JP2000220068A - 繊維構造体 - Google Patents
繊維構造体Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】従来の熱接着性原綿を用いた硬綿のように、繰
り返し使用するに従い融着部が剥離してしまい硬度や弾
力性等の経時変化が起こりやすいという根本的な不都合
を解消し、適度な硬さと弾力性を有しながら、屈曲性が
よく、さらに、耐久性にも優れているという新規な繊維
構造体を提供すること。 【解決手段】構成する繊維としてシリコーン加工した繊
維を含有せしめたニードルパンチ不織布であって、厚み
方向に絡合状態が異なることを特徴とする繊維構造体。
り返し使用するに従い融着部が剥離してしまい硬度や弾
力性等の経時変化が起こりやすいという根本的な不都合
を解消し、適度な硬さと弾力性を有しながら、屈曲性が
よく、さらに、耐久性にも優れているという新規な繊維
構造体を提供すること。 【解決手段】構成する繊維としてシリコーン加工した繊
維を含有せしめたニードルパンチ不織布であって、厚み
方向に絡合状態が異なることを特徴とする繊維構造体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維構造体に関す
る。
る。
【0002】さらに詳しくは、マットレス、敷き布団な
ど寝装品や椅子、ソファーなどインテリア家具、車輌座
席の中材などの分野に好適に用いられる繊維構造体に関
する。
ど寝装品や椅子、ソファーなどインテリア家具、車輌座
席の中材などの分野に好適に用いられる繊維構造体に関
する。
【0003】
【従来の技術】近年、マットレス、敷き布団など寝装品
や椅子、ソファーなどのインテリア家具、車輌座席の中
材などの分野において、合成繊維を用いた繊維構造体の
製品が広く認知され展開されている。合成繊維やその構
造体は、自由に設計でき、さらにそれら繊維を種々組み
合わせた加工方法を駆使することにより、さまざまな機
能を付加した製品を開発されてきている。
や椅子、ソファーなどのインテリア家具、車輌座席の中
材などの分野において、合成繊維を用いた繊維構造体の
製品が広く認知され展開されている。合成繊維やその構
造体は、自由に設計でき、さらにそれら繊維を種々組み
合わせた加工方法を駆使することにより、さまざまな機
能を付加した製品を開発されてきている。
【0004】たとえば、マットレスや敷き布団において
は身体を自然な状態に保持することが重要であり、適度
な硬さ、弾力性の点から繊度が6〜20デニール程度の
太繊度の合成繊維と熱接着性繊維を用いて熱により融着
させ製造した、いわゆる硬綿という不織布を用いた布団
等が開発されている。
は身体を自然な状態に保持することが重要であり、適度
な硬さ、弾力性の点から繊度が6〜20デニール程度の
太繊度の合成繊維と熱接着性繊維を用いて熱により融着
させ製造した、いわゆる硬綿という不織布を用いた布団
等が開発されている。
【0005】しかしながら、この硬綿を用いた布団は折
曲がりにくく、押入などへの収納がしにくいという欠点
があった。また、一度屈曲すると接着部分が剥離し、折
り癖が付くという欠点があった。
曲がりにくく、押入などへの収納がしにくいという欠点
があった。また、一度屈曲すると接着部分が剥離し、折
り癖が付くという欠点があった。
【0006】さらに繰り返して使用するに従い、繊維と
熱接着性原綿の接着部分が剥離し、たとえば数ヶ月後に
は硬度が極端に低下し、使用当初の性能を減滅させると
いう問題もあった。
熱接着性原綿の接着部分が剥離し、たとえば数ヶ月後に
は硬度が極端に低下し、使用当初の性能を減滅させると
いう問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の熱接着性原綿を用いた硬綿のように、繰り返し使用す
るに従い融着部が剥離してしまい硬度や弾力性等の経時
変化が起こりやすいという根本的な不都合を解消し、適
度な硬さと弾力性を有しながら、屈曲性がよく、さら
に、耐久性にも優れているという新規な繊維構造体を提
供することにある。
の熱接着性原綿を用いた硬綿のように、繰り返し使用す
るに従い融着部が剥離してしまい硬度や弾力性等の経時
変化が起こりやすいという根本的な不都合を解消し、適
度な硬さと弾力性を有しながら、屈曲性がよく、さら
に、耐久性にも優れているという新規な繊維構造体を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するため、次のような手段を採用するものであ
る。
題を解決するため、次のような手段を採用するものであ
る。
【0009】すなわち、本発明の繊維構造体は、構成す
る繊維としてシリコーン加工した繊維を含有せしめたニ
ードルパンチ不織布であって、厚み方向に構成繊維の絡
合状態が異なることを特徴とする繊維構造体である。
る繊維としてシリコーン加工した繊維を含有せしめたニ
ードルパンチ不織布であって、厚み方向に構成繊維の絡
合状態が異なることを特徴とする繊維構造体である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の繊維構造体につい
て、更に詳細に説明する。
て、更に詳細に説明する。
【0011】本発明の繊維構造体は、構成する繊維とし
てシリコーン加工した繊維を含有せしめたニードルパン
チ不織布である必要がある。
てシリコーン加工した繊維を含有せしめたニードルパン
チ不織布である必要がある。
【0012】すなわち、該不織布内にシリコーン加工の
された繊維を含有せしめることにより、繊維同士の摩擦
を適度に低下させるためか、圧縮や屈曲などの外力の加
除に対しても形態が略可逆的に回復させることが可能と
なるのである。
された繊維を含有せしめることにより、繊維同士の摩擦
を適度に低下させるためか、圧縮や屈曲などの外力の加
除に対しても形態が略可逆的に回復させることが可能と
なるのである。
【0013】本発明の積層された繊維構造体は、かかる
ニードルパンチ不織布であって、さらに厚み方向に絡合
状態が異なる必要がある。
ニードルパンチ不織布であって、さらに厚み方向に絡合
状態が異なる必要がある。
【0014】本発明において、「厚み方向に構成繊維の
絡合状態が異なる」とは、厚み方向に層間剥離強力が異
なることをいい、具体的に言えば、積層されたウエブに
ニードルパンチしする際、厚み方向の交絡状態を意図的
に変化させた構造である。たとえば、ニードルパンチ針
のバーブの形状、配置などを設計した上、片面からのみ
ニードルパンチ加工することにより表面層は絡合度が高
くて裏面層は低い構造の不織布を得たり、あるいは、両
面からニードルパンチ加工することにより、両面の層は
絡合度が高く内部層は低い構造の不織布を得たりするこ
とができるものである。
絡合状態が異なる」とは、厚み方向に層間剥離強力が異
なることをいい、具体的に言えば、積層されたウエブに
ニードルパンチしする際、厚み方向の交絡状態を意図的
に変化させた構造である。たとえば、ニードルパンチ針
のバーブの形状、配置などを設計した上、片面からのみ
ニードルパンチ加工することにより表面層は絡合度が高
くて裏面層は低い構造の不織布を得たり、あるいは、両
面からニードルパンチ加工することにより、両面の層は
絡合度が高く内部層は低い構造の不織布を得たりするこ
とができるものである。
【0015】このように厚み方向に層間剥離強力が異な
る構造を意図的に形成することにより、繊維同士の絡み
が強い部分がニードルパンチ不織布としての形態を保ち
つつ、繊維同士の絡みが弱く層間剥離強力の低い部分が
屈曲力などの外力に対し形態変化し適度な自由度を保つ
ことが可能となり、繊維構造体として屈曲などの外力に
対し無理のない構造を有することとなる。
る構造を意図的に形成することにより、繊維同士の絡み
が強い部分がニードルパンチ不織布としての形態を保ち
つつ、繊維同士の絡みが弱く層間剥離強力の低い部分が
屈曲力などの外力に対し形態変化し適度な自由度を保つ
ことが可能となり、繊維構造体として屈曲などの外力に
対し無理のない構造を有することとなる。
【0016】本発明の積層された繊維構造体のニードル
パンチ不織布において、該不織布を構成するシリコーン
加工した繊維が40重量%以上含有されてなることが好
ましい。40重量%未満であると、上述の効果をうまく
発揮できない場合があるからであり、特に混合率として
好適な範囲は55重量%以上で90重量%以下である。
パンチ不織布において、該不織布を構成するシリコーン
加工した繊維が40重量%以上含有されてなることが好
ましい。40重量%未満であると、上述の効果をうまく
発揮できない場合があるからであり、特に混合率として
好適な範囲は55重量%以上で90重量%以下である。
【0017】これらシリコーン加工した繊維は、繊維表
面にシリコーン成分が付着した繊維であればよく、素材
としては特に限定されるものではない。
面にシリコーン成分が付着した繊維であればよく、素材
としては特に限定されるものではない。
【0018】すなわち、天然繊維、化学繊維、合成繊維
などいずれでもよい。たとえば、天然繊維は木綿、麻、
絹、ウールなど、化学繊維はレーヨン、アセテートな
ど、合成繊維はポリエステル、ポリアミド、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、アクリルなどを用いることができ
るものである。ただし、ニードルパンチをかける際の繊
維の損傷の受けにくさやコストなどを考慮すると、中で
もポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維などが好まし
い。
などいずれでもよい。たとえば、天然繊維は木綿、麻、
絹、ウールなど、化学繊維はレーヨン、アセテートな
ど、合成繊維はポリエステル、ポリアミド、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、アクリルなどを用いることができ
るものである。ただし、ニードルパンチをかける際の繊
維の損傷の受けにくさやコストなどを考慮すると、中で
もポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維などが好まし
い。
【0019】シリコーン加工に用いるシリコーン成分
は、繊維表面の摩擦係数を下げることを目的に用いるこ
とが可能なシリコーン成分を配合した薬剤であればよ
く、特に限定されるものではない。また、アミノ変性や
エポキシ変性など変性したシリコーン、さらには、熱に
架橋しやすいタイプのシリコーンを主体としたものであ
ってもよい。
は、繊維表面の摩擦係数を下げることを目的に用いるこ
とが可能なシリコーン成分を配合した薬剤であればよ
く、特に限定されるものではない。また、アミノ変性や
エポキシ変性など変性したシリコーン、さらには、熱に
架橋しやすいタイプのシリコーンを主体としたものであ
ってもよい。
【0020】また、上記シリコーン加工した繊維以外の
繊維状物は、天然繊維、化学繊維、合成繊維などを、単
独で使用してもよくあるいは混合など、いずれでもよ
い。
繊維状物は、天然繊維、化学繊維、合成繊維などを、単
独で使用してもよくあるいは混合など、いずれでもよ
い。
【0021】たとえば、天然繊維は、木綿、麻、絹、羽
毛、ウールなど、化学繊維はレーヨン、アセテートな
ど、合成繊維はポリエステル、ポリアミド、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、アクリルなどである。
毛、ウールなど、化学繊維はレーヨン、アセテートな
ど、合成繊維はポリエステル、ポリアミド、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、アクリルなどである。
【0022】もちろん、本発明の繊維構造体を構成する
繊維は、該構造体を製造する工程の工程通過性、すなわ
ち、カーディング、ラッピング、ニードルパンチングな
どの各工程の通過性を向上させるため、一般的な繊維用
油剤を付与してもよい。
繊維は、該構造体を製造する工程の工程通過性、すなわ
ち、カーディング、ラッピング、ニードルパンチングな
どの各工程の通過性を向上させるため、一般的な繊維用
油剤を付与してもよい。
【0023】本発明の積層された繊維構造体の密度は、
特に限定されるものではないが、より適度な弾力性を有
する繊維構造体を得るためには10〜50kg/m3 で
あることが好ましい。
特に限定されるものではないが、より適度な弾力性を有
する繊維構造体を得るためには10〜50kg/m3 で
あることが好ましい。
【0024】本発明の繊維構造体は、厚み方向に構成繊
維の絡合状態が異なることに対応し、厚み方向の層間剥
離強力に差があることが好ましく、その差は100g/
5cm以上であることが好ましい。100g/5cm以
上であると層間剥離強力が高い層は不織布としての形態
が安定しており、かつ屈曲など外力が加わった際、低い
部分が高い層のズレを吸収し、より無理なく屈曲させる
ことが可能となる。
維の絡合状態が異なることに対応し、厚み方向の層間剥
離強力に差があることが好ましく、その差は100g/
5cm以上であることが好ましい。100g/5cm以
上であると層間剥離強力が高い層は不織布としての形態
が安定しており、かつ屈曲など外力が加わった際、低い
部分が高い層のズレを吸収し、より無理なく屈曲させる
ことが可能となる。
【0025】また、層間剥離強力の低い部分は20g/
5cm以上であることが好ましい。20g/5cm未満
の場合、該層部分から剥離し繊維構造体として形態を保
つことが困難となる場合があるからである。
5cm以上であることが好ましい。20g/5cm未満
の場合、該層部分から剥離し繊維構造体として形態を保
つことが困難となる場合があるからである。
【0026】本発明の繊維構造体は、以上述べてきた繊
維構造体を少なくとも一層含むニードルパンチ不織布を
複数枚積層し、さらにニードルパンチされ一体化して用
いるようにしてもよい。このようにすれば、厚み方向に
層間剥離強力が異なる構造をより簡単に得ることができ
る。
維構造体を少なくとも一層含むニードルパンチ不織布を
複数枚積層し、さらにニードルパンチされ一体化して用
いるようにしてもよい。このようにすれば、厚み方向に
層間剥離強力が異なる構造をより簡単に得ることができ
る。
【0027】本発明の繊維構造体、特に積層された繊維
構造体は、その初期硬度Aが、5.0〜50g/cm2
であることが好ましい。さらに好ましくは、10.0〜
30.0g/cm2 であり、該範囲のものは敷き布団な
どに好適である。
構造体は、その初期硬度Aが、5.0〜50g/cm2
であることが好ましい。さらに好ましくは、10.0〜
30.0g/cm2 であり、該範囲のものは敷き布団な
どに好適である。
【0028】また、該繊維構造体の初期硬度Aと3万回
繰り返し圧縮後の硬度Bの比(B/A)が、0.8以上
1.0以下であることとが好ましい。さらに好ましくは
0.9以上1.0以下である。
繰り返し圧縮後の硬度Bの比(B/A)が、0.8以上
1.0以下であることとが好ましい。さらに好ましくは
0.9以上1.0以下である。
【0029】さらに該繊維構造体を構成する少なくとも
一つのニードルパンチ不織布の厚みは、より十分な屈曲
性能を得ようとする場合は5〜30mmであることが好
ましい。ある程度厚い方が、効果を発揮しうる高い能力
を有するからである。
一つのニードルパンチ不織布の厚みは、より十分な屈曲
性能を得ようとする場合は5〜30mmであることが好
ましい。ある程度厚い方が、効果を発揮しうる高い能力
を有するからである。
【0030】本発明の繊維構造体を構成する上記シリコ
ーン加工した繊維以外の繊維状物の繊度は、ニードルパ
ンチによる絡合処理が基本的に可能であればよく、特に
限定されるものではない。すなわち、例えば、椰子の繊
維のような1000デニール程度もある繊維を使用して
もよいが、好ましくは1〜30デニール範囲内の繊維を
使用することであり、さらに好ましくは5〜15デニー
ルの範囲内の繊維を使用することである。
ーン加工した繊維以外の繊維状物の繊度は、ニードルパ
ンチによる絡合処理が基本的に可能であればよく、特に
限定されるものではない。すなわち、例えば、椰子の繊
維のような1000デニール程度もある繊維を使用して
もよいが、好ましくは1〜30デニール範囲内の繊維を
使用することであり、さらに好ましくは5〜15デニー
ルの範囲内の繊維を使用することである。
【0031】繊維の長さもステープル(短繊維)、フィ
ラメント(連続繊維)等のいずれでもよく、ニードルパ
ンチによる絡合処理が基本的に可能であればよく、特に
限定されるものではないが、あまりに短いとニードルパ
ンチによる絡合処理が難しくなるので、一般的には20
mm以上あることが望ましいものである。
ラメント(連続繊維)等のいずれでもよく、ニードルパ
ンチによる絡合処理が基本的に可能であればよく、特に
限定されるものではないが、あまりに短いとニードルパ
ンチによる絡合処理が難しくなるので、一般的には20
mm以上あることが望ましいものである。
【0032】もちろん、ニードルパンチによる絡合処理
等の際に、針などによるダメージを受けたり、使用中の
外力により20mm未満の短繊維が若干発生して、繊維
構造体内に存在したり脱落することがあるが、その程度
のものであれば多少含有されていても構わない。
等の際に、針などによるダメージを受けたり、使用中の
外力により20mm未満の短繊維が若干発生して、繊維
構造体内に存在したり脱落することがあるが、その程度
のものであれば多少含有されていても構わない。
【0033】また、これらの繊維は、ケン縮を有してい
てもよく、その形態はいわゆる機械ケン縮、スパイラル
ケン縮など特に限定されるものではない。
てもよく、その形態はいわゆる機械ケン縮、スパイラル
ケン縮など特に限定されるものではない。
【0034】また、本発明の繊維構造体は、その効果が
損なわれない範囲でニードルパンチ不織布以外の布帛が
積層されていてもよい。その布帛は、不織布であっても
織物や編み物であってもよく、あるいはそれらの複合体
であってもよい。さらに、それらが外層部に存在しても
あるいは内層部に存在してもよく、さらには複数層とし
て存在していてもよい。
損なわれない範囲でニードルパンチ不織布以外の布帛が
積層されていてもよい。その布帛は、不織布であっても
織物や編み物であってもよく、あるいはそれらの複合体
であってもよい。さらに、それらが外層部に存在しても
あるいは内層部に存在してもよく、さらには複数層とし
て存在していてもよい。
【0035】本発明の繊維構造体には、防虫性、抗菌・
防臭性、芳香性、吸湿性などの機能性を保有せしめてい
てもよく、これら機能性は、構成する繊維そのものがも
ともと有してなるものであっても構造体を形成した後の
加工により付与しても構わない。
防臭性、芳香性、吸湿性などの機能性を保有せしめてい
てもよく、これら機能性は、構成する繊維そのものがも
ともと有してなるものであっても構造体を形成した後の
加工により付与しても構わない。
【0036】本発明の繊維構造体を製造する方法は、特
に限定されるものではないが、たとえばシリコーン加工
した原綿を含む少なくとも一種の原料を通常の開綿機に
通しウエブを作成し、該ウエブを複数枚積層し、通常の
ニードルパンチ装置を用いて製造することができる。
に限定されるものではないが、たとえばシリコーン加工
した原綿を含む少なくとも一種の原料を通常の開綿機に
通しウエブを作成し、該ウエブを複数枚積層し、通常の
ニードルパンチ装置を用いて製造することができる。
【0037】その際、厚み方向に所望の絡合度合いの繊
維構造体を得るように片面あるいは両面からニードルに
よりパンチング処理すればよい。
維構造体を得るように片面あるいは両面からニードルに
よりパンチング処理すればよい。
【0038】また、このように得られた繊維構造体(ニ
ードルパンチ不織布)を用いて所望の繊維構造体を得ら
れるようにさらに積層しニードルパンチ処理すればよ
い。
ードルパンチ不織布)を用いて所望の繊維構造体を得ら
れるようにさらに積層しニードルパンチ処理すればよ
い。
【0039】本発明の積層された繊維構造体は、マット
レス、敷き布団、こたつ敷き、枕など寝装品に利用する
ことができる。さらには、椅子、車輌等の座席などのイ
ンテリア用途、家具用途、さらには、車輌車室、船室な
どの中材等としても利用することができる。
レス、敷き布団、こたつ敷き、枕など寝装品に利用する
ことができる。さらには、椅子、車輌等の座席などのイ
ンテリア用途、家具用途、さらには、車輌車室、船室な
どの中材等としても利用することができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べる。
【0041】なお、各特性値の測定方法は、次の通りで
ある。
ある。
【0042】目付:JIS−L1096に準ずる。
【0043】剥離強力:JIS−L1089に準ずる。
【0044】硬度:JIS−K6401に準ずる。
【0045】ただし、サンプルは150mm×150m
mとし、テンシロンを用い加圧円板は100mm径のも
のを用いた。硬度は25%圧縮時の圧縮力とした。
mとし、テンシロンを用い加圧円板は100mm径のも
のを用いた。硬度は25%圧縮時の圧縮力とした。
【0046】実施例1 繊度が6d(デニール)、繊維長が78mmであり、シ
リコーン樹脂加工したスパイラルケン縮を有するポリエ
ステル繊維を60重量%、繊度が13d、繊維長が64
mmであり、スパイラルケン縮を有するポリエステル繊
維を40重量%用いて、これらを混綿し、カードにかけ
ウエブを形成し複数枚積層後、ニードルパンチ処理し、
目付1200g/m2 、厚さ40mmの本発明の繊維構
造体を作成した。その際、ニードルパンチ処理は両面か
ら行い、ニードルパンチを行う深さは、表裏面でバーブ
により受ける繊維絡合作用が互いに異なるように設定し
て、厚み方向に構成繊維の絡合状態が異なる不織布を製
造した。この不織布は、不織布の表層部のそれに比較し
て、厚み方向のほぼ中央部の絡合状態が緩い繊維構造体
(不織布)である。
リコーン樹脂加工したスパイラルケン縮を有するポリエ
ステル繊維を60重量%、繊度が13d、繊維長が64
mmであり、スパイラルケン縮を有するポリエステル繊
維を40重量%用いて、これらを混綿し、カードにかけ
ウエブを形成し複数枚積層後、ニードルパンチ処理し、
目付1200g/m2 、厚さ40mmの本発明の繊維構
造体を作成した。その際、ニードルパンチ処理は両面か
ら行い、ニードルパンチを行う深さは、表裏面でバーブ
により受ける繊維絡合作用が互いに異なるように設定し
て、厚み方向に構成繊維の絡合状態が異なる不織布を製
造した。この不織布は、不織布の表層部のそれに比較し
て、厚み方向のほぼ中央部の絡合状態が緩い繊維構造体
(不織布)である。
【0047】得られた繊維構造体の表層から10mm部
分の剥離強力は250g/5cmであり、ほぼ中央部の
剥離強力は50g/5cmであった。硬度は、初期で2
0g/cm2 であり、3万回繰り返し圧縮後の硬度も1
9g/cm2 であった。
分の剥離強力は250g/5cmであり、ほぼ中央部の
剥離強力は50g/5cmであった。硬度は、初期で2
0g/cm2 であり、3万回繰り返し圧縮後の硬度も1
9g/cm2 であった。
【0048】そして、このものは明らかに厚み方向に絡
合状態が異なる本発明の繊維構造体であることが確認さ
れた。
合状態が異なる本発明の繊維構造体であることが確認さ
れた。
【0049】この本発明の繊維構造体は、弾力性とソフ
ト性を有し、良好な屈曲性を有する上に、元に戻しても
折曲げ癖もつかないものとなり、この繊維構造体にウー
ル混のポリエステルウエブを巻綿し製造した敷き布団は
高級感のあるソフト風合いでかつ押入に収納する際など
取り扱いやすい布団であった。
ト性を有し、良好な屈曲性を有する上に、元に戻しても
折曲げ癖もつかないものとなり、この繊維構造体にウー
ル混のポリエステルウエブを巻綿し製造した敷き布団は
高級感のあるソフト風合いでかつ押入に収納する際など
取り扱いやすい布団であった。
【0050】比較例1 繊度が6d、繊維長が78mmでありシリコーン加工し
たスパイラルケン縮を有するポリエステル繊維を60重
量%、繊度が13d、繊維長が64mmであり、スパイ
ラルケン縮を有するポリエステル繊維を40重量%用
い、カードをかけウエブを形成し、積層後、不織布の厚
み方向の剥離強力が200〜250g/5cmとなるよ
うに両面からニードルパンチ処理することにより、目付
1200g/m2 、厚さ30mmのニードルパンチ不織
布を作成した。
たスパイラルケン縮を有するポリエステル繊維を60重
量%、繊度が13d、繊維長が64mmであり、スパイ
ラルケン縮を有するポリエステル繊維を40重量%用
い、カードをかけウエブを形成し、積層後、不織布の厚
み方向の剥離強力が200〜250g/5cmとなるよ
うに両面からニードルパンチ処理することにより、目付
1200g/m2 、厚さ30mmのニードルパンチ不織
布を作成した。
【0051】このニードルパンチ不織布は、絡合状態が
ほぼ一定でソフトで弾力性のある不織布となったが、屈
曲性が劣るものとなった。
ほぼ一定でソフトで弾力性のある不織布となったが、屈
曲性が劣るものとなった。
【0052】比較例2 実施例1の繊度が6d、繊維長が78mmでありシリコ
ーン加工したスパイラルケン縮を有するポリエステル繊
維の代わりに、シリコーン加工していない繊度が6d、
繊維長が78mmでシリコーン加工をしていないポリエ
ステル繊維を60重量%用いた他は実施例1と同様の製
造方法で、ニードルパンチ不織布を作成した。この繊維
構造体は絡合度の高い部分は絞まりすぎて、硬い風合い
のものとなり、かつ屈曲性が良くなかった。
ーン加工したスパイラルケン縮を有するポリエステル繊
維の代わりに、シリコーン加工していない繊度が6d、
繊維長が78mmでシリコーン加工をしていないポリエ
ステル繊維を60重量%用いた他は実施例1と同様の製
造方法で、ニードルパンチ不織布を作成した。この繊維
構造体は絡合度の高い部分は絞まりすぎて、硬い風合い
のものとなり、かつ屈曲性が良くなかった。
【0053】実施例2 繊度が6d(デニール)、繊維長が78mmであり、シ
リコーン樹脂加工したスパイラルケン縮を有するポリエ
ステル繊維を60重量%、繊度が13d、繊維長が64
mmであり、スパイラルケン縮を有するポリエステル繊
維を40重量%用いて、これらを混綿し、カードにかけ
ウエブを形成し複数枚積層後ニードルパンチ処理し、目
付1200g/m2 、40mmの本発明の繊維構造体を
作成した。その際、ニードルパンチ処理は片面から行
い、ニードルパンチ処理を行った不織布面から行わなか
った不織布面に従って絡合の度合いが徐々緩くなるよう
にした。この不織布を5枚積層してさらに粗くニードル
パンチ処理し一体化した繊維構造体を作成した。
リコーン樹脂加工したスパイラルケン縮を有するポリエ
ステル繊維を60重量%、繊度が13d、繊維長が64
mmであり、スパイラルケン縮を有するポリエステル繊
維を40重量%用いて、これらを混綿し、カードにかけ
ウエブを形成し複数枚積層後ニードルパンチ処理し、目
付1200g/m2 、40mmの本発明の繊維構造体を
作成した。その際、ニードルパンチ処理は片面から行
い、ニードルパンチ処理を行った不織布面から行わなか
った不織布面に従って絡合の度合いが徐々緩くなるよう
にした。この不織布を5枚積層してさらに粗くニードル
パンチ処理し一体化した繊維構造体を作成した。
【0054】できた繊維構造体はニードルパンチ処理が
しっかりされた部分の剥離強力は200g/5cmで緩
い部分は剥離強力が70g/5cmであった。
しっかりされた部分の剥離強力は200g/5cmで緩
い部分は剥離強力が70g/5cmであった。
【0055】この繊維構造体は、弾力性とソフト性を有
し、良好な屈曲性を有する上に、元に戻しても折曲げ癖
もつかないものとなり、敷き布団の中材として好適であ
った。
し、良好な屈曲性を有する上に、元に戻しても折曲げ癖
もつかないものとなり、敷き布団の中材として好適であ
った。
【0056】
【本発明の効果】本発明の積層された繊維構造体は、シ
リコーン加工した繊維を含有することによりニードルパ
ンチにより絡合された不織布を構成する繊維間の摩擦抵
抗が低下するためか、構造体として弾力性やソフトな風
合いを有するものである。
リコーン加工した繊維を含有することによりニードルパ
ンチにより絡合された不織布を構成する繊維間の摩擦抵
抗が低下するためか、構造体として弾力性やソフトな風
合いを有するものである。
【0057】また、本発明の積層された繊維構造体は、
厚み方向に絡合度合いの異なる部分を有しかつ一体化し
た繊維構造体であるために、弾力性、ソフト性などの性
能が損なれることなく、屈曲がしやすいものであり、ま
た、屈曲を戻した後には、特に折り癖の実質的にないも
のとなるものである。
厚み方向に絡合度合いの異なる部分を有しかつ一体化し
た繊維構造体であるために、弾力性、ソフト性などの性
能が損なれることなく、屈曲がしやすいものであり、ま
た、屈曲を戻した後には、特に折り癖の実質的にないも
のとなるものである。
Claims (7)
- 【請求項1】構成する繊維としてシリコーン加工された
繊維を含有せしめたニードルパンチ不織布であって、厚
み方向に構成繊維の絡合状態が異なることを特徴とする
繊維構造体。 - 【請求項2】シリコーン加工された繊維が、該ニードル
パンチ不織布中40重量%以上含有されてなることを特
徴とする請求項1記載の繊維構造体。 - 【請求項3】繊維構造体全体の密度が、10〜50kg
/m3 であることを特徴とする請求項1または2記載の
繊維構造体。 - 【請求項4】厚み方向の層間剥離強力の差が、100g
/5cm以上であることを特徴とする請求項1、2また
は3記載の繊維構造体。 - 【請求項5】少なくとも一枚の請求項1記載の繊維構造
体含むニードルパンチ不織布を複数枚積層し、さらにニ
ードルパンチされて一体化されてなることを特徴とする
繊維構造体。 - 【請求項6】初期硬度Aが、5〜50g/cm2 である
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の
繊維構造体。 - 【請求項7】初期硬度Aと3万回繰り返し圧縮後の硬度
Bの比(B/A)が0.8以上であることを特徴とする
請求項1、2、3、4、5または6記載の繊維構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1356199A JP2000220068A (ja) | 1999-01-21 | 1999-01-21 | 繊維構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1356199A JP2000220068A (ja) | 1999-01-21 | 1999-01-21 | 繊維構造体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000220068A true JP2000220068A (ja) | 2000-08-08 |
Family
ID=11836597
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1356199A Pending JP2000220068A (ja) | 1999-01-21 | 1999-01-21 | 繊維構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000220068A (ja) |
-
1999
- 1999-01-21 JP JP1356199A patent/JP2000220068A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060118 |
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A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20071030 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20071106 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20080311 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |