JPH0753581A - 結晶質l−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩の製造法 - Google Patents

結晶質l−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩の製造法

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 医薬品、化粧品、食品および動物飼料などに
有用な結晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマ
グネシウム塩の製造法。 【構成】 L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグ
ネシウム塩を水溶媒下で結晶化させることを特徴とする
結晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシ
ウム塩の製造法。 【効果】 非晶質を含まず高純度で優れた安定性を有す
る結晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネ
シウム塩が簡便かつ短時間で得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品、化粧品、食品
および動物飼料などに有用なL−アスコルビン酸−2−
燐酸エステルマグネシウム塩の結晶(以下、結晶質L−
アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩と称
する。)の製造法に関する。
【0002】
【従来技術および課題】現在市販されているL−アスコ
ルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩は非晶質で
あるため、保存時吸湿しやすく粉末の団塊化を生じやす
い。また、L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグ
ネシウム塩自身の化学的安定性が充分でなく、他の薬物
との配合時に影響を与えることが多い。さらに、ケーキ
ングを生じたり、流動性が不十分なため製剤化に際して
支障をきたすことが多く、実用面で支障になる品質のバ
ラツキが生じやすい。従って、安定な結晶質L−アスコ
ルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩として提供
されることが望まれている。 L−アスコルビン酸−2
−燐酸エステルマグネシウム塩の結晶化の例としては、
L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩
の水溶液にメタノールを加え、得られた沈澱物を水−メ
タノールから再結晶する方法[ケミカル・アンド・ファ
ーマシューティカル・ブレティン(Chem. Pharm. Bul
l.)、17、381(1969)およびケミカル・アン
ド・ファーマシューティカル・ブレティン(Chem. Phar
m. Bull.)、30、1024(1982)]、L−アス
コルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩を含有す
る水溶液にアルコール類またはアセトンなどを添加して
該結晶を得る方法(特開昭59−51293号)が知ら
れているが、これらの方法は結晶の純度、安定性、結晶
化の簡便性などの点で十分とは言えない。
【0003】
【課題を解決するための手段】このような事情に鑑み、
本発明者らは、より優れた特性を有する結晶質L−アス
コルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩を得るた
めに種々検討を重ねた結果、驚くべきことに、L−アス
コルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩が水溶媒
下で結晶化すること、さらに、非晶質を含まず高純度で
優れた安定性を有する結晶質L−アスコルビン酸−2−
燐酸エステルマグネシウム塩が簡便かつ短時間で得られ
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0004】すなわち、本発明は(1)L−アスコルビ
ン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩を水溶媒下で結
晶化させることを特徴とする結晶質L−アスコルビン酸
−2−燐酸エステルマグネシウム塩の製造法、(2)L
−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩の
加温水溶液を冷却する第1項記載の製造法、(3)加温
水溶液中のL−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグ
ネシウム塩の濃度が約0.2〜約20W/V%である第
2項記載の製造法、(4)加温水溶液の温度が約40〜
約60℃である第2項記載の製造法、(5)L−アスコ
ルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩の水溶液を
濃縮して結晶化を行う第1〜4項のいずれか1記載の製
造法、(6)L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマ
グネシウム塩が約15〜約50W/V%になるまで濃縮
する第5項記載の製造法、(7)水の噴霧下で結晶化を
行う第1項記載の製造法、および(8)L−アスコルビ
ン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩を水溶媒下で結
晶化させて得られる結晶質L−アスコルビン酸−2−燐
酸エステルマグネシウム塩に関する。
【0005】本発明の製造方法において、原料として用
いられるL−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネ
シウム塩(以下、APMgと称することもある)として
は、非晶質(無定形)APMg、結晶質APMgまたは
これらの混合物が挙げられる。このようなL−アスコル
ビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩は、例えばホ
スピタンC[商品名、昭和電工(株)製]、ニッコールV
C−PMG[商品名、日光ケミカルス(株)製]、AP−
2K[商品名、武田薬品工業(株)製]等として入手可能
である。
【0006】原料L−アスコルビン酸−2−燐酸エステ
ルマグネシウム塩として非晶質(無定形)APMgと結
晶質APMgとの混合物を用いる場合、非晶質(無定
形)APMgに対して、結晶質APMgを例えば約1〜
約30重量%、好ましくは約2〜約20重量%となるよ
うに混合する。上記した原料L−アスコルビン酸−2−
燐酸エステルマグネシウム塩の粒子径は約1〜約200
0μmが好ましい。粒子径は約5〜約1500μmがさ
らに好ましい。
【0007】本発明の製造法において、水溶媒下での結
晶化とは、原料であるL−アスコルビン酸−2−燐酸エ
ステルマグネシウム塩(以下、APMgと略記すること
もある)が水と接触できる状態での結晶化を意味する。
該結晶化としては、例えば水溶液中、水分散液中、水で
の湿潤下、高湿度下、水の噴霧下等での結晶化が挙げら
れる。
【0008】水溶液中での結晶化は、例えば公知の非晶
質または結晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸エステル
マグネシウム塩のいずれかの水溶液から結晶を析出させ
ることにより行うことができる。水溶液中のL−アスコ
ルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩の濃度は、
約0.1〜約15W/V%、好ましくは約0.5〜約10
W/V%である。該マグネシウム塩の水溶液を濃縮し、
所望の結晶を析出させる。濃縮は、水溶液のL−アスコ
ルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩の濃度[析
出したAPMgと水に溶けているAPMgとの合計重量
(g)/水の体積(ml)]×100(%)が約15〜
約50W/V%、好ましくは約20〜約35W/V%に
なるまで行う。
【0009】L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマ
グネシウム塩の水溶液の調製では、作業性の向上のた
め、加温下でL−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマ
グネシウム塩を溶解させることが好ましい。加温温度
は、約40〜約60℃が好ましい。加温温度は、さらに
好ましくは約50〜約60℃である。加温水溶液中のL
−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩の
濃度は、約0.2〜約20W/V%,好ましくは約1〜
約15W/V%である。所望により、得られたL−アス
コルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩の水溶液
を濃縮する。濃縮は、水溶液のL−アスコルビン酸−2
−燐酸エステルマグネシウム塩の濃度[析出したAPM
gと水に溶けているAPMgとの合計重量(g)/水の
体積(ml)]×100(%)が約15〜約50W/V
%、好ましくは約20〜約35W/V%になるまで行
う。
【0010】濃縮の際、L−アスコルビン酸−2−燐酸
エステルマグネシウム塩は晶出していてもよく、この場
合、濃縮液から直接、所望の結晶を得ることができる。
所望により、L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマ
グネシウム塩の水溶液を濃縮する前に、該溶液を濾過し
て不溶物を除去してもよい。ついで、得られる濃縮液を
冷却して所望の結晶を析出させる。冷却温度は約5〜約
35℃が好ましい。冷却温度はさらに好ましくは約5〜
約25℃である。上記した加温、濃縮(減圧あるいは常
圧下)、濾過(遠心分離、吸引または自然濾過等)、冷
却等の操作は自体公知の方法によって行えばよい。
【0011】水分散液中での結晶化は、例えばL−アス
コルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩を約15
〜約45W/V%、好ましくは約25〜約35W/V%
となるように水に分散させることにより行われる。該水
分散液の調製は、加温下で行うことが好ましい。加温温
度は上記した水溶液中での結晶化の場合と同様である。
所望により、得られた水分散液を濃縮する。該濃縮は、
水分散液に含まれるL−アスコルビン酸−2−燐酸エス
テルマグネシウム塩の濃度が約40〜80W/V%、好
ましくは約50〜約70W/V%になるまで行う。つい
で得られる濃縮液を冷却して所望の結晶を析出させる。
冷却温度は、前記した水溶液中での結晶化の場合と同様
である。また、上記した分散、加温、濃縮(減圧あるい
は常圧下)、濾過(遠心分離、吸引または自然濾過
等)、冷却等の操作は自体公知の方法によって行えばよ
い。
【0012】水での湿潤下での結晶化は、例えばL−ア
スコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩を、該
マグネシウム塩に対して約3〜約30重量%、好ましく
は約5〜約30重量%の水で湿潤させ、ついで混合撹拌
することにより行われる。混合撹拌時間は約1〜約18
0分、好ましくは約5〜約60分である。混合撹拌は自
体公知の方法で行われる。該方法としては、例えば流動
層方式、遠心流動方式、転動方式、粉砕方式、ニーダー
方式、撹拌方式等が挙げられる。
【0013】高湿度下での結晶化は、例えばL−アスコ
ルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩を高湿度下
(好ましくは、湿度約85%以上、温度約35〜60
℃)で混合撹拌することにより行われる。混合撹拌時間
および方法は前記した水での湿潤下での結晶化の場合と
同様である。
【0014】また、水の噴霧下での結晶化は、例えば、
L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩
を流動層造粒機に仕込み、風温約40〜約80℃、好ま
しくは約50〜約70℃、風量約0.3〜約2.0m3
min、好ましくは約0.5〜1.5m3/minで流動
させながら、該マグネシウム塩に対して約20〜200
重量%、好ましくは約40〜約100重量%の水を噴霧
することにより行われる。流動噴霧中の品温は、約20
〜約35℃、好ましくは約25〜約30℃とする。
【0015】本発明により得られる結晶質L−アスコル
ビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩は6水和物
で、以下の物理化学的特性を有する。 (1)粉末X線回折スペクトル:CuKα線、40k
V、40mAの条件で測定した粉末X線回折スペクトル
を図1に示す。
【0016】(2)赤外線吸収スペクトル:流動パラフ
ィン法(Nujol法)による特徴的な吸収(波数)は
以下の通りであった。 3300cm-1のO−Hの吸収帯 1600cm-1付近のC=O伸縮振動による吸収帯 1000〜1200cm-1のP−O吸収帯
【0017】(3)示差熱分析:5℃/分の昇温速度で
測定した示差熱分析チャートを図4および図6に示す。
【0018】(4)元素分析(C1212182Mg3
12H2Oとして): 理論値:C,18.12;H,4.56;P,7.79;M
g,9.17(%) 測定値:C,18.19;H,4.60;P,7.70;M
g,9.07(%)
【0019】(5)溶解性:水に可溶(26℃における
溶解度は14W/V%)。有機溶媒(アルコール類、ク
ロロホルム)に不溶。
【0020】(6)結晶形:数μm以下よりなる微細結
晶集合体。偏光顕微鏡下、暗視野で複屈折を示す結晶で
ある。
【0021】また、本発明で得られる結晶質L−アスコ
ルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩の粉末X線
回折スペクトル、赤外線吸収スペクトル、示差熱分析
(DSC)チャートおよび吸湿平衡曲線を、それぞれ、
図1、図3、図4および6ならびに図5に示す。
【0022】本発明の製造方法により得られる結晶質L
−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩
は、例えば医薬品(例、口腔用薬剤、点眼剤、浴用剤
等)、化粧品(例、化粧水、乳液、クリーム、パック
等)、食品(例、パン類等)および動物飼料(例、エ
ビ、サケ、ウナギ、ハマチ、コイ等の養殖用飼料)など
として用いられる。
【0023】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 非晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシ
ウム塩20gに1リットルの水を加え2W/V%とし、
50〜60℃に加温溶解した。得られた溶液をろ過し、
ろ液を減圧下で濃縮し、80mlの溶液を得た。得られ
た溶液のL−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネ
シウム塩の濃度[析出したAPMgと水に溶けているA
PMgの合計重量(g)/水の体積(ml)]×100
(%)は25W/V%であった。その後、室温まで冷却
し、結晶を析出させて目的の結晶を得た。得られた結晶
についてDSCチャートにより確認した結果、全て結晶
質L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム
塩であることが判明した。
【0024】実施例2 非晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシ
ウム塩500gと結晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸
エステルマグネシウム塩50gをハイスピードミキサー
(深江工業製LFS−GS−1J型)に仕込み、水を5
0ml添加して60分混合し混合末を得た。混合末の結
晶形をDSCチャートにより確認した結果、全て結晶質
L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩
であることが判明した。
【0025】実施例3 非晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシ
ウム塩500gと結晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸
エステルマグネシウム塩100gを流動層造粒機(パウ
レック社製FD−35型)に仕込み、風温60℃、風量
0.7m3/minで流動させながら300mlの水を噴
霧して乾燥粉末を得た。流動噴霧中の品温は30℃とし
た。乾燥粉末の結晶形をDSCチャートにより確認した
結果、全て結晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸エステ
ルマグネシウム塩であることが判明した。
【0026】実施例4 非晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシ
ウム塩500gをハイスピードミキサーに仕込み、ハイ
スピードミキサー内を温度50℃、関係湿度95%に保
ち、60分間混合し、得られた粉末の結晶形をDSCチ
ャートにより確認した結果、全て結晶質L−アスコルビ
ン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩であることが判
明した。
【0027】実施例5 非晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシ
ウム塩20gに1リットルの水を加え2W/V%とし、
50〜60℃に加温溶解した。得られた溶液をろ過し、
ろ液を減圧下で濃縮し、90mlの溶液を得た。得られ
た溶液のL−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネ
シウム塩の濃度[析出したAPMgと水に溶けているA
PMgの合計重量(g)/水の体積(ml)]×100
(%)は22W/V%であった。その後、室温まで冷却
し、結晶を析出させ、3時間放置して目的の結晶を得
た。得られた結晶についてDSCチャートにより確認し
た結果、全て結晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸エス
テルマグネシウム塩であることが判明した。
【0028】試験例1 実施例1で得られた結晶質L−アスコルビン酸−2−燐
酸エステルマグネシウム塩について密閉容器中、60℃
下での残存率を測定し、非晶質L−アスコルビン酸−2
−燐酸エステルマグネシウム塩[ホスピタンC(商品
名)、昭和電工(株)製]と比較することによりその安
定性を評価した。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかなように、本発明による結
晶は優れた安定性を有する。
【0031】試験例2 実施例1で得られた結晶質L−アスコルビン酸−2−燐
酸エステルマグネシウム塩について、40℃における吸
湿平衡を調べ、非晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸エ
ステルマグネシウム塩[ホスピタンC(商品名)、昭和
電工(株)製]と比較し、吸湿特性を評価した。結果を
図5に示す。吸湿速度が環境に左右されない安定なもの
であることを確認した。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、非晶質を含まず高純度
で優れた安定性を有する結晶質L−アスコルビン酸−2
−燐酸エステルマグネシウム塩が簡便かつ短時間で得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による結晶質L−アスコルビン酸−2
−燐酸エステルマグネシウム塩の粉末X線回折スペクト
ル(CuKα線、40kV,40mA)である。図中、
縦軸は回折強度(単位:カウント/秒)を、横軸は回折
角(単位:20(°))を示す。
【図2】 非晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸エステ
ルマグネシウム塩の粉末X線回折スペクトル(CuKα
線、40kV,40mA)である。図中、縦軸は回折強
度(単位:カウント/秒)を、横軸は回折角(単位:2
0(°))を示す。
【図3】 本発明による結晶質L−アスコルビン酸−2
−燐酸エステルマグネシウム塩の赤外線吸収スペクトル
(流動パラフィン法)である。図中、縦軸は透過率
(%)を、横軸は波数(cm-1)を示す。
【図4】 本発明による結晶質L−アスコルビン酸−2
−燐酸エステルマグネシウム塩(実施例1のサンプル)
の示差熱分析チャートである。図中、縦軸は発熱量を、
横軸は温度(℃)を示す。
【図5】 本発明による結晶質L−アスコルビン酸−2
−燐酸エステルマグネシウム塩、および非晶質L−アス
コルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩の40℃
における吸湿平衡曲線を示す。図中、縦軸は吸湿率
(%)を、横軸は相対湿度(%)を示す。また、図中の
記号は以下の意味を示す。 ○‥非晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグ
ネシウム塩 ●‥結晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグ
ネシウム塩
【図6】 本発明による結晶質L−アスコルビン酸−2
−燐酸エステルマグネシウム塩(実施例5のサンプル)
の示差熱分析チャートである。図中、縦軸は発熱量を、
横軸は温度(℃)を示す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L−アスコルビン酸−2−燐酸エステル
    マグネシウム塩を水溶媒下で結晶化させることを特徴と
    する結晶質L−アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグ
    ネシウム塩の製造法。
  2. 【請求項2】 L−アスコルビン酸−2−燐酸エステル
    マグネシウム塩の加温水溶液を冷却する請求項1記載の
    製造法。
  3. 【請求項3】 加温水溶液中のL−アスコルビン酸−2
    −燐酸エステルマグネシウム塩の濃度が約0.2〜約2
    0W/V%である請求項2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 加温水溶液の温度が約40〜約60℃で
    ある請求項2記載の製造法。
  5. 【請求項5】 L−アスコルビン酸−2−燐酸エステル
    マグネシウム塩の水溶液を濃縮して結晶化を行う請求項
    1〜4のいずれか1記載の製造法。
  6. 【請求項6】 L−アスコルビン酸−2−燐酸エステル
    マグネシウム塩が約15〜約50W/V%になるまで濃
    縮する請求項5記載の製造法。
  7. 【請求項7】 水の噴霧下で結晶化を行う請求項1記載
    の製造法。
  8. 【請求項8】 L−アスコルビン酸−2−燐酸エステル
    マグネシウム塩を水溶媒下で結晶化させて得られるL−
    アスコルビン酸−2−燐酸エステルマグネシウム塩。
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