JPH065395A - 粒子加速器における挿入光源 - Google Patents
粒子加速器における挿入光源Info
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- JPH065395A JPH065395A JP15834292A JP15834292A JPH065395A JP H065395 A JPH065395 A JP H065395A JP 15834292 A JP15834292 A JP 15834292A JP 15834292 A JP15834292 A JP 15834292A JP H065395 A JPH065395 A JP H065395A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 上下の永久磁石列22,22と、上下のコア
14,14とを、駆動機構31により横方向に移動する
フレーム30に取り付け、それらのいずれか一方を選択
的に蓄積リング5の直線部の上下に配置するように構成
する。また、蓄積リングの両側には側部コア13,13
とコイル12,12とを配置しておく。そして、通常時
は蓄積リングの上下に永久磁石列を配置して挿入光源と
して作動させるが、荷電粒子を入射する際にはそこに上
下のコアを配置してパータベータとして作動させる。 【効果】 従来のパータベータを省略することができる
から、挿入光源とパータベータの双方を各々別に設置す
る場合に比して設置スペースを大幅に節約でき、蓄積リ
ングに十分な直線部を確保できないような小型の粒子加
速器にも適用可能である。
14,14とを、駆動機構31により横方向に移動する
フレーム30に取り付け、それらのいずれか一方を選択
的に蓄積リング5の直線部の上下に配置するように構成
する。また、蓄積リングの両側には側部コア13,13
とコイル12,12とを配置しておく。そして、通常時
は蓄積リングの上下に永久磁石列を配置して挿入光源と
して作動させるが、荷電粒子を入射する際にはそこに上
下のコアを配置してパータベータとして作動させる。 【効果】 従来のパータベータを省略することができる
から、挿入光源とパータベータの双方を各々別に設置す
る場合に比して設置スペースを大幅に節約でき、蓄積リ
ングに十分な直線部を確保できないような小型の粒子加
速器にも適用可能である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シンクロトロン等の粒
子加速器に備えられる挿入光源に関するものである。
子加速器に備えられる挿入光源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、直径が10m以下の比較的小型の
シンクロトロンが開発されつつあり、そのようなシンク
ロトロンから放射される放射光であるシンクロトロン放
射光(SOR光)を利用して、たとえば超LSI回路の
製造、医療分野における診断、分子解析、構造解析等の
様々な分野への適用が期待されている。
シンクロトロンが開発されつつあり、そのようなシンク
ロトロンから放射される放射光であるシンクロトロン放
射光(SOR光)を利用して、たとえば超LSI回路の
製造、医療分野における診断、分子解析、構造解析等の
様々な分野への適用が期待されている。
【0003】図3にシンクロトロンの概要を示す。この
シンクロトロンでは、電子銃等の電子発生装置1で発生
させた電子ビームを直線加速器(ライナック)2で光速
近くに加速し、偏向電磁石3で偏向させてインフレクタ
4を介して蓄積リング5に入射する。蓄積リング5に入
射した電子ビームは高周波加速空洞6によりエネルギを
与えられながら収束電磁石7…で収束され、偏向電磁石
8…で偏向されて蓄積リング5内を周回し続ける。そし
て、偏向電磁石8で偏向される際にSOR光が放射さ
れ、それが光取り出しラインであるビームライン9を介
してたとえば露光装置10に出射されて利用されるので
ある。
シンクロトロンでは、電子銃等の電子発生装置1で発生
させた電子ビームを直線加速器(ライナック)2で光速
近くに加速し、偏向電磁石3で偏向させてインフレクタ
4を介して蓄積リング5に入射する。蓄積リング5に入
射した電子ビームは高周波加速空洞6によりエネルギを
与えられながら収束電磁石7…で収束され、偏向電磁石
8…で偏向されて蓄積リング5内を周回し続ける。そし
て、偏向電磁石8で偏向される際にSOR光が放射さ
れ、それが光取り出しラインであるビームライン9を介
してたとえば露光装置10に出射されて利用されるので
ある。
【0004】上記のようなシンクロトロンにおいては、
電子ビームをインフレクタ4を介して蓄積リング5に入
射する際には、蓄積リング5内を既に周回している電子
ビームの周回軌道を瞬間的に変更することが必要であ
り、そのためのパータベータ11が備えられている。
電子ビームをインフレクタ4を介して蓄積リング5に入
射する際には、蓄積リング5内を既に周回している電子
ビームの周回軌道を瞬間的に変更することが必要であ
り、そのためのパータベータ11が備えられている。
【0005】パータベータ11は図4に示すように、蓄
積リング5を構成する真空チューブ(図示例のものはそ
の断面形状が長円形とされている)の両側にコイル1
2,12を設けるとともに、それらの外側にフェライト
からなる側部コア13,13を設け、かつ、蓄積リング
5の上下にはそれぞれ上部および下部コア14,14を
設けて、それらのコア13,13,14,14により蓄
積リング5の真空チューブの周囲を全周にわたって取り
囲む構成とされたものである。そして、電子ビームを入
射する際には、インフレクタ4の作動に同期させて図示
しないパルス電源からコイル12,12にパルス電流を
ごく短時間だけ流すことによって、それらコイル12,
12の周囲に蓄積リング5の真空チューブを上下に貫通
するような磁束(図中に破線で示している)を瞬間的に
形成し、その磁気力によって蓄積リング5内を周回して
いる電子ビームに対して側方に変位させるような力を作
用させて軌道を瞬間的に変更するのである。そのように
してパータベータ11により周回軌道を変更して電子ビ
ームを入射した後は、再び電子ビームを入射するまでは
パータベータ11は作動を停止しており、電子ビームは
蓄積リング5内のほぼ中心を定常的に周回することにな
る。
積リング5を構成する真空チューブ(図示例のものはそ
の断面形状が長円形とされている)の両側にコイル1
2,12を設けるとともに、それらの外側にフェライト
からなる側部コア13,13を設け、かつ、蓄積リング
5の上下にはそれぞれ上部および下部コア14,14を
設けて、それらのコア13,13,14,14により蓄
積リング5の真空チューブの周囲を全周にわたって取り
囲む構成とされたものである。そして、電子ビームを入
射する際には、インフレクタ4の作動に同期させて図示
しないパルス電源からコイル12,12にパルス電流を
ごく短時間だけ流すことによって、それらコイル12,
12の周囲に蓄積リング5の真空チューブを上下に貫通
するような磁束(図中に破線で示している)を瞬間的に
形成し、その磁気力によって蓄積リング5内を周回して
いる電子ビームに対して側方に変位させるような力を作
用させて軌道を瞬間的に変更するのである。そのように
してパータベータ11により周回軌道を変更して電子ビ
ームを入射した後は、再び電子ビームを入射するまでは
パータベータ11は作動を停止しており、電子ビームは
蓄積リング5内のほぼ中心を定常的に周回することにな
る。
【0006】ところで、近年、上記のようなシンクロト
ロンの蓄積リング5の直線部に、挿入光源と総称される
ウィグラーやアンジュレーターを組み込むことが検討さ
れている。ウィグラーあるいはアンジュレーターは、い
ずれも、電子ビームの直線軌道に沿って周期磁場を与え
ることにより電子ビームを偏向させて蛇行させ、それに
よって特定の波長の強いSOR光を取り出すためのもの
である。
ロンの蓄積リング5の直線部に、挿入光源と総称される
ウィグラーやアンジュレーターを組み込むことが検討さ
れている。ウィグラーあるいはアンジュレーターは、い
ずれも、電子ビームの直線軌道に沿って周期磁場を与え
ることにより電子ビームを偏向させて蛇行させ、それに
よって特定の波長の強いSOR光を取り出すためのもの
である。
【0007】図5に従来一般的なウィグラーの概要を示
す。このウィグラー20は、蓄積リング5の直線部を挟
んでその上下に、上下で対をなすとともに極性が交互に
変化している多数の永久磁石21…を蓄積リング5の直
線部の長手方向に沿って並べて一体化した形態の永久磁
石列22,22を配し、それら上下の永久磁石列22,
22によって図中の矢印で示すように蓄積リング5の真
空チューブを上下に貫通しかつ方向が交互に反転してい
るような磁束を発生させる構成とされている。このよう
なウィグラー20では、蓄積リング5内を通過する電子
ビームに対して周期磁場が与えられて磁束と直角な方向
すなわち水平方向に電子ビームが蛇行することになり、
その蛇行の際に接線方向に放射光が放射され、その強度
は特定の波長付近で強くなる。また、アンジュレーター
の場合は、各部からの放射光が干渉して準単色光が得ら
れる。なお、図示例のウィグラー20では隣接する永久
磁石21の間に磁極材としてパーメンダー23…を設け
ているが、パーメンダー23は必ずしも設けることはな
く省略されることもある。
す。このウィグラー20は、蓄積リング5の直線部を挟
んでその上下に、上下で対をなすとともに極性が交互に
変化している多数の永久磁石21…を蓄積リング5の直
線部の長手方向に沿って並べて一体化した形態の永久磁
石列22,22を配し、それら上下の永久磁石列22,
22によって図中の矢印で示すように蓄積リング5の真
空チューブを上下に貫通しかつ方向が交互に反転してい
るような磁束を発生させる構成とされている。このよう
なウィグラー20では、蓄積リング5内を通過する電子
ビームに対して周期磁場が与えられて磁束と直角な方向
すなわち水平方向に電子ビームが蛇行することになり、
その蛇行の際に接線方向に放射光が放射され、その強度
は特定の波長付近で強くなる。また、アンジュレーター
の場合は、各部からの放射光が干渉して準単色光が得ら
れる。なお、図示例のウィグラー20では隣接する永久
磁石21の間に磁極材としてパーメンダー23…を設け
ているが、パーメンダー23は必ずしも設けることはな
く省略されることもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなウィグラ
ーやアンジュレーター等の挿入光源を図3に示したよう
なシンクロトロンに備えようとする場合には、それらウ
ィグラーやアンジュレーターを蓄積リング5の直線部に
組み込まねばならないのであるが、小型のシンクロトロ
ンにおいては図3に示されているように蓄積リング5の
直線部に収束電磁石7をはじめ高周波加速空洞6やイン
フレクタ4、パータベータ11等の各種機器が多数備え
られることが通常であるので、それらに加えてさらに挿
入光源を設置できるような直線部が確保できない場合が
ある。したがって、そのような場合は蓄積リング5の径
を大きくして直線部を延長するか、挿入光源を設置する
ための直線部を有するような迂回路を設ける等の対策が
必要となるが、いずれにしても装置全体の大型化と複雑
化を招き、好ましくない。
ーやアンジュレーター等の挿入光源を図3に示したよう
なシンクロトロンに備えようとする場合には、それらウ
ィグラーやアンジュレーターを蓄積リング5の直線部に
組み込まねばならないのであるが、小型のシンクロトロ
ンにおいては図3に示されているように蓄積リング5の
直線部に収束電磁石7をはじめ高周波加速空洞6やイン
フレクタ4、パータベータ11等の各種機器が多数備え
られることが通常であるので、それらに加えてさらに挿
入光源を設置できるような直線部が確保できない場合が
ある。したがって、そのような場合は蓄積リング5の径
を大きくして直線部を延長するか、挿入光源を設置する
ための直線部を有するような迂回路を設ける等の対策が
必要となるが、いずれにしても装置全体の大型化と複雑
化を招き、好ましくない。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、小型の粒子加速器にも組み込むことの可能な構造の
挿入光源を提供することを目的とする。
で、小型の粒子加速器にも組み込むことの可能な構造の
挿入光源を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、極性が周期的
に変化している多数の永久磁石が並べられてなる永久磁
石列を、シンクロトロン等の粒子加速器における蓄積リ
ングの直線部の上下に対向配置することによって、蓄積
リング内を通過する荷電粒子を偏向させて放射光を取り
出す構成の挿入光源であって、前記蓄積リングを内包す
るとともに駆動機構により蓄積リングに対して横方向に
往復移動可能とされたフレームを設けて、そのフレーム
内の上下に、前記永久磁石列と、パータベータを構成す
るための上部および下部コアとをそれぞれ対向配置し
て、フレームを横方向に移動させることでそれら永久磁
石列とコアのいずれか一方を選択的に蓄積リングの上下
に対向配置して他方をそこから退避させるようになし、
かつ、前記フレーム内に位置する蓄積リングの両側に
は、パータベータを構成するためのコイルと側部コアと
を配置してなることを特徴とするものである。
に変化している多数の永久磁石が並べられてなる永久磁
石列を、シンクロトロン等の粒子加速器における蓄積リ
ングの直線部の上下に対向配置することによって、蓄積
リング内を通過する荷電粒子を偏向させて放射光を取り
出す構成の挿入光源であって、前記蓄積リングを内包す
るとともに駆動機構により蓄積リングに対して横方向に
往復移動可能とされたフレームを設けて、そのフレーム
内の上下に、前記永久磁石列と、パータベータを構成す
るための上部および下部コアとをそれぞれ対向配置し
て、フレームを横方向に移動させることでそれら永久磁
石列とコアのいずれか一方を選択的に蓄積リングの上下
に対向配置して他方をそこから退避させるようになし、
かつ、前記フレーム内に位置する蓄積リングの両側に
は、パータベータを構成するためのコイルと側部コアと
を配置してなることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】本発明の挿入光源は、粒子加速器におけるパー
タベータは荷電粒子の入射時にごく短時間しか作動せ
ず、しかも、パータベータと挿入光源とは同時に作動す
ることがないことに着目し、挿入光源からパータベータ
に切り替えることができるように構成したものである。
すなわち、本発明の挿入光源は、通常時は蓄積リングの
上下に永久磁石列を配置しておくことにより従来の挿入
光源と同様に作動するものであるが、蓄積リングに荷電
粒子を入射する際には、フレームを移動させることで永
久磁石列を蓄積リングの上下から側方に退避させるとと
もにパータベータを構成するための上下のコアを蓄積リ
ングの上下に配置する。これにより、それら上下のコア
と、蓄積リングの両側に予め設けられていた側部コアお
よびコイルとによってパータベータが構成され、このパ
ータベータを作動させて荷電粒子の入射を行なう。入射
が完了した後は、上記と逆の動作により上下のコアを退
避させて永久磁石列を蓄積リングの上下に戻し、再び挿
入光源として作動させる。
タベータは荷電粒子の入射時にごく短時間しか作動せ
ず、しかも、パータベータと挿入光源とは同時に作動す
ることがないことに着目し、挿入光源からパータベータ
に切り替えることができるように構成したものである。
すなわち、本発明の挿入光源は、通常時は蓄積リングの
上下に永久磁石列を配置しておくことにより従来の挿入
光源と同様に作動するものであるが、蓄積リングに荷電
粒子を入射する際には、フレームを移動させることで永
久磁石列を蓄積リングの上下から側方に退避させるとと
もにパータベータを構成するための上下のコアを蓄積リ
ングの上下に配置する。これにより、それら上下のコア
と、蓄積リングの両側に予め設けられていた側部コアお
よびコイルとによってパータベータが構成され、このパ
ータベータを作動させて荷電粒子の入射を行なう。入射
が完了した後は、上記と逆の動作により上下のコアを退
避させて永久磁石列を蓄積リングの上下に戻し、再び挿
入光源として作動させる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1および図2を参
照して説明する。これらの図は本発明の挿入光源をウィ
グラーに適用した場合の概略構成を示す正断面図であっ
て、図中の符号5は図3に示したシンクロトロンにおけ
る蓄積リングの直線部、30はその蓄積リング5の真空
チューブを内包している横長矩形枠状のフレーム、31
はそのフレーム30を蓄積リング5に対して横方向(図
において左右方向)に往復移動させるための駆動機構で
ある。本実施例における駆動機構31はボールネジ機構
32とステッピングモータ33から構成されたものであ
る。
照して説明する。これらの図は本発明の挿入光源をウィ
グラーに適用した場合の概略構成を示す正断面図であっ
て、図中の符号5は図3に示したシンクロトロンにおけ
る蓄積リングの直線部、30はその蓄積リング5の真空
チューブを内包している横長矩形枠状のフレーム、31
はそのフレーム30を蓄積リング5に対して横方向(図
において左右方向)に往復移動させるための駆動機構で
ある。本実施例における駆動機構31はボールネジ機構
32とステッピングモータ33から構成されたものであ
る。
【0013】上記フレーム30の一端側(図において右
側)の内部の上下には、図5に示した従来のウィグラー
20におけるものと同様の永久磁石列22,22、つま
り、極性が周期的に変化している多数の永久磁石21…
がパーメンダー23…を介して(もしくはパーメンダー
23…を介することなく直接的に並べられて)一体化さ
れている永久磁石列22,22が、上下に対向配置され
て設けられている。
側)の内部の上下には、図5に示した従来のウィグラー
20におけるものと同様の永久磁石列22,22、つま
り、極性が周期的に変化している多数の永久磁石21…
がパーメンダー23…を介して(もしくはパーメンダー
23…を介することなく直接的に並べられて)一体化さ
れている永久磁石列22,22が、上下に対向配置され
て設けられている。
【0014】また、フレーム30内の他端側(同、左
側)にはフェライトからなる上部および下部コア14,
14が対向配置され、さらに、蓄積リング5の両側には
コイル12,12と側部コア13,13とが固定的に備
えられている。これらのコア14,14,13,13お
よびコイル12,12は、図4に示した従来のパータベ
ータ11と同様のものを構成するためのものである。
側)にはフェライトからなる上部および下部コア14,
14が対向配置され、さらに、蓄積リング5の両側には
コイル12,12と側部コア13,13とが固定的に備
えられている。これらのコア14,14,13,13お
よびコイル12,12は、図4に示した従来のパータベ
ータ11と同様のものを構成するためのものである。
【0015】上記構成のウィグラーは、駆動機構31に
よってフレーム30を横方向に移動させることで、永久
磁石列22,22または上部および下部コア14,14
のいずれか一方を選択的に蓄積リング5の上下位置にお
いて対向配置し、他方をそこから退避させることができ
るものであり、これによってウィグラーからパータベー
タに切り替えて使用できるものである。
よってフレーム30を横方向に移動させることで、永久
磁石列22,22または上部および下部コア14,14
のいずれか一方を選択的に蓄積リング5の上下位置にお
いて対向配置し、他方をそこから退避させることができ
るものであり、これによってウィグラーからパータベー
タに切り替えて使用できるものである。
【0016】すなわち、図1に示すように永久磁石列2
2,22を蓄積リング5の上下に配置している状態にお
いては、従来のウィグラーと同様に上下の永久磁石列2
2,22により蓄積リング5内を通過する電子ビームに
対して周期磁場が与えられて電子ビームが蛇行し、それ
によって放射光を取り出すことができる。
2,22を蓄積リング5の上下に配置している状態にお
いては、従来のウィグラーと同様に上下の永久磁石列2
2,22により蓄積リング5内を通過する電子ビームに
対して周期磁場が与えられて電子ビームが蛇行し、それ
によって放射光を取り出すことができる。
【0017】また、電子ビームを蓄積リング5に入射す
る際には、図1の状態からフレーム30を右側に移動さ
せ、図2に示すように永久磁石列22,22を蓄積リン
グ5の上下位置から側方に退避させるとともに、上部お
よび下部コア14,14を蓄積リング5の上下位置に対
向配置する。これにより、それら上下のコア14,14
と側部コア13,13およびコイル12,12とにより
図4に示したものと同様のパータベータが構成されるこ
とになり、これをインフレクタ(図3参照)に同期させ
て作動させることで電子ビームの入射を支障なく行なう
ことができる。そして、パータベータとしての使用はご
く短時間で済むので、その後は再びフレーム30を移動
させて図1に状態に戻せば、引き続いてウィグラーとし
て使用できる。
る際には、図1の状態からフレーム30を右側に移動さ
せ、図2に示すように永久磁石列22,22を蓄積リン
グ5の上下位置から側方に退避させるとともに、上部お
よび下部コア14,14を蓄積リング5の上下位置に対
向配置する。これにより、それら上下のコア14,14
と側部コア13,13およびコイル12,12とにより
図4に示したものと同様のパータベータが構成されるこ
とになり、これをインフレクタ(図3参照)に同期させ
て作動させることで電子ビームの入射を支障なく行なう
ことができる。そして、パータベータとしての使用はご
く短時間で済むので、その後は再びフレーム30を移動
させて図1に状態に戻せば、引き続いてウィグラーとし
て使用できる。
【0018】以上のように、上記のウィグラーは必要に
応じてパータベータに切り替えることができるので、従
来のパータベータを省略してそれに代えて上記のウィグ
ラーを設置することでパータベータとウィグラーの双方
の機能を確保することができる。このため、従来のよう
にパータベータとウィグラーとを各々別に設置する必要
がなくなり、その結果、それらを各々別に設置する場合
に比して設置スペースを大幅に節約できることになり、
十分な直線部が蓄積リング5に確保できないような小型
のシンクロトロンに適用して好適である。
応じてパータベータに切り替えることができるので、従
来のパータベータを省略してそれに代えて上記のウィグ
ラーを設置することでパータベータとウィグラーの双方
の機能を確保することができる。このため、従来のよう
にパータベータとウィグラーとを各々別に設置する必要
がなくなり、その結果、それらを各々別に設置する場合
に比して設置スペースを大幅に節約できることになり、
十分な直線部が蓄積リング5に確保できないような小型
のシンクロトロンに適用して好適である。
【0019】なお、本発明はウィグラーのみならず他の
型式の挿入光源たとえばアンジュレーターとすることも
できる。また、フレーム30の駆動機構31としてはボ
ールネジ機構に限らず他の型式のものを適宜採用できる
し、永久磁石列22や各コア13,14、フレーム30
の形状や寸法等は適宜の設計的な変更が可能であること
はいうまでもない。
型式の挿入光源たとえばアンジュレーターとすることも
できる。また、フレーム30の駆動機構31としてはボ
ールネジ機構に限らず他の型式のものを適宜採用できる
し、永久磁石列22や各コア13,14、フレーム30
の形状や寸法等は適宜の設計的な変更が可能であること
はいうまでもない。
【0020】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明の挿入光
源は、上下の永久磁石列と、パータベータを構成するた
めの上下のコアとをフレームに取り付け、そのフレーム
を駆動機構により横方向に移動させることでいずれか一
方を選択的に蓄積リングの直線部の上下に配置するよう
に構成したので、通常時は挿入光源として使用できるこ
とは勿論のこと、荷電粒子を入射する際には容易にパー
タベータに切り替えて使用することができるものであ
り、したがって、本発明の挿入光源を採用することによ
り従来においては不可欠であったパータベータを省略す
ることができ、その結果、挿入光源とパータベータの双
方を各々別に設置する場合に比して設置スペースを大幅
に節約できるという効果を奏し、蓄積リングに十分な直
線部を確保できないような小型の粒子加速器に採用して
特に好適である。
源は、上下の永久磁石列と、パータベータを構成するた
めの上下のコアとをフレームに取り付け、そのフレーム
を駆動機構により横方向に移動させることでいずれか一
方を選択的に蓄積リングの直線部の上下に配置するよう
に構成したので、通常時は挿入光源として使用できるこ
とは勿論のこと、荷電粒子を入射する際には容易にパー
タベータに切り替えて使用することができるものであ
り、したがって、本発明の挿入光源を採用することによ
り従来においては不可欠であったパータベータを省略す
ることができ、その結果、挿入光源とパータベータの双
方を各々別に設置する場合に比して設置スペースを大幅
に節約できるという効果を奏し、蓄積リングに十分な直
線部を確保できないような小型の粒子加速器に採用して
特に好適である。
【図1】本発明の一実施例であるウィグラーの使用状態
を示す正断面図である。
を示す正断面図である。
【図2】同ウィグラーをパータベータに切り替えて使用
している状態を示す正断面図である。
している状態を示す正断面図である。
【図3】シンクロトロンの概要を示す図である。
【図4】同シンクロトロンにおけるパータベータの概略
構成を示す図である。
構成を示す図である。
【図5】従来一般のウィグラーの概略構成を示す側面図
である。
である。
5 蓄積リング 12 コイル 13 側部コア 14 上部および下部コア 22 永久磁石列 30 フレーム 31 駆動機構
Claims (1)
- 【請求項1】 極性が周期的に変化している多数の永久
磁石が並べられてなる永久磁石列を、シンクロトロン等
の粒子加速器における蓄積リングの直線部の上下に対向
配置することによって、蓄積リング内を通過する荷電粒
子を偏向させて放射光を取り出す構成の挿入光源であっ
て、前記蓄積リングを内包するとともに駆動機構により
蓄積リングに対して横方向に往復移動可能とされたフレ
ームを設けて、そのフレーム内の上下に、前記永久磁石
列と、パータベータを構成するための上部および下部コ
アとをそれぞれ対向配置して、フレームを横方向に移動
させることでそれら永久磁石列とコアのいずれか一方を
選択的に蓄積リングの上下に対向配置して他方をそこか
ら退避させるようになし、かつ、前記フレーム内に位置
する蓄積リングの両側には、パータベータを構成するた
めのコイルと側部コアとを配置してなることを特徴とす
る粒子加速器における挿入光源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15834292A JPH065395A (ja) | 1992-06-17 | 1992-06-17 | 粒子加速器における挿入光源 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15834292A JPH065395A (ja) | 1992-06-17 | 1992-06-17 | 粒子加速器における挿入光源 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH065395A true JPH065395A (ja) | 1994-01-14 |
Family
ID=15669548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15834292A Withdrawn JPH065395A (ja) | 1992-06-17 | 1992-06-17 | 粒子加速器における挿入光源 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH065395A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5817411A (en) * | 1996-03-15 | 1998-10-06 | Akebono Brake Industry Co., Ltd. | Friction material |
-
1992
- 1992-06-17 JP JP15834292A patent/JPH065395A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5817411A (en) * | 1996-03-15 | 1998-10-06 | Akebono Brake Industry Co., Ltd. | Friction material |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990831 |