JPH0753271B2 - 洗浄方法 - Google Patents

洗浄方法

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JPH0753271B2
JPH0753271B2 JP3358996A JP35899691A JPH0753271B2 JP H0753271 B2 JPH0753271 B2 JP H0753271B2 JP 3358996 A JP3358996 A JP 3358996A JP 35899691 A JP35899691 A JP 35899691A JP H0753271 B2 JPH0753271 B2 JP H0753271B2
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政幸 上江田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、仏像や仏壇等を洗浄
する洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記仏像や仏壇等の仏具は基材として木
製部分を備え、その表面に金箔や漆を施したものが多く
みられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記仏具は
長期間使用すると、これに塵や線香の煙等が付着して、
輝きが失われるなど、見栄えが低下することになる。
【0004】そこで、従来では、上記仏具の表面をふき
取ることにより、これの洗浄を行っているが、仏具は複
雑な形状をしていることが多く、しかも、金箔や漆は剥
れ易いものであるため、上記洗浄作業は極めて煩雑であ
る。
【0005】また、上記洗浄を水洗いで行うことが考え
られるが、このような水洗いは洗浄後の水処理が煩雑で
ある。また、仏具表面の金箔や漆に自然劣化などによる
ひび割れや欠損が生じていると、この部分を通して内部
の木製部分に水分が染み込み、金箔等が剥れ易くなるな
ど、洗浄が、これら仏具の損傷を助長するおそれがあ
る。
【0006】更に、上記水洗いによる不都合を回避する
ため、上記洗浄を泡洗浄により行うことが考えられる
が、泡洗浄後に泡が仏具の表面で乾燥すると、この仏具
の表面は清浄にならない。そこで、上記泡洗浄後に、泡
をふき取ることが考えられるが、これでは、前記した単
なるふき取りと同じく、洗浄作業が煩雑となる。
【0007】一方、上記洗浄をアルコール等の溶剤で行
うことが考えられるが、このような溶剤は高価であると
共に、水洗いによる洗浄と同じく、洗浄後の溶剤の処理
が煩雑である。
【0008】
【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、仏具など被洗浄物の洗浄が容易に
行われるようにし、しかも、洗浄に、できるだけ水を用
いないようにして、被洗浄物損傷が生じないようにす
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の特徴とするところは、被洗浄物を洗剤によ
って泡洗浄し、この後、この被洗浄物の表面に上記泡洗
浄による泡が残留している間に、同上被洗浄物に溶剤を
注いで上記泡を洗い流し、次に、同上被洗浄物の表面か
ら上記溶剤を蒸発させる点にある。
【0010】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。
【0011】被洗浄物1の洗浄は泡32,33によって
なされる。このため、第1に、被洗浄物1の表面をふき
取るなど、この表面に直接的に大きな外力を加える必要
がなく、労力は少なくて足りる。しかも、第2に、水洗
いに比べて所要水量は極めて少量で足り、その後の水処
理は容易である。
【0012】また、上記泡洗浄の後、同上被洗浄物1
表面に上記泡洗浄による泡32,33が残留している間
に、同上被洗浄物1に溶剤36を注ぐようにしてある。
【0013】即ち、泡32,33はこれが乾燥する前
に、上記溶剤36により被洗浄物1の表面から洗い流さ
れるのであり、このため、この被洗浄物1の表面からの
洗剤の除去は、より確実に、かつ、迅速に行われる。
【0014】しかも、上記被洗浄物1の表面から溶剤3
6を蒸発させるようにしてあり、このため、上記洗浄
後、被洗浄物1の表面に残留している各洗剤や水分が、
共沸作用によって溶剤36と共に蒸発させられ、これら
が被洗浄物1の表面に残留することが防止される。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。
【0016】(第1実施例)
【0017】図において、符号1は被洗浄物たる仏像
(仏具)である。また、2は洗浄装置である。
【0018】上記洗浄装置2は、アルカリ性洗剤容器
3、酸性洗剤容器4、および水容器5を有し、上記アル
カリ性洗剤容器3には、アルカリ性洗剤が充填されてい
る。このアルカリ性洗剤は起泡剤である中性洗剤にカセ
イソーダ(NaOH)を混合したもので、pHは9〜1
0程度である。また、前記酸性洗剤容器4には酸性洗剤
が充填されている。この酸性洗剤は同上中性洗剤にクエ
ン酸や酢酸を混合したものでpH7程度である。更に、
上記水容器5には水が充填されている。そして、上記各
容器3,4,5には、それぞれバルブ7,8,9と可撓
性供給パイプ10とを介して噴射ノズル11が接続され
ている。
【0019】また、13は空気圧縮機で、この空気圧縮
機13の吐出口は、可撓性加圧パイプ14とバルブ1
5,16,17とを介して上記各容器3,4,5に接続
され、かつ、可撓性分岐パイプ19とバルブ20を介し
て前記噴射ノズル11に接続されている。
【0020】更に、上記空気圧縮機13の吐出口には、
可撓性圧縮空気パイプ21とバルブ22とを介してエア
ーガン23が接続されている。
【0021】25は吸入装置で、この吸入装置25は吸
入ポンプ26と、この吸入ポンプ26の吐出口に連結さ
れる収容器27とを備えている。また、この吸入装置2
5の吸入口にはバルブ28と可撓性吸入パイプ29とを
介して吸入ノズル30が連結されている。
【0022】また、35は溶剤付着装置で、これは溶剤
36の入った容器37と、この容器37内の溶剤36を
吸い上げて噴射するスプレーガン38とで構成され、上
記溶剤36は、スプレーガン38により噴霧39にされ
て、被洗浄物1に注がれる。
【0023】上記溶剤36はイソプロピルアルコール
(IPA)が好ましいが、その他、アセトン、ベンゼ
ン、フッ素系等の溶剤であってもよい。
【0024】次に、上記洗浄装置2により、被洗浄物1
を洗浄する方法につき説明する。
【0025】まず、第1工程として、バルブ7とバルブ
15を開き、かつ、バルブ20を少し開き、噴射ノズル
11からアルカリ性洗剤と圧縮空気の混合物をある時間
だけ噴射させる。そして、このとき生じる無数の泡32
で被洗浄物1の表面を覆い、泡洗浄を行う。この場合、
アルカリ性洗剤が硬すぎれば泡32が生じにくいため、
アルカリ性洗剤容器3内に少し水を注入して、アルカリ
性洗剤を軟らかくする。
【0026】そして、上記泡32で被洗浄物1の表面を
覆った状態をある時間(30〜60秒)保つ。すると、
アルカリ性洗剤は上記洗浄装置2の隅々に付着して各部
を洗浄し、かつ、除菌も行う。なお、この際、ブラシや
布等で被洗浄物1表面を軽く掃くように洗浄してもよ
い。
【0027】次に、第2工程として、バルブ28を開
き、吸入ノズル30により上記泡32を吸引し、これを
被洗浄物1の表面から除去する。この際、上記泡32は
消泡されながら収容器27内に溜められる。なお、こ
第2工程はなくてもよい。
【0028】次に、第3工程として、バルブ8とバルブ
16を開き、かつ、バルブ20を少し開き、噴射ノズル
11から酸性洗剤と圧縮空気の混合物をある時間だけ噴
射させる。そして、このとき生じる無数の泡33で被洗
浄物1の表面を覆い、泡洗浄を行う。この場合、酸性洗
剤が硬すぎれば泡33が生じにくいため、酸性洗剤容器
4内に少し水を注入して、酸性洗剤を軟らかくする。
【0029】そして、上記酸性洗剤の泡33で被洗浄物
1の表面を覆うと、この泡33によって上記被洗浄物1
が更に洗浄されると共に、この酸性洗剤により、被洗浄
物1の表面に残っているアルカリ性洗剤が中和される。
つまり、アルカリ性洗剤の化学的性質に基づく被洗浄物
1の損傷が防止される。この場合、中和になったか否か
はリトマス試験紙により検出する。
【0030】なお、上記アルカリ性洗剤や酸性洗剤にお
いて、起泡剤として、中性洗剤に代え、もしくはこれと
共に、これ以外の界面活性剤を混合させてもよい。
【0031】次に、第4工程として、上記バルブ28を
開いて、吸入ノズル30により上記泡33を吸引し、こ
れを被洗浄物1の表面から除去する。この際も、上記泡
33は消泡されながら収容器27内に溜められる。な
お、この第4工程はなくてもよい。
【0032】次に、第5工程として、被洗浄物1の表面
上の泡32,33に対し消泡剤(リンス)を吹きかけ
もよいが、この第5工程はなくてもよい。
【0033】次に、第6工程として、上記被洗浄物1の
表面に泡32,33が残っている間に、スプレーガン3
8の操作により、溶剤36の噴霧39を被洗浄物1の表
面に注いで、被洗浄物1の表面に残留していた各泡3
2,33を上記溶剤36により洗い流して消泡さる。
この状態から溶剤36は蒸発しようとするが、この際、
同上被洗浄物1の表面に残留していた各洗剤、これ以外
の界面活性剤、および水分が共沸作用によって、上記溶
剤36の蒸発と共に強制的に蒸発除去させられ、これら
が被洗浄物1の表面に残留することが防止される。
【0034】なお、上記被洗浄物1に対溶剤36を注
ぐ場合、この溶剤36を溶液のままで注いでもよく、ノ
ズルを通し圧縮空気によって溶剤36を噴射させてもよ
い。
【0035】(第2実施例)
【0036】洗浄装置2は、前記第1実施例のものを用
いる。
【0037】まず、前記第1実施例で示した第1、第2
工程を行い、アルカリ性洗剤のみによる泡洗浄を行う。
【0038】次に、前記第6工程を行い、被洗浄物1の
表面に溶剤36を注ぐことにより、この被洗浄物1の表
面に残留していた泡32を洗い流して消泡させると共
に、同上被洗浄物1の表面に残留していたアルカリ性洗
剤等を溶剤36と共に蒸発除去させる。
【0039】次に、最終工程として、被洗浄物1の表面
に更に残留しているアルカリ性を中和させる。
【0040】この場合の中和剤としては、pH4〜5の
クエン酸、もしくはpH4〜5のクエン酸を5〜20重
量%(好ましくは約10重量%)含むpH5〜6のイソ
プロピルアルコールを用いる。そして、この中和剤を圧
縮空気や手動によるスプレーガンで噴射させて、これを
被洗浄物1の表面に付着させる。もしくは、同上中和剤
を布に含浸させて被洗浄物1の表面に圧着、もしくは軽
く接触させて中和させる。
【0041】上記の場合、各pH値は被洗浄物1の素材
によって適正値が異なるため、適宜対処すればよい。
【0042】なお、この実施例における各工程のより具
体的な構成は、前記第1実施例と同様である。
【0043】
【発明の効果】この発明によれば、被洗浄物の洗浄は泡
によるものであり、このため、第1に、被洗浄物の表面
をふき取るなど、この表面に直接的に大きな外力を加え
る必要がなく、労力は少なくて足りる。しかも、第2
に、水洗いに比べて所要水量は極めて少量で足り、その
後の水処理は容易である。よって、上記洗浄は容易にで
きることとなる。
【0044】更に、上記洗浄によれば、上記したように
被洗浄物の表面に加わる外力は極めて小さいため、被洗
浄物の表面の損傷が防止される。しかも、上記したよう
に、洗浄に要する水量は極めて少なくて足りるため、被
洗浄物に対する水の染み込みが防止され、水分による被
洗浄物の損傷も防止される。
【0045】しかも、上記泡洗浄の後、同上被洗浄物
表面に上記泡洗浄による泡が残留している間に、同上被
洗浄物に溶剤を注ぐようにしてある。
【0046】即ち、泡はこれが乾燥する前に、上記溶剤
により被洗浄物の表面から洗い流さ れるのであり、この
ため、この被洗浄物の表面からの洗剤の除去は、より確
実に、かつ、迅速に行われる。
【0047】よって、この点でも、上記洗浄は容易にで
きることとなる。
【0048】また、同上被洗浄物の表面は上記溶剤によ
っても効果的に洗浄されることから、被洗浄物の表面が
より清浄になる。
【0049】しかも、上記被洗浄物の表面から溶剤を蒸
発させるようにしてあり、このため、上記洗浄後、被洗
浄物の表面に残留している各洗剤や水分が、共沸作用に
よって溶剤と共に蒸発させられ、これらが被洗浄物の表
面に残留することが防止される。
【0050】よって、洗浄により被洗浄物に水分等が残
留して、これが被洗浄物を損傷させるという不都合の発
生が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体簡略線図である。
【符号の説明】
1 被洗浄物 2 洗浄装置 32 泡 33 泡 36 溶剤

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被洗浄物を洗剤によって泡洗浄し、この
    、この被洗浄物の表面に上記泡洗浄による泡が残留し
    ている間に、同上被洗浄物に溶剤を注いで上記泡を洗い
    流し、次に、同上被洗浄物の表面から上記溶剤を蒸発さ
    せる洗浄方法。
JP3358996A 1991-12-28 1991-12-28 洗浄方法 Expired - Lifetime JPH0753271B2 (ja)

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