)を酸化することによつて達成され、本反応
は前記A法第5工程の相当する反応と同様に行われる。
又、必要に応じて、カルボキシ基又はヒドロキシメチル
基の保護基を除去することもできる。
F法は、化合物(XVII)において、Aが式−(CH2)p-E-
(CH2)q−を有する基(式中、E,p及びqは、前述したも
のと同意義を示す。)である化合物(XVIIf)を製造す
る方法である。
F−(1)法における第29工程及び第30工程は、それぞ
れ、前記A法第4工程,B法第6工程及び第7工程と同様
に行われ、化合物(XXXV)において、式R14−A′−を
有する基が、式R4′−O−(CH2)q−を有する基である
(式中、R4′及びqは前述したものと同意義を示す。)
化合物(XXXV′)を出発原料として、式(XXXVII)を有
する化合物を経て、式(XXXVIII)を有する化合物が製
造される。
第31工程は、一般式(XXXIX)を有する化合物を製造す
る工程で、化合物(XXXVIII)のR15がカルボキシ基の場
合にそのカルボキシ基を保護する反応 及びR15をヒド
ロキシメチル基に変換し、その水酸基を保護する反応を
含む。
上記各反応は、前記A法第5工程及びD法第22工程の相
当する反応と同様に行われる。
第32工程及び第33工程は、化合物(XXXIX)のR12を除去
し、ヒドロキシメチル体(XL)を製造し、酸化してホル
ミル体(XVIIf)を製造する工程であり、前記E法第27
工程の相当する反応及び第28工程と同様に行われる。
F−(2)法は、化合物(XXXIX)において、qが1である
化合物(XLIII)を別途に製造する法であり、化合物(X
XXV)において、R2及びR3が水素原子であり、nが0で
ある化合物(XXXV′′)を出発原料として、式(XLI)
及び式(XLII)を有する化合物を経由して行われるが、
第34工程乃至第36工程は、それぞれ、前記B法第9工
程、第10工程及びF法第31工程と同様に行われる。
F−(3)法は、化合物(XXXVII)において、qが1であ
る化合物(XLVII)を別途に製造する方法であり、化合
物(XXXII)を出発原料として、式(XLIV),(XLV)及
び(XLVI)を有する化合物を経由して行われるが、第37
工程乃至第40工程は、それぞれ前記B法第12工程乃至第
15工程と同様に行われる。
G法は、化合物(XVII)において、Aが式−CH=CHCH
2n−を有する基(式中、nは前述したものと同意義を
示す。)である化合物(XVIIg)を製造する方法であ
る。
本方法は、E法第27工程において、R12を除去する前に
得られる一般式(XLVIII)を有する化合物を出発原料と
して、式(XLIX),(L),(LI)及び(LII)を有す
る化合物を経由して行われるが、第41工程乃至第45工程
は、それぞれ前記C法第17工程,第18工程,F法第31工
程,第32工程及び第33工程と同様に行われる。
このようにして得られる各工程の目的化合物が種々の位
置異性体,幾何異性体及び光学異性体の混合物で得られ
る場合には、適当な合成段階においてこれらの異性体を
分離および分割することができる。
(効果) 前記一般式(I)を有する化合物及びその薬理上許容さ
れる塩は抗血小板剤,抗潰瘍剤として有用で血栓性疾
患,潰瘍疾患の治療および予防薬として用いることがで
きる。その投与形態としては例えば錠剤、カプセル剤、
顆粒剤、散剤、シロツプ剤、脂肪乳剤(リポゾーム製
剤)などによる経口投与または静脈注射による非経口投
与等をあげることができる。その使用量は症状、年令、
体重等によつて異なるが、通常は成人に対して1日約0.
0001mg乃至1000mg、好適には1日約0.01mg乃至100mgで
あり、1回または数回に分けて投与することができる。
次に実施例及び参考例をあげて、本発明をさらに具体的
に説明する。
実施例1 3-(1-メトキシカルボニル‐5-ベンジルオキシペンチ
ル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキ
シ)‐5(R),9-ジメチル‐1,8-デカジエニル〕‐7α‐
(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕
オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物 無水テトラヒドロフラン40mlにジヘキシルアミン1.9ml
を溶解して−78℃に冷却し、15%n-ブチルリチウム(ヘ
キサン溶液)5.8mlを滴下して10分間攪拌する。次い
で、ヘキサメチルホスホルアミド1.82mlを滴下して5分
間攪拌した後に3,3-(メトキシカルボニルメチレン)‐
6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐5
β,9-ジメチル‐1,8-デカジエニル〕‐7α‐(2-テト
ラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン
2.6gをテトラヒドロフラン15mlに溶解して滴下し、10分
間−78℃に攪拌する。次に1-ベンジルオキシ‐4-ブロモ
ブタン2.32gを加えて徐徐に室温に戻して室温に1時間
攪拌する。反応液に、飽和塩化アンモニウム水溶液10ml
を加えて攪拌後、反応液を水150mlに希釈して酢酸エチ
ル抽出,抽出液を水洗,無水芒硝乾燥,溶媒を減圧下に
留去と順次行なつたのち得られた残渣4.67gをシリカゲ
ルカラムクロマトグラフイーに付すことにより目的化合
物2.7gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:1025,1120,1740 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.92(3H,d)、3.62(3H,
s)、4.45(2H,s)、4.9-5.7(4H,m)、7.30(5H,s) 実施例2 3-(1-ヒドロキシメチル‐5-ベンジルオキシペンチル)
‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐
5(R),9-ジメチル‐1,8-デカジエニル〕‐7α‐(2-テ
トラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト
‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物 無水エーテル80mlに水素化アルミニウムリチウム0.29g
を懸濁して、氷冷却攪拌下に実施例1で得られたエステ
ル体2.7gを15mlのエーテルに溶解して滴下し、室温で、
15分間攪拌した。次いで、4%水酸化ナトリウム水溶液
1.2mlを滴下して、室温で1時間攪拌後、析出した不溶
物をセライトを用いて去し液を濃縮して得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイーに付すことに
より目的化合物2.53gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1020,1075,1120,34
80 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.95(3H,d)、4.50(2H,
s)、4.70(2H,br.s)、5.0-5.7(4H,m)、7.33(5H,
s) 実施例3 3-(1-t-ブチルジメチルシリルオキシメチル‐5-ベンジ
ルオキシペンチル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロ
ピラニルオキシ)‐5(R),9-ジメチル‐1,8-デカジエニ
ル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシク
ロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合
物 実施例2で得られたヒドロキシ体2.53gをジメチルホル
ムアミド25mlに溶解して、t-ブチルジメチルシリルクロ
リド0.68g、イミダゾール0.30g、4-ジメチルアミノピリ
ジン54mgを加えて、室温で5時間放置した。反応液を15
0mlの水に希釈して酢酸エチル抽出、抽出液を水洗,無
水芒硝乾燥,溶媒を減圧下に留去と順次行なつたのち残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイーに付すことに
より目的化合物2.99gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:835,1020,1075,1115 NMRスペクトル(CDCl3)δ:4.50(2H,s)、5.0-5.7(4H,
m)、7.34(5H,s) 実施例4 3-(1-t-ブチルジメチルシリルオキシメチル‐5-ヒドロ
キシペンチル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラ
ニルオキシ)‐5(R),9-ジメチル‐1,8-デカジエニル〕
‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ
〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物 液体アンモニア50mlを−78℃に冷却し実施例3で得られ
たベンジル体2.9gをテトラヒドロフラン50mlに溶解して
加えたのち、金属ナトリウム0.6gを加えて−70〜−50℃
で15分間攪拌する。次いで、塩化アンモニウムの粉末約
5gを加えて徐々に室温に戻してアンモニアを除き残つた
反応液を水150mlに希釈して酢酸エチル抽出,抽出液を
水洗,無水芒硝乾燥,溶媒を減圧下に留去と順次行なつ
て得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー
に付すことにより目的化合物2.1gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:840,1025,1080,1120,34
70 NMRスペクトル(CDCl3)δ:4.77(2H,br.s)、4.95-5.7
(4H,m) 実施例5 3-(1-t-ブチルジメチルシリルオキシメチル‐5-アセト
キシペンチル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラ
ニルオキシ)‐5(R),9-ジメチル‐1,8-デカジエニル〕
‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ
〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物 実施例4で得たヒドロキシ体1.7gをピリジン6mlに溶解
して無水酢酸3mlを加えて室温に2時間放置する。反応
液を、水100mlに希釈して振とう後酢酸エチル抽出,抽
出液を水洗,希塩酸水洗,水洗,無水芒硝乾燥,溶媒を
減圧下に留去と順次行なつて目的化合物1.8gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:840,1020,1033,1080,11
20,1235,1745 NMRスペクトル(CDCl3)δ:2.03(3H,s)、4.05(2H,t) 実施例6 3-(1-ヒドロキシメチル‐5-アセトキシペンチル)‐6
β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)−5
(R),9-ジメチル‐1,8-デカジエニル〕‐7α‐(2-テト
ラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2
-エン及びオクト‐3-エンの混合物 実施例5で得たシリル体1.8gをテトラヒドロフラン30ml
に溶解してテトラn-ブチルアンモニウムフロリド(1M-
テトラヒドロフラン溶液)4.9mlを加えて室温に2時間
攪拌する。反応液を、水150mlに希釈して酢酸エチル抽
出,抽出液を水洗,無水芒硝乾燥,溶媒を減圧下に留去
と順次行なつて得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフイーに付すことにより1.53gの目的化合物を得
た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1020,1033,1075,11
20,1130,1240,1743,3480 NMRスペクトル(CDCl3)δ:2.03(3H,s)、4.05(2H,t)
4.68(2H,br.s)、5.05-5.7(4H,m) 実施例7 3-(1-メチルスルホニルオキシメチル‐5-アセトキシペ
ンチル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオ
キシ)‐5(R),9-ジメチル‐1,8-デカジエニル〕‐7α
‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.
0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物 実施例6で得たヒドロキシ体1.53gをピリジン30mlに溶
解してメタンスルホニルクロリド0.28mlを加えて室温に
1時間攪拌した。反応液を水150mlに希釈して酢酸エチ
ル抽出,抽出液を希塩酸水洗,水洗,無水芒硝乾燥,溶
媒を減圧下に留去と順次行ない目的化合物1.7gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1025,1035,1180,12
40,1360,1743 NMRスペクトル(CDCl3)δ:2.03(3H,s)、2.95(3H,
s)、4.68(2H,br.s)、5.0-5.7(4H,m) 実施例8 3-(1,1-メチレン‐5-アセトキシペンチル)‐6β‐
〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐5(R),9-
ジメチル‐1,8-デカジエニル〕‐7α‐(2-テトラヒド
ロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン
及びオクト‐3-エンの混合物 実施例7で得たメチルスルホニルオキシ体1.7gをヘキサ
メチルホスホルアミド30mlに溶解して1,8-ジアザビシク
ロ〔5.4.0〕ウンデカ‐7-エン3mlとヨウ化ナトリウム1.
0gを加えて90℃に1時間攪拌する。反応液を冷却後、水
100mlに希釈して酢酸エチル抽出,抽出液を希塩酸水
洗,水洗,無水芒硝乾燥,溶媒を減圧下に留去と順次行
なつて得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
イーに付すことにより目的化合物1.2gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:1020,1030,1235,1590,1
620,1742 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.92(3H,d)、2.02(3H,
s)、4.83(2H,br.s)、5.71(1H,br.s) 実施例9 3-(1,1-メチレン‐5-ヒドロキシペンチル)‐6β‐
〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐5(R),9-
ジメチル‐1,8-デカジエニル〕‐7α‐(2-テトラヒド
ロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン
及びオクト‐3-エン 実施例8で得たアセトオキシ体1.25gをメタノール30ml
に溶解して無水炭酸カリウム0.25gを加えて室温に2.5時
間攪拌した。反応液を、水150mlに希釈して酢酸エチル
抽出,抽出液を水洗,無水芒硝乾燥,溶媒を減圧下に留
去と順次行なつて得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフイーに付しオクト‐2-エン体0.68gとオクト
‐3-エン体0.51gを得た。
オクト‐2-エン体: IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1025,1035,1080,15
95,1625,3470 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.95(3H,d)、4.73(2H,br.
s)、4.90(2H,s)、5.0-5.65(3H,m)、5.70(1H,s) オクト‐3-エン体: IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1025,1080,1597,16
25,3470 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.95(3H,m)、4.73(2H,
m)、4.90(2H,s)、5.0-5.65(3H,m)、5.72(H,m) 実施例10 3-(1,1-メチレン‐4-メトキシカルボニルブチル)‐6
β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐5
(R),9-ジメチル‐1,8-デカジエニル〕‐7α‐(2-テト
ラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2
-エン 実施例9で得たヒドロキシ体(オクト‐2-エン)0.45g
をピリジン1mlに溶解して、無水クロム酸0.1gを水0.1ml
に溶解して滴下し室温に20時間攪拌した。反応液を、エ
ーテルとベンゼン1対1の混合溶媒に希釈して析出した
不溶物をセライトを用いて去したのち、液を希塩酸
水洗,水洗,無類芒硝乾燥,溶媒を減圧下に留去と順次
行なつて得られた残渣にジアゾメタンのエーテル溶液を
ジアゾメタンの黄色が消失しなくなるまで加えてエーテ
ルを留去し油状残渣0.40gを得た。この残渣を、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフイーに付すことにより目的化
合物0.24gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1020,1030,1075,11
30,1200,1590,1620,1740 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.67(3H,s)、4.72(2H,br.
s)、4.92(2H,s)、5.0-5.68(3H,m)、5.71(1H,br.
s) 実施例11 3-(1,1-メチレン‐4-メトキシカルボニルブチル)‐6
β‐(3α‐ヒドロキシ‐5(R),9-ジメチル‐1,8-デカ
ジエニル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オク
ト‐2-エン 実施例10で得たジピラニル体0.22gをテトラヒドロフラ
ン4mlに溶解して酢酸8mlを加え50℃で攪拌中、水15mlを
白濁しない程度に徐々に滴下しつつ3時間攪拌する。反
応液を、水150mlに希釈して酢酸エチル抽出,抽出液を
炭酸水素ナトリウム水溶液にて酢酸を除去,飽和食塩水
洗,無水芒硝乾燥,溶媒を減圧下に留去と順次行なつて
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイーに
付すことにより0.15gの目的化合物を得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:965,1087,1150,1430,15
90,1620,1740,3350 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.94(3H,d)、1.62(3H,
s)、1.69(3H,s)、3.69(3H,s)、4.16(1H,m)、4.9
3(2H,s)、5.13(1H,t)、5.6(2H,m)、5.74(1H,s) 実施例12 3-(1,1-メチレン‐4-カルボキシブチル)‐6β‐(3
α‐ヒドロキシ‐5(R),9-ジメチル‐1,8-デカジエニ
ル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-
エン 実施例11で得たメチルエステル体0.13gをメタノール7ml
に溶解して5%水酸化ナトリウム水溶液3mlを加えて、
室温で1時間攪拌する。反応液を水100mlに希釈して希
塩酸水にて酸性として酢酸エチル抽出,抽出液を飽和食
塩水洗,無水芒硝乾燥,溶媒を減圧下に留去と順次行な
い0.12gの目的化合物を得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:965,1085,1230,1450,15
95,1623,1707,2630,3320 NMRスペクトル(CDCl3+D2O)δ:0.94(3H,d)、1.61(3H,
s)、1.69(3H,s)、3.13(1H,m)、3.77(1H,m)、4.1
8(1H,m)、4.94(2H,s)、5.13(1H,t;J=7.5Hz)、5.
55(2H,m)、5.74(1H,s) 実施例13 3-(1,1-メチレン‐4-メトキシカルボニルブチル)‐6
β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐5
(R),9-ジメチル‐1,8-デカジエニル〕‐7α‐(2-テト
ラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐3
-エン 実施例9で得たヒドロキシ体(オクト‐3-エン体)0.29
gを実施例10と同様に処理して目的化合物0.18gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:970,1020,1075,1130,12
00,1435,1595,1623,1740 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.95(3H,m)、3.67(3H,
s)、4.73(2H,br.s)、4.90(2H,s)、5.0-5.8(4H,
m) 実施例14 3-(1,1-メチレン‐4-メトキシカルボニルブチル)‐6
β‐(3α‐ヒドロキシ‐5(R),9-ジメチル‐1,8-デカ
ジエニル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オク
ト‐3-エン 実施例13で得たジピラニル体0.16gを実施例11と同様に
処理して目的化合物0.11gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:970,1085,1150,1430,15
90,1623,1740,3350 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.92(3H,d)、1.59(3H,
s)、1.65(3H,s)、3.62(3H,s)、4.12(1H,m)、4.8
4(2H,s)、5.03(1H,t;J=7.5Hz)、5.43-5.63(3H,
m) 実施例15 3-(1,1-メチレン‐4-カルボキシブチル)‐6β‐(3
α‐ヒドロキシ‐5(R),9-ジメチル‐1,8-デカジエニ
ル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐3-
エン 実施例14で得たメチルエステル体0.11gを実施例12と同
様に処理して目的化合物0.15gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:970,1080,1240,1450,15
90,1623,1705,2630,3320 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.94(3H,d)、1.61(3H,
s)、1.69(3H,s)、3.78(1H,m)、4.23(1H,m)、4.9
5(2H,s)、5.13(1H,t;J=7.5Hz)、5.63(2H,m)、5.
77(1H,s) ▲〔α〕24 D▼+100.2°(C=1.0,CHl3) 実施例16 3-(1-メトキシカルボニル‐5-ベンジルオキシペンチ
ル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキ
シ)‐1-オクテニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニ
ルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオク
ト‐3-エンの混合物 3,3-メトキシカルボニルメチレン‐6β‐〔3α‐(2-
テトラヒドロピラニルオキシ)‐1-オクテニル〕‐7α
‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.
0〕オクタン1.97gを実施例1と同様に処理して目的化合
物2.15gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:1020,1075,1740 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.64(3H,s)、4.45(2H,
s)、4.70(2H,m)、5.3-5.7(3H,m)、7.32(5H,S) 実施例17 3-(1-ヒドロキシメチル‐5-ベンジルオキシペンチル)
‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐
1-オクテニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキ
シ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-
エンの混合物 エステル体(実施例16の化合物)2.1gを実施例2と同様
に処理して目的化合物2.0gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:1025,1080,3490 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.94(3H,m)、4.50(2H,
s)、4.70(2H,m)、5.3-5.7(3H,m)、7.36(5H,s) 実施例18 3-(1-t-ブチルジメチルシリルオキシメチル‐5-ベンジ
ルオキシペンチル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロ
ピラニルオキシ)‐1-オクテニル〕‐7α‐(2-テトラ
ヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-
エン及びオクト‐3-エンの混合物 ヒドロキシ体(実施例17の化合物)1.95gを実施例3と
同様に処理して目的化合物2.32gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:1020,1075 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.88(9H,s)、4.50(2H,
s)、4.73(2H,m)、5.2-5.8(3H,m):7.36(5H,s) 実施例19 3-(1-t-ブチルジメチルシリルオキシメチル‐5-ヒドロ
キシペンチル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラ
ニルオキシ)‐1-オクテニル〕‐7α‐(2-テトラヒド
ロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン
及びオクト‐3-エンの混合物 ベンジル体(実施例18の化合物)2.28gを実施例4と同
様に処理して目的化合物1.72gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:840,980,1020,1080,112
0,1255,3480 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.88(9H,s)、4.74(2H,
m)、5.2-5.8(3H,m) 実施例20 3-(1-t-ブチルジメチルシリルオキシメチル‐5-アセト
キシペンチル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラ
ニルオキシ)‐1-オクテニル)‐7α‐(2-テトラヒド
ロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン
及びオクト‐3-エンの混合物 ヒドロキシ体(実施例19の化合物)1.69gを実施例5と
同様に処理して目的化合物1.80gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:840,980,1020,1030,108
0,1120,1230,1745 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.90(9H,s)、2.03(3H,
s)、4.05(2H,t;J=6Hz)、4.74(2H,m)5.3-5.8(3H,
m) 実施例21 3-(1-ヒドロキシメチル‐5-アセトキシペンチル)‐6
β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐1-オ
クテニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)
ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エン
の混合物 シリルエーテル体(実施例20の化合物)1.83gを実施例
6と同様に処理して目的化合物1.50gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1020,1030,1745,34
80 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.88(3H,m)、2.03(3H,
s)、4.05(2H,t;J=6Hz)、4.70(2H,m)、5.2-5.7(3
H,m) 実施例22 3-(1-メチルスルホニルオキシメチル‐5-アセトキシペ
ンチル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオ
キシ)‐1-オクテニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラ
ニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオ
クト‐3-エンの混合物 ヒドロキシ体(実施例21の化合物)1.55gを実施例7と
同様に処理して目的化合物1.75gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1020,1030,1740 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.86(3H,m)、2.03(3H,
s)、2.97(3H,s)、4.73(3H,m)、5.3-5.7(3H,m) 実施例23 3-(1,1-メチレン‐5-アセトキシペンチル)‐6β‐
〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐1-オクテ
ニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシ
クロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混
合物 メチルスルホニルオキシ体(実施例22の化合物)1.75g
を実施例8と同様に処理して目的化合物1.33gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1020,1030,1080,11
35,1240,1595,1625,1745 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.89(3H,t)、2.03(3H,
s)、4.90(2H,s)、5.2-5.8(3H,m) 実施例24 3-(1,1-メチレン‐5-ヒドロキシペンチル)‐6β‐
〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐1-オクテ
ニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシ
クロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エン アセトオキシ体(実施例23の化合物)1.35gを実施例9
と同様に処理して目的化合物のオクト‐2-エン体(より
極性の高い化合物)0.73g及びオクト‐3-エン体(より
極性の低い化合物)0.54gを得た。
オクト‐2-エン体: IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1020,1035,1080,15
95,1625,3450 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.90(3H,m)、3.10(1H,
m)、4.73(2H,br.s)、4.92(2H,s)、5.2-5.8(3H,
m) オクト‐3-エン体: IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1020,1080,1595,16
25,3460 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.90(3H,m)、4.74(2H,br.
s)、4.92(2H,s)、5.2-5.8(3H,m) 実施例25 3-(1,1-メチレン‐4-メトキシカルボニルブチル)‐6
β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐1-オ
クテニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)
ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン ヒドロキシ体(実施例24の化合物)0.7gを実施例10と同
様に処理して目的化合物0.4gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1020,1075,1135,12
00,1595,1625,1740 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.85(3H,m)、3.67(3H,
s)、4.73(2H,br.s)、4.92(2H,s)、5.70(1H,br.
s) 実施例26 3-(1,1-メチレン‐4-メトキシカルボニルブチル)‐6
β‐(3α‐ヒドロキシ‐1-オクテニル)‐7α‐ヒド
ロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン シピラニル体(実施例25の化合物)0.36gを実施例11と
同様に処理したのち酢酸エチルとn-ヘキサンにて再結晶
することにより、融点69-70℃を有する目的化合物0.15g
を得た。
IRスペクトル(Nujol)νmaxcm-1:970,1065,1180,1210,
1590,1620,1730,1745,3440 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.90(3H,t)、3.10(1H,
m)、3.68(3H,s)、4.93(2H,s)、5.57(2H,m)、5.7
4(1H,br.s) ▲〔α〕23 D▼−31.1°(C=1.0,CHCl3) 実施例27 3-(1,1-メチレン‐4-カルボキシブチル)‐6β‐(3
α‐ヒドロキシ‐1-オクテニル)‐7α‐ヒドロキシビ
シクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン エステル体(実施例26の化合物)0.18gを実施例12と同
様に処理したのち酢酸エチルとn-ヘキサンにて再結晶す
ることにより、融点78-80℃を有する目的化合物0.15gを
得た。
IRスペクトル(Nujol)νmaxcm-1:970,1080,1595,1625,
1680,1725,1745,2620,3400 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.90(3H,t)、3.07(1H,
m)、3.6-4.2(2H,m)、4.94(2H,s)、5.55(2H,m)、
5.74(1H,s) ▲〔α〕24 D▼−33.4°(C=1.0,CHCl3) 実施例28 3-(1,1-メチレン‐4-メトキシカルボニルブチル)‐6
β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐1-オ
クテニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)
ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐3-エン ヒドロキシ体(実施例24のオクト‐3-エン体)0.52gを
実施例10と同様に処理して目的化合物0.40gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1020,1075,1595,16
25,1740 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.93(3H,m)、3.67(3H,
s)、4.73(2H,m)、4.70(2H,s)、5.3-5.7(3H,m) 実施例29 3-(1,1-メチレン‐4-メトキシカルボニルブチル)‐6
β‐(3α‐ヒドロキシ‐1-オクテニル)‐7α‐ヒド
ロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐3-エン ジピラニル体(実施例28の化合物)0.38gを実施例11と
同様に処理して目的化合物0.25gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:970,1090,1595,1625,17
40,3360 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.90(3H,t)、3.67(3H,
s)、4.94(2H,s)、5.62(2H,m)、5.75(1H,s) ▲〔α〕23 D▼+121.0°(C=1.0,CHCl3) 実施例30 3-(1,1-メチレン‐4-カルボキシブチル)‐6β‐(3
α‐ヒドロキシ‐1-オクテニル)‐7α‐ヒドロキシビ
シクロ〔3.3.0〕オクト‐3-エン エステル体(実施例29の化合物)0.23gを実施例12と同
様に処理したのち酢酸エチルとn-ヘキサンに再結晶する
ことにより、融点88-89℃を有する目的化合物0.20gを得
た。
IRスペクトル(Nujol)νmaxcm-1:965,1080,1180,1595,
1625,1710,1730,3380 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.88(3H,t)、3.5-4.2(2H,
m)、4.93(2H,s)、5.58(2H,m)、5.75(1H,s) 〔α〕+137.4°(C=1.0,CHCl3) 実施例31 3-(1,1-メチレン‐5-ヒドロキシペンチル)‐6β‐
〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ‐4-メチル‐
1-オクテニル〕−7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキ
シ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-
エン 3,3-メトキシカルボニルメチレン‐6β‐〔3α‐(2-
テトラヒドロピラニルオキシ)‐4-メチル‐1-オクテニ
ル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシク
ロ〔3.3.0〕オクタンを出発原料として、実施例1乃至
実施例9と同様の反応を順次行うことによつて、標記目
的化合物が得られる。
実施例32 3-(1,1-メチレン‐4-カルボキシブチル)‐6β‐(3
α‐ヒドロキシ‐4-メチル‐1-オクテニル)‐7α‐ヒ
ドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン オクト‐2-エン体(実施例31の化合物)を用いて、実施
例10,11及び12と同様の反応を順次行うことによつて、
標記目的化合物が得られる。
実施例33 3-(1,1-メチレン‐5-ヒドロキシペンチル)‐6β‐
〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐4,4-ジメ
チル‐1-オクテニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニ
ルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオク
ト‐3-エン 3,3-(メトキシカルボニルメチレン)‐6β‐〔3α‐
(2-テトラヒドロピラニル)‐4,4-ジメチル‐1-オクテ
ニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシ
クロ〔3.3.0〕オクタンを出発原料として、実施例1乃
至実施例9と同様の反応を順次行うことによつて、標記
目的化合物が得られる。
実施例34 3-(1,1-メチレン‐4-カルボキシブチル)‐6β‐(3
α‐ヒドロキシ‐4,4-ジメチル‐1-オクテニル)‐7α
‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン オクト‐2-エン体(実施例33の化合物)を用いて、実施
例10,11及び12と同様の反応を順次行うことによつて、
標記目的化合物が得られる。
実施例35 3-(1,1-メチレン‐4-カルボキシブチル)‐6β‐(3
α‐ヒドロキシ‐4,4-ジメチル‐1,8-ノナジエニル)‐
7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン 3,3-(メトキシカルボニルメチレン)‐6α‐〔3α‐
(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐4,4-ジメチル‐1,
8-ノナジエニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオ
キシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを出発原料として、
実施例1乃至実施例12と同様の反応を順次行うことによ
つて、標記目的化合物が得られる。
実施例36 3-(1,1-メチレン‐4-カルボキシブチル)‐6β‐(3
α‐ヒドロキシ‐4-メチル‐1,7-オクタジエニル)‐7
α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン 3,3-(メトキシカルボニルメチレン)‐6β‐〔3α‐
(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐4-メチル‐1,7-オ
クタジエニル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕
オクタンを出発原料として、実施例1乃至実施例12と同
様の反応を順次行うことによつて、標記目的化合物が得
られる。
実施例37 3-(1,1-メチレン‐4-カルボキシブチル)‐6β‐(3
α‐ヒドロキシ‐5α‐メチルノナ‐1-エニル)‐7α
‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン 3,3-〔メトキシカルボニルメチレン)‐6β‐〔3α‐
(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐5α‐メチルノナ
‐1-エニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキ
シ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エンを出発原料とし
て、実施例1乃至実施例12と同様の反応を順次行うこと
によつて、標記目的化合物が得られる。
実施例38 3-(1-メトキシカルボニル‐5-ベンジルオキシペンチ
ル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキ
シ)‐3-シクロヘキシル‐1-プロペニル〕‐7α‐(2-
テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オク
ト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物 3,3-(メトキシカルボニルメチレン)‐6β‐〔3α‐
(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐3-シクロヘキシル
‐1-プロペニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオ
キシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン2.7gを実施例1と同
様に処理して目的化合物3.4gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1025,1035,1080,17
40 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.65(3H,s)、4.50(2H,
s)、5.3-5.7(3H,m)、7.34(5H,s) 実施例39 3-(1-ヒドロキシメチル‐5-ベンジルオキシペンチル)
‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐
3-シクロヘキシル‐1-プロペニル〕‐7α‐(2-テトラ
ヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-
エン及びオクト‐3-エンの混合物 エステル体(実施例38の化合物)3.3gを実施例2と同様
に処理することにより目的化合物3.1gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1020,1030,1075,34
80 NMRスペクトル(CDCl3)δ:4.50(2H,s)、4.68(2H,br.
s)、5.3-5.7(3H,m)、7.34(5H,s) 実施例40 3-(1-t-ブチルジメチルシリルオキシメチル‐5-ベンジ
ルオキシペンチル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロ
ピラニルオキシ)‐3-シクロヘキシル‐1-プロペニル〕
‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ
〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物 ヒドロキシ体(実施例39の化合物)3.1gを実施例3と同
様に処理して目的化合物3.6gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1025,1035 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.88(9H,s)、4.50(2H,
s)、4.70(2H,br.s)、5.1-5.7(3H,m)、7.36(5H,
s) 実施例41 3-(1-t-ブチルジメチルシリルオキシメチル‐5-ヒドロ
キシペンチル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラ
ニルオキシ)‐3-シクロヘキシル‐1-プロペニル〕‐7
α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.
0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物 ベンジル体(実施例40の化合物)3.6gを実施例4と同様
に処理して目的化合物2.5gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1020,1030,1080,11
20,3480 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.87(9H,s)、4.70(2H,
m)、5.3-5.7(3H,m) 実施例42 3-(1-t-ブチルジメチルシリルオキシメチル‐5-アセト
キシペンチル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラ
ニルオキシ)‐3-シクロヘキシル‐1-プロペニル〕‐7
α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.
0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物 ヒドロキシ体(実施例41の化合物)1.85gを実施例5と
同様に処理して目的化合物1.95gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:835,975,1020,1030,107
5,1120,1230,1743 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.88(9H,s)、2.03(3H,
s)、4.07(2H,t;J=6Hz)、4.74(2H,m)、5.3-5.7(3
H,m) 実施例43 3-(1-ヒドロキシメチル‐5-アセトキシペンチル)‐6
β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐3-シ
クロヘキシル‐1-プロペニル〕‐7α‐(2-テトラヒド
ロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン
及びオクト‐3-エンの混合物 シリルエーテル体(実施例42の化合物)1.9gを実施例6
と同様に処理して目的化合物1.6gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1020,1030,1075,11
20,1130,1240,1740,3470 NMRスペクトル(CDCl3)δ:2.03(3H,s)、4.06(2H,t;J
=6Hz)、4.68(2H,br.s)、5.3-5.7(3H,m) 実施例44 3-(1-メチルスルホニルオキシメチル‐5-アセトキシペ
ンチル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオ
キシ)‐3-シクロヘキシル‐1-プロペニル〕‐7α‐
(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕
オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物 ヒドロキシ体(実施例43の化合物)1.53gを実施例7と
同様に処理して目的化合物1.7gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1020,1030,1175,12
40,1360,1740 NMRスペクトル(CDCl3)δ:2.03(3H,s)、2.97(3H,
s)、4.70(2H,br.s)、5.3-5.7(3H,m) 実施例45 3-(1,1-メチレン‐5-アセトキシペンチル)‐6β‐
〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐3-シクロ
ヘキシル‐1-プロペニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピ
ラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及び
オクト‐3-エンの混合物 メチルスルホニルオキシ体(実施例44の化合物)1.8gを
実施例8と同様に処理して目的化合物1.43gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1020,1030,1080,12
40,1595,1625,1740 NMRスペクトル(CDCl3)δ:2.03(3H,s)、4.70(2H,m):
4.90(2H,s)、5.2-5.8(3H,m) 実施例46 3-(1,1-メチレン‐5-ヒドロキシペンチル)‐6β‐
〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐3-シクロ
ヘキシル‐1-プロペニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピ
ラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及び
オクト‐3-エン アセトオキシ体(実施例45の化合物)1.38gを実施例9
と同様に処理して目的化合物のオクト‐2-エン体0.89g
(より極性の高い異性体)及びオクト‐3-エン体(より
極性の低い異性体)0.38gを得た。
オクト‐2-エン体: IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1020,1030,1075,11
20,1135,1200,1450,1595,1625,3470 NMRスペクトル(CDCl3)δ:4.72(2H,m)、4.92(2H,
s)、5.70(1H,br.s) オクト‐3-エン体: IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1020,1080,1120,11
35,1205,1455,1595,1625,3480 NMRスペクトル(CDCl3)δ:4.70(2H,m)、4.90(2H,
s)、5.2-5.8(3H,m) 実施例47 3-(1,1-メチレン‐4-メトキシカルボニルブチル)‐6
β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐3-シ
クロヘキシル‐1-プロペニル〕‐7α‐(2-テトラヒド
ロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン ヒドロキシ体(実施例46のオクト‐2-エン化合物)0.86
gを実施例10と同様に処理して目的化合物0.54gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1025,1035,1080,12
05,1595,1625,1745 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.67(3H,s)、4.73(2H,br,
s)、4.93(2H,s)、5.3-5.8(3H,m) 実施例48 3-(1,1-メチレン‐4-メトキシカルボニルブチル)‐6
β‐(3α‐ヒドロキシ‐3-シクロヘキシル‐1-プロペ
ニル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2
-エン ジピラニル体(実施例47の化合物)0.51gを実施例11と
同様に処理したのち酢酸エチルとn-ヘキサンにて再結晶
することにより、融点76-78℃を有する目的化合物0.20g
を得た。
IRスペクトル(Nujol)νmaxcm-1:1590,1620,1720,173
5,3460 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.14(1H,m)、3.67(3H,
s)、3.6-3.9(2H,m)、4.94(2H,s)、5.55(2H,m)、
5.75(1H,s) ▲〔α〕24 D▼−18.3°(C=1.0,CHCl3) 実施例49 3-(1,1-メチレン‐4-カルボキシブチル)‐6β‐(3
α‐ヒドロキシ‐3-シクロヘキシル‐1-プロペニル)‐
7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン エステル体(実施例48の化合物)0.25gを実施例12と同
様に処理したのち酢酸エチルとn-ヘキサンにて再結晶す
ることにより、融点60-65℃を有する目的化合物0.20gを
得た。
IRスペクトル(Nujol)νmaxcm-1:980,1080,1595,1625,
1710,2670,2730,3280 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.10(1H,m)、3.6-3.9(2H,
m)、4.94(2H,s)、5.55(2H,m)、5.75(1H,s) ▲〔α〕23 D▼−22.6°(C=1.0,CHCl3) 実施例50 3-(1,1-メチレン‐4-メトキシカルボニルブチル)‐6
β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐3-シ
クロヘキシル‐1-プロペニル〕‐7α‐(2-テトラヒド
ロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐3-エン ヒドロキシ体(実施例46のオクト‐3-エン体)0.36gを
実施例10と同様に処理して目的化合物0.30gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1025,1080,1135,12
05,1450,1595,1625,1745 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.67(3H,s)、4.73(2H,
m)、4.93(2H,s)、5.3-5.9(3H,m) 実施例51 3-(1,1-メチレン‐4-メトキシカルボニルブチル)‐6
β‐(3α‐ヒドロキシ‐3-シクロヘキシル‐1-プロペ
ニル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐3
-エン ジピラニル体(実施例50の化合物)0.27gを実施例11と
同様に処理したのち酢酸エチルとn-ヘキサンにて再結晶
することにより、融点80-82℃を有する目的化合物0.13g
を得た。
IRスペクトル(Nujol)νmaxcm-1:960,1080,1150,1210,
1590,1620,1740,3420 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.67(3H,s)、4.94(2H,
s)、5.6(2H,m)、5.76(1H,br.s) ▲〔α〕24 D▼+137.8°(C=1.0,CHCl3) 実施例52 3-(1,1-メチレン‐4-カルボキシブチル)‐6β‐(3
α‐ヒドロキシ‐3-シクロヘキシル‐1-プロペニル)‐
7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐3-エン エステル体(実施例51の化合物)0.12gを実施例12と同
様に処理したのち酢酸エチルとn-ヘキサンにて再結晶す
ることにより、融点102-107℃を有する目的化合物0.10g
を得た。
IRスペクトル(Nujol)νmaxcm-1:970,1595,1625,1690,
1710,1750,3280,3400 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.8(2H,m)、4.94(2H,s)、
5.6(2H,m)、5.76(1H,s) ▲〔α〕23 D▼+141.7°(C=1.0,CHCl3) 実施例53 3-(1,1-メチレン‐4-ホルミルブチル)‐6β‐(3α
‐ヒドロキシ‐3-シクロヘキシル‐1-プロペニル)ビシ
クロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン ジピラニル体(実施例46のより極性の高い化合物:241m
g)をジメチルスルホキシド3mlにとかしトリエチルアミ
ン0.7mlを加えた。この混合液に攪拌下、ピリジン‐無
水硫酸複合体730mgのジメチルスルホキシド溶液3mlを室
温にて滴下した。30分攪拌したのち氷水にあけ、酢酸エ
チルで抽出した。抽出液を飽和食塩水、冷1%塩酸、稀
重曹水次いで飽和食塩水で洗滌したのち、無水硫酸ナト
リウムと共に乾燥した。溶媒を留去すると油状のアルデ
ヒド体239mg〔IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:2720,171
0〕が得られた。このアルデヒド体を実施例11と同様に
反応処理すると103mgの目的化合物が得られた。
IRスペクトル(CHCl3)νmaxcm-1;970,1590,1620,1718,33
50 実施例54 3-(1,1-メチレン‐4-カルボキシブチル)‐6β‐(3
α‐ヒドロキシ‐4-シクロペンチル‐1-ブテニル)‐7
α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン 3,3-(メトキシカルボニルメチレン)‐6β‐〔3α‐
(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐4-シクロペンチル
‐1-ブテニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキ
シ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを出発原料として実施
例1乃至実施例12と同様の反応を順次行うことによつて
標記目的化合物が得られる。
実施例55 3-(1,1-メチレン‐4-カルボキシブチル)‐6β‐(3
α‐ヒドロキシ‐4-フエノキシ‐1-ブテニル)‐7α‐
ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン 3,3-(メトキシカルボニルメチレン)‐6β‐〔3α‐
(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐4-フエノキシ‐1-
ブテニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)
ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを出発原料として実施例1
乃至実施例12と同様の反応を順次行うことによつて、標
記目的化合物が得られた。
IRスペクトル(CHCl3)νmaxcm-1:956,1230,1595,1600,16
24,1704,3320 実施例56 3-(1-メトキシカルボニル‐2-ベンジルオキシエチル)
‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐
5(R),9-ジメチル‐1,8-デカジエニル〕‐7α‐(2-テ
トラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト
‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物 無水テトラヒドロフラン50mlにジシクヘキシルアミン2.
74mlを溶解して−78℃に冷却し、15%n-ブチルリチウム
(ヘキサン溶液)8.38mlを滴下して10分間攪拌後、ヘキ
サメチルホスホルアミド2.3mlを滴下して10分間攪拌す
る。次いで、3,3-(メトキシカルボニルメチレン)‐6
β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐5
β,9-ジメチル‐1,8-デカジエニル〕‐7α‐(2-テト
ラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン
5.0gをテトラヒドロフラン10mlに溶解して滴下し、10分
間−78℃に攪拌したのち、モノクロルメチルベンジルエ
ーテル1.9mlをテトラヒドロフラン5mlに溶解して滴下し
−25〜−30℃に30分間攪拌した。反応溶液に、飽和塩化
アンモニウム水溶液5mlを加えて10分間攪拌後、室温に
戻して水500mlに希釈し酢酸エチル抽出、抽出液を水
洗、希塩酸水洗、水洗、無水芒硝乾燥、溶媒を減圧下に
留去と順次行なつて得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフイーに付すことにより目的化合物3.0gを得
た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1020,1030,1080,11
20,1200,1743 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.70(3H,s)、4.55(2H,
s)、4.70(2H,br.s)、5.15(1H,t;J=7.5Hz)、5.35-
5.7(3H,m)、7.36(5H,s) 実施例57 3-(1-ヒドロキシメチル‐2-ベンジルオキシエチル)‐
6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐5
(R),9-ジメチル‐1,8-デカジエニル〕‐7α‐(2-テト
ラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2
-エン及びオクト‐3-エンの混合物 無水テトラヒドロフラン50mlに水素化アルミニウムリチ
ウム0.3gを懸濁して、氷冷却攪拌下にエステル体(実施
例56の化合物)3.1gを10mlのテトラヒドロフランに溶解
して滴下し10分間攪拌した。次いで、5%水酸化ナトリ
ウム水溶液1.2mlを滴下して室温に1.5時間攪拌後、析出
した不溶物をセライトを用いて去し液を濃縮するこ
とにより目的化合物2.9gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1020,1030,1075,11
20,1200,1450,3470 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.95(3H,m)、4.53(2H,
s)、4.70(2H,br.s)、5.0-5.9(4H,m)、7.36(5H,
s) 実施例58 3-(1-ベンジルオキシメチル‐3-オキサ‐4-カルボキシ
ブチル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオ
キシ)‐5(R),9-ジメチル‐1,8-デカジエニル〕‐7α
‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.
0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物 実施例57で得たヒドロキシ体2.9gを無水テトラヒドロフ
ラン12mlに溶解して、15%n-ブチルリチウム(n-ヘキサ
ン溶液)3.8mlを氷冷却攪拌下に滴下し5分間攪拌後、
ジメチルホルムアミド6ml,モノクロル酢酸のリチウム塩
0.69g,ジメチルスルホキシド6ml,無水ヨウ化ナトリウム
2.05gと順次加えて1時的に40℃まで加温したのち、室
温に16時間攪拌した。反応溶液を氷水150mlに希釈して
塩酸酸性として酢酸エチル抽出、抽出液を水洗、無水芒
硝乾燥、溶媒を減圧下に留去と順次行なつて得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイーに付すことに
より目的化合物2.2gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1020,1130,1735,17
60,3200 NMRスペクトル(CDCl3)δ:4.08(2H,s)、4.53(2H,
s)、5.15(1H,t;J=7.5Hz)、5.3-5.7(3H,m)、7.36
(5H,s)、8.73(1H,br.s) 実施例59 3-(1-ヒドロキシメチル‐3-オキサ‐4-メトキシカルボ
ニルブチル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニ
ルオキシ)‐5(R),9-ジメチル‐1,8-デカジエニル〕‐
7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.
3.0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物 実施例58で得たベンジルオキシ体2.2gを実施例4と同様
に処理(後処理において水で希釈、のちに、塩酸酸性と
して抽出する。)して得られた残渣にジアゾメタンのエ
ーテル溶液をジアゾメタンの黄色が消失しなくなるまで
加え,エーテルを留去して残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフイーに付すことにより目的化合物1.1gを得
た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1020,1030,1075,11
30,1200,1440,1740,1760,3500 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.70(3H,s)、4.13(2H,
s)、4.73(2H,br.s)、5.15(1H,t;J=7.5Hz)、5.4-
5.7(3H,m) 実施例60 3-(1-メチルスルホニルオキシメチル‐3-オキサ‐4-メ
トキシカルボニルブチル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラ
ヒドロピラニルオキシ)‐5(R),9-ジメチル‐1,8-デカ
ジエニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)
ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エン
の混合物 実施例59で得たヒドロキシ体0.87gを実施例7と同様に
処理して目的化合物0.97gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1025,1140,1180,13
60,1760 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.0(3H,s)、3.77(3H,s)、
4.10(2H,s)、4.39(2H,d;J=6Hz)、4.73(2H,br.
s)、5.0-5.7(4H,m) 実施例61 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-メトキシカルボニルブ
チル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキ
シ)‐5(R),9-ジメチル‐1,8-デカジエニル〕‐7α‐
(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕
オクト‐2-エン及びオクト‐3-エン 実施例60で得たメチルスルホニルオキシ体0.95gを実施
例8と同様の処理を行ない目的化合物のオクト‐2-エン
体0.46gとオクト‐3-エン体0.25gを得た。
オクト‐2-エン体: IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1020,1030,1075,11
30,1200,1440,1595,1630,1760 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.95(3H,m)、3.77(3H,
s)、4.08(2H,s)、4.30(2H,s)、4.73(2H,br.s)、
5.12(1H,s)、5.24(1H,s)、5.88(1H,br.s) オクト‐3-エン体: IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1025,1080,1135,12
05,1440,1745,1760 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.77(3H,s)、4.10(2H,
s)、4.30(2H,s)、5.10(1H,s)、5.23(1H,s)、5.8
8(1H,br.s) 実施例62 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-メトキシカルボニルブ
チル)‐6β‐(3α‐ヒドロキシ‐5(R),9-ジメチル
‐1,8-デカジエニル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.
3.0〕オクト‐2-エン 実施例61で得たオクト‐2-エン体0.43gをテトラヒドロ
フラン7.5mlに溶解して酢酸15mlを加え50℃で攪拌中、
水20mlを白濁しない程度に徐々に滴下しつつ30分間攪拌
した。反応液を、水150mlに希釈して酢酸エチル抽出、
抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液にて酢酸を除去、飽
和食塩水洗、無水芒硝乾燥、溶媒を減圧下に留去と順次
行なつて得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フイーに付すことにより目的化合物0.28gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:970,1090,1130,1210,14
40,1595,1630,1755,3370 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.94(3H,d;J=6Hz)、1.62
(3H,s)、1.68(3H,s)、3.77(3H,s)、4.10(2H,
s)、4.30(2H,s)、5.10(1H,s)、5.23(1H,s)、5.5
7(2H,m)、5.90(1H,s) 実施例63 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-カルボキシブチル)‐
6β‐(3α‐ヒドロキシ‐5(R),9-ジメチル‐1,8-デ
カジエニル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オ
クト‐2-エン 実施例62で得たエステル体0.26gを実施例12と同様に処
理して目的化合物0.25gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:970,1090,1120,1210,13
80,1450,1600,1630,1735,2630,3350 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.94(3H,d;J=6Hz)、1.60
(3H,s)、1.68(3H,s)、4.08(2H,s)、4.32(2H,
s)、5.13(1H,s)、5.26(1H,s)、5.5(2H,m)、5.90
(1H,br.s) ▲〔α〕25 D▼−23.9°(C=1.0,CHCl3) 実施例64 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-メトキシカルボニルブ
チル)‐6β‐(3α‐ヒドロキシ‐5(R),9-ジメチル
‐1,8-デカジエニル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.
3.0〕オクト‐3-エン 実施例61で得たオクト‐3-エン体0.22gを実施例62と同
様に処理して目的化合物0.15gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:970,1090,1130,1210,14
40,1600,1635,1760,3380 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.94(3H,d;J=6Hz)、1.61
(3H,s)、1.68(3H,s)、3.77(3H,s)、4.10(2H,
s)、4.30(2H,s)、5.13(1H,s)、5.24(1H,s)、5.6
4(2H,m)、5.90(1H,s) 実施例65 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-カルボキシブチル)‐
6β‐(3α‐ヒドロキシ‐5(R),9-ジメチル‐1,8-デ
カジエニル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オ
クト‐3-エン 実施例64で得たエステル体0.12gを実施例12と同様に処
理して目的化合物0.11gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:970,1090,1125,1220,13
80,1450,1600,1635,1740,2650,3350 NMRスペクトル(CDCl3)δ:0.93(3H,d;J=6Hz)、1.60
(3H,s)、1.68(3H,s)、4.06(2H,s)、4.30(2H,
s)、5.13(1H,s)、5.23(1H,s)、5.6(2H,m)、5.93
(1H,br.s) ▲〔α〕25 D▼+9.27°(C=1.0,CHCl3) 実施例66 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-カルボキシブチル)‐
6β‐(3α‐ヒドロキシ‐4-メチルノナ‐1,8-ジエニ
ル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-
エン 3,3-(メトキシカルボニルメチレン)‐6β‐〔3α‐
(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐4-メチルノナ‐1,
8-ジエニル〕‐7α‐(テトラヒドロピラニルオキシ)
ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを出発原料として実施例56
乃至実施例63と同様の反応を順次行うと、標記目的化合
物が得られる。
実施例67 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-カルボキシブチル)‐
6β‐(3α‐ヒドロキシ‐4,4-ジメチル‐ノナ‐1,8-
ジエニル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オク
ト‐2-エン 3,3-(メトキシカルボニルメチレン)‐6β‐〔3α‐
(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐4,4-ジメチルノナ
‐1,8-ジエニル)‐7α‐(テトラヒドロピラニルオキ
シ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを出発原料として実施
例56乃至実施例63と同様の反応を順次行うと標記目的化
合物が得られる。
実施例68 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-カルボキシブチル)‐
6β‐(3α‐ヒドロキシ‐1-オクテニル)‐7α‐ヒ
ドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン 3,3-(メトキシカルボニルメチレン)‐6β‐〔3α‐
(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐1-オクテニル〕‐
7α‐2-(テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.
3.0〕オクタンを出発原料として実施例56乃至実施例63
と同様の反応を順次行うと標記目的化合物が得られた。
融点45−47℃ ▲〔α〕25 D▼−32.5°(C=1.0,CHCl3) IRスペクトル(KBr)νmaxcm-1:900,970,1090,1125,163
0,1730,3400 NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 0.90(3H,t)、3.10(1H,m) 4.07(2H,s)、4.31(2H,s) 5.12(1H,s)、5.20(1H,s) 5.55(2H,m)、5.90(1H,s) 実施例69 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-カルボキシブチル)‐
6β‐(3α‐ヒドロキシ‐3-シクロヘキシル‐1-プロ
ペニル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト
‐2-エン 3,3-(メトキシカルボニルメチレン)‐6β‐〔3α‐
(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐3-シクロヘキシル
‐1-プロペニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオ
キシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを出発原料として実
施例56乃至実施例63と同様の反応を順次行うと、標記目
的化合物が得られる。
実施例70 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-カルボキシブチル)‐
6β‐(3α‐ヒドロキシ‐4-フエノキシ‐1-ブテニ
ル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-
エン 3,3-(メトキシカルボニルメチレン)‐6β‐〔3α‐
(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐4-フエノキシ‐1-
ブチニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)
ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを出発原料として、実施例5
6乃至実施例63と同様の反応を順次行うと標記目的化合
物が得られた。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:1735 実施例71 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-メトキシカルボニルブ
チル)‐6β‐(3-オキソ‐5,9-ジメチル‐1,8-デカジ
エニル)‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビ
シクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン 55%油性ナトリウム水素88mgをヘキサンで洗滌した後、
テトラヒドロフラン10mlを加え、氷冷下ジメチル2-オキ
ソ‐4,8-ジメチル‐7-ノネニルホスホネート750mgを加
え、更に室温で1時間攪拌した。その後氷冷し、アルデ
ヒド体(参考例8の化合物;500mg)を加え、2時間反応
した。反応終了後、氷水にあけ酢酸エチルで抽出する。
抽出液を水洗、乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフイーで精製すると52
7mgの油状の目的化合物が得られた。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1;1595,1630,1670,1692,1
750 実施例72 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-メトキシカルボニルブ
チル)‐6β‐(3-ヒドロキシ5,9-ジメチル‐1,8-デカ
ジエニル)‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)
ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン 510mgの塩化セリウム・7水和物をメタノール5mlに溶か
し、0〜5℃でエノン体(実施例71の化合物;515mg)の
メタノール溶液5mlを加えた。次いでこの反応液に攪拌
下、0〜3℃で水素化ホウ素ナトリウム100mgを加え0.5
時間反応した。反応終了後、水を加えて酢酸エチルで抽
出した。抽出液を水洗、乾燥後溶媒を留去した。得られ
た残渣をシリカゲルクロマトグラフイーで精製すると50
1mgの油状の目的化合物(3α‐及び3β‐の混合物)
が得られた。
IRスペクトル(CHCl3)νmaxcm-1;1020,1595,1620,1750,3
450 実施例73 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-メトキシカルボニルブ
チル)‐6β‐(3α‐ヒドロキシ‐5,9-ジメチル‐1,
8-デカジエニル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.
0〕オクト‐2-エン ピラニル体(実施例72の化合物;495mg)を用い実施例11
と同様に反応,処理すると、より極性の大きい部分より
3α‐ヒドロキシ体101mgが得られ、より極性の小さい
部分より3β‐ヒドロキシ体70mgが得られた。
3β‐ヒドロキシ体; IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1;970,1090,1130,1210,14
40,1595,1630,1755,3370 3α‐ヒドロキシ体; IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1;970,1090,1130,1210,14
40,1595,1630,1755,3370 実施例74 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-メトキシカルボニルブ
チル)‐6β‐〔3-オキソ‐4-メチル‐6,6,7,7-テトラ
デヒドロ‐1-オクテニル)‐7α‐(2-テトラヒドロピ
ラニルオキシ)ビシクロ〔3,3,0〕オクト‐2-エン アルデヒド体(参考例8の化合物;510mg)及びジメチル
2-オキソ‐3-メチル‐5,5,6,6-テトラデヒドロヘプチル
ホスホネート770mgを用い実施例72と同様に反応,処理
すると523mgの油状の目的化合物が得られた。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1;1595,1630,1670,1692,1
750 実施例75 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-メトキシカルボニルブ
チル)‐6β‐(3-ヒドロキシ‐4-メチル‐6,6,7,7-テ
トラデヒドロ‐1-オクテニル)‐7α‐(2-テトラヒド
ロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン エノン体(実施例74の化合物;510mg),水素化ホウ素ナ
トリウム100mg、及び塩化セリウム‐7水和物520mgを用
い実施例73と同様に反応、処理すると501mgの油状の目
的化合物が得られた。
IRスペクトル(CHCl3)νmaxcm-1;1020,1595,1622,1750,3
450 実施例76 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-メトキシカルボニルブ
チル)‐6β‐(3-ヒドロキシ‐4-メチル‐6,6,7,7-テ
トラデヒドロ‐1-オクテニル)‐7α‐ヒドロキシビシ
クロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン アルコール体(実施例75の化合物;500mg)を用い実施例
73と同様に反応,処理すると157mgの油状の目的化合物
が得られた。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1;970,1250,1595,1625,17
50,3370 実施例77 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-カルボキシブチル)‐
6β‐(3-ヒドロキシ‐4-メチル‐6,6,7,7-テトラデヒ
ドロ‐1-オクテニル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.
3.0〕オクト‐2-エン エステル体(実施例76の化合物;150mg)を用い実施例12
と同様に反応,処理すると131mgの油状の目的化合物が
オクテニル鎖の3位並びに4位‐異性体の混合物として
得られた。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1;970,1600,1630,1733,33
50 実施例78 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-メトキシカルボニルブ
チル)‐6β‐(3α‐ヒドロキシ‐1-オクテニル)‐
7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン アルデヒド体(参考例8の化合物)を出発原料として、
実施例71乃至実施例73と同様の反応を順次行うと、標記
目的化合物が得られた。
融点64−65℃ ▲〔α〕25 D▼−28.3°(C=1.0,CHCl3) IRスペクトル(KBr)νmaxcm-1:910,970,1125,1205,162
5,1720,1750,1765,3430 NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 0.9(3H,t)、3.13(1H,m) 3.75(3H,s)、4.10(2H,s) 4.30(2H,s)、5.10(1H,s) 5.22(1H,s)、5.57(2H,m) 5.90(1H,br.s) 実施例79 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-カルボキシブチル)‐
6β‐(3α‐ヒドロキシ‐3-シクロペンチル‐1-プロ
ペニル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト
‐2-エン アルデヒド体(参考例8の化合物:0.70g)を出発原料と
して実施例71乃至実施例73続いて実施例12と同様の反応
を順次行い得られた残渣を酢酸エチルとn-ヘキサンより
再結晶することにより融点140°(分解)を示す標記目
的化合物0.15gを得た。
▲〔α〕26 D▼−11.8°(C=1.0,MeOH) IRスペクトル(KBr)νmaxcm-1:900,970,1070,1130,122
0,1440,1630,1745,3440 NMRスペクトル(CD3OD)δppm: 4.05(2H,s)、4.30(2H,s) 5.12(1H,s)、5.24(1H,s) 5.6(2H,m)、5.92(1H,s) 実施例80 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-カルボキシブチル)‐
6β‐(3α‐ヒドロキシ‐4-メチル‐1-オクテニル)
‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン アルデヒド体(参考例8の化合物:0.70g)を出発原料と
して実施例71乃至実施例73続いて実施例12と同様の反応
を順次行うと標記目的化合物がオクテニル鎖の4位‐異
性体の混合物として0.33g得られた。
▲〔α〕24 D▼−17.0°(C=1.0,CHCl3) IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:880,970,1045,1090,112
5,1220,1595,1630,1730,3330 NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 0.8-1.0(6H,m)、3.1(1H,m) 4.10(2H,s)、4.31(2H,s) 5.12(1H,S)、5.22(1H,S) 5.55(2H,m)、5.92(1H,s) 実施例81 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-カルボキシブチル)‐
6β‐(3α‐ヒドロキシ‐4,4-ジメチル‐1-オクテニ
ル)‐7α‐ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-
エン アルデヒド体(参考例8の化合物:0.64g)を出発原料と
して実施例71乃至実施例73続いて実施例12と同様の反応
を順次行い標記目的化合物0.32gを得た。
▲〔α〕25 D▼−7.8°(C=1.0,CHCl3) IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:880,970,1045,1090,112
5,1220,1380,1595,1630,1735,3350 NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 0.90(9H,m)、3.1(1H,m) 4.08(2H,s)、4.30(2H,s) 5.12(1H,s)、5.21(1H,s) 5.55(2H,m)、5.90(1H,s) 実施例82 3-(1-メトキシカルボニル‐2-ヒドロキシプロピル)‐
6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐1-
オクテニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキ
シ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及び3-エンの混
合物 無水テトラヒドロフラン18mlにジシクロヘキシルアミン
0.81mlを溶解して−70℃に冷却し、15%n-ブチルリチウ
ム(n-ヘキサン溶液)2.48mlを滴下して10分間攪拌後ヘ
キサメチルホスホルアミド(HMPA)0.78mlを滴下して10
分間攪拌した。次いで、3,3-メトキシカルボニルメチレ
ン‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)
‐1-オクテニル〕−7α‐(2-テトラヒドロピラニルオ
キシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン1.0gを5mlのテトラヒ
ドロフランに溶解して滴下し15分間攪拌後アセトアルデ
ヒド0.23mlを滴下して−70℃に30分間攪拌した。反応液
に、飽和塩化アンモニウム水溶液5mlを加えて徐々に室
温に戻して水150mlに希釈したのち酢酸エチル抽出,抽
出液を希塩酸水洗,水洗,無水芒硝乾燥,溶媒を減圧下
に留去と順次行つた。得られた油状残渣1.2gを20gのシ
リカゲル(70-230メツシユ)を用いたカラムクロマトに
付すことにより目的化合物1.05gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1025,1080,1120,11
60,1205,1740,3470 NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 3.70(3H,s)、4.70(2H,br.s) 5.3〜5.7(3H,m) 実施例83 3-(1-メトキシカルボニル‐2-メチルスルホニルオキシ
プロピル)‐6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニル
オキシ)‐1-オクテニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピ
ラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及び3
-エンの混合物 ヒドロキシ体(実施例82の化合物)2.18gを実施例7と
同様に処理して目的化合物2.72gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:905,980,1025,1035,108
0,1125,1180,1205,1360,1740 NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 2.98(3H,s)、3.71(3H,s) 4.70(2H,br.s)、5.2(1H,m) 5.4〜5.7(3H,m) 実施例84 3-(1-メトキシカルボニル‐1-プロペニル)‐6β‐
〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐1-オクテ
ニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシ
クロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及び3-エンの混合物 メチルスルホニルオキシ体(実施例83の化合物)2.72g
を実施例8と同様に処理して目的化合物1.84gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1025,1035,1080,11
40,1205,1260,1440,1625,1725 NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 0.9(3H,t)、1.82(3H,d) 3.77(3H,d)、4.73(2H,br.s) 5.3〜5.9(4H,m) 実施例85 3-(1-ヒドロキシメチル‐1-プロペニル)‐6β‐〔3
α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐1-オクテニ
ル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシク
ロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン 水素化アルミニウムリチウム0.4gを無水ジエチルエーテ
ル20mlに懸濁し氷冷却下に無水塩化アルミニウム0.46g
を無水ジエチルエーテル10mlに溶解して滴下して20分間
攪拌した。次いで、エステル体(実施例84の化合物)1.
84gを10mlのジエチルエーテルに溶解して滴下し20分間
攪拌した後、4%水酸化ナトリウム水溶液1.64mlを滴下
して30分間室温に攪拌した。続いて、析出した不溶物を
セライトを用いて去し液を減圧濃縮して得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトに付すことにより目的化
合物0.58gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:815,870,980,1020,108
0,1120,1135,1205,3450 NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 1.83(3H,d)、4.4(2H,br.s) 4.7(2H,br.s)、5.2〜5.8(4H,m) 実施例86 3-(1-エチリデン‐3-オキサ‐4-カルボキシブチル)‐
6β‐〔3α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐1-
オクテニル〕‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキ
シ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン ヒドロキシ体(実施例85の化合物)0.57gを実施例58と
同様に処理して目的化合物0.25gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:980,1020,1120,1730,17
60 NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 4.07(2H,s)、4.4(2H,s) 4.72(2H,br.s)、5.4〜5.9(4H,m) 実施例87 3-(1-エチリデン‐3-オキサ‐4-カルボキシブチル)‐
6β‐(3α‐ヒドロキシ‐1-オクテニル)‐7α‐ヒ
ドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン ジピラニル体(実施例86の化合物)0.24gを実施例62と
同様に処理して得られた残渣を酢酸エチルとn-ヘキサン
より再結晶することにより融点100〜102℃を有する目的
化合物0.095gを得た。
▲〔α〕25 D▼18.9°(C=1.0,CHCl3) IRスペクトル(KBr)νmaxcm-1:815,970,1125,1630,174
0,3430 NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 0.9(3H,t)、1.82(3H,d) 3.1(1H,m)、4.03(2H,s9 4.4(2H,s)、5.16(3H,s) 5.4〜5.9(4H,m) 参考例1 3-(1-メトキシカルボニル‐2-ベンジルオキシエチル)
‐6β‐(2-テトラヒドロピラニルオキシメチル)‐7
α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.
0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物 3,3-メトキシカルボニルメチレン‐6β‐(2-テトラヒ
ドロピラニルオキシメチル)‐7α‐(2-テトラヒドロ
ピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン0.5gを実
施例56と同様に処理して目的化合物0.35gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:1030,1080,1120,1140,1
205,1350,1745 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.67(3H,s)、4.49(2H,
s)、5.48(1H,m)、7.3(5H,s) 参考例2 3-(1-ヒドロキシメチル‐2-ベンジルオキシエチル)‐
6β‐(2-テトラヒドロピラニルオキシメチル)‐7α
‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.
0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物 エステル体(参考例1の化合物)0.35gを実施例57と同
様に処理して目的化合物0.29gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:1030,1080,1120,3470 NMRスペクトル(CDCl3)δ:4.54(2H,s)、4.64(2H,br.
s)、5.45(1H,m)、7.36(5H,s) 参考例3 3-(1-ベンジルオキシメチル‐3-オキサ‐4-カルボキシ
ブチル)‐6β‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐
7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.
3.0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物 ヒドロキシ体(参考例2の化合物)1.2gを実施例58と同
様に処理して目的化合物1.25gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:975,1020,1030,1075,11
20,1130,1200,1260,1350,1455,1740,1760,2650,3200 NMRスペクトル(CDCl3)δ:4.07(2H.s)、4.54(2H,
s)、4.65(2H,br.s)、4.43(1H,m)、7.36(5H,s) 参考例4 3-(1-ヒドロキシメチル‐3-オキサ‐4-メトキシカルボ
ニルブチル)‐6β‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ
メチル)‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビ
シクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの
混合物 ベンジル体(参考例3の化合物)1.26gを実施例59と同
様に処理して目的化合物0.78gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:1030,1740,1760,3480 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.76(3H,s)、4.10(2H,
s)、4.63(2H,br.s)、5.47(1H,m) 参考例5 3-(1-メチルスルホニルオキシメチル‐3-オキサ‐4-メ
トキシカルボニルブチル)‐6β‐(2-テトラヒドロピ
ラニルオキシメチル)‐7α‐(2-テトラヒドロピラニ
ルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオク
ト‐3-エン ヒドロキシ体(参考例4の化合物)0.77gを実施例7と
同様に処理して目的化合物0.85gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:1030,1075,1760 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.0(3H,s)、3.75(3H,s)、
4.08(2H,s)、4.37(2H,d;J=6Hz)、4.64(2H,br.
s)、4.53(1H,m) 参考例6 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-メトキシカルボニルブ
チル)‐6β‐(2-テトラヒドロピラニルオキシメチ
ル)‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)ビシク
ロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合
物 メチルスルホニルオキシ体(参考例5の化合物)0.83g
を実施例8と同様に処理して目的化合物0.52gを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:1025,1030,1595,1630,1
740,1760 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.76(3H,s)、4.08(2H,
s)、4.39(2H,s)、4.66(2H,br.s)、5.10(1H,s)、
5.19(1H,s)、5.90(1H,br.s) 参考例7 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-メトキシカルボニルブ
チル)‐6β‐ヒドロキシメチル‐7α‐ヒドロキシビ
シクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エン ジピラニル体(参考例6の化合物)0.52gを実施例11と
同様に処理して目的化合物のオクト‐2-エン体(より極
性の低い化合物)0.20gとオクト‐3-エン体(より極性
の高い化合物)0.10gを得た。
オクト‐2-エン体: 融点60-61℃(酢酸エチルとn-ヘキサンにて再結晶) IRスペクトル(MeltedFilm)νmaxcm-1:1740,3400 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.76(3H,s)、4.10(2H,
s)、4.31(2H,s)、5.12(1H,s)、5.23(1H,s)、5.9
4(1H,br.s) オクト‐3-エン体: IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:1010,1040,1080,1120,1
215,1440,1595,1630,1750,3400 NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.76(3H,s)、4.10(2H,
s)、4.32(2H,s)、5.13(1H,s)、5.24(1H,s)、5.9
4(1H,s) 参考例8 3-(1,1-メチレン‐3-オキサ‐4-メトキシカルボニルブ
チル)‐6β‐ホルミル‐7α‐テトラヒドロピラニル
オキシビシクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン ジオール体(参考例7のより極性の低い化合物:0.51g)
とトリエチルアミン0.44mlをベンゼン10mlに溶かし、氷
冷下トリクロロアセチルクロリド0.20mlのベンゼン溶液
(5ml)を滴下し、20分攪拌する。反応液を氷水に稀釈
し酢酸エチルで抽出し、抽出液を水洗、乾燥後溶媒を留
去するとモノ‐トリクロロアセチル体0.52gが得られ
る。アセチル体0.52gと0.16mlのジヒドロピランをメチ
レンクロリド2mlに溶解し、p-トルエンスルホン酸を加
え室温で10分攪拌する。反応液を酢酸エチルに稀釈して
水洗、乾燥後溶媒を留去する。得られたピラニル体をメ
タノール15mlに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
1mlを加えて30〜40℃に2時間攪拌する。反応液を飽和
食塩水に稀釈して酢酸エチル抽出し抽出液を水洗,乾燥
後溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフイーで精製することにより0.39gの油状の
アルコール体〔IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1;1020,17
50,3420〕を得た。アルコール体0.37gをジメチルスルホ
キシド0.5mlに溶解して、トリエチルアミン1.5mlを加え
て室温で無水硫酸‐ピリジンコンプレツクス900mgのジ
メチルスルホキシド溶液(3ml)を攪拌下に滴下する。3
0分後反応液を氷水に稀釈して酢酸エチルで抽出、抽出
液を水洗、乾燥後溶媒を留去すると0.36gの油状の目的
化合物が得られた。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1;1030,1595,1630,1720,1
750,2720 参考例9 3-(1-メトキシカルボニル‐2-ベンジルオキシエチル)
‐6β‐(ジフエニル‐t-ブチルシリルオキシメチル)
‐7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐シス‐ビ
シクロ〔3.3.0〕オクト‐2-エンおよびオクト‐3-エン
の混合物 無水テトラヒドロフラン20mlにジシクロヘキシルアミン
0.84mlを溶解して−78℃に冷却し、15%n-ブチルリチウ
ム(ヘキサン溶液)2.7mlを滴下して10分間攪拌後、ヘ
キサメチルホスホルアミド0.69mlを滴下して10分間攪拌
する。次いで、エステル体(参考例11の化合物:914mg)
のテトラヒドロフラン5mlに溶解して滴下し、30分間−7
8℃に攪拌したのち、モノクロルメチルベンジルエーテ
ル0.5mlをテトラヒドロフラン2mlに溶解して滴下し−25
〜−30℃に30分間攪拌した。反応溶液に、飽和塩化アン
モニウム水溶液5mlを加えて10分間攪拌後、室温に戻し
て水200mlに希釈し酢酸エチル抽出、抽出液を水洗、希
塩酸水洗、水洗、無水芒硝乾燥、溶媒を減圧下に留去と
順次行なつて得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフイーに付すことにより目的化合物533mgを得た。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1: 1020,1590,1738 NMRスペクトル(CDCl3)δppm:1.09(9H,s)、3.63(3H,
s)、4.48(2H,s)、5.48(1H,br.s)、7.1〜7.9(15H,
m) 又、上記反応において、エステル体(参考例11の化合
物)をジシクロヘキシルリチウムアミドと処理した後、
モノクロルメチルベンジルエーテルを加える代りに、飽
和塩化アンモニウム水溶液を加え、上記操作と同様に後
処理及び精製を行つた結果、二重結合について、原料化
合物の異性体である3-(メトキシカルボニルメチル)‐
6β‐(ジフエニル‐t-ブチルシリルオキシメチル)‐
7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐シス‐ビシ
クロ〔3.3.0〕オクト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混
合物がほぼ定量的に得られた。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:503,700,1115,1590,174
5 NMRスペクトル(CDCl3)δppm:1.08(9H,s)、3.67(3H,
s)、5.52(1H,br.s)、7.3〜7.9(10H,m) さらに又、参考例1の化合物の原料化合物(参考例10の
化合物)をジシクロヘキシルリチウムアミドで上記と同
様に処理することによつて、二重結合についての異性体
である3-(メトキシカルボニルメチル)‐6β‐(2-テ
トラヒドロピラニルオキシメチル)‐7α‐(2-テトラ
ヒドロピラニルオキシ)‐シス‐ビシクロ〔3.3.0〕オ
クト‐2-エン及びオクト‐3-エンの混合物がほぼ定量的
に得られた。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:818,870,910,980,1024,
1038,1080,1122,1140,1260,1440,1742 参考例10 6β‐(2-テトラヒドロピラニルオキシメチル)‐7α
‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐3-メトキシカル
ボニルメチレン‐シス‐ビシクロ〔3.3.0〕オクタン 55%ナトリウム水素1.43gをヘキサンで洗滌したのち、
テトラヒドロフラン67.5ml及びジメチルホルムアミド49
mlに懸濁する。氷冷した後、トリメチルホスホノアセテ
ート8.63gを加えた。次に6β‐(2-テトラヒドロピラ
ニルオキシメチル)‐7α‐(2-テトラヒドロピラニル
オキシ)‐3-オキソ‐シス‐ビシクロ〔3.3.0〕オクタ
ン8.21gのテトラヒドロフラン溶液14.5mlを加え室温で
4時間攪拌した。反応終了後、氷水150mlに稀釈し酢酸
エチルで抽出する。抽出液を食塩水で洗滌し硫酸ナトリ
ウムと共に乾燥した。溶媒を留去し得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフイーで精製すると8.62gの
油状の目的化合物が得られた。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:816,869,910,975,1032,
1077,1130,1368,1656,1740 参考例11 6β‐(ジフエニル‐t-ブチルシリルオキシメチル)‐
7α‐(2-テトラヒドロピラニルオキシ)‐3-メトキシ
カルボニルメチレン‐シス‐ビシクロ〔3.3.0〕オクタ
ン 55%油性水素化ナトリウムをヘキサンで洗滌後、テトラ
ヒドロフラン15mlおよびジメチルホルムアミド10mlに懸
濁し、トリメチルホスホノアセテート1.3mlを氷冷下に
滴下した。30分攪拌したのち、6β‐(ジフエニル‐t-
ブチルシリルオキシメチル)‐7α‐(2-テトラヒドロ
ピラニルオキシ)‐3-オキソ‐シス‐ビシクロ〔3.3.
0〕オクタン2.0gのテトラヒドロフラン溶液8mlを加え
た。室温に4時間攪拌後、氷水に稀釈し酢酸エチルで抽
出する。抽出液を飽和食塩水で洗滌したのち硫酸ナトリ
ウムと共に乾燥する。溶媒を留去し得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフイーで精製すると2.26gの
油状の目的化合物が得られた。
IRスペクトル(Liq)νmaxcm-1:504,703,1113,1300,159
0,1658,1710 NMRスペクトル(CDCl3)δppm:1.08(9H,s)、3.68(3H,
s)、5.78(1H,s)、7.3〜7.9(10H,m)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 47/277 59/46 59/56 69/608 69/708 235/30 323/11 C07D 309/12 (72)発明者 岩田 宜芳 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 大島 武史 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 [式中、 R1は、保護されていてもよいカルボキシ基、保護されて
    いてもよいホルミル基又は保護されていてもよいヒドロ
    キシメチル基を示し、 R2は、水素原子又は炭素数1乃至4個のアルキル基を示
    し、 R4及びR5は、同一又は異なって水素原子又は水酸基の保
    護基を示し、 R7は、置換されていてもよいアルキル基、置換されてい
    てもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルキニ
    ル基又は式−D−R8を有する基(式中、Dは単結合又は
    酸素原子若しくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1
    乃至6個のアルキレン基(直鎖又は分枝状)を示し、R8
    は、置換されていてもよい炭素数3乃至10個のシクロア
    ルキル基又はアリール基を示す。)を示し、 Aは、炭素数1乃至7個の直鎖状アルキレン基又は式‐
    (CH2)p‐E-(CH2)q‐を有する基(式中、p及びqは、1
    乃至3の整数を示し、Eは、酸素原子又は硫黄原子を示
    す。)を示し、 Bは、ビニレン基を示し、 点線を含む縮合は、2位又は3位の二重結合を示す。] を有するプロスタグランジン類及びその薬理上許容され
    る塩。
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