JPH0754102A - 真直度及び圧造特性に優れたpc鋼線又は鋼棒 - Google Patents

真直度及び圧造特性に優れたpc鋼線又は鋼棒

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JPH0754102A
JPH0754102A JP5218976A JP21897693A JPH0754102A JP H0754102 A JPH0754102 A JP H0754102A JP 5218976 A JP5218976 A JP 5218976A JP 21897693 A JP21897693 A JP 21897693A JP H0754102 A JPH0754102 A JP H0754102A
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steel
steel wire
steel bar
tempering
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JP5218976A
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Keiji Ando
啓二 安藤
Takuya Yamamoto
琢也 山本
Shinichi Yoshida
慎一 吉田
Susumu Yamamoto
進 山本
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/06Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of rods or wires
    • C21D8/08Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of rods or wires for concrete reinforcement
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D1/00General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
    • C21D1/18Hardening; Quenching with or without subsequent tempering

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低リラクセーションのPC鋼線又は鋼棒にお
いて、真直性と靱性の改善を図る。 【構成】 鋼線又は鋼棒を焼入れした後、焼戻し温度域
或は冷却中に、その温度における比例限度の6%以上1
4%以下の引張応力と0.1%以上0.5%以下の微小
な曲げ歪みを同時に付加して焼戻し処理を行った後、急
冷して得られるPC鋼材で、この鋼材の化学成分が、重
量%でC:0.20〜0.40、Si:1.00〜1.
40、Mn:0.60〜0.90、Mo:0.04〜
0.06、Cr:0.10〜0.30を含み、残部が鉄
及び不可避的不純物からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オートクレーブ養生法
で製造されるPCパイルやPCポールなどの補強筋に使
用されるPC鋼線又は鋼棒に関するもので、特にその真
直度及び圧造特性の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、オートクレーブ養生法で製造され
るPCパイルやPCポールにおいて、リラクセーション
の小さなPC鋼線又は鋼棒が強く要望されている。リラ
クセーションを軽減させる方法は、鋼線,鋼棒の素材に
合金元素を添加して固溶強化や析出強化の効果を得る方
法や、温間域での引張加工や曲げ加工を加えることによ
って歪み時効強化を狙う方法に大別され、例えば特公昭
51-7145 、同62-49334号公報等に示されるものがある。
そして、最近ではこれらを組み合わせたものや、さらに
改良した特開昭64-65232号公報記載のものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の方法
によりリラクセーションを大幅に軽減した場合、特に熱
処理により製造されたPC鋼線・鋼棒については、真直
度,圧造特性などが悪化するという重大な欠点がある。
真直度とは、PC鋼線,鋼棒の1.5mの長さに対する
そり高さを指標とした特性である。温間域での加工を含
んだ熱処理工程では、真直度を作り込みずらく、巻き取
り前での真直度の値が大きい。又、コイル状に巻き取っ
て保管するため、巻きぐせにより真直度が経時変化を起
こし悪化する。このため、夏季等外気温の高い時期に悪
化の度合いが大きく、真直度の大きい鋼材はPCパイル
やPCポールなどの製造工程で切断・端末加工機の傾斜
架台でスムーズに転がらないため、引っ掛かったり搬送
ローラから外れたりする。その結果、無人の自動加工機
を停止させ、生産効率を阻害することになる。
【0004】一方、圧造特性とは、PC鋼線,鋼棒にプ
レストレスを与える際の定着部として温間圧造された圧
造(製頭)部の機械的特性をいい、これについても、次
のような問題があった。リラクセーション特性の改善を
目的として素材に合金元素としてSiを多く添加してい
るため、通電性を含めた加工特性が変化し、圧造部の機
械的特性が不安定になることがある。具体的には緊張作
業時所定の緊張荷重に達する寸前或は直後に圧造部が脆
性的に破壊してしまう事故が稀に発生し、PCパイル・
ポールが不良となるばかりでなく、緊張作業に従事する
作業者の安全性確保という点でも重大な問題であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決するためになされたもので、その特徴は、鋼線又
は鋼棒を焼入れした後、焼戻し温度域或は冷却中に、そ
の温度における比例限度の6%以上14%以下の引張応
力と0.1%以上0.5%以下の微小な曲げ歪みを同時
に付加して焼戻し処理を行った後、急冷して得られるP
C鋼線又は鋼棒であって、該鋼線又は鋼棒の化学成分
が、重量%でC:0.20〜0.40、Si:1.00
〜1.40、Mn:0.60〜0.90、Mo:0.0
4〜0.06、Cr:0.10〜0.30を含み、残部
が鉄及び不可避的不純物からなることにある。
【0006】本発明において、リラクセーションの改善
に関しては、本出願人による特開昭64-65232号公報記載
の技術を応用している。同公報記載技術の特徴は、焼戻
し温度域或は冷却中に小さな引張応力と微小な曲げ歪み
を連続して加えると、引張応力と曲げ歪みの相乗効果で
耐高温リラクセーション特性が大幅に改善されることに
ある。又、曲げ加工度が小さくできるため、一様伸びの
低下及び真直度の劣化が防止され、一様伸びは3.5%
以上、真直度は2.5mm以内と高品質が実現できる。
つまり、真直度に関し、温間加工面では対策が講じられ
ているのである。
【0007】本発明はこの技術を基に素材の組成に改良
を加え、真直度及び圧造特性のさらなる改善を図ったも
のである。先ず、真直度の改善は、焼入れ時に作り込ま
れた真直度に着目し、素材に焼入れ性を向上させる合金
元素を微量添加することにより、均一な焼入れ性が得ら
れ、優れた真直度を得ることができるとの知見に基づく
ものである。上記元素の添加により、温間域、即ち焼戻
し域での加工を施す直前の真直度の水準とばらつきを小
さく抑え、巻き取り前の真直度を改善できる。さらに、
巻き取り後の巻きぐせによる真直度の悪化に対しては、
その原因が製品に金環状に発生する完全脱炭層であると
の知見から、特にSiの含有量を低減することにより完
全脱炭層の発生を抑え、真直度の悪化を抑制した。
【0008】一方、圧造特性の改善については、低荷重
で脆性的に破壊する圧造部を詳細に調査した結果、圧造
部の荷重−伸び曲線において、破断荷重と破断伸びの双
方が著しく小さいことを見いだした。このため、圧造部
の高温強度と破壊靱性の向上に有効な元素を添加し、機
械的特性を改善している。
【0009】以下に、組成限定の理由を説明する。 C:0.20〜0.40 0.20%未満では焼入れ時に必要とする強度が得られ
ず、0.40%を越えると溶接性及び靱性が低下する。 Si:1.00〜1.40 Siの増加は熱力学的にCの活量を上げるため脱炭が生
じ易く、従来の低リラクセーション品の含有量(1.5
〜2.0%)よりも少なくする。1.00%未満では現
在のオートクレーブ法によるPC鋼棒の高温リラクセー
ション設計値(8%)を上回ってしまい、1.40%を
越えると金環状の完全脱炭層が形成され、巻き取り後の
真直度が悪化するためである。 Mn:0.60〜0.90 Mnは脱炭剤として必要な元素であると共に、焼入れ時
に強度を高める。 Cr:0.10〜0.30 焼入れ時の焼入れ性を高め、焼入れ後の真直度を小さく
かつ均一にする。さらに、温間圧造時の高温強度を高め
るために添加する元素である。0.30%を越えると溶
接性が低下し、原料コストの増加につながるため必要最
小限に抑えた。 Mo:0.04〜0.06 圧造部の破壊靱性を大きく改善するために添加するもの
で、0.04%未満では改善の効果が少なく、0.06
%より多く添加しても効果の向上があまり見られないか
らである。
【0010】
【実験例】以下、本発明の実験例を説明する。後に述べ
る各実験例では図1に示す装置を用いて、下記の添加元
素を含む鋼素材を、JIS G 3109に規定される異形PC鋼
棒の9.2mmφに相当する供試材を作製した。図にお
いて鋼材Wはで送り手段であると共に引張応力付加装置
である3つのピンチローラに1,4,9により各工程を
連続的に送られる。各ピンチローラは1対以上のローラ
群から構成され、各ピンチローラ間で径差を設けて周速
差を与え、かつ各ピンチローラにおけるローラ加圧力を
適宜選択して、それぞれ2つのピンチローラの間に所定
の引張応力がかかるよう調整される。
【0011】ピンチローラに1よって送り出された鋼材
は、先ず焼入れ用加熱装置2で焼入れ温度に加熱された
後、水冷ノズル3で焼入れされる。焼入れされた鋼材
は、ピンチローラの4,9間で所定の引張応力を与えら
れながら次の工程へ送られる。この状態で、鋼材Wは焼
戻し用加熱装置5で加熱され、次に上下方向矯正ロール
5及びこれと直交する左右方向矯正ロール6によって微
小な曲げ歪みが付加され、その後水冷ノズル8で急冷し
て引き取り側ピンチローラ9に引き取られる。
【0012】(実施例1)このような装置により下記の
化学成分(単位は重量%)の鋼素材を用いて、同一の熱
処理条件で先ず焼入れのみを行いサンプルを作製した。
さらに焼入れ、焼戻し並びに温間加工、急冷を連続して
行いサンプルを作製した。ここで、焼入れ温度は950
℃であり、焼戻しは引張強さ1470N/mm2 を目標
に最適温度で実施した。また、焼戻し中に引張応力76
N/mm2 、曲げ歪み量0.4%の温間加工を実施し
た。前記引張応力はこの焼戻し温度における比例限(6
86〜785N/mm2 )の10〜11%である(以下
の各実施例においても同様)。
【0013】 C Si Mn Mo Cr 供試材a 0.30 1.12 0.80 0.01未満 0.02 供試材b 0.31 1.06 0.79 0.04 0.25 そして、これらサンプルの真直度を調査した。その結果
を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】同表に示すように焼入れだけでなく、その
後に加工熱処理を施したサンプルの方が真直度に優れて
いることがわかる。又、Mo,Crの添加量が多い供試
材bの方が真直度に優れていた。
【0016】(実施例2)従来の低リラクセーション品
はコイル形状に巻き取られた後、巻きぐせにより真直度
が悪化することがわかっており、その原因を調べるため
に下記の化学成分(単位は重量%)の鋼素材を用いてサ
ンプルを作製した。尚、供試材cは従来の低リラクセー
ション品、同dは従来の通常のリラクセーション品であ
る。
【0017】 C Si Mn Mo Cr 供試材c 0.31 1.66 0.79 0.01未満 0.03 供試材d 0.31 0.25 0.80 0.01未満 0.02
【0018】サンプルは10mmφの鋼素材を9.15
mmφに異形加工し、これを熱処理したものである。こ
こで、焼入れ温度は900〜1000℃、焼戻し温度は
引張強さ1470N/mm2 を目標に最適温度で実施し
た。また、供試材cは焼戻し中に実施例1と同条件の温
間加工を実施した。そして、これらの供試材をコイル状
に巻き取り、真直度(n=10の平均値)の経時変化を
調べた。結果は次の通りである。
【0019】 巻き取り前の真直度(mm) 巻き取り後7日後の真直度(mm) 供試材c 0.6 2.0 供試材d 0.5 0.6
【0020】このように、低リラクセーション品の供試
材cは巻き取り後における真直度の経時変化が大きいこ
とが確認されたので、さらにその原因を詳細に検討する
ため、各供試材の横断面の金属組織を観察した。その結
果、通常のリラクセーション品である供試材dには完全
脱炭層が見られなかったのに対し、低リラクセーション
品の供試材cは厚さ20〜40μmの完全脱炭層が金環
状に発生していた。
【0021】一般に、図1記載の装置を用いて製品に急
速加熱,急冷といった熱処理を行う場合、完全脱炭層は
生成されない。今回の供試材cも熱処理前の線材の段階
で既に同様な完全脱炭層が生成されていた。そこで、今
度は供試材cと同成分の線材に対して皮剥ぎを施し、完
全脱炭層を完全に除去した後、同一の条件で熱処理を行
い、コイル状に巻き取った後、真直度の経時変化を調べ
た。その結果、巻き取り前の真直度が0.6mmであっ
たのに対し、巻き取り後7日後の真直度は0.7と殆ど
変化していないことが確認できた。以上のことから、巻
きぐせにより真直度が悪化するのは、完全脱炭層の発生
により表面層の強度が著しく低いため、塑性変形を起こ
しているものと推測される。
【0022】(実施例3)完全脱炭層が巻き取り後の真
直度の悪化に大きく影響していると判明したので、これ
を防止する手段を種々検討した。先ず、PC鋼線,鋼棒
の製造工程において、製鋼から圧造工程での完全脱炭層
発生防止は設備投資が膨大になるため工業生産としては
不適当である。又、皮剥ぎによる完全脱炭層の除去は歩
留りの低下等、製造コストの増大が大きくやはり不利と
なる。そこで、本発明者は素材の化学成分を調整するこ
とで金環状の完全脱炭層を抑制することを考えた。
【0023】一般に、完全脱炭層の発生はCの活量が関
係し、C,Siの含有量を増加すると熱力学的にCの活
量を上げ、脱炭が生じ易くなると言われている。Cは熱
処理の基本元素であり、その変更は焼入れ強度などに大
きな影響を与え、Siはリラクセーション特性を改善す
るのに非常に有効な元素である。そのため、Si含有量
と脱炭層の発生及びリラクセーション特性の関係に着目
して以下の実験を行った。
【0024】下記の化学成分(単位は重量%)で10m
mφの鋼素材を9.2mmφに異形加工をし、図1記載
の装置を用いて熱処理を行った。焼入れ温度は930〜
1000℃とし、焼戻し温度は素材の化学成分により調
整して引張強さをほぼ同水準に揃えた。又、温間加工の
条件は全て同一とし、引張応力76N/mm2 、曲げ歪
み量0.4%で実施した。尚、供試材aは実施例1のも
のと同一である。
【0025】 C Si Mn Mo Cr 供試材e 0.30 0.95 0.80 0.01未満 0.03 供試材a 0.30 1.12 0.80 0.01未満 0.02 供試材f 0.31 1.38 0.77 0.01未満 0.02 供試材g 0.31 1.58 0.75 0.01未満 0.06
【0026】そして、得られたサンプルについて、機械
的特性,脱炭層発生の有無,リラクセーション値を測定
した。各試験条件は次の通りである。 機械的特性 各供試材についてJIS G 3109に規定される引張試験を実
施し、引張強さ,降伏点及び伸びを測定した。 完全脱炭層の有無 各供試材の任意の位置からサンプルを採取し、横断面を
光学顕微鏡にて観察した。 リラクセーション 初期負荷荷重:39.8kN 載荷方法:1分間で初期負荷荷重まで載荷し、直ちに昇
温を開始すると共に測定を開始する。 温度履歴:4時間で180℃まで昇温し、3時間保持後
炉冷する。 リラクセーション値:昇温から23時間後の値をもって
高温リラクセーション値とする。 各試験結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2に示すように、Siの含有量が減少す
るに伴って金環状に生成する完全脱炭層がまばらとな
り、その厚みが小さくなっている。一方、高温リラクセ
ーション値は徐々に大きくなり、Si含有量が0.95
%で、現在のオートクレーブ法によるPC鋼棒における
高温リラクセーションの設計値である8%を上回ってし
まうことがわかった。
【0029】次に、上記供試材を熱処理後、コイル形状
(内径2000mm)に巻き取った後、真直度の経時変
化を調べた。その結果を図2のグラフに示す。このグラ
フに示すように、完全脱炭層が少なくなるにつれて真直
度の悪化度合いが小さくなっており、供試材f(Si含
有量1.38%)で通常の使用時における推定真直度限
界2.0mmを満足している。
【0030】(実施例4)従来の低リラクセーション品
の圧造部において、緊張作業中に低荷重で脆性的に破壊
することが稀に発生することがあったため、圧造部の荷
重−伸び曲線を詳細に検討した。その結果、図3に示す
3つのパターン(A〜C)に分類できることがわかっ
た。パターンAでは破断荷重及び伸びが非常に小さいの
に対し、パターンBの方が、さらにはパターンCの方が
いずれも大きく、機械的特性に優れている。
【0031】そこで、下記の化学成分(単位は重量%)
で、10mmφの鋼素材を9.2mmφに異形加工した
サンプルを図1の装置を用いて作製し、圧造部の引張試
験を行った。サンプルの熱処理条件は、焼入れ温度93
0〜1000℃、焼戻し温度は引張強さ1470N/m
2 を目標に最適温度で実施した。また焼戻し中に実施
例1と同条件で温間加工を実施した。
【0032】 C Si Mn Mo Cr 供試材a 0.30 1.12 0.80 0.01未満 0.02 供試材b 0.31 1.06 0.79 0.04 0.25 供試材h 0.30 1.33 0.80 0.06 0.17 供試材i 0.29 1.10 0.77 0.06 0.03
【0033】試験方法は、PCパイルに使用される端板
形状を基に、馬てい形の試験用プレートを作成し、これ
と同一の圧造条件で圧造加工した各供試材を用いて試験
を行った。又、試験機に自己記録チャートを取り付けて
荷重−伸び曲線を記録し、図3におけるいずれのパター
ンに該当するかを分類した。その結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】同表に示すように、Moを微量添加するこ
とにより、圧造部の破壊靱性が改善されることがわか
る。さらに、Moの微量添加に加え、Crを添加する
と、圧造部の靱性が改善されるだけでなく、引張強度も
向上した。これは、Crの添加により高温強度が増大し
たためと考えられる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のPC鋼線
又は鋼棒によれば、真直度、特にコイル形状に巻き取っ
た後の真直度の悪化を最小限に抑制でき、自動加工機に
おける製品の引っ掛かりなどを防止できる。又、現在P
Cパイル,ポールの製造業者で多く採用されている圧造
加工において、加工された圧造部の品質特性、特に強度
と靱性が大きく改善されるため、緊張作業時に圧造部が
脆性的に破壊されることを防止でき、作業の信頼性を向
上できる。従って、本発明品を、近年急増している高温
リラクセーション設計値8%を採用している高強度PC
パイルの製造に適用すれば、切断、自動加工機の生産効
率向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明製品製造装置の概略図である。
【図2】コイル巻き取り後における真直度の経時変化を
示すグラフである。
【図3】圧造部が破壊する際の荷重−伸び曲線における
パターンを示すグラフである。
【符号の説明】
1 ピンチローラ 2 焼入れ用加熱装置 3 水冷ノズル 4 ピンチローラ 5 焼戻し用加熱装置 6 上下方向矯正ロール 7 左右方向矯正ロール 8 水冷ノズル 9 ピンチローラ W 鋼材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 進 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼線又は鋼棒を焼入れした後、焼戻し温
    度域或は冷却中に、その温度における比例限度の6%以
    上14%以下の引張応力と0.1%以上0.5%以下の
    微小な曲げ歪みを同時に付加して焼戻し処理を行った
    後、急冷して得られるPC鋼線又は鋼棒であって、該鋼
    線又は鋼棒の化学成分が、重量%でC:0.20〜0.
    40、Si:1.00〜1.40、Mn:0.60〜
    0.90、Mo:0.04〜0.06、Cr:0.10
    〜0.30を含み、残部が鉄及び不可避的不純物からな
    ることを特徴とする真直度及び圧造特性に優れたPC鋼
    線又は鋼棒。
JP5218976A 1993-08-10 1993-08-10 真直度及び圧造特性に優れたpc鋼線又は鋼棒 Pending JPH0754102A (ja)

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