JPH05138134A

JPH05138134A - 洗浄方法

Info

Publication number: JPH05138134A
Application number: JP33435391A
Authority: JP
Inventors: Masayuki Kamieda; 政幸上江田
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1991-11-21
Filing date: 1991-11-21
Publication date: 1993-06-01

Abstract

(57)【要約】【目的】仏具など被洗浄物の洗浄が効果的、かつ、容
易に、しかも、損傷を防止しながらできるようにする。【構成】被洗浄物１の洗浄方法を、被洗浄物１をアル
カリ性洗剤によって泡洗浄する第１工程と、上記第１工
程の後に、同上被洗浄物１を酸性洗剤によって泡洗浄す
る第２工程とで構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、仏像や仏壇等を洗浄
する洗浄方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記仏像や仏壇等の仏具は基材として木
製部分を備え、その表面に金箔や漆を施したものが多く
みられる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記仏具は
長期間使用すると、これに塵や線香の煙等が付着して、
輝きが失われるなど、見栄えが低下することになる。そ
こで、従来では、上記仏具の表面をふき取ることによ
り、これの洗浄を行っているが、仏具は複雑な形状をし
ていることが多く、しかも、金箔や漆は剥れ易いもので
あるため、上記洗浄作業は極めて煩雑である。また、上
記洗浄を水洗いで行うことが考えられるが、このような
水洗いは洗浄後の水処理が煩雑である。また、仏具表面
の金箔や漆に自然劣化などによるひび割れや欠損が生じ
ていると、この部分を通して内部の木製部分に水分が染
み込み、金箔等が剥れ易くなるなど、これら仏具の損傷
を助長するおそれがある。

【０００４】

【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、仏具など被洗浄物の洗浄が効果的、
かつ、容易に、しかも、損傷を防止しながらできるよう
にすることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の特徴とするところは、被洗浄物をアルカリ
性洗剤によって泡洗浄する第１工程と、上記第１工程の
後に、同上被洗浄物を酸性洗剤によって泡洗浄する第２
工程とで構成した点にある。

【０００６】

【作用】上記構成による作用は次の如くである。被洗
浄物１を洗浄する場合には、まず、第１工程として、上
記被洗浄物１をアルカリ性洗剤で洗浄するが、このよう
にアルカリ性洗剤で洗浄したままでは、その化学的性質
によって、被洗浄物１の表面が損傷することとなる。そ
こで、上記第１工程の後に、第２工程として、同上被洗
浄物１を酸性洗剤によって洗浄する。すると、この酸性
洗剤によって上記被洗浄物１が更に洗浄されると共に、
上記アルカリ性洗剤が中和される。

【０００７】また、上記各洗浄は泡３２，３３によるも
のである。このため、第１に、被洗浄物１の表面をふき
取るなど、この表面に直接的に大きな外力を加える必要
がなく、労力は少なくて足りる。しかも、第２に、水洗
いに比べて所要水量は極めて少量で足り、その後の水処
理は容易である。

【０００８】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。図において、符号１は被洗浄物たる仏像（仏具）で
ある。また、２は洗浄装置である。上記洗浄装置２は、
アルカリ性洗剤容器３、酸性洗剤容器４、および水容器
５を有し、上記アルカリ性洗剤容器３には、アルカリ性
洗剤が充填されている。このアルカリ性洗剤は起泡剤で
ある中性洗剤にカセイソーダ（ＮａＯＨ）を混合したも
ので、ｐＨは９〜１０程度である。また、前記酸性洗剤
容器４には酸性洗剤が充填されている。この酸性洗剤は
同上中性洗剤にクエン酸や酢酸を混合したものでｐＨ７
程度である。更に、上記水容器５には水が充填されてい
る。そして、上記各容器３，４，５には、それぞれバル
ブ７，８，９と可撓性供給パイプ１０とを介して噴射ノ
ズル１１が接続されている。

【０００９】また、１３は空気圧縮機で、この空気圧縮
機１３の吐出口は、可撓性加圧パイプ１４とバルブ１
５，１６，１７とを介して上記各容器３，４，５に接続
され、かつ、可撓性分岐パイプ１９とバルブ２０を介し
て前記噴射ノズル１１に接続されている。更に、上記空
気圧縮機１３の吐出口には、可撓性圧縮空気パイプ２１
とバルブ２２とを介してエアーガン２３が接続されてい
る。

【００１０】２５は吸入装置で、この吸入装置２５は吸
入ポンプ２６と、この吸入ポンプ２６の吐出口に連結さ
れる収容器２７とを備えている。また、この吸入装置２
５の吸入口にはバルブ２８と可撓性吸入パイプ２９とを
介して吸入ノズル３０が連結されている。

【００１１】次に、上記洗浄装置２により、被洗浄物１
を洗浄する方法につき説明する。まず、第１工程とし
て、バルブ７とバルブ１５を開き、かつ、バルブ２０を
少し開き、噴射ノズル１１からアルカリ性洗剤をある時
間だけ噴射させる。そして、このとき生じる無数の泡３
２で被洗浄物１の表面を覆い、泡洗浄を行う。この場
合、アルカリ性洗剤が硬すぎれば泡３２が生じにくいた
め、アルカリ性洗剤容器３内に少し水を注入して、アル
カリ性洗剤を軟らかくする。

【００１２】そして、上記泡３２で被洗浄物１の表面を
覆った状態をある時間（３０〜６０秒）保つ。すると、
アルカリ性洗剤は上記洗浄装置２の隅々に付着して各部
を洗浄し、かつ、除菌も行う。なお、この際、ブラシや
布等で被洗浄物１表面を軽く掃くように洗浄してもよ
い。

【００１３】次に、バルブ２８を開いて、吸入ノズル３
０により上記泡３２を吸引し、これを被洗浄物１の表面
から除去する。この際、上記泡３２は消泡されながら収
容器２７内に溜められる。なお、この吸引工程はなくて
もよい。

【００１４】次に、第２工程として、バルブ８とバルブ
１６を開き、かつ、バルブ２０を少し開き、噴射ノズル
１１から酸性洗剤をある時間だけ噴射させる。そして、
このとき生じる無数の泡３３で被洗浄物１の表面を覆
い、泡洗浄を行う。この場合、酸性洗剤が硬すぎれば泡
３３が生じにくいため、酸性洗剤容器４内に少し水を注
入して、酸性洗剤を軟らかくする。

【００１５】そして、上記酸性洗剤の泡３３で被洗浄物
１の表面を覆うと、この泡３３によって上記被洗浄物１
が更に洗浄されると共に、この酸性洗剤により、被洗浄
物１の表面に残っているアルカリ性洗剤が中和される。
つまり、アルカリ性洗剤の化学的性質に基づく被洗浄物
１の損傷が防止される。なお、中和になったか否かはリ
トマス試験紙により検出する。

【００１６】次に、上記バルブ２８を開いて、吸入ノズ
ル３０により上記泡３３を吸引し、これを被洗浄物１の
表面から除去する。この際も、上記泡３３は消泡されな
がら収容器２７内に溜められる。なお、この吸引工程は
なくてもよい。

【００１７】次に、バルブ９とバルブ１７を開いて噴射
ノズル１１から水を少量だけ噴射させ、被洗浄物１の表
面をすすぐ。なお、被洗浄物１の表面に酸性洗剤が多少
残っても、被洗浄物１には悪影響が無いため、このすす
ぎ工程はなくてもよい。また、この場合、上記すすぎ工
程に代え、もしくはこの工程と共に、被洗浄物１の表面
上の泡３３に対し消泡剤（リンス）を吹きかけるように
してもよい。

【００１８】なお、上記アルカリ性洗剤や酸性洗剤にお
いて、起泡剤として、中性洗剤に代え、もしくはこれと
共に、これ以外の界面活性剤を混合させてもよい。ま
た、上記アルカリ性洗剤や酸性洗剤にイソプロピルアル
コールのような乾燥剤を加え、これにより被洗浄物１を
泡洗浄するようにしてもよい。このようにすると、泡３
２，３３における上記乾燥剤が、洗剤からの水分の蒸発
を促進し、界面活性剤が短期間に粉末化して、粉末洗剤
となる。そして、このように粉末化した後は、この粉末
洗剤を吸入ノズル３０によって吸引し、もしくは、バル
ブ２２を開き、エアーガン２３からの噴射空気により吹
き飛ばせば、この粉末洗剤を容易に除去できる。よっ
て、水によるすすぎ工程を不要とすることができる。更
に、上記被洗浄物１は仏具に限定されるものではない。

【００１９】

【発明の効果】この発明によれば、まず、第１工程とし
て、上記被洗浄物をアルカリ性洗剤で洗浄する。この
際、洗剤はアルカリ性であるため、中性や酸性洗剤に比
べて、洗浄は効果的に行われる。なお、上記アルカリ性
洗剤で洗浄したままでは、その化学的性質によって、被
洗浄物の表面が損傷することとなる。そこで、上記第１
工程の後に、第２工程として、同上被洗浄物を酸性洗剤
によって洗浄する。すると、この酸性洗剤によって上記
被洗浄物が更に洗浄されると共に、上記アルカリ性洗剤
が中和され、上記化学的性質に基づく損傷の発生が防止
される。

【００２０】また、上記各洗浄は泡によるものであり、
このため、第１に、被洗浄物の表面をふき取るなど、こ
の表面に直接的に大きな外力を加える必要がなく、労力
は少なくて足りる。しかも、第２に、水洗いに比べて所
要水量は極めて少量で足り、その後の水処理は容易であ
る。よって、上記洗浄は容易にできることとなる。更
に、上記洗浄によれば、上記したように被洗浄物の表面
に加わる外力は極めて小さいため、この点でも、被洗浄
物の表面の損傷が防止される。しかも、上記したよう
に、洗浄に要する水量は極めて少なくて足りるため、被
洗浄物に対する水の染み込みが防止され、水分による被
洗浄物の損傷も防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】全体簡略線図である。

【符号の説明】

１被洗浄物２洗浄装置３２泡３３泡

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】被洗浄物をアルカリ性洗剤によって泡洗
浄する第１工程と、上記第１工程の後に、同上被洗浄物
を酸性洗剤によって泡洗浄する第２工程とで構成した洗
浄方法。