JP2000080549A - 積層された繊維構造体 - Google Patents
積層された繊維構造体Info
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Abstract
り返し使用するに従い融着部が剥離してしまい硬度や弾
力性等の経時変化が起こりやすいという根本的な不都合
を解消し、適度な硬さと弾力性を有しながら、屈曲性が
よく、さらに、耐久性にも優れているという新規な繊維
構造体を提供すること。 【解決手段】主に繊維により構成されたニードルパンチ
不織布を複数枚積層し、さらにニードルパンチされ一体
化した繊維構造体であって、かつ少なくとも一層のニー
ドルパンチ不織布を構成する繊維としてシリコーン加工
した繊維を含有せしめてなることを特徴とする積層され
た繊維構造体。
Description
造体に関する。
ど寝装品に好適に用いられる積層された繊維構造体に関
する。
や椅子、ソファーなどのインテリア家具、車輌座席の中
材などの分野において、合成繊維を用いた繊維構造体の
製品が広く認知され展開されている。合成繊維やその構
造体は、自由に設計でき、さらにそれら繊維を種々組み
合わせた加工方法を駆使することにより、さまざまな機
能を付加した製品を開発されてきている。
は身体を自然な状態に保持することが重要であり、適度
な硬さ、弾力性の点から繊度が6〜20デニール程度の
太繊度の合成繊維と熱接着性繊維を用いて熱により融着
させ製造した、いわゆる硬綿という不織布を用いた布団
等が開発されている。
曲がりにくく、押入などへの収納がしにくいという欠点
があった。また、一度屈曲すると接着部分が剥離し、折
り癖が付くという欠点があった。
熱接着性原綿の接着部分が剥離し、たとえば数ヶ月後に
は硬度が極端に低下し、使用当初の性能を減滅させると
いう問題もあった。
の熱接着性原綿を用いた硬綿のように、繰り返し使用す
るに従い融着部が剥離してしまい硬度や弾力性等の経時
変化が起こりやすいという根本的な不都合を解消し、適
度な硬さと弾力性を有しながら、屈曲性がよく、さら
に、耐久性にも優れているという新規な繊維構造体を提
供することにある。
題を解決するため、次のような手段を採用するものであ
る。
維により構成されたニードルパンチ不織布を複数枚積層
し、さらにニードルパンチされ一体化した繊維構造体で
あって、かつ少なくとも一層のニードルパンチ不織布を
構成する繊維としてシリコーン加工した繊維を含有せし
めてなることを特徴とする積層された繊維構造体であ
る。
て、更に詳細に説明する。
は、主に繊維により構成されたニードルパンチ不織布が
複数枚積層された構造を有するものであるが、その少な
くとも一層のニードルパンチ不織布を構成する繊維とし
て、特にシリコーン加工の施された繊維を含有している
必要がある。
された繊維を含有せしめることにより、繊維同士の摩擦
を適度に低下させるためか、圧縮や屈曲などの外力の加
除に対しても形態が略可逆的に回復させることが可能と
なるのである。
ニードルパンチ不織布を複数層積層し、さらにニードル
パンチされて一体化されている必要がある。
ニードルパンチ不織布は形態を保ちつつ、屈曲力などの
外力に対し、各層間の適度な自由度を保つのに適してお
り、繊維構造体として結局無理のない構造を有すること
となる。
も一層のニードルパンチ不織布において、該不織布を構
成するシリコーン加工した繊維が40重量%以上含有さ
れてなることが好ましい。
まく発揮できない場合があるからであり、特に混合率と
して好適な範囲は55重量%以上で90重量%以下であ
る。
面にシリコーン成分が付着した繊維であればよく、素材
としては特に限定されるものではない。
などいずれでもよい。たとえば、天然繊維は木綿、麻、
絹、ウールなど、化学繊維はレーヨン、アセテートな
ど、合成繊維はポリエステル、ポリアミド、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、アクリルなどを用いることができ
るものである。ただし、ニードルパンチをかける際の繊
維の損傷の受けにくさやコストなどを考慮すると、中で
もポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維などが好まし
い。
は、繊維表面の摩擦係数を下げることを目的に用いるこ
とが可能なシリコーン成分を配合した薬剤であればよ
く、特に限定されるものではない。また、アミノ変性や
エポキシ変性など変性したシリコーン、さらには、熱に
架橋しやすいタイプのシリコーンを主体としたものであ
ってもよい。
繊維状物は、天然繊維、化学繊維、合成繊維などを、単
独で使用してもよくあるいは混合など、いずれでもよ
い。
毛、ウールなど、化学繊維はレーヨン、アセテートな
ど、合成繊維はポリエステル、ポリアミド、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、アクリルなどである。
繊維は、該構造体を製造する工程の工程通過性、すなわ
ち、カーディング、ラッピング、ニードルパンチングな
どの各工程の通過性を向上させるため、一般的な繊維用
油剤を付与してもよい。
特に限定されるものではないが、より適度な弾力性を有
する繊維構造体を得るためには10〜50kg/m3 で
あることが好ましい。
複数のニードルパンチされた不織布の少なくとも一層の
層間剥離強力が150g/5cm以下であることが好ま
しい。150g/5cm以下の場合、二層での拘束力が
低いため屈曲した際の自由度があり、折り曲げやすくか
つ元に戻しやすい。
成する積層されたニードルパンチ不織布の少なくとも一
層の層間剥離強力Bと該不織布と隣り合う積層されたニ
ードルパンチ不織布との間の層間剥離強力Aの差(B−
A)が100g/5cm以上あることが好ましい。
形態を保ちつつ屈曲など外力に対し各層間の自由度を保
つのに適しているからである。
その初期硬度Cが、5.0〜50g/cm2 であること
が好ましい。さらに好ましくは、10.0〜30.0g
/cm2 で、敷き布団などに好適である。
期硬度Cと3万回繰り返し圧縮後の硬度Dの比(D/
C)が、0.8以上1.0以下であることとが好まし
い。さらに好ましくは0.9以上1.0以下である。
成する少なくとも一つのニードルパンチ不織布の厚み
は、より十分な屈曲性能を得ようとする場合は5〜30
mmであることが好ましい。ある程度厚い方が、効果を
発揮しうる高い能力を有するからである。
ーン加工した繊維以外の繊維状物の繊度は、ニードルパ
ンチによる絡合処理が基本的に可能であればよく、特に
限定されるものではない。すなわち、例えば、椰子の繊
維のような1000デニール程度もある繊維を使用して
もよいが、好ましくは1〜30デニール範囲内の繊維を
使用することであり、さらに好ましくは5〜15デニー
ルの範囲内の繊維を使用することである。
ラメント(連続繊維)等のいずれでもよく、ニードルパ
ンチによる絡合処理が基本的に可能であればよく、特に
限定されるものではないが、あまりに短いとニードルパ
ンチによる絡合処理が難しくなるので、一般的には20
mm以上あることが望ましいものである。
等の際に、針などによるダメージを受けたり、使用中の
外力により20mm未満の短繊維が若干発生して、繊維
構造体内に存在したり脱落することがあるが、その程度
のものであれば多少含有されていても構わない。
てもよく、その形態はいわゆる機械ケン縮、スパイラル
ケン縮など特に限定されるものではない。
その効果が損なわれない範囲でニードルパンチ不織布以
外の布帛が積層されていてもよい。その布帛は、不織布
であっても織物や編み物であってもよく、あるいはそれ
らの複合体であってもよい。さらに、それらが外層部に
存在してもあるいは内層部に存在してもよく、さらには
複数層として存在していてもよい。
性、芳香性、吸湿性などの機能性を保有せしめていても
よく、これら機能性は、構成する繊維そのものがもとも
と有してなるものであっても構わない。
レス、敷き布団、こたつ敷き、枕など寝装品に利用する
ことができる。さらには、椅子、車輌等の座席などのイ
ンテリア用途、家具用途、さらには、車輌車室、船室な
どの中材等としても利用することができる。
る。
mとし、テンシロンを用い加圧円板は100mm径のも
のを用いた。硬度は25%圧縮時の圧縮力とした。
リコーン樹脂加工したスパイラルケン縮を有するポリエ
ステル繊維を60重量%、繊度が13d、繊維長が64
mmであり、スパイラルケン縮を有するポリエステル繊
維を40重量%用いて、これらを混綿し、カードにかけ
ウエブを形成し複数枚積層後、両面からニードルパンチ
処理することにより、ニードルパンチ不織布を作成し
た。
さらにニードルパンチ処理をして目付1200g/
m2 、厚さ35mmの本発明にかかる繊維構造体を作成
した。
不織布の剥離強力は250g/5cm、層間の剥離強力
は100g/5cmであった。また、硬度は初期で20
g/cm2 で、3万回繰り返し圧縮後の硬度も19g/
cm2 であった。
ト性を有し、良好な屈曲性を有する上に、元に戻しても
折曲げ癖もつかないものとなり、敷き布団の中材として
好適であった。
を有するポリエステル繊維を35重量%、繊度が13
d、繊維長が64mmであり、スパイラルケン縮を有す
るポリエステル繊維を35重量%、繊度が4d、繊維長
が51mmである熱接着性原綿を30重量%を用い、カ
ードをかけウエブを形成し、所定量積層後、140度で
熱処理し、目付1000g/m2 、厚さ3mmの硬綿を
作成した。
り、また3万回繰り返し圧縮後の硬度は40g/cm2
まで低下した。また、折り曲げにくいものであり、さら
に無理に折り曲げるとその部分に折り曲げ癖がつくもの
であった。
たスパイラルケン縮を有するポリエステル繊維を60重
量%、繊度が13d、繊維長が64mmであり、スパイ
ラルケン縮を有するポリエステル繊維を40重量%用
い、カードをかけウエブを形成し積層後、両面からニー
ドルパンチ処理することにより、目付1200g/
m2 、厚さ30mmのニードルパンチ不織布を作成し
た。
力性のある不織布となったが、屈曲性が劣るものとなっ
た。
ーン加工したスパイラルケン縮を有するポリエステル繊
維の代わりに、シリコーン加工していない繊度が6d、
繊維長が78mmでシリコーン加工をしていないポリエ
ステル繊維を60重量%用いた他は実施例1と同様の製
造方法で、ニードルパンチ不織布を作成し、さらに3枚
重ね、ニードルパンチすることにより目付1200g/
m2 の繊維構造体を作成した。
り、硬い風合いのものとなり、かつ屈曲性が良くなかっ
た。
加工したスパイラルケン縮を有するポリエステル原綿を
60重量%、繊度が13d、繊維長が64mmであり、
スパイラルケン縮を有するポリエステル繊維を40重量
%用い、カードをかけ、ウエブを形成し積層後、両面か
らニードルパンチ処理することにより、ニードルパンチ
不織布Eを作成した。
シリコーン樹脂加工したスパイラルケン縮を有するポリ
エステル原綿を45重量%、羊毛を55重量%用い、ニ
ードルパンチ不織布Fを作成した。
向にF/E/E/E/Fの順番で5枚積層し、さらにニ
ードルパンチ処理をして目付2000g/m2 、厚さ6
0mmの本発明の繊維構造体を作成した。
チ不織布Eの剥離強力は200g/5cm、ニードルパ
ンチ不織布Fの剥離強力は250g/5cm、ニードル
パンチ不織布Eとニードルパンチ不織布Fの層間剥離強
力は60g/5cmであった。
たものであり、羊毛の吸湿性も相俟って敷布団の中材と
して良好であった。
リコーン加工した繊維を含有することによりニードルパ
ンチにより絡合された不織布を構成する繊維間の摩擦抵
抗が低下するためか、構造体として弾力性やソフトな風
合いを有するものである。
構成する個々のニードルパンチ不織布を積層し、さらに
該積層体がニードルパンチされ一体化した繊維構造体で
あるために、個々の不織布の弾力性、ソフト性などの性
能が損なれることなく、屈曲がしやすいものであり、ま
た、屈曲を戻した後には、特に折り癖の実質的にないも
のとなるものである。
Claims (7)
- 【請求項1】主に繊維により構成されたニードルパンチ
不織布を複数枚積層し、さらにニードルパンチされ一体
化した繊維構造体であって、かつ少なくとも一層のニー
ドルパンチ不織布を構成する繊維としてシリコーン加工
した繊維を含有せしめてなることを特徴とする積層され
た繊維構造体。 - 【請求項2】少なくとも一層のニードルパンチ不織布を
構成するシリコーン加工した繊維が、該一層のニードル
パンチ不織布中40重量%以上含有されてなることを特
徴とする請求項1記載の積層された繊維構造体。 - 【請求項3】繊維構造体全体の密度が、10〜50kg
/m3 であることを特徴とする請求項1または2記載の
積層された繊維構造体。 - 【請求項4】積層されたニードルパンチ不織布間の少な
くとも一ヶ所の層間剥離強力Aが、150g/5cm以
下であることを特徴とする請求項1、2または3記載の
積層された繊維構造体。 - 【請求項5】積層されたニードルパンチ不織布の少なく
とも一層の層間剥離強力Bと、該不織布と隣り合う積層
されたニードルパンチ不織布との間の層間剥離強力Aの
差(B−A)が100g/5cm以上のものであること
を特徴とする請求項1、2、3または4記載の積層され
た繊維構造体。 - 【請求項6】初期硬度Cが、5〜50g/cm2 である
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の
積層された繊維構造体。 - 【請求項7】初期硬度Cと3万回繰り返し圧縮後の硬度
Dの比(D/C)が0.8以上であることを特徴とする
請求項1、2、3、4、5または6記載の積層された繊
維構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25121498A JP2000080549A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 積層された繊維構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25121498A JP2000080549A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 積層された繊維構造体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000080549A true JP2000080549A (ja) | 2000-03-21 |
Family
ID=17219407
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25121498A Pending JP2000080549A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 積層された繊維構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000080549A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010091203A (ko) * | 2000-03-14 | 2001-10-23 | 구광시 | 토목공사용 장섬유 부직포 및 그 제조방법 |
US20120238174A1 (en) * | 2005-07-15 | 2012-09-20 | Aspen Aerogels, Inc. | Inherently Secured Aerogel Composites |
KR101433322B1 (ko) | 2013-01-22 | 2014-08-22 | 주식회사 유일 | 시트용 쿠션재의 제조방법 및 이를 이용한 차량용 시트의 제조방법 |
JP2015226709A (ja) * | 2014-06-02 | 2015-12-17 | 株式会社ダイセル | 吸収体の製造方法及び吸収体製造装置 |
JP2016525461A (ja) * | 2013-08-21 | 2016-08-25 | フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ | 頑丈な可撓性のある光治療用パッドのための織物オプティクス−ソリューション |
-
1998
- 1998-09-04 JP JP25121498A patent/JP2000080549A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20010091203A (ko) * | 2000-03-14 | 2001-10-23 | 구광시 | 토목공사용 장섬유 부직포 및 그 제조방법 |
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US20150017860A1 (en) * | 2005-07-15 | 2015-01-15 | Aspen Aerogels,Inc. | Inherently Secured Aerogel Composites |
US11007748B2 (en) * | 2005-07-15 | 2021-05-18 | Aspen Aerogels, Inc. | Inherently secured aerogel composites |
US11413844B2 (en) | 2005-07-15 | 2022-08-16 | Aspen Aerogels, Inc. | Inherently secured aerogel composites |
KR101433322B1 (ko) | 2013-01-22 | 2014-08-22 | 주식회사 유일 | 시트용 쿠션재의 제조방법 및 이를 이용한 차량용 시트의 제조방법 |
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