JPH11176600A - 電子加速装置 - Google Patents

電子加速装置

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JPH11176600A
JPH11176600A JP9354099A JP35409997A JPH11176600A JP H11176600 A JPH11176600 A JP H11176600A JP 9354099 A JP9354099 A JP 9354099A JP 35409997 A JP35409997 A JP 35409997A JP H11176600 A JPH11176600 A JP H11176600A
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JP
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electron
cathode
acceleration
electrons
magnetic field
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Mitsuhiro Yoshida
光宏 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 逆流する高速電子によるカソードへの衝突を
ほとんど無くし、カソードの寿命を延ばすとともに、ス
パッターによる加速空洞の汚染も回避され、逆流電子の
利用により電子ビームの利用効率も増加する電子加速装
置の提供。 【解決手段】 電子発生用カソードより引き出された電
子が加速空洞を通過中に、該空洞内に生成される加速電
場から得る加速エネルギを利用して加速される電子加速
装置において、中空筒型カソードを含む電子線発生部
と、前記カソード内周側で膨らみ該カソード軸線方向に
遠ざかるに連れ徐々に縮径化される形状の磁場を発生さ
せるビーム軌道制御用磁場発生部とを具え、更に前記電
子線発生部とビーム軌道制御用磁場発生部とを加速空洞
の加速軸方向両側に配置し、加速空洞内の加速電場全位
相において前記電子線発生部より引き出された電子を入
射可能に構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波を利用した電
子加速装置に係り、特に高周波加速空洞を利用した電子
加速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子加速装置は電子を電磁力で数十億電
子ボルト(数GeV)程度の高いエネルギー状態に加速
するための装置であり、もともとは原子核や素粒子の研
究の為に開発されてきた。しかし近年では真空中をほぼ
高速で伝摘する電子がその偏向磁場により軌道が曲げら
れたときに、その軌道の接線方向に発生する放射光(S
OR光)を利用して超LSI回路パターンの微細加工
(リソグラフィ)や物性研究、生命科学等の広範な科学
技術分野にまで適用範囲を広げている。そしてかかる電
子加速装置は、前記電子を発生する電子源と高周波加速
空洞とから構成されている。
【0003】図6(a)及び(b)に従来の電子加速装
置の基本構成を示す。図6(a)において、電子源は背
面側をヒータHにより加熱した面状カソードCと、該面
状カソードCより電子eを引き出すために面状カソード
Cとの間で電位差をつけるアノードAとから構成され、
該電子源の部分は全て気密容器5により真空中に設置さ
れている。
【0004】加速空洞1は、例えば無酸素銅からなる導
電体で形成した略円筒体状の空洞本体1aと高周波電源
Pとよりなり、そして該加速空洞1は不図示のアース管
等によりアース(接地)に落として使用される。そして
高周波電力rfは導波管21若しく同軸ケーブルにより
空洞本体1a内に導入されるが、いずれにしても高周波
電源Pのアースと空洞本体1aはアース管を介して連結
されることになる。従って高周波電源Pより前記導波管
21を通して空洞本体1aの共振周波数と同周波数の高
周波電力rfを空洞本体1a内に供給すると、共振によ
り加速電界(電場)Eが発生し、該加速電界Eにより前
記空洞本体1aを通過する電子eFを加速する。又、前
記加速空洞本体1aの出口部にはZ軸方向(電子加速方
向)磁場発生用磁石又は電磁コイル2が配設され、加速
電子ビームeF の広がりを防ぐためにZ方向の磁場を発
生するとともに、又前記加速空洞本体1aの出口部に収
束磁場若しくは収束電場によるビームレンズ6を設置
し、加速空洞1内の加速電場Eを調整しながらビーム径
の調整を可能にしている。
【0005】図6(b)はエネルギー分解能を高めるた
めのバンチャー3を配設した他の従来例で、前記空洞本
体1aの前段側にバンチャー3を配設し、高周波用位相
調整器4により位相調整された高周波電力rf2 を前記
バンチャー3に供給し、エネルギー分解能を高めてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
装置には、次のような課題がある。かかる課題を図7に
基づいて説明するに、図中(b)は前記高周波加速電場
のzの負方向の電場を正とする加速空洞1内の電場Eの
時間変化を示し、(a)は、バンチャーのない図6
(a)の基本構成の加速器において、電子eが加速空洞
を通過中に電場Eから得る総加速エネルギーと電場Eに
対する加速空洞1への電子eの入射する時の電場Eの位
相φとの関係を計算により示したものである。尚、
(a)において、エネルギーのマイナスは、zの負の方
向への電子ビームeBの発生を示す。
【0007】本図より理解されるように、高周波電力を
利用して電子加速を行なう前記装置では、(b)に示す
ように高周波加速電場の半周期R1 の前半分の+領域
(z正方向加速位相領域)で加速空洞に入射した電子e
F は、(a)の入射位相φ(rad )と加速エネルギーの
関係より明らかなように、加速空洞通過中電場Eからエ
ネルギーを得て加速されながら加速空洞から放出される
が、一方高周波加速電場の半周期R1 の後半分の一領域
(z負方向加速位相)においては、(a)の入射位相φ
(rad )と加速エネルギーの関係より明らかなように、
電子eF は進行方向zと逆方向に加速されることが分か
る。又高周波加速電場の後半の半周期R2 の領域の時期
においては、カソードから放出された電子eFはアノー
ドAから空洞1に入射されないため、加速電子eF、逆
流電子eB のいずれも発生しない。
【0008】従って前記した図6の従来の装置では、面
状カソードCから電子eを連続的に放出した場合、高周
波加速電場Eの半周期R1 の後半分の一の領域において
電子eB は進行方向zと逆方向に、特に入射位相2.4
φ(rad )移行ではz方向の加速エネルギーと同程度の
エネルギーで加速され、前記電子eを発生する面状カソ
ードCに衝突か、又加速空洞1入射口付近でzと垂直方
向の小さな磁場成分が存在する場合、言換えれば面状カ
ソードCを保護する磁場配位が存在する場合ではアノー
ドA又は加速空洞1の壁に衝突する。そして前記衝突に
より、大量のX線が加速器から放出されると共に、カソ
ード寿命が短くなるか、加速空洞1の加熱が起こるとと
もに、逆流電子eB によりカソード等がスパッタされ、
加速空洞1内表面が汚れ、加速空洞1のQ値が低下して
エネルギーロス増加の原因ともなる。
【0009】又前記欠点を解消するために、図6(b)
に示すように、入射電子eがカソードから放出される時
の加速電場Eの位相を図7(b)の半周期R1 の+領域
に集中させるためのバンチャー3を設置すると、装置全
体のサイズが大きくなり、また電源Pから出た高周波の
位相を制御する高周波用位相調整器4の設置が不可欠と
なり、システムが大型で複雑になる。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決する為
に、請求項1記載の発明においては、電子発生用カソー
ドより引き出された電子が加速空洞を通過中に、該空洞
内に生成される加速電場から得る加速エネルギを利用し
て加速される電子加速装置において、中空筒型カソード
を含む電子線発生部と、前記カソード内周側で膨らみ該
カソード軸線方向に遠ざかるに連れ徐々に縮径化される
形状の磁場を発生させるビーム軌道制御用磁場発生部と
を具えたことを特徴とする。
【0011】かかる発明においても、電子eF ビームを
加速電場Eの位相φとタイミングを合わせる機構を有し
ていないため、加速空洞1への高周波印加パルスrf中
に定常的に電子eFを供給するため逆流する電子eBが発
生するが、前記した面状(プレート状)固体カソードC
とは異なり、問題となる高速で逆流する電子eB はz方
向に高速であるため磁場の影響をほとんど受けずにほぼ
直進し、中空筒型カソードCrにほとんど衝突すること
なく、X線も発生させずに該中空筒型カソードCrの中
空部を通過する。
【0012】従って本発明によれば、逆流する高速電子
によるカソードへの衝突がほとんど無くなるため、カソ
ードの寿命が延びるとともに、スパッターによる加速空
洞の汚染も回避され、逆流電子の利用により電子ビーム
の利用効率も増加する。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の電
子線発生部とビーム軌道制御用磁場発生部とを加速空洞
の加速軸方向両側に配置し、加速空洞内の加速電場全位
相において前記電子線発生部より引き出された電子を入
射可能に構成したことを特徴とする。
【0014】かかる発明によれば、一対の電子線発生部
とビーム軌道制御用磁場発生部とを加速空洞のZ軸上両
側に設置し、該加速空洞の両方向から電子を利用するこ
とで、加速電場の全位相において電子を加速することが
可能となり、取り出せるトータルの電流量を倍にするこ
とが可能となり、加速電場Eの利用効率が大幅にアップ
する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施
形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、そ
の相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、こ
の発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説
明例にすぎない。
【0016】図1は、請求項1記載の発明の第1実施形
態に係る電子加速器の全体構成を概略的に示した横断面
概略全体図で、同図において、加速空洞1はアースgr
に設置して、該加速空洞1の入口側に設けた真空容器5
中には、アノードA、リング円形状である中空筒型カソ
ードCr及び該カソードCrの外周囲に配設したヒータ
Hよりなるビーム発生部50が加速空洞1の入口と対面
させて配置されている。そして前記真空容器5はビーム
逆流方向側に延設し、その始端開口をビームダンパDam
で封止する。又前記ビームダンパ11は本発明の必須要
件ではなく、該ダンパ11を取り外し、前記逆流電子ビ
ームをターゲットに導くように構成してもよい。
【0017】又加速空洞1の出口端と入口端にZ軸方向
磁場発生用磁石又は電磁コイル(以下電磁コイルと云
う)21、22が配設され、更に前記ビーム発生部50
上流側の容器外周囲に第3の電磁コイル23を配設し、
ビーム発生部50を挟んでその両側に電磁コイルを位置
させ、ビーム軌道制御用磁場発生部22、23として機
能させ、カソードCr部内周中央部で膨らみ該カソード
軸線方向に遠ざかるに連れ徐々に縮径化される形状の磁
場Bを発生させる(図2参照)。又、第3の電磁コイル
23の上流側の容器外周には逆流電子eB のビームレン
ズ6が位置している。
【0018】かかる構成により中空筒型カソードCrの
外周側をヒータHにより加熱し、1000〜2000℃
に暖め、熱電子放出率を高めることによりカソードCr
内周側よりアノードAとの電位差を利用して電子eが引
き出される。また、前記アノードAは可変直流電源Pd
を介してアースgr に接地されている。
【0019】図2(a)は、中空筒型カソードCrの構
成と、それに必要な磁場B、カソードCrからの発生電
子el、逆方向に加速された電子eBの軌道を示すもので
ある。(b)は中空筒型固体カソードの(a)のC−C
断面図である。
【0020】図2(a)に示すように、中空筒型固体カ
ソードCrから出た電子eは、アノードAに印加された
比較的小さな直流又はパルスバイアス電圧Pdによって
加速空洞1へ引き出される。このとき、カソードCr部
で膨らんだ磁力線Bに沿って電子el は運動する為、ほ
ぼ加速空洞1のz軸中心付近を通過し、加速空洞1内の
電磁場Eにより加速される。しかし、中空筒型固体カソ
ードCrで発生した一部の電子eは図2(a)に示すよ
うにカソードCrの方向に逆流する。逆流した高速電子
B は、カソードCr内周側に近付く方向に曲がってい
る電磁場Bに沿って運動することが出来ずに、中空筒型
カソードCrの中空部φ1を通過し、磁場、又は電場、
又はそれらを組み合わせたビームレンズ6により軌道を
絞られ、ビームダンパDamで減衰して消滅するか、又は
ビームダンパDamを取り外し、逆流した高速電子eB
ターゲットに導けば、この逆流電子eB も高エネルギー
ビームとして利用することが可能であり、利用効率が一
層大きくなる。
【0021】また中空筒型固体カソードCrは、加速空
洞1へ効率良く電子ef を放出するためにカソード外周
を絶縁体Yで囲み、最外郭磁力線Bout が加速空洞1の
入り口内に入るように設置される。又、磁場Bの強度、
曲率、カソードCrの幅l、内径φ1、外径φ2は電子
f の軌道を解析することで詳細は決定される。更に逆
流した電子eB をビームとして使用しない場合は、磁力
線BはカソードCrの後方で絞る必要はなく、この場合
はビームレンズ6は不要となる。
【0022】従って本実施形態の電子加速装置における
固体カソードは中空筒型であり、電子el はカソードC
rよりアノードAに印加された数kVの電圧Pdで引き
出されるためカソードCr内周の電子発生部よりZ軸方
向に遠ざかるに連れ徐々に縮径化される磁力線Bにほぼ
沿って加速空洞1に導かれる。
【0023】かかる実施形態においても、電子ef ビー
ムを加速電場Eの位相φとタイミングを合わせる機構を
有していないため、加速空洞1への高周波印加パルスr
f中に定常的に電子ef を供給する。そのため逆流する
電子eB が発生する。しかし、通常の面状(プレート
状)固体カソードCrとは異なり、問題となる高速で逆
流する電子eB はz方向に高速であるため磁場の影響を
ほとんど受けずにほぼ直進し、カソードCrにほとんど
衝突することなくX線も発生させずに中空筒型カソード
Crの中空部を通過する。
【0024】さて図2(a)の構成において、実際、相
対論的な電子ef の運動方程式を用いて解析を行うと、
磁束密度1000Gaussの場合、カソードCrから
放出され加速空洞1に入る前の低速電子el が磁力線B
の回りにラーマー回転を1回転する場合には、1回転の
間に1keVのエネルギーを持つ電子el は磁力線方向
に数mm移動する。この場合、磁場の曲率半径がこの距
離と同程度であれば、電子el は磁力線Bに沿って運動
する。これに対して、加速され高エネルギーになった電
子ef 、例えば1MeVの電子ef の場合には同様な計
算をすると初期磁力線方向(z方向)に数10cm移動
する。これは、高エネルギー電子ef が磁場の影響を大
きく受けず、曲がった磁力線に対してほぼ直進すること
を示している。本発明はこの事実を利用するものであ
る。
【0025】図3は、曲がった磁力線中を運動する低速
電子el 及び加速されて高速になった電子ef の軌道の
概略を示した電子運動状態を示す作用図である。磁力線
回りのラーマー運動は省略して図示している。また、同
時にの磁場Bの垂直成分B⊥とBのz方向成分B11に対
する記号を夫々示す。また、磁力線の曲がりにより、z
と垂直方向の磁場成分B⊥による電子ef のドリフト運
動が若干生じるが、垂直成分磁場B⊥をz方向成分磁場
11の数十%に押さえると、このときのドリフト運動の
曲率半径が数10cm以上に設定することができ、逆流
した高速電子ef は問題なく中空筒型カソードCr内を
通過でき、ビームダンパDamに衝突して減衰消滅する。
【0026】尚、ビームダンパDamを液体等の個体と比
べ比較的密度が低い物質を用いれば、高エネルギーのX
線発生量が少なく、シールドが容易である。また、ビー
ムダンパDamを取り外し、ビームレンズ6を設置し、電
子eB ビームをターゲットに導けば、従来の面状固体カ
ソードの場合と異なり、この逆流電子eB も利用するこ
とが可能であり、利用効率が大きくなる。
【0027】(実施例2)図4は加速空洞1の入口及び
出口の左右両端に、中空筒型カソードCr、アノード
A、ビームレンズ6及び磁場発生用磁石又は電磁コイル
22、23を対称に設置した装置の主要部分のみを示し
た横断面図である。同図において、加速空洞1の入口側
と出口側に夫々真空容器5A、5Bを設け、該真空容器
5A、5B中にアノードA、リング円形状である中空筒
型カソードCr1、Cr2及び該カソードの外周囲に配設
したヒータHよりなる一対のビーム発生部50A、50
Bがそれぞれ加速空洞1の入口と出口に対面させて配置
されている。又加速空洞1の入口端と出口端にZ軸方向
磁場発生用磁石又は電磁コイル(以下電磁コイルと云
う)22A、22Bが配設され、更に前記夫々のビーム
発生部50上流側の容器外周囲に第3の電磁コイル23
A、23Bを夫々配設し、各ビーム発生部50を挟んで
その両側に各電磁コイルを位置させ、ビーム軌道制御用
磁場発生部22A、23A及び22B、23Bとして機
能させている。又、第3の電磁コイル23A及び23B
の上流側の容器5A、5B終端には逆流電子eBのビー
ムレンズ6A、6Bが位置している。
【0028】従ってかかる装置構成によれば、一対の中
空筒型カソードCrを加速空洞1の軸状両端に設置した
もので、電子eを加速空洞1の両方向から加速空洞1内
へ供給することが出来る。
【0029】かかる装置における作用を図5に基づいて
説明する。図5は図4の装置において、加速空洞1内の
電場Eの時間変化を示した前記図7(b)に対応するグ
ラフ図で、高周波加速電場の半周期R1 の前半分の+領
域(z正方向加速位相領域)で加速空洞1に入射した電
子は、加速空洞通過中電場Eからエネルギーを得て加速
されながら加速空洞1から放出されるが、一方高周波加
速電場の半周期R1 の後半分の一領域(z負方向加速位
相)においては、電子は進行方向zと逆方向に加速され
ることは前記した通りである。
【0030】さて、本実施形態に係る電子加速装置は、
中空筒型カソード部Cr1、Cr2を加速空洞1のZ軸上
両側に設置してあるために、該両中空筒型カソード部C
1、Cr2 より引き出された電子eは前記加速空洞1
の両方向から該空洞1内へ供給される。高周波加速電場
の半周期R1 の位相では中空筒型カソード部Cr1 より
引き出された電子はzの負方向から入射し、R1 の前半
分の+の領域で前記電子がzの正方向に加速され、R1
の後半分の−の領域で前記電子がzの負方向に電子eは
加速され、夫々の方向から中空筒型カソード部Cr1
り引き出された電子ビームeを取り出すことができる。
また、R2 の位相では中空筒型カソード部Cr2 より引
き出された電子はzの正の方向から入射し、R2 の前半
分の+の領域で前記電子がzの正方向に加速され、R2
の後半分の−の領域で前記電子がzの負方向に電子eは
加速され、夫々の方向から中空筒型カソード部Cr2
り引き出された電子ビームeを取り出すことができる。
【0031】従って図1に示す中空筒型カソード部Cr
を片側にのみ配設した装置では、電子は図5の加速電場
Eの半周期R1 の位相でのみ加速空洞1に入射する。そ
のため、電子ビームeを両方向から取り出したとして
も、加速電場Eの半周期R1 のエネルギーのみ利用し、
加速電場Eの半周期R2 の位相における電場Eのエネル
ギーは使用しないことになる。そこで、本実施形態のよ
うに中空筒型カソード部Cr1、Cr2を加速空洞1のZ
軸上両側に設置し、該加速空洞1の両方向から電子eを
利用することで、加速電場Eの全位相において電子eを
入射することで、加速電場Eの全位相において電子eを
加速することが可能となり、取り出せるトータルの電流
量を倍にすることが可能となり、加速電場Eの利用効率
が大幅にアップする。尚、両側から供給された電子e
は、半周期R1、R2ごとに交互に加速空洞1に入射する
ため相互に干渉しない。
【0032】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、中空筒型
カソードと、カソード内周側で膨らみ該カソード軸線方
向に遠ざかるに連れ徐々に縮径化される形状の磁場を組
み合わせることにより、逆流する高速電子によるカソー
ドへの衝突がほとんど無くなるため、カソードの寿命が
延びるとともに、スパッターによる加速空洞の汚染も回
避され、逆流電子の利用により電子ビームの利用効率も
増加する。
【0033】更に請求項2記載の発明によれば、一対の
電子線発生部を加速空洞のZ軸上両側に設置し、該加速
空洞の両方向から電子を利用することで、加速電場の全
位相において電子を加速することが可能となり、取り出
せるトータルの電流量を倍にすることが可能となり、加
速電場Eの利用効率が大幅にアップする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1記載の発明の第1実施形態に係る電
子加速器の全体構成を概略的に示した横断面概略全体図
である。
【図2】 (a)は図1に示す中空筒型カソードの要部
拡大構成図で、磁場B及び電子の軌道を示している。
(b)は中空筒型固体カソードのC−C断面図である。
【図3】 図1の装置において、曲がった磁力線中を運
動する低速電子、及び加速されて高速になった電子の軌
道の概略を示した作用図である。
【図4】 加速空洞の両端に、中空筒型カソード、アノ
ード、ビームレンズ及びビーム軌道制御用磁場発生部を
対称に設置した装置の主要部分のみを示した概略横断面
図である。
【図5】 加速空洞内の電場Eの時間変化を示したグラ
フ図である。
【図6】 (a)(b)はいずれも固体カソードを用い
た従来法による電子加速装置を示した概略横断面図であ
る。
【図7】 (b)は前記高周波加速電場のzの負方向の
電場を正とする加速空洞1内の電場Eの時間変化を示
し、(a)は、バンチャーのない図7(a)の基本構成
の加速器において、電子が加速空洞を通過中に電場Eか
ら得る総加速エネルギーと電場に対する加速空洞への電
子の入射する時の電場Eの位相φとの関係を計算により
示したものである。
【符号の説明】
Cr 中空筒型固体カソード P 加速用高周波電源 Pd 直流または直流パルス電源 rf 加速用高周波 E 加速電場 ef 高速電子 el 低速電子 eB 逆流電子 Dam ビームダンパ H 固体カソード用ヒータ B 磁力線 B⊥ 垂直方向磁場成分 B11 z方向磁場成分 Y 絶縁体 R1、R2 加速電場位相 1 加速空洞 22/23、22A/23A、22B/23B ビーム軌道制御用磁場発生部(z方向磁場発生用磁石又
は電磁コイル) 5 真空容器 6、6A、6B ビームレンズ(磁場、電場) 50、50A、50B ビーム発生部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子発生用カソードより引き出された電
    子が加速空洞を通過中に、該空洞内に生成される加速電
    場から得る加速エネルギを利用して加速される電子加速
    装置において、 中空筒型カソードを含む電子線発生部と、前記カソード
    内周側で膨らみ該カソード軸線方向に遠ざかるに連れ徐
    々に縮径化される形状の磁場を発生させるビーム軌道制
    御用磁場発生部とを具えたことを特徴とする電子加速装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子線発生部とビーム軌
    道制御用磁場発生部とを加速空洞の加速軸方向両側に配
    置し、加速空洞内の加速電場全位相において前記電子線
    発生部より引き出された電子を入射可能に構成したこと
    を特徴とする電子加速装置。
JP9354099A 1997-12-08 1997-12-08 電子加速装置 Withdrawn JPH11176600A (ja)

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