JPH0753280Y2 - Sor装置用偏向電磁石 - Google Patents

Sor装置用偏向電磁石

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JPH0753280Y2
JPH0753280Y2 JP1990037312U JP3731290U JPH0753280Y2 JP H0753280 Y2 JPH0753280 Y2 JP H0753280Y2 JP 1990037312 U JP1990037312 U JP 1990037312U JP 3731290 U JP3731290 U JP 3731290U JP H0753280 Y2 JPH0753280 Y2 JP H0753280Y2
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deflection
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magnetic pole
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新一 萬代
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、SOR装置に用いられ電子ビームを偏向させる
偏向電磁石に係り、特に、電子ビームの軌道からのずれ
を低減できる偏向電磁石に関するものである。
[従来の技術] 最近半導体のリソグラフィ光源としてSOR装置が注目さ
れている。
SOR装置は、電子ビームを光束で周回させ、電子ビーム
が磁場で偏向される際に放射されるSOR光(シンクロト
ロン放射光)を取り出すものである。
通常のSOR装置は、線形加速器とシンクロトロンと蓄積
リングの3台の装置から構成されるが、より小型化を図
ったSOR装置では、蓄積リングとシンクロトロンとを兼
用したものが一般的である。
この小型SOR装置を第5図により説明する。
第5図において、1はシンクロトロンで、電子ビームが
周回する環状の真空容器2と、その真空容器2内を周回
する電子ビームに高周波電場を投入する高周波加速空洞
3と、電子ビームに偏向磁場を付与する常電導型偏向電
磁石4とから主に構成されている。5は線形加速器で、
主に電子発生装置6と加速管7とからなる。
電子発生装置6からの電子は、加速管7で例えば45MeV
まで予備加速され、真空容器2に入射される。
真空容器2に入射された電子は、偏向電磁石4で偏向さ
れ、かつ高周波加速空洞3でエネルギーを補給されなが
ら真空容器2内を周回する。真空容器2内への電子の入
射を繰返し,シンクロトロン1内に所定電流値のビーム
が蓄積されたならば、偏向電磁石4の磁場を順次高めて
ビームエネルギを最終エネルギー(例えば800MeV)まで
高め、その後、磁場を一定に保って電子ビームをその最
終エネルギーに保持する。その保持の間、偏向電磁石4
で偏向される電子ビームから放射されるSOR光を、光取
り出しライン8より取り出し、露光装置9に導くことに
より、半導体のリソグラフィが行なわれる。
[考案が解決しようとする課題] ところで、このようなSOR装置では、電子ビームを、予
め定められた軌道に沿って忠実に移動させることが重要
である。そのため、従来より、偏向電磁石4内の磁場強
度を空間的に一様にする必要があると考えられており、
偏向電磁石4のN及びS極の両磁極間高さを一定にして
いた。すなわち、従来の偏向電磁石4は、一定値の磁極
高さを有する鉄芯を一体形成し、その鉄芯に偏向コイル
を装着して構成されていた。
しかしながら、このような偏向電磁石4では、軌道方向
両端部において磁場の漏れがあり、電磁石4外の電子ビ
ームが漏れ磁場の影響を受けたりして磁極高さを厳密に
一定値に確保できても、電子ビームが設計上の軌道から
ずれる傾向にあるという問題があった。
また、従来の如く偏向電磁石4の鉄芯を一体的に形成す
るのでは、鉄芯が大重量化・大形化し、製作性及び操作
性に劣るという問題もあった。
本考案は上記事情を考慮してなされたもので、電子ビー
ムの軌道からのずれを低減できるSOR装置用の偏向電磁
石を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本考案は、上記目的を達成するために、電子ビームが周
回する真空容器の偏向部に、鉄芯とその鉄芯に装着され
る偏向コイルとからなる偏向電磁石を設けたSOR装置に
おいて、上記偏向電磁石の鉄芯を予め定められた電子ビ
ームの軌道Aの偏向曲率半径Rと同一曲率で90°湾曲形
成すると共に曲率中心Oに対して所定の角度で少なくと
も3つに分割して鉄芯片を形成し、各鉄芯片の磁極高さ
を上記偏向部入射時及び出射時の電子ビームが軌道A上
に位置するように調整して相違させたものである。
[作用] 上記構成によれば、各鉄芯片の磁極高さを相違させるこ
とで、偏向電磁石内における電子ビームの移動を変更で
きる。したがって、各鉄芯片の磁極高さの相違量を調節
するだけで、電磁石端部の漏れ磁場に起因した電子ビー
ムの軌道からのずれを低減できる。
[実施例] 以下に、本考案の好適実施例を添付図面に基づいて説明
する。
なお、本実施例にかかる偏向電磁石が適用される小型SO
R装置の基本的構成は第5図と同じであるため、ここで
の説明は省略する。
第1図において、10は略4角形状に形成された真空容
器、11は真空容器10の各偏向部に配設された90°セクタ
ー型偏向電磁石である。
偏向電磁石11は、予め定められた軌道Aに沿って真空容
器10内の電子ビームを90°偏向させるものであり、90°
の開き角を有する鉄芯12と、その鉄芯12に装着される偏
向コイル13とからなる。
鉄芯12は、上記軌道Aの偏向曲率半径Rと同一曲率で湾
曲形成されると共に、曲率中心Oに対して約30°毎に分
割された3個の鉄芯片14,15,14を備えている。このう
ち、軌道方向両端部に位置する鉄芯片14、14の断面形状
を、第2図に示す。図示するように、両端部の鉄芯片1
4、14では、真空容器10の偏向部を上下方向から挟む磁
極片14a,14bの間隔すなわち磁極高さが相互に同一寸法d
0に形成されている。これに対し、これら鉄芯片14,14間
に位置する鉄芯片15の磁極高さ(磁極片15a,15b間の間
隔)は、第3図に示すように、鉄芯片14の磁極高さd0よ
り小さな寸法d1に形成されている。
偏向コイル13は、これら鉄芯片14、15の上下両磁極片14
a〜15bに巻き付けられており、図示しない電源装置から
の電流により、各鉄芯片14、15に、軌道Aと垂直な磁気
回路を形成させる。この磁気回路により、第2図及び第
3図に示す如く、各鉄芯片14、15の上側の磁極片14、15
aがN極とされ、下側の磁極片14b,15bがS極とされて、
その磁極間に偏向磁場Bを生起させ、電子ビームを曲率
中心O側に曲げる求心力Fを作り出している。
上述したように、本実施例の偏向電磁石11では、鉄芯片
14,14の磁極高さd0とその間の鉄芯片15の磁極高さd1と
の関係を、d0>d1としたため、鉄芯片15の磁気抵抗は鉄
芯片14のそれより小さくなり、鉄芯片14、15それぞれの
偏向磁場B0,B1並びに求心力F0,F1の関係は、B0<B1、F0
<F1となる。
第4図は、このような関係を有する偏向電磁石11内の磁
場状態を示したものである。
次に本実施例の作用を説明する。
SOR装置の運転は第5図で説明したとおりであり、電子
ビームが偏向電磁石11で偏向されて真空容器10内を周回
する。
今、エネルギーEの電子ビームが偏向電磁石11の磁場B
で曲げられるとき、ビームの偏向曲率半径Rは、R=C
・E/Bとなる(ここでCは定数)。
上述したように、偏向電磁石11では、鉄芯片14の磁極高
さd0と鉄芯片15の磁極高さd1とが相互に異なるよう形成
され、軌道方向両端部と中間部とで磁場強度Bが相違す
るため、電磁石11内に入射され偏向されてくる電子ビー
ムは、電磁石11内の両端部と中間部とで異なった偏向曲
率半径Rで曲げられることになる。したがって、各鉄芯
片14,15の磁極高さの差(d0−d1)の組み合わせを適切
に選べば、電磁石11内での電子ビームの移動を調整で
き、漏れ磁場に拘らず、軌道Aに対してずれ量の小さな
移動軌跡を採ることができる。
このように、本実施例によれば、軌道方向両端部の鉄芯
片14の磁極高さd0と、それらの間の鉄芯片15の磁極高さ
d1とを相違させたので、偏向電磁石11内の偏向曲率半径
Rを軌道Aに沿って偏向でき、電磁石11内における電子
ビームの移動軌跡を自由に設定できる。
しかも、両端部の鉄芯片14の磁極高さd0を、中間部の鉄
芯片15の磁極高さd1より大きく形成したので、電磁石11
へのビームの入射時及び出射時における漏れ磁場の影響
を少なくでき、軌道Aに対する電子ビームのずれを低減
できる。鉄芯片14の磁極高さd0を44mm、鉄芯片15の磁極
高さd1を40mmとし、鉄芯片14での磁場値を1.28テスラ、
鉄芯15での磁場値を1.41テスラとしてSOR装置を運転し
たとき、偏向電磁石11内での最大CODが、従来20mm程度
あったのが、10mm程度にまで改善された。
また、鉄芯12を鉄芯片14,15,14に3分割したので、各鉄
芯片14,15の磁極高さの差(d0−d1)を、鉄芯片14,15を
個々に取り扱うことで調整でき、その調整が極めて簡単
となる。しかも、各鉄芯片14,15は小型軽量であるた
め、偏向電磁石11の製作性及び操作性にも優れる。
なお、上記実施例では、両端部の鉄芯片14、14の電磁高
さを同一としたが、相違させてもよい。磁極高さの差
は、ビームエネルギー、偏向曲率半径、漏れ磁場の大き
さ等によって決められるもので、軌道Aからのビームの
ずれを低減できればよい。また、上記実施例とは逆に、
鉄芯片14の磁極高さよりも鉄芯片15のそれを大きく形成
してもよい。
上記実施例においては、鉄芯片14,15の磁極高さを変え
てビームのずれ量を低減できるようにしたが、本考案
は、これに限定されるものでなく、磁極高さをより大き
く変えて入射時と出射時の電子ビーム位置を正確に保て
るようにしてもよい。すなわち、軌道Aの入射から出射
までの電子ビームは、必ずしも正確に軌道A上を移動す
る必要はなく、各鉄芯片14,15の磁場強度を適宜変え
て、軌道Aに対して例えばOUT−IN−OUT、IN−OUT−IN
となるようにビームを偏向させてもよく、要は、入射時
と出射時の電子ビーム位置が正確に保たれるように制御
すればよい。
[考案の効果] 以上説明したように本考案によれば、次のごとき優れた
効果を発揮する。
(1)偏向電磁石の鉄芯を分割して複数の鉄芯片を形成
し、各鉄芯片の磁極高さを相違させたので、電子ビーム
の移動を自在に調整でき、漏れ磁場の影響を低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例にかかる偏向電磁石を示す平
面図、第2図は第1図のII−II矢視断面図、第3図は第
1図のIII−III矢視断面図、第4図は偏向電磁石内の磁
場状態を示す図、第5図は小型SOR装置の一例を示す概
略図である。 図中、10は真空容器、11は偏向電磁石、12は鉄芯、13は
偏向コイル、14、15は鉄芯片、d0は両端部の鉄芯片の磁
極高さ、d1は中央部の鉄芯片の磁極高さである。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子ビームが周回する真空容器の偏向部
    に、鉄芯とその鉄芯に装着される偏向コイルとからなる
    偏向電磁石を設けたSOR装置において、上記偏向電磁石
    の鉄芯を予め定められた電子ビームの軌道Aの偏向曲率
    半径Rと同一曲率で90°湾曲形成すると共に曲率中心O
    に対して所定の角度で少なくとも3つに分割して鉄芯片
    を形成し、各鉄芯片の磁極高さを上記偏向部入射時及び
    出射時の電子ビームが軌道A上に位置するように調整し
    て相違させたことを特徴とするSOR装置用偏向電磁石。
JP1990037312U 1990-04-09 1990-04-09 Sor装置用偏向電磁石 Expired - Lifetime JPH0753280Y2 (ja)

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JPH03130199U JPH03130199U (ja) 1991-12-26
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6463299A (en) * 1987-09-02 1989-03-09 Fujitsu Ltd Electromagnet for synchrotron

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