JP2570227Y2 - 貼付用基布 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、貼付剤の基布に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、貼付剤用基布としては、各種の不
織布、フイルムなどが知られているが、不織布からなる
ものは厚み感があり、捲縮繊維を用いた不織布を除くと
一般的に使用時の風合いが悪く、フイルムは通気性の不
足による蒸れ感があり、さらに好ましいものが要求され
ている。本考案者らは、薄いメルトブローン不織布を貼
付剤基布として用いることによって、風合いがよくソフ
トで肌へのフィット性に富んだものの検討を行っている
が、この場合、薬剤が表面側に浸み出すという不都合が
ある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、薄く、風合
いがソフトで肌に対するフィット性に優れ、表面への薬
剤の浸み出しのない貼付剤基布を提供せんとするもので
ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は、繊度１デニー
ル以下の極細繊維からなる二枚の不織布が積層一体化さ
れ、該不織布の積層境界面で、少なくとも一方の不織布
の表層部分の見掛密度を高くしたことを特徴とする貼付
用基布である。本考案で用いる不織布は、繊度１デニー
ル以下、好ましくは０．５デニール以下の繊維からなる
もので、好適にはメルトブローン不織布が使用される。
これらの不織布は一般には目付が２０〜８０ｇ／m²と薄
く、風合いもソフトであり、単位面積当たりの繊維密度
が高く、薬剤の表面への浸透をある程度阻止することが
できる。しかしながら、このような不織布は複数枚積層
しても薬剤の表面への浸み出しを完全に防止することは
できない。

【０００５】本考案では、このような極細繊維からなる
不織布を積層したものとし、該不織布の積層境界面で少
なくとも一方の不織布、好ましくは双方の不織布の表層
部分の見掛密度を高くして、基布としての風合いを変え
ることなく、層全体として薬剤の表面への浸み出しを防
止したものである。該表層部の見掛密度は、前記のよう
な不織布の積層体では、該不織布の見掛密度より０．０
２ｇ／cm³以上高ければ十分である。このような不織布
の表層部の見掛密度を高める手段としては、不織布の表
面に熱ロール、プレート等を軽くタッチさせ、この部分
を緻密化する方法が有効である。なお、該表面層部分の
厚さはごく薄くてよく、せいぜい５０ミクロン程度で十
分である。

【０００６】本考案の貼付用基布は、貼付剤として構成
され実際に身体上に貼り付けた際の該貼付剤の表面（薬
剤層とは反対側の表面）がソフトな感触のものであるこ
とが望ましい要請から、二枚の不織布の不織布を用い、
その不織布の密度の高い面側をその積層境界面側にもっ
てゆき、表面に出る不織布の最表面層が密度を高めてい
ない層となるように構成するものである。不織布の材質
は特に限定されないが、ポリオレフィン、ポリエステル
等の合成繊維からなるものが薬剤の表面への浸透をより
防止しやすい。積層の手段としては、特に限定されない
が、カレンダー、超音波等による点接着等の方法が用い
られる。図１は本考案の基布の断面模式図であり、１及
び２は不織布、３及び４は不織布１、２の積層境界面の
緻密化された表層部を示す。図中５は薬剤層を示す。

【０００７】

【考案の効果】本考案によれば、塗布された薬剤が、積
層された不織布の境界面の緻密化された部分で表面への
浸み出しが阻止され、肌に接する側及び表面は極細繊維
の不織布の形態がそのまま維持され、ソフトな風合いを
有している。また、基布全体を薄くすることができ、肌
へのフィット性にも優れている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の貼付用基布の断面模式図である。

【符号の説明】

１、２ 不織布 ３、４ 不織布境界面の緻密化された表面層 ５ 薬剤層

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 繊度１デニール以下の極細繊維からなる
   二枚の不織布が積層一体化され、該不織布の積層境界面
   で、少なくとも一方の不織布の表層部分の見掛密度を高
   くしたことを特徴とする貼付用基布。
2. 【請求項２】 不織布がメルトブローン不織布である請
   求項１に記載の貼付用基布。