JPH0753572Y2 - シュラフ構成材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、シュラフ構成材に係わ
り、特に夏期または温暖地域等において用いられるシュ
ラフを構成するためのシュラフ構成村料に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来からシュラフ（寝袋）は、表シート
と裏シートとの間に、もめん綿、合成繊維綿（合繊綿）
あるいは羽毛のような保温材を介層して構成されてい
る。そして、このような保温材においては、その保温機
能、吸湿性、嵩高性（クッション性）等を向上させるた
めに、素材や構造に種々の改良が施されている。しかし
ながら、一般にシュラフ構成材には、夏期においては蒸
れや汗ばみを防止し、冬期においては高い保温効果を発
揮するという相矛盾する機能が求められているため、い
ずれの要求も十分に満足させることができなかった。

【０００３】また、従来の保温材では、表シートや裏シ
ートに目の粗い布地等を使用すると、綿の繊維や羽毛が
布地の透き間から外へ飛び出し、外観上あるいは肌ざわ
りの点で好ましくないという問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、これらの問
題を解決するためになされたもので、夏期または温暖地
域等において使用しても、蒸れや汗ばみが防止され、し
かも吸湿性、保温性、嵩高性が良好で、これらの特性が
使用の際の押圧等により低下することがないシュラフ構
成材を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案のシュラフ構成材
は、表シートの裏面に保温材層を設け、その裏面にメッ
シュ材を積層して構成され、保温材層のメッシュ材に接
する層が、合成繊維綿に接着性樹脂液または粉末を塗布
あるいは噴霧して合成繊維綿相互間を接着固定して嵩高
性を保持した状態の合成繊維加工綿の層で形成されてい
ることを特徴とする。

【０００６】

【作用】本考案のシュラフ構成材においては、保温材層
が合成繊維綿に接着性樹脂液または粉末を塗在あるいは
噴霧して繊維を接着固定しているのでメッシュ材の透き
間から外へ飛び出すこともなく、かつ、嵩高性を備えた
合成繊維加工綿の層で構成されているので、クッション
性が良い。更に人体と接する裏層に、織物布地のような
裏シートではなくメッシュ材が設けられているため、湿
気や熱がメッシュ材の透孔を通過して放散され、蒸れや
汗ばみが生じない。また、メッシュ材においては、通常
の布地に比べて人肌と直接接する部分の面積が少ないの
で、蒸れによる吸い付きがなく肌ざわり、寝心地が良好
である。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

【０００８】図１は、本考案のシュラフ構成材の一実施
例を示す展開斜視図である。

【０００９】実施例のシュラフ構成材は、天然繊維糸ま
たは合成繊維糸により織成した織物、またはこれらの繊
維糸の混紡織物からなる表シート１の裏面に、合成繊維
加工綿の層２が保温材層として設けられ、その裏面に、
ネット、網目状布、網目状樹脂シート、樹脂シートある
いは不織布に多数の透孔を穿設してなるシート状素材等
のメッシュ材３が積層されて構成されている。合成繊維
加工錦は、通常の合成繊維綿（合繊綿）に接着性樹脂の
溶液または粉末を塗布あるいは噴霧することにより得ら
れたもので、接着性樹脂が巻縮された合成繊維に付着
し、繊維の複雑な絡み合いが接着固定されている。そし
て、このようなシュラフ構成材により、図２に示すよう
に、表シート１、合成繊維加工綿の層２、およびメッシ
ュ材３が共に縫着４され、メッシュ材３が裏面に位置す
るように縫製されてシュラフ５が形成される。図３は図
２のＸ−Ｘ´断面図である。このように構成される実施
例のシュラフ構成材においては、人体と直に接する裏層
に、多数の透孔を有し接触面積の少ないメッシュ材３が
設けられているため、湿気や熱がメッシュ材３の透孔を
通って放散され、夏期または温暖地域等においても、蒸
れや汗ばみが生じず肌ざわりが良好である。また、保温
材として、合成繊維綿に接着性の樹脂液等を付着させ、
合成繊維の巻縮や絡み合いを接着固定化した合成繊維加
工綿が使用されているので、復元性が良好であり、使用
中に体重等により押圧されても外圧が取り除かれると速
やかにもとの形状に復元される。したがって、保温材層
にへたりが生じることがなく、良好な吸湿性、保温性、
クッション性等が長期に亘って維持される。さらに、こ
のように合成繊維の絡み合いが接着固定化されているの
で、繊維がメッシュ材３の透孔から飛び出すことがな
く、外観および肌ざわりが良好である。

【００１０】なお、以上の実施例においては、合成繊維
加工綿の層２のみにより保温材層が構成されている例に
ついて説明したが、本考案のシュラフ構成材はこのよう
な構造に限定されず、図４に示すように、保温材層を前
記合成繊維加工綿の層２と通常の合成繊維綿からなる層
６との２層構造とすることもできる。すなわち、表シー
ト１の裏面に合成繊維綿の層６を設け、この層を介して
合成繊維加工綿の層２を設けても、十分な形状復元性を
有し、良好な吸湿性、保湿性、クッション性等が長期間
発揮される。またさらに、図５に示すように、保温材層
を合成繊維加工綿の層２と通常の合成繊維綿の層６との
２層構造とするとともに、これらの層の間に、金属箔ま
たは金属蒸着樹脂シートのような反射性シート７を介層
することもできる。このような構造とした場合には、表
シート１を通過した寒気が反射性シート７により外部に
反射して、裏面側に浸透することがなく、また裏面のメ
ッシュ材３を通過した体温による暖気が、反射性シート
７により内部に反射して外部へ逃げることが少ないの
で、より高い保温性効果が得られる。

【００１１】

【考案の効果】以上説明したように本考案のシュラフ構
成材によれば、夏期または温暖地域において使用して
も、肌ざわりが良好で汗ばみや蒸れが生じることがない
シュラフを製作することができる。また、本考案のシュ
ラフ構成材は、復元性に優れ、良好な吸湿性、保温性、
クッション性等が長期間維持される。更にまた等高の高
さの場合従来の綿のみの場合に比し、少量ですみ経済的
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のシュラフ構成材の一実施例を示す展開
斜視図。

【図２】実施例のシュラフ構成材を用いて製作されたシ
ュラフの斜視図。

【図３】図２のＸ−Ｘ´線に沿った断面図。

【図４】本考案のシュラフ構成材の別の実施例を示す断
面図。

【図５】本考案のもう一つ別の実施例を示す断面図。

【符号の説明】 １………表シート ２………合成繊維加工綿の層 ３………メッシュ材 ４………縫着 ５………シュラフ ６………合成繊維綿の層 ７………反射性シート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表シートの裏面に保温材層を設け、その
   裏面にメッシュ材を積層して構成され、前記保温材層の
   前記メッシュ材に接する層が、合成繊維綿に接着性樹脂
   液または粉末を塗布あるいは噴霧して前記合成繊維綿相
   互間を接着固定して嵩高性を保持した状態の合成繊維加
   工綿の層で形成されていることを特徴とするシュラフ構
   成材。