JPH08195300A - 電子蓄積リングを用いた放射線発生方法及び電子蓄積リング - Google Patents

電子蓄積リングを用いた放射線発生方法及び電子蓄積リング

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JPH08195300A
JPH08195300A JP7177381A JP17738195A JPH08195300A JP H08195300 A JPH08195300 A JP H08195300A JP 7177381 A JP7177381 A JP 7177381A JP 17738195 A JP17738195 A JP 17738195A JP H08195300 A JPH08195300 A JP H08195300A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低エネルギーの電子蓄積リングに強い集束作
用と、あるいは又冷却作用を付加して、大電流を蓄積で
きる小型かつ低電子エネルギーの電子蓄積リングを用い
た放射線発生方法及び電子蓄積リングを提供する。 【構成】 電子蓄積リング1の電子軌道上に10-9To
rr以上のガスを導入し、周回する電子ビームにより前
記ガスをイオン化し、このイオンにより前記電子ビーム
を集束させ、大電流電子ビームの蓄積を可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子蓄積リングに係
り、特にガスを充填し、高輝度放射光、コヒーレント放
射光、自由電子レーザー及び、高輝度制動放射を発生可
能な電子蓄積リングを用いた放射線発生方法及び電子蓄
積リングに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
例えば、以下に示すようなものがあった。放射光発生装
置や挿入型自由電子レーザーに用いられる電子蓄積リン
グの周回電子ビームを集束させ安定させるためには、磁
場の高次成分の持つ集束作用を利用したり、偏向磁石や
4極磁石の配列を最適化して行う。また、放射光の発生
による電子ビームの冷却作用とRF加速機構も電子ビー
ムを安定化する一つの機構である。
【0003】しかし、これらの技術は低エネルギー、大
電流の電子蓄積リングでは十分な集束作用と、冷却作用
を期待することが出来ない。電子蓄積リングで高エネル
ギーのX線を発生するには、数GeV以上の高エネルギ
ーの電子ビームを使用し、数テスラに上る超電導の偏向
磁石を使用しなければならない。
【0004】X線発生技術は古くから、X線管や、回転
対陰極X線源として知られている。コヒーレント放射光
の発生は、ライナックでps程度の短パルスを生成する
ことにより行っているが、電子蓄積リングで短パルスの
生成を行った例はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の電子ビーム安定
化技術は、電子ビームが低エネルギーのときは電子間の
散乱〔Intrabeam scattering〕や
ビーム不安定性が顕著となり、電子ビームの集束作用が
十分ではないために大電流を蓄積することができない。
【0006】また、同じ理由で、バンチ長が延びパルス
幅が長くなるという現象が起こる。更に、挿入型自由電
子レーザーや光蓄積リング型自由電子レーザーでは、レ
ーザー発振で発生する電子ビームの加熱作用を押さえる
ことができず、レーザー発振がクエンチするという結果
をもたらす〔レニエリの定理〕。また、電子蓄積リング
で高エネルギーの高輝度X線を発生するには、高エネル
ギーの電子ビームと超電導の強磁場発生装置が必要であ
り、装置の大型化はまぬがれない。従って、それに要す
る費用は莫大なものとなる。
【0007】また、半導体製造や医療への利用において
は、このような大型の装置は、スペースの面からも導入
に難がある。本発明の目的は、上記問題点を除去し、低
エネルギーの電子蓄積リングに強い集束作用と、あるい
は又冷却作用を付加して、大電流を蓄積できる小型かつ
低電子エネルギーの電子蓄積リングを用いた放射線発生
方法及び電子蓄積リングを提供することである。
【0008】本発明の他の目的は、挿入型自由電子レー
ザー及び光蓄積リング型自由電子レーザーのために、ビ
ーム不安定性を抑制し、あるいは又電子ビームの冷却作
用を付加して、レーザー発振を安定化させることであ
り、あるいはまた短波長のコヒーレント放射光を発生さ
せることのできる小型かつ低電子エネルギー電子蓄積リ
ングを用いた放射線発生方法及び電子蓄積リングを提供
することである。
【0009】更に、本発明の更なる他の目的は、電子蓄
積リングの電子軌道上にターゲットを導入し、入射器を
用いて電子ビームを連続的あるいは間欠的に入射して大
電流電子ビームを蓄積するとともに、前記ターゲットと
電子の散乱による制動放射に基づく高輝度X線を発生さ
せるための小型電子蓄積リングを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 (1)電子蓄積リングの電子軌道上に10-9Torr以
上のガスを導入し、周回する電子ビームにより前記ガス
をイオン化し、このイオンにより前記電子ビームを集束
させ、大電流電子ビームの蓄積を可能するようにしたも
のである。
【0011】(2)電子蓄積リングの電子軌道上に10
-9Torr以上のガスを導入し、周回する電子ビームを
前記ガスと衝突させることにより制動放射を発生させる
ようにしたものである。 (3)放射線発生装置である電子蓄積リングの電子軌道
上に10-9Torr以上のガスを導入し、周回する電子
ビームを前記ガスと衝突させることによりガスをイオン
化し、かつ制動放射を発生させて電子ビームのバンチ長
を短縮して短パルス放射光及びコヒーレント放射光の発
生を促進させるようにしたものである。
【0012】(4)自由電子レーザーを得る電子蓄積リ
ングの電子軌道上に10-9Torr以上のガスを導入
し、周回する電子ビームを前記ガスと衝突させることに
よりガスをイオン化し、かつ制動放射を発生させてレー
ザー出力を増強するようにしたものである。 (5)上記(1)、(2)、(3)又は(4)記載の電
子蓄積リングを用いた放射線発生方法において、前記ガ
スとして核構造を持たない、従って放射化しない水素ガ
スを用いるようにしたものである。
【0013】(6)電子蓄積リングの電子軌道上にター
ゲットを配置し、周回する電子ビームを前記ターゲット
と衝突させることにより制動放射を発生させ、高輝度放
射線を発生させるようにしたものである。 (7)上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)又
は(6)記載の電子蓄積リングを用いた放射線発生方法
において、中心軌道の電子に外乱を与えることなく、電
子ビームを外部から連続的に入射し、大電流電子ビーム
の蓄積を可能にするようにしたものである。
【0014】(8)磁石と粒子加速装置とビームダクト
を有する電子蓄積リングにおいて、電子蓄積リングの電
子軌道上にガスを導入してガス圧を調整する手段と、周
回する電子ビームにより前記ガスをイオン化し、更にイ
オンを電子軌道上に滞在させる手段と、入射器を用いて
電子ビームを連続的あるいは間欠的に入射する手段を具
備し、電子ビームを安定化して、大電流電子ビームを蓄
積することと、ガスと電子の散乱による制動放射に基づ
く高輝度放射線を発生することと、コヒーレント放射光
を含む高輝度放射光を発生することのいずれかあるいは
全てを有するようにしたものである。
【0015】(9)電子蓄積リングの直線部を利用した
挿入型自由電子レーザ又は直線部分を持たない、光共振
器を配置した電子蓄積リングにおいて、電子蓄積リング
の電子軌道上にガスを導入してガス圧を調整する手段
と、周回する電子ビームにより前記ガスをイオン化し、
このイオン化されたイオンを電子軌道上に滞在させる手
段と、入射器を用いて電子ビームを連続的あるいは間欠
的に入射する手段を具備し、電子ビームを安定化して、
大電流電子ビームを蓄積することによりレーザー出力を
増強するようにしたものである。
【0016】(10)上記(8)又は(9)記載の電子
蓄積リングにおいて、中心軌道の電子には外乱を与えな
いような電子ビームの入射法を採用するようにしたもの
である。 (11)磁石と粒子加速装置とビームダクトを有する電
子蓄積リングにおいて、電子蓄積リングの電子軌道上に
ターゲットを導入する手段と、入射器を用いて電子ビー
ムを連続的あるいは間欠的に入射して大電流電子ビーム
を蓄積する手段と、前記ターゲットと電子の散乱による
制動放射に基づく高輝度放射線を発生させる手段とを設
けるようにしたものである。
【0017】(12)上記(11)記載の電子蓄積リン
グにおいて、前記ターゲットとして薄膜又はワイヤを用
いるようにしたものである。 (13)上記(11)記載の電子蓄積リングにおいて、
前記ターゲットの支持体に冷却手段を設けるようにした
ものである。 (14)上記(11)記載の電子蓄積リングにおいて、
前記ターゲットの駆動手段を設けるようにしたものであ
る。
【0018】(15)上記(11)記載の電子蓄積リン
グにおいて、前記ターゲットを電子ビーム軌道より退避
させる手段を設けるようにしたものである。
【0019】
【作用】本発明によれば、上記したように、低エネルギ
ーの電子蓄積リングに強い集束作用と、あるいは又クー
リング作用を付加して、低エネルギーで大電流の電子蓄
積リングを実現するとともに、電子ビームのバンチ長を
短縮して、短パルスの放射光や短波長のコヒーレント放
射光の発生を促進し、自由電子レーザーのレーザー発振
を安定化し、更に高輝度制動放射を発生するために、通
常は1×10-10Torrの高真空に保たれる電子蓄積
リングのビームダクトにガスを導入し、このガス圧を適
切に調整する。ガスの種類としては、軽元素が好まし
く、水素ガスが最も適している。重元素を使う場合、電
子との衝突により、原子核反応が起こり、放射性物質が
生成することと、共鳴的な電子エネルギーの吸収のため
に電子ビームの加熱が起こり、本発明の目的に使用する
ことはできない。但し、電子エネルギーが8Mev以下
で核反応が起こらないときには、この限りではない。ガ
スの圧力が10-7Torr以上になると上記の効果が顕
著となるが、10-3Torr以上になるとビームの損失
という問題が顕著になりはじめる。しかし、ビームの損
失は高周波加速パワーに依存するので、大電力を投入で
きれば、それだけ大電流を蓄積でき、高輝度の放射線を
発生させることができる。
【0020】電子蓄積リングのビームダクトにガスを導
入することによる作用は次のようなものである。 (1)電子ビームによりイオン化されたイオンが電子軌
道上に滞在するため、イオンチャンネルが形成され、こ
れが電子ビームを強く集束する。磁場中では、このイオ
ンは、磁場に垂直な面で半径数mm程度のサイクロトロ
ン運動をし、磁場の方向に10-7sec/mm程度の電
子ビームの周回時間に比べてゆっくりとした速度でドリ
フトするために、電子ビームに繰り返し引きつけられて
長く電子軌道上に滞在する。一方、電子はもっと速い速
度でドリフトし、かつ電子ビームから反発を受けるため
に電子軌道上から散逸する。
【0021】(2)生成したイオンは、電子ビーム内に
おける電子間のクーロン力を遮蔽するために、クーロン
反発による電子ビームの損失を妨げ、ウエークフィール
ドを弱めてビーム不安定性を抑制し、大電流の蓄積を可
能にする。 (3)電子とイオンの散乱により制動放射が起こる。制
動放射はとりもなおさず高輝度X線の発生源である。制
動放射の強度は、電子エネルギーに比例する。そのスペ
クトルは、バンド幅をコンスタントとして測定すると
き、放射のエネルギーに反比例する。
【0022】(4)制動放射による電子のエネルギー損
失は、高エネルギーの電子ほど損失が大きいことから、
ビームの放射冷却、ダンピング効果がある。結果として
電子ビームは安定化する。イオンによる大電流の蓄積と
ビームの集束効果に加えて、シンクロトロン放射を補足
するダンピング効果は、挿入型自由電子レーザーや光蓄
積リングのレーザー発振を安定化し、出力を増加する。
【0023】(5)イオンの存在によるビーム不安定性
の抑制に加えて、制動放射による放射冷却は、シンクロ
トロン振動数を増加させるために、結果としてバンチ長
を短縮する効果がある。バンチ長の短縮は、コヒーレン
ト放射光の発生を増加する。ガスの導入は、一方で、核
子との散乱や高エネルギーの制動放射により、ビームの
損失を招くが、大部分は電磁的な散乱によるせいぜい数
100KeV以下のエネルギー損失であり、これが原因
でビーム寿命の短縮を招くものではない。低エネルギー
では、むしろ電子間のクーロン散乱がビーム寿命の原因
であり、これは既に述べたようにイオンの存在により緩
和され、ビーム寿命を延ばす働きがある。小型の電子蓄
積リングで高輝度のX線やコヒーレントシンクロトロン
放射光やレーザー出力を得るためには、電子蓄積リング
に大電流を蓄積することであるが、このためには、電
子ビーム寿命を適切に保つことと、電子ビームを外部
入射器から連続的に注入することで達成される。電子ビ
ームを外部から連続的に入射し、かつ電子の中心軌道を
変位させない方法は、共鳴入射法の採用である。
【0024】次に、完全円型電子蓄積リングの周囲を電
子ビームと同心円の光共振器を配置することにより、発
生する放射光、コヒーレント放射光及び制動放射を光共
振器に蓄積して光蓄積リング型自由電子レーザーのレー
ザー発振を行うことができる。この場合にも、水素ガス
を充填するようにすれば、電子ビームを安定化し、大電
流を蓄積し、バンチ長を短縮し、あるいは電子ビームの
クーリングを行いレーザー出力を安定化し、大出力を取
り出すことができる。
【0025】電子蓄積リングに光共振器を設置する場合
には、その出力は、長波長であるミリ波、サブミリ波、
遠赤外線、赤外線、可視光、紫外線が主なものとなる。
また、出力は1つのポートから取り出される。さらに本
発明によれば、50MeV程度の小型電子蓄積リングで
高輝度のX線を発生することができる。
【0026】高輝度X線を発生するために電子蓄積リン
グにターゲットとしての薄膜又はワイヤを挿入する。こ
の場合、ターゲットのある場所からのみX線が発生する
ので利用上好都合である。ただし、これにはビーム集束
効果やダンピング効果はない。制動放射は原子核の作る
クーロン電場を利用するところからシンクロトロン放射
機構に比べて高エネルギーのX線発生が容易であり、し
かも放射角はシンクロトロン放射と同様にキネマティク
スで決まるので、1/γとなる。回転対陰極などの強力
X線源との違いは、ターゲットに薄膜を利用した結果、
ターゲットを透過した電子を電子蓄積リングで繰り返し
利用し、制動放射で失ったエネルギーをリングの高周波
加速空洞で供給することにより極めて効率が高い点にあ
る。薄いターゲットを用いたことにより、X線がターゲ
ットで吸収されず、全て利用可能である点も利点であ
る。
【0027】制動放射のスペクトルは、放射光のように
臨界波長がなく、紫外線領域から電子エネルギーまで、
ほぼコンスタントである。50MeV電子リングを使用
した場合、紫外線、軟X線、ハードX線の領域で、出力
は、ブリリアンス(Brilliance)にして10
13光子/sec,mrad2 ,mm2 ,0.1%帯域幅
(band width)となり、超電導放射光源(電
子エネルギー0.6GeV)を上回る。電子蓄積リング
には複数のターゲットを挿入できるが、全光子数は入射
器のパワーとリングの高周波パワーにより決まるため、
ポート数が複数のとき光子数はポート数に応じて分割さ
れる。薄膜の挿入、引き出しによりX線の発生をON/
OFFできる点も放射光装置との大きな違いである。
【0028】
【実施例】本発明の実施例について図を参照しながら説
明する。図1は本発明の実施例を示すガス充填型電子蓄
積リングシステムの構成図、図2はそのガス充填型電子
蓄積リングの構成図、図3は本発明の実施例を示す水素
ガス封入下でのビーム電流とその寿命との関係を示す図
であり、横軸に蓄積電流値(mA)、縦軸にビーム寿命
(分)を示している。図4は本発明の実施例を示す水素
ガス封入下でのビーム電流とその垂直方向のビームサイ
ズの関係を示す図であり、横軸に蓄積電流値(mA)、
縦軸にサイズ(mm)を示している。図5は本発明の実
施例を示す水素ガス封入下でのビーム電流とその水平方
向のビームサイズの関係を示す図であり、横軸に蓄積電
流値(mA)、縦軸にサイズ(mm)を示している。図
6は、本発明の実施例を示す水素ガス封入下でのビーム
電流とそのバンチ長の関係を示す図であり、横軸に蓄積
電流値(mA)、縦軸にサイズ(cm)を示している。
図7は本発明の実施例を示す水素ガス封入下での制動放
射によるX線のスペクトルを示している。
【0029】本発明のガス充填型電子蓄積リングのもと
となる電子蓄積リングには、磁石の配列により色々な形
状のものがあり、いずれにも本発明を適用できるが、図
2は、完全円形電子蓄積リングの例である。電子蓄積リ
ング1は、磁石2、加速空洞3、ビームダクト4がその
主な構成要素である。電子は入射軌道10を通り、蓄積
軌道11に蓄積される。7はパータベータ、8は光取出
しポート、9は放射線取出しポート、12は真空排気装
置、13は光蓄積リング型自由電子レーザーのための光
共振器である。
【0030】電子の入射器としては、LINAC、シン
クロトロン、マイクロトロンを使用することが出来る
が、図1では、入射器としてレーストラック型マイクロ
トロン20を使用した例を示している。完全円形電子蓄
積リング1への電子の入射には、共鳴入射法を使用して
いるので、パータベータ7が使用される。電子蓄積リン
グ1の電子ビームをなるべく短バンチにする設計は、電
子エネルギーを低くすることと、強い磁場を使用してダ
ンピング時間を短くすることと、なるべく高い加速周波
数を用いることが基本である。たとえば、電子エネルギ
ー50MeV、軌道半径15cm、n値0.01、RF
周波数2.54GHzのとき、理論的なバンチ長は、
0.3mm程度となる。すなわち、光のパルス幅は1p
sとなる。但し、この値は、電子間の散乱〔Intra
beam scattering〕の影響により、大電
流では数mmになることを注意しなければならない。
【0031】電子蓄積リングは通常、ビームダクト4を
10-10 Torr以下の高真空に保ち、ガスとの散乱に
より周回する電子ビームが減衰するのを防ぐのが常識で
あるが、本発明のガス充填型電子蓄積リングは、このビ
ームダクト4にガスバルブ5を通してガスを導入する手
段6を設けることを特徴としている。ガスを導入する手
段6には、ガス圧を調整する手段を設けて、ガス圧を1
-9Torr以上に設定する。
【0032】ガスには水素ガスを使用するが、不純物の
混入を、その分圧が10-9Torr以下であるようにす
るのが望ましい。不純物は残留放射能の原因となる。電
子蓄積リング1へ水素ガスを導入することは、散乱によ
る電子ビームの減衰をもたらすが、一方で、電子ビーム
を強力に集束して安定化する。また、制動放射による高
輝度連続ハードX線を多量に発生する。
【0033】電子ビームの減衰のために、このような方
法は非現実的であると考えられてきたが、それを上回る
速度で電子ビームを注入することで、これを補償するこ
とも本発明の一部である。電子蓄積リング1へ電子ビー
ムを連続的に注入する方法は、共鳴入射法であり、その
ためのパータベータ7を電子軌道上に挿入する。これは
空芯コイルであり、動径方向に非線形の磁場を発生す
る。また、中心電子軌道上で勾配を持たない。共鳴入射
法は中心軌道の電子に変位を与えないのが特徴であるた
め、コヒーレント放射光や放射光の放出、高輝度X線の
発生、挿入型自由電子レーザーや光蓄積リングのレーザ
ー発振を妨げることなく大電流を貯蓄することが可能で
ある。
【0034】更に、X線の出力やレーザー出力やコヒー
レント放射光や放射光の出力を最大にするには、ガス圧
を最適に調整する手段を設けてビーム寿命を最適に保つ
ことである。電子蓄積リングにガスを導入すれば、ビー
ム寿命が減少するというのが常識的であるが、適当なガ
ス圧のときに、強いビーム集束作用と、寿命の伸張をも
たらすことが発見された。
【0035】まず、図3は電子エネルギー150Me
V、軌道半径0.5mの完全円形電子蓄積リングに1×
10-7程度のH2 ガスを導入したときの、ビーム寿命
(分)と蓄積電流値(mA)の相関を示したものであ
る。一般に、ビーム寿命は蓄積電流値が僅かなときは長
く、蓄積電流値と共に減衰する(図3における下降線3
2を参照)。図3は、蓄積電流値が僅かなときにそのよ
うな傾向を示すが、さらに蓄積電流値が増加すると再び
寿命が延びる現象がみられる。つまり、H2 ガスを導入
すると、500mAを超えたあたりから寿命が延びる現
象がみられる(図3における上昇線31を参照)。
【0036】次に、電子蓄積リングの電子ビームのサイ
ズ、即ち、断面形状とバンチ長(電子ビームはクラスタ
ーをなして周回する)は、磁石の集束作用とRF加速電
圧により制限を受け、ある一定サイズを越えることがで
きない。このため、蓄積電流値が増加すると、バンチ内
の電子の互いのクーロン反発力のためにビームサイズは
広がろうとし、低エネルギー電子では実際広がるが、あ
る限度を超すとビームは不安定となり、一定以上の電流
の蓄積が困難となる(図4の線34参照)。
【0037】これに対して、ガスを導入すると、電流値
と共に、図4に示すように、垂直方向にビーム径が増大
する(図4の上昇線33を参照)が、図5に示すよう
に、水平方向にはビーム径は一定以上に増加しない(図
5の線35,36参照)。特に、図6に示すように、バ
ンチ長が変化しない(図6における線37参照)にも関
わらず、大電流の蓄積が可能となる。これに対して、H
2 ガスを導入しない場合には、バンチ長は、電流値と共
に増加する(図6における線38参照)。H2 ガスを導
入したときの最大蓄積電流値は1Aを記録した。
【0038】以上の結果は、電子蓄積リングにH2 ガス
を導入したことによるものであるが、想定されること
は、電子軌道に沿ってH2 ガスが強くイオン化され、こ
のイオンの作るポテンシャルが、次にくる電子をビーム
軌道内に強く閉じ込める作用を果たすためである。即
ち、イオンチャンネルが形成される。イオンは磁場中で
は半径約1mmのサイクロトロン運動を行い、磁場に直
角に面内に閉じ込められ、磁場に沿ってゆっくりとドリ
フトする。
【0039】更にまた、ガスの導入により制動放射が発
生するが、これはより高エネルギーの電子に対してより
高エネルギーの放射を発生することから、放射光の発生
がそうであるように、電子ビームのダンピングと放射冷
却作用をもつ(冷却とは、電子ビームのエネルギー広が
りが小さくなることを意味する)。バンチ長が短くなっ
たのは、イオンの存在によりビーム不安定性が抑制され
たことと、あるいはこのダンピングと放射冷却作用によ
り、シンクロトロン振動数が大きくなったことと、イオ
ンによる集束作用に起因していると考えられる。
【0040】充填ガスとして水素ガスが適しているの
は、水素は核構造を持たないために、電子との衝突で原
子核反応が発生しないことによる。原子核反応が発生す
ると、第1に、電子エネルギーの減衰が激しく、電子ビ
ームの寿命が極端に短くなることである。第2に、原子
核反応は共鳴的であるために、エネルギーの減衰が離散
的であり、電子エネルギーに依存しないことから、ヒー
ティングが起こることである。
【0041】上記実施例は、150MeVの電子で、1
Aの蓄積電流を達成したものであるが、例えば、電子エ
ネルギー50MeV、軌道半径0.15mの超小型電子
蓄積リングの場合、これは10Aに相当する。小型電子
蓄積リングリングではバンチ長は0.3mmとなり、従
って、コヒーレント放射光の波長は、数100μmから
数10μmとなる。完全円形電子蓄積リングの磁石の外
径は1mとなるから、本発明のガス充填型電子蓄積リン
グは超小型のピコ秒パルス遠赤外線発生装置としてユニ
ークであり、さらには、フェムト秒パルスX線発生の有
力な手法を提供するものである。
【0042】次に、図7に本発明の実施例を示す水素ガ
ス封入下での制動放射による高エネルギーX線の検出例
を示す。この図において、横軸はX線エネルギー(ke
V)、縦軸はカウントを示している。スペクトルは2×
2インチのNaI検出器を使用したもので、約100k
eVから4MeVをカバーしている。NaIの検出効率
は1MeV以上では6%以下になるが、図7のスペクト
ルは補正を行っていない。データは電子エネルギー15
0MeV、蓄積電流値1〜200mA、ガス圧5×10
-7Torr、測定時間300secのときの測定であ
る。スペクトルは高エネルギーγ線のコンプトン散乱を
含む。100keV以下のX線については、計数率が高
くなりすぎて、ADCの不感時間が大きくなりすぎるた
めにカットしている。スペクトルの強度は理論値とよく
一致しており、低エネルギーではこのガス圧でも実用的
なX線量である。
【0043】次に、本発明の他の実施例について説明す
る。この実施例の装置は、光蓄積リングに用いる小型電
子蓄積リングを基本にしており、その電子蓄積リングの
軌道上にターゲットとしての数μmの薄膜又はワイヤな
どを挿入して制動放射を発生させるものである。制動放
射は原子核の作るクーロン電場を利用するところからシ
ンクロトロン放射機構に比べて高エネルギーのX線発生
が容易であり、しかも放射角はシンクロトロン放射と同
様にキネマティクスで決まるので、1/γとなる。回転
対陰極などの強力X線源との違いは、ターゲットに薄膜
を利用した結果、ターゲットを透過した電子を電子蓄積
リングで繰り返し利用し、制動放射で失ったエネルギー
をリングの高周波加速空洞で供給することにより極めて
効率が高い点にある。薄いターゲットを用いたことによ
り、X線がターゲットで吸収されず、全て利用可能であ
る点も利点である。
【0044】制動放射のスペクトルは、放射光のように
臨界波長がなく、紫外線領域から電子エネルギーまで、
ほぼコンスタントである。50MeV電子リングを使用
した場合、紫外線、軟X線、ハードX線の領域で、出力
は、ブリリアンス(Brilliance)にして10
13光子/sec,mrad2 ,mm2 ,0.1%帯域幅
(band width)となり、超電導放射光源(電
子エネルギー0.6GeV)を上回る。電子蓄積リング
には複数のターゲットを挿入できるが、全光子数は入射
器のパワーとリングの高周波パワーにより決まるため、
ポート数が複数のとき光子数はポート数に応じて分割さ
れる。薄膜の挿入、引き出しによりX線の発生をON/
OFFできる点も放射光装置との大きな違いである。
【0045】以下、上記したX線発生を主とした電子蓄
積リングの構造について述べる。 (A)超小型電子蓄積リング このような電子蓄積リングに必要なことは、入射効率が
高いこと、入射繰り返し数を多くできること、蓄積エネ
ルギーで連続的に入射できること、モーメンタムアパー
チャーが大きいこと等であり、多様なリングの可能性が
ある。即ち、レーストラック型でも完全円形型でも、そ
の他でも良い。既存のリングに適用することもできる。
電子エネルギーは、数10MeVから数100MeVま
で選択することができる。電子エネルギーによる差異
は、放射角が1/γに依存するため、エネルギーが高い
ほどX線ビームの輝度(Brightness)は高く
なる。しかし当然加速器は大型となり、入射器に対する
負荷も増大する。さらに不必要な高エネルギーγ線を発
生し、(γ,n)核反応に基づき中性子が発生する原因
となるため、エネルギーはなるべく低くするのが良い。
もちろん、電子エネルギーは目的とするX線のブリリア
ンスにより決定すべきことであり、中性子は遮蔽するこ
とができる。電子エネルギーが低すぎるに場合は、制動
放射のイールドに対して核子との弾性散乱が原因で電子
ビームの減衰が起こることと、ダンピング時間が長くな
るために常識的には適用できない。
【0046】このような装置をコマーシャライズする場
合、目標をX線リソグラフィーやアンジオグラフィーに
置くならば、50MeV程度の電子蓄積リングが適当で
ある。即ち、1/γが10mrad程度であるから、照
射野が10m離れて100mmφ程度となり、撮影視野
を大きくとることができる。完全円形リングを選択する
理由は、電子の入射に際して中心軌道の電子に影響を与
えない共鳴入射法を適用できるためである。結果として
光源点は入射に際して変動しない。これは、既存のオー
ロラで十分に実証されたことである。さらにまた、光蓄
積リングとしても最適なエネルギーであることは、十分
に考慮しなければならない。
【0047】図8はこのような本発明の他の実施例を示
すX線発生を行う完全円形超小型電子蓄積リングの断面
図である。この図において、21は完全円形超小型電子
蓄積リングであり、この電子蓄積リング21は、円筒磁
石22、加速空洞23、ビームダクト24、入射軌道2
5、蓄積軌道26、パータベータ27、光取出しポート
28、放射線取出しポート29を備えており、電子エネ
ルギー50MeV、軌道半径155.8mm、加速周波
数2.45GHz、磁場強度1.1T、磁場のn-
0.7の円筒型常電導磁石で構成される。電子蓄積リン
グへの電子の入射は、超電導放射光装置「オーロラ」で
実証された共鳴入射法である。ここでは2/3共鳴入射
を使用する。
【0048】更に、この装置は、ターゲット51を有し
ている。このターゲット51としては、10μm程度の
タングステンワイヤあるいは厚さ数10μmのカーボン
薄膜を電子軌道上に挿入すれば、X線発生の効率を上げ
ることができる。とりわけ、特定のポートだけからX線
を取り出すのに適している。この場合にも、ガスの場合
と同様に大電流を蓄積することが重要であるが、そのた
めにはビーム寿命を適切に保つ必要があり、それはワイ
ヤ又は薄膜の数によって調整する。
【0049】更に、この電子蓄積リングのパラメーター
を表1に揚げる。
【0050】
【表1】
【0051】この表1に示すように、n- 値は0.7、
エミッタンスは9.00E−7(πmrad)、エネル
ギーの広がり(ΔE/E)は2.00E−3、水平ビー
ムサイズは1.2(mm)、垂直ビームサイズは0.0
4(mm)、バンチサイズは9(mm)、水平ダンピン
グレートは50/sec、1A時のタウシェック寿命は
150/secである。
【0052】このX線発生装置では、ビームの集束作用
を強めるために、0.7程度の大きなn- 値を使用して
アクセプタンスを大きくする。また、超高真空は不要で
ある。通常の放射光源では、ビーム寿命を延ばすために
10-10 Torr超高真空を達成するが、50MeV電
子蓄積リングのタウシェック寿命は精々数分であり、薄
膜の挿入により、寿命はさらに短く数msecとなる。
従って、真空度は、10-7Torrで十分と言える。
【0053】(B)入射装置 入射装置は、マイクロトロンまたはライナック等の入射
器20と電子蓄積リングに入射軌道を作り出すパータベ
ータ27から構成される。既存の完全円形リングである
オーロラには、その他にマグネチックチャンネルやイン
フレータなどが使用され、円筒磁石22のフリンジング
フィールドを補正してビーム輸送の効率を上げるが、新
しいリングでは、フィールドクランプを用いることによ
りマグネチックチャンネルなしで十分に輸送効率を上げ
ることができる見込みである。従って、入射装置の数は
大幅に減少し、装置の信頼性が向上している。
【0054】入射器のパワーは大きければ、それだけ大
きなX線出力が得られる。後述するように、ピーク電流
値10A、繰り返し50Hzで運転したときのX線出力
は1010/s,mrad、0.1%band widt
hが期待される。入射はパータベータを起動する約0.
1μsの間の電子が捕獲される。従って、入射器のマク
ロパルスは0.1μs有ればよく、入射器の負荷を減ら
すためにプリバンチャーを用いるのが良い。入射器とし
てライナックを用いた場合のビームロードは250W程
度に抑えることができる。
【0055】(C)制動放射強度 小型電子蓄積リングでハードX線を発生する機構は、既
に述べたようにシンクロトロン放射機構ではなく、電子
ビーム軌道上に置かれたターゲットとしての薄膜または
細線などからの制動放射を利用するものである。電子蓄
積リングを使用することにより電子ビームを繰り返し利
用する点で通常の強力X線源とは異なっている。制動放
射のエネルギーは入射器20から投入されるとともに加
速空洞23でその損失分を補っている。ターゲットに薄
膜を利用することは、発生するX線を薄膜に吸収させな
い点で重要である。さらに電子エネルギーが相対論的で
あることから、制動放射の場合にも放射の広がりは放射
光と同様に電子ビームの前方にフォーカスする。その放
射の広がりはほぼ1/γとなる。更にまた、ターゲット
を使用することにより光源のサイズは実効的にターゲッ
トの大きさとなるため、電子ビームサイズより小さくす
ることができる。
【0056】制動放射の強度計算は、電子軌道上にター
ゲットを挿入したときに電子ビームかどれだけ減衰する
かを求め、平均電流値を求めて、電子1個の生成する制
動放射スペクトルに積算して求めることができる。制動
放射スペクトルは1940年代にBethe,Heit
ler,Shiffといった先人が角度、波長分布の計
算を量子力学的に行い、原子による電場の遮蔽効果の補
正も行っている。
【0057】(D)蓄積電流 電子蓄積リングの飽和蓄積電流値は、通常の放射光リン
グでは、高真空の場合は入射スピードとタウシェック散
乱によるビーム損失との兼ね合いで決まる。タウシェッ
ク散乱とは、バンチ内で電子同士が大角度のクーロン散
乱をして軌道上から散逸する現象であるから、低エネル
ギー及び大電流値で顕著になる。しかし、このような装
置におけるビーム損失は、主にターゲットによる弾性及
び非弾性散乱により決まる。
【0058】入射時の蓄積電流値(I)の変化は次の式
で与えられる。
【0059】
【数1】
【0060】右辺の第1項は、単位時間当りの入射電子
数にリングの周回周波数を掛けた量である。入射電子数
は、入射の回数(Injection Rate)、入
射効率(Injection Efficienc
y)、入射器のピーク電流値I0、パータベータが電子
を受け入れる時間幅δt で決まる。この電子数に蓄積リ
ングの周回周波数ωRFを掛けた値が実効的な入射電流値
となる。μはガス及びターゲットとの散乱による減衰の
割合であり、ηはタウシェック散乱による衰退の割合で
ある。
【0061】減衰量μは、ターゲットによる非弾性散乱
と弾性散乱により決まる減衰の割合であり、ターゲット
の原子数と厚さに依存するが、電流値には依存しない。
非弾性散乱は、主には制動放射であるが、イオン化によ
るロスと、薄膜の場合には遷移放射によるロスもある。
イオン化によるロスは僅かであり、以下では制動放射の
みを考慮している。遷移放射の強度は、制動放射に匹敵
し、そのエネルギーは50MeV電子では約5keVに
現れるので考慮すべきであるが、これはX線の強度を増
強こそすれ、減少することはなく、制動放射ほどにビー
ムを減衰することもないと判断されるので、これもここ
では省略する。
【0062】ガス及びターゲットとの散乱によるビーム
ロスは次のように定式化される。まず、制動放射である
非弾性散乱は、電子エネルギーの減衰をもたらす。この
減衰量が、加速電圧により決まる電子蓄積リングのモメ
ンタムハーフアパーチャー(Δp/p)max を越えると
電子ビームが失われる。このような減衰の断面積は、
【0063】
【数2】
【0064】で与えられる。ここでZはターゲットの原
子番号、re 古典電子半径である。モメンタムハーフ
アパーチャーは加速電圧により決まる量であり、磁場の
集束力にも依存する。完全円形リングで加速電圧100
keVを仮定すると、(Δp/p)max =0.06程度
が期待される。即ち、中心電子エネルギー50MeVに
対して±3MeVずれても電子はRFバケットに捕獲さ
れている。
【0065】原子核との弾性散乱により電子が大角度の
散乱を受けた時にベータトロン振動の振幅がリングのダ
イミックアパーチャーまたはビームダクトのアパーチャ
ーを越えるときにも電子ビームが失われる。この断面積
は、
【0066】
【数3】
【0067】で与えられる。ここで〈β〉は、水平方向
または垂直方向の最も大きい場所におけるベータトロン
振幅である。アクセプタンスAC は、実際にはビームダ
クトの半径bにより制限を受け、AC =b2 /βοとな
る。完全円形リングではベータトロン振幅はどこでも等
しく、〈β〉=βοとして良い。目標としている50M
eVのリングではビームダクトの半径bを30mmに設
定できる。なおダイナミックアパーチャーはこれよりも
はるかに大きな値である。(2)及び(3)式からわか
るように、制動放射によるビームロスは電子エネルギー
には依存しないが、弾性散乱は1/γ2 で電子エネルギ
ーと共に減衰する。従って電子エネルギーが高いほど弾
性散乱に対して制動放射の割合が増加するので、この点
では、電子エネルギーは高いほど良い。
【0068】ターゲットとの散乱によるビーム損失の割
合μは、(2)及び(3)式の散乱断面積を用いて次式
で与えられる。
【0069】
【数4】
【0070】ここで、nt は、ターゲットの密度、χt
はターゲットの厚さである。減衰率とビーム寿命τ0
間には、μ=(τ0 -1の関係がある。50MeV電子
蓄積リングに対するビームの減衰率を計算すると、厚さ
10μmのカーボン薄膜を用いた場合、非弾性散乱に対
して約7600/secとなり、弾性散乱に対して26
000/secとなる。寿命で言うならば、0.04m
secという短い時間であるが、平均して約1×104
回/secほど周回することを意味している。寿命が短
いとは言え、電子ビームを十分に繰り返し利用している
といって良い。もちろんこの値は、加速電圧を上ればさ
らに向上させることができる。
【0071】1万回と言う周回数は、電子が100mm
の厚さのターゲットを通過したことに相当するが、ライ
ナックからのビームを100mmの厚さのターゲットに
ぶつけても、同じX線の出力は得られない。発生するX
線はターゲット内で吸収され、さらに多重散乱により放
射角が広がる。もちろん、ブリリアンスをあげることも
出来ない。
【0072】飽和電流値は、入射と減衰がバランスした
ところで決まるので、dI/dt=0を解いて求めるこ
とができる。電子エネルギー50MeV、軌道半径15
0mm、n- 値0.7、RMSビームサイズ1.2×
0.04mm、バンチ長9mmの小型電子蓄積リングを
用いたときの制動放射強度の計算例を表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】この表2において、ターゲットとしてのカ
ーボンフォイル(C−foil)、カーボンワイヤ(C
−wire)、タングステンワイヤ(W−wire)の
それぞれについて、ターゲット粒子密度(/m3 )、原
子番号、ターゲットの厚さ(m)、ターゲット幅、有効
相互作用面積、光子数(/ターン・エレクトロン)、全
光子束(1keV光子)/A,0.1%band、光子
束(1keV光子)/mrad,A,0.1%ban
d、全放射エネルギー/electron(eV)、有
効相互作用面積/ビーム断面積、非弾性散乱によるビー
ム減衰率(/sec)、弾性散乱によるビーム減衰率
(/sec)、入射繰り返し数(Hz)、ピーク電流値
(A)、入射効率、飽和蓄積電流値(A)、光子束(1
keV光子)/mrad,A,0.1%band、ブリ
リアンスを求めている。
【0075】この表2から、入射器のピーク電流値10
A、繰り返し数50Hzで10μmのカーボンフォイル
を用いたときの蓄積電流値は約0.379Aとなる。カ
ーボンフォイルの代わりに幅10μmのカーボンワイヤ
を用いたときには0.143Aとなる。カーボンの代わ
りに、ダングステンのワイヤを用いた場合には、制動放
射の発生効率が高く、従って細いワイヤを使用すること
ができる。細いワイヤを使う結果、大電流を蓄積するこ
とになると、ビーム不安定性のために必要な電流を蓄積
できないことが起こるので、原子数の大きなターゲット
を用いて電流値を減らすのが適当である。
【0076】また、ターゲットの厚さや、ターゲットの
原子数を変えても入射器のパワーと蓄積リングのRFパ
ワーが等しければ、光子束は変わらない。ワイヤーの幅
が狭くなければ、ブリリアンスは向上する。 (E)制動放射ダンピング 入射の繰り返し数は、電子蓄積リングのダンピング速度
により決まる。ダンピングとはベータトロン振動が励起
したとき、これが1/eに減衰する速度である。共鳴入
射法は、故意にベータトロン振動を励起して入射する方
式であり、パータベータでこれを励起する。パータベー
タを切ると、放射ダンピングによりビームサイズが減衰
し、表1に示したビームサイズとなる。ダンピングはシ
ンクロトロン放射により起こるため、電子エネルギーと
軌道半径と加速電圧で決まる量である。入射は、ビーム
の水平方向のサイズがパータベータを励起しても影響を
受けない程度に小さくなれば、再開できるわけであり、
パータベータの磁場は、中心の約5mmにわたってフラ
ットである。50MeV電子蓄積リングのダンピング速
度は、約20msecであるから、繰り返し数100H
zは十分に許容の範囲である。但し、電子蓄積リングに
薄膜を挿入して制動放射を行わせるときビームダイナミ
ックの事情は少し異なっている。それは制動放射自体に
強いダンピング作用が期待される点である。シンクロト
ロン放射も制動放射も共にストカスティックな過程であ
る。制動放射として失われる分のパワーを加速空洞に投
入するならば、通常50MeVリングで想定される放射
ダンピングよりももっと高エネルギーの電子蓄積リング
で発生する放射ダンピングを小型のリングでも期待する
ことができる。このような装置では、50MeVリング
でもダンピング速度はGeVクラスのリング相当の数m
secとなる。従って、入射を100Hzで行うことは
現実的である。
【0077】(F)ブリリアンス 次に、この電子蓄積リングのブリリアンスを計算するた
めには、制動放射の角分布と光源のサイズを検討しなけ
ればならない。ここで光源のサイズはターゲットのサイ
ズと電子ビームサイズのどちらか小さい方の値となる。
制動放射の角分布はX線管の例で4πの広がり持ってい
ると考えがちであるが、実は電子と原子核の散乱にとも
ない運動学的に決まる量であるので、相対論的電子を使
う場合には1/γの広がりをもつことに注意しなければ
ならない。この点では放射光と同様である。放射光との
違いは、制動放射は0度方向で強度がゼロとなり、約1
/(2γ)の位置にピークをもつ点にある。強度分布
が、放射の光子エネルギーが低いほどシャープになる点
も放射光とは異なっている。放射光ではX線のエネルギ
ーが高いほど角分布はシャープになる。これに対し、制
動放射では電子がより大きな偏向を受けるときにより高
い光子エネルギーを放出するため、偏向の少ない低い光
子エネルギーで分布はよりシャープである。
【0078】この装置のブリリアンスは、制動放射の微
分断面積の式を用いて、次にように示すことができる。
【0079】
【数5】
【0080】ここで、Iefはターゲットに当たる実効的
な電流値であり、E0 は初期の電子エネルギー、Eは光
子を放出した後の電子エネルギーである。χt はワイヤ
厚さである。積分はσBr=1/γまで実施している。光
子のバンド幅は、比較のために放射光で使われる0.1
%バンド幅を適用し、dk=0.001kとしている。
【0081】光源の大きさをχx χy としているが、こ
れは既に述べたようにターゲットの大きさと電子ビーム
の大きさのどちらか小さい方の値である。ターゲットと
して、例えばタングステンのワイヤを横に使った場合、
χx の電子ビームの横方向のサイズであり、χy はワイ
ヤの幅となる。さて、電子軌道上に薄膜ではなくワイヤ
ーを挿入した場合、ターゲットの断面積χx χy がビー
ムの断面積Sbより小さいとき、電流値を計算する式
(4)には補正項が必要となる。即ち、式(4)にχx
χy /Sbを掛けた値が実際の減衰率である。従って、
減衰率μはχx χy /Sbに比例して小さくなり、飽和
蓄積電流値は逆比例して増大する。一方、制動放射の生
成率の計算は式(5)において実効的な電流値Iefを用
いるが、これは飽和電流値にχx χy /Sbを掛けた値
となる。電子蓄積リングで発生する制動放射の全発生光
子数は、結果として、ターゲットの断面積には依存しな
いことがわかる。ターゲットが小さければその分、大電
流が蓄積され、大きければ蓄積電流値が僅かとなる。同
様なことはターゲットの原子番号や厚さについても言う
ことができる。ただし、ターゲットの原子番号が小さす
ぎたりターゲットが細すぎて飽和電流値が大きくなりす
ぎると、タウシェック寿命が短くなったりビーム不安定
性が発生するため、ある程度厚いターゲットを用いてこ
れを避けるのが良い。
【0082】このようにして計算した50MeV電子蓄
積リングのブリリアンスを図9に示す。入射器のピーク
電流は50Aで、繰り返しが100Hzである。図9に
おいて、縦軸にブリリアンス、横軸に光子エネルギー
(eV)を表しており、50MeV電子蓄積リングにお
ける電子と内部ターゲット(1μm幅)との非弾性散乱
による制動放射スペクトルaが示されている。参考に小
型放射光源オーロラ500mAという大電流を蓄積した
ときのスペクトルbを示す。
【0083】(G)ターゲット機構 ターゲットには、目的に応じて様々な材質と形状のもの
を使うことができる。既に述べたように、制動放射の全
強度は、ターゲットの材質にも形状にもあまり存在しな
いが、輝度は、ターゲットに幅の狭いワイヤーを使うほ
ど高くすることができる。そのような場合、ターゲット
が細ければ細いほどターゲットの温度上昇が顕著となる
ため、ターゲット材質としては、融点が高く、膨張率が
低く、熱伝導率の大きな材質が優れている。また、磁場
中に挿入する場合には、非磁性体を使用するのが良い。
例えばタングステンやカーボンは、上記の要求をほぼ満
足するものである。ダイヤモンド薄膜の使用は、熱伝導
率が大きいので優れている。リソグラフィーやアンジオ
グラフィーの様に高輝度を必要とせず、広い照射野を必
要とし、なるべく強度の空間分布がフラットであること
を必要とする場合には、薄膜を使うのが良い。
【0084】次に、ワイヤーや薄膜の支持機構を検討す
るとき、発熱は、10μmのW−ワイヤーを使用したと
き1000℃程度となるから冷却は必要としないが、入
射器のパワーをピーク電流値10A、繰り返し数100
Hz以上で運転するときには、冷却機構を取り付けるの
が良い。冷却機構は、図10に示すように、ターゲット
としてのワイヤ51の支持体52に冷却配管53を設け
た構造とする。支持体52としては、磁場中に入れると
きにはやはり非磁性体でなければならない。膨張率が小
さい点でリン青銅を使用するのが良い。膨張によりワイ
ヤ51が切断することを避けるために、ワイヤ51にス
プリング機構51Aを取り付けるのも一つの方法であ
る。因みに、図10において、幅l1 は30mm、高さ
2 は10mmである。
【0085】ワイヤの冷却効率を上げるには、図11の
ように、ターゲットとしてのワイヤ61を駆動する方法
がある。すなわち、エンドレスのテンションを掛けたワ
イヤ61は、支持体62の係合溝62A、62B、62
Cにガイドされてホイール64に掛け、このホイール6
4を、例えばテンション機構63に設けられる超音波モ
ータ65にて駆動して、ワイヤ61を回転させるように
する。また、支持体62の突起66とテンション機構6
3間には押圧スプリング67が設けられ、テンション機
構63は支持体62のストッパ68で停止している。つ
まり、ワイヤ61に一定のテンションをかけ、緩まない
ようにしている。なお、因みに、図11において、l3
は30mmである。
【0086】また、ワイヤ61は冷却機構(図示なし)
を有する支持体62の係合溝62A,62B,62Cを
通過中に冷却されるようになっている。ワイヤ61の駆
動スピードは、温度上昇速度との兼ね合いによるが、1
0cm/分程度で良い。次に、図12はワイヤー駆動機
構を電子蓄積リングのビームダクトに装着した図であ
る。完全円形電子蓄積リングの場合は、磁石71のヨー
ク71Aを通して取り付ける。すなわち磁極71Bによ
って形成される電子ビーム軌道中心にターゲットとして
のワイヤ81と、その支持体82、その支持体82に連
結されるトランスファーロッド83と、その後端部には
磁石84が設けられ、これらは真空槽72に収納されて
いる。また、磁石71の中央部にはコイル73が配置さ
れている。更に、磁石84に作用し、トランスファーロ
ッド83を駆動する電磁装置74が配置されている。な
お、因みに、図12において、l4 は60mm、l5
200mm、l6 は150mm、l7 は150mm、l
8 は500mmである。
【0087】このように、トランスファーロッドを真空
槽72に直接取り付けることができる。電磁装置74は
トランスファーロッド83の磁石84に作用して、ター
ゲットとしてのワイヤ81を出し入れできる機構にして
いる。勿論、トランススファーロッドでなくても、回転
機構を含めた様々な機構を採用することができる。これ
は、制動放射を発生しないときに、待避するための機構
である。
【0088】ターゲットは電子蓄積リング上の複数の場
所に装着されるが、利用しないときには待避しておくの
が望ましい。更に、ターゲットとしては、上記した薄膜
やワイヤ以外にも、細い片、積層体や結晶などを用いる
ようにしてもよい。既に述べたように、1台の電子蓄積
リングで発生できる全制動放射量は、一定であるため、
ターゲットの数を減らせば、それだけ1カ所からの放射
の発生量が増加する。高輝度の放射が必要なときには、
挿入ターゲットを1本にして最大放射量を獲得するのが
良い。
【0089】また、上記した50MeV電子蓄積リング
は、γ=100であり、±10mradという広がり角
を持つ。高輝度であるにもかかわらず広い放射角を持つ
のが1つの特徴である。そして、放射角が大きにも関わ
らず光源点のサイズが小さいため、これをウオルターミ
ラーで集束させれば、更に高輝度のX線ビームが得られ
る。通常の分析利用では、ブリリアンスが重要であるか
ら、集光ミラーを導入するのが良い。しかし、医学利用
でアンジオグラフィーや超ULSI製造のためのX線リ
ソグラフィーのように、広い照射野を必要とする場合に
は、この広い放射角は好都合である。放射光を利用した
場合問題なのは、指向性が高すぎて視野が狭いことにあ
る。視野を広げるために被写体をスキャンニングしたり
ミラーで視野を広げている。このような装置では、その
ような操作をしなくても30×30cm程度の十分広い
視野を得ることができる。
【0090】原子力利用で注目されるのは、放射性廃棄
物処理のための核消滅技術である。核消滅には15Me
V以上のγ線を必要とする。単色のγ線を出すことがで
きれば、最も効率が良く、いくつかの方式が検討されて
いる。レーザービームと電子ビームを正面衝突させて逆
コンプトン散乱によりレーザーの波長変換を行うのは1
つの方法であるが、散乱断面積が非常に小さく、現在ま
でのところ必要なフラックスは得られていない。本装置
からの出力は図9のように連続スペクトルであるから、
必要な波長に対する総合出力効率としては劣るものの、
制動放射の散乱断面積は逆コンプトン散乱に比べて10
000倍以上に登り、現在のところこれ以外に実用的な
γ線ソースは見あたらない。
【0091】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能で
あり、それらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0092】
【発明の効果】以上、詳細に述べたように、本発明によ
れば、以下のような効果を奏することができる。 (1)低エネルギーの電子ビームを安定化し、大電流を
蓄積し、放射光装置の超小型化を図ることができる。
【0093】(2)電子ビームとガスの散乱によりハー
ドX線領域の短波長から赤外線の長波長にわたる高輝度
の制動放射を超小型の電子蓄積リングで発生させること
ができる。 (3)大電流低エネルギーの電子ビームのバンチ長を短
縮して、サブピコ秒領域のパルス幅を持つ放射光及びコ
ヒーレント放射光及び制動放射を発生させることができ
る。
【0094】(4)更に、低エネルギー電子蓄積リング
にイオンによるビーム不安定の抑制と大電流の蓄積とと
もにあるいは制動放射によるダンピングとクーリング効
果を付加したことにより、挿入型自由電子レーザーや光
蓄積リング型自由電子レーザーの出力を安定化し、高出
力化することができる。 (5)電子蓄積リングの軌道上にターゲットとしての数
10μmの薄膜又はワイヤなどを挿入して制動放射を発
生させるようにしたので、ラボラトリーサイズの高輝度
X線源を提供することができ、X線利用の形態を大きく
変える。即ち占有利用を可能にする。X線リソグラフィ
ーでは、X線源を既存の光プロセスラインに組み込むこ
とを可能とし、アンジオグラフィーも病院で実現可能と
なる。大型共同施設を用いた医学利用は実用にはほど遠
いので、そのような分野への適用が見込まれる。更に、
小型高輝度X線源は、飛行機などの大型装置の欠陥検査
を可能にする。こうしてハードX線利用はさらに分野が
広がると予想される。
【0095】このように、従来、国立研究所の超大型施
設でしか行い得なかった高輝度X線の利用がテーブルト
ップ装置で実現することになる。そればかりか、これら
の施設でも発生困難な100keV領域のハードX線の
利用が可能となる。さらに、将来の利用分野としては、
(1)分析利用、(2)微細加工、(3)光化学などが
中心であったが、新たに(4)医学診断、治療、(5)
原子力関連利用を付け加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すガス充填型電子蓄積リン
グシステムの構成図である。
【図2】本発明の実施例を示すガス充填型電子蓄積リン
グの構成図である。
【図3】本発明の実施例を示す水素ガス封入下でのビー
ム電流とその寿命との関係を示す図である。
【図4】本発明の実施例を示す水素ガス封入下でのビー
ム電流とその垂直方向のビームサイズの関係を示す図で
ある。
【図5】本発明の実施例を示す水素ガス封入下でのビー
ム電流とその水平方向のビームサイズの関係を示す図で
ある。
【図6】本発明の実施例を示す水素ガス封入下でのビー
ム電流とそのバンチ長の関係を示す図である。
【図7】本発明の実施例を示す水素ガス封入下での制動
放射による高エネルギーX線の検出例である。
【図8】本発明の他の実施例を示す超小型電子蓄積リン
グの構成図である。
【図9】本発明の他の実施例を示す50MeV電子蓄積
リングを用いた超小型電子蓄積リングのブリリアンスを
示す図である。
【図10】本発明の他の実施例を示す超小型電子蓄積リ
ングのワイヤ装置の第1実施例を示す図である。
【図11】本発明の他の実施例を示す超小型電子蓄積リ
ングのワイヤ装置の第2実施例を示す図である。
【図12】本発明の他の実施例を示す超小型電子蓄積リ
ングのワイヤ装置の第3実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 電子蓄積リング 2,71,84 磁石 3,23 加速空洞 4,24 ビームダクト 5 ガスバルブ 6 ガスを導入する手段 7,27 パータベータ 8,28 光取出しポート 9,29 放射線取出しポート 10,25 入射軌道 11,26 蓄積軌道 12 真空排気装置 13 光共振器 20 レーストラック型マイクロトロン 21 完全円形超小型電子蓄積リング 22 円筒磁石 51,61,81 ワイヤ又は薄膜ターゲット 51A スプリング機構 52,62,82 支持体 53 冷却配管 62A,62B,62C 係合溝 63 テンション機構 64 ホイール 65 超音波モータ 66 突起 67 押圧スプリング 68 ストッパ 71A ヨーク 71B 磁極 72 真空槽 73 コイル 74 電磁装置 83 トランスファーロッド

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子蓄積リングの電子軌道上に10-9
    orr以上のガスを導入し、周回する電子ビームにより
    前記ガスをイオン化し、このイオンにより前記電子ビー
    ムを集束させ、大電流電子ビームの蓄積を可能にしたこ
    とを特徴とする電子蓄積リングを用いた放射線発生方
    法。
  2. 【請求項2】 電子蓄積リングの電子軌道上に10-9
    orr以上のガスを導入し、周回する電子ビームを前記
    ガスと衝突させることにより制動放射を発生させること
    を特徴とする電子蓄積リングを用いた放射線発生方法。
  3. 【請求項3】 放射線発生装置である電子蓄積リングの
    電子軌道上に10-9Torr以上のガスを導入し、周回
    する電子ビームを前記ガスと衝突させることによりガス
    をイオン化し、かつ制動放射を発生させて電子ビームの
    バンチ長を短縮して短パルス放射光及びコヒーレント放
    射光の発生を促進させることを特徴とする電子蓄積リン
    グを用いた放射線発生方法。
  4. 【請求項4】 自由電子レーザーを得る電子蓄積リング
    の電子軌道上に10 -9Torr以上のガスを導入し、周
    回する電子ビームを前記ガスと衝突させることによりガ
    スをイオン化し、かつ制動放射を発生させてレーザー出
    力を増強することを特徴とする電子蓄積リングを用いた
    放射線発生方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の電子蓄積
    リングを用いた放射線発生方法において、前記ガスとし
    て核構造を持たない、従って放射化しない水素ガスを用
    いたことを特徴とする電子蓄積リングを用いた放射線発
    生方法。
  6. 【請求項6】 電子蓄積リングの電子軌道上にターゲッ
    トを配置し、周回する電子ビームを前記ターゲットと衝
    突させることにより制動放射を発生させ、高輝度放射線
    を発生させることを特徴とする電子蓄積リングを用いた
    放射線発生方法。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    電子蓄積リングを用いた放射線発生方法において、中心
    軌道の電子に外乱を与えることなく、電子ビームを外部
    から連続的に入射し、大電流電子ビームの蓄積を可能に
    したことを特徴とする電子蓄積リングを用いた放射線発
    生方法。
  8. 【請求項8】 磁石と粒子加速装置とビームダクトを有
    する電子蓄積リングにおいて、(a)電子蓄積リングの
    電子軌道上にガスを導入してガス圧を調整する手段と、
    (b)周回する電子ビームにより前記ガスをイオン化
    し、更にイオンを電子軌道上に滞在させる手段と、
    (c)入射器を用いて電子ビームを連続的あるいは間欠
    的に入射する手段を具備し、電子ビームを安定化して、
    大電流電子ビームを蓄積することと、ガスと電子の散乱
    による制動放射に基づく高輝度放射線を発生すること
    と、コヒーレント放射光を含む高輝度放射光を発生する
    ことのいずれかあるいは全てを有することを特徴とする
    電子蓄積リング。
  9. 【請求項9】 電子蓄積リングの直線部を利用した挿入
    型自由電子レーザ又は直線部分を持たない、光共振器を
    配置した電子蓄積リングにおいて、(a)電子蓄積リン
    グの電子軌道上にガスを導入してガス圧を調整する手段
    と、(b)周回する電子ビームにより前記ガスをイオン
    化し、該イオン化されたイオンを電子軌道上に滞在させ
    る手段と、(c)入射器を用いて電子ビームを連続的あ
    るいは間欠的に入射する手段を具備し、電子ビームを安
    定化して、大電流電子ビームを蓄積することによりレー
    ザー出力を増強したことを特徴とする電子蓄積リング。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載の電子蓄積リング
    において、中心軌道の電子には外乱を与えないような電
    子ビームの入射法を採用するようにしたことを特徴とす
    る電子蓄積リング。
  11. 【請求項11】 磁石と粒子加速装置とビームダクトを
    有する電子蓄積リングにおいて、(a)電子蓄積リング
    の電子軌道上にターゲットを導入する手段と、(b)入
    射器を用いて電子ビームを連続的あるいは間欠的に入射
    して大電流電子ビームを蓄積する手段と、(c)前記タ
    ーゲットと電子の散乱による制動放射に基づく高輝度放
    射線を発生させる手段とを具備することを特徴とする電
    子蓄積リング。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の電子蓄積リングにお
    いて、前記ターゲットとして薄膜又はワイヤを用いるこ
    とを特徴とする電子蓄積リング。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の電子蓄積リングにお
    いて、前記ターゲットの支持体に冷却手段を具備するこ
    とを特徴とする電子蓄積リング。
  14. 【請求項14】 請求項11記載の電子蓄積リングにお
    いて、前記ターゲットの駆動手段を具備することを特徴
    とする電子蓄積リング。
  15. 【請求項15】 請求項11記載の電子蓄積リングにお
    いて、前記ターゲットを電子ビーム軌道より退避させる
    手段を具備することを特徴とする電子蓄積リング。
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