JP2000176389A - 医療器具の洗浄方法および医療器具の洗浄装置 - Google Patents

医療器具の洗浄方法および医療器具の洗浄装置

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JP2000176389A
JP2000176389A JP10358271A JP35827198A JP2000176389A JP 2000176389 A JP2000176389 A JP 2000176389A JP 10358271 A JP10358271 A JP 10358271A JP 35827198 A JP35827198 A JP 35827198A JP 2000176389 A JP2000176389 A JP 2000176389A
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Koichi Shibata
浩一 芝田
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Yokogawa Denshikiki Co Ltd
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Yokogawa Denshikiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 狭隘な隙間に侵入した汚れを除去することが
でき、蛋白質を主成分とする汚れが医療器具に凝固して
付着するおそれがなく、さらに剪刀類の刃先の欠損も防
止できる。 【解決手段】 医療器具に付着する汚れを落ちやすくさ
せる予備洗浄工程と、医療器具に温水を噴射してその表
面を洗い流す洗浄工程と、医療器具に熱水を注いで消毒
するすすぎ工程と、医療器具に温風を吹き付けて乾燥す
る乾燥工程とを備える。予備洗浄工程を、蛋白質分解酵
素を含有する洗浄液中に医療器具を浸漬するとともに洗
浄液を撹拌する工程とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療器具の洗浄方
法及び該方法を好適に実施し得る医療器具の洗浄装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、医療器具の洗浄装置として、次に
示すものが知られている。 バスケットに収納された医療器具に対し、低温水から
高温水まで温度調整可能な温水ノズルから温水を噴射さ
せて、医療器具に付着する汚れを洗い流すもの、 バ
スケットに収納された医療器具を温水(約60℃)中に
浸すとともに、温水中に蒸気をジェット噴射させ、この
噴射流を利用して医療器具に付着する汚れを除去するも
の、バスケットに収納された医療器具を水あるいは温
水中に浸し、超音波を利用して医療器具に付着する汚れ
を除去するもの等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の医療器具の洗浄装置にあっては、それぞれ次の
欠点があった。すなわち、の温水ノズルから温水を噴
射させるものでは、医療器具の内部にまで入り込んでい
る汚れ、例えば、止血剥離鉗子のヒンジ部分であるボッ
クスロック内の狭隘な隙間に入り込んだ汚れの除去は非
常に困難であった。このため、機械洗浄では落ちにくい
汚れを予め下洗いして除去したり、あるいは、機械洗浄
後、やはり手作業で汚れが落ちていない部分を除去する
という人手による洗浄作業が必要であった。また、の
蒸気によるジェット噴流を利用するものでは、医療器具
に付着している汚れが蛋白質を主成分とする場合(血液
等の汚れは蛋白質が主成分である)、高温により凝固し
て医療器具自体に強く付着していまい、機械洗浄のみで
は汚れをとることはできない。このため、前記と同様
に、人手によって凝固・付着した蛋白質の汚れを除去し
なければならなかった。また、の超音波を利用したも
のでは、衝撃力が強すぎて手術用のメス等の剪刀類の刃
先を損傷させていまうという問題があった。この剪刀類
を損傷させる問題は、洗浄時間を長く行えば行うほど顕
著であった。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
でその目的とするところは、洗浄が困難であった鉗子類
のボックスロック部内の汚れ等、医療器具の狭隘な隙間
に侵入した汚れを除去することができ、汚れが蛋白質の
場合でも医療器具に凝固して付着するおそれがなく、さ
らに剪刀類の刃先を欠損することもない、医療器具の洗
浄方法及び該方法を好適に実施し得る医療器具の洗浄装
置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1にかかる医療器具の洗浄方法では、医療器
具に付着する汚れを落ちやすくさせる予備洗浄工程と、
前記医療器具に温水を噴射してその表面を洗い流す洗浄
工程と、前記医療器具に熱水を注いで消毒するすすぎ工
程と、前記医療器具に温風を吹き付けて乾燥する乾燥工
程とを備える医療器具の洗浄方法において、前記予備洗
浄工程が、蛋白質分解酵素を含有する洗浄液中に、前記
医療器具を浸漬する工程であることを特徴とする。
【0006】請求項2にかかる医療器具の洗浄方法で
は、請求項1にかかる医療器具の洗浄方法において、前
記予備洗浄工程における、前記医療器具を浸漬させる洗
浄液が撹拌されることを特徴とする。
【0007】請求項3にかかる医療器具の洗浄方法で
は、請求項1または2にかかわる医療器具の洗浄方法に
おいて、前記洗浄液として、中性洗剤を用いることを特
徴とする。
【0008】請求項4にかかる医療器具の洗浄方法で
は、請求項1〜3のいずれかに記載の医療器具の洗浄方
法において、前記予備洗浄工程における、前記医療器具
を浸漬させる洗浄液の温度が35℃〜48℃の範囲に保
たれていることを特徴とする。
【0009】請求項5にかかる医療器具の洗浄装置で
は、ケーシングと、該ケーシングの下部に設けられて洗
浄液を貯めるタンクと、前記タンク内に貯められた洗浄
液を撹拌する撹拌手段と、内部に洗浄対象となる医療器
具を収納して前記タンク内に浸漬されるバスケットと、
前記バスケットを挟んでその上部あるいは下部の少なく
とも何れか一方に設けられて、前記洗浄液が除去された
状態の前記バスケット内に収納されている医療器具に温
・熱水を噴射するスプレーと、前記バスケット内に収納
されている医療器具に温風を吹き付ける温風供給手段と
を備えることを特徴とする。
【0010】本発明によれば、予備洗浄として、蛋白質
分解酵素を含有する洗浄液中に、医療器具を浸漬するも
のであるから、この予備洗浄工程中において、蛋白質分
解酵素が、例えば鉗子類のボックスロック部のような、
医療器具の狭隘な隙間に侵入し、そこに付着している血
液等の蛋白質を主成分とする汚れを分解する。このた
め、その後の洗浄工程では、分解された蛋白質を主成分
とする汚れが速やかに洗い流されることとなる。このた
め、洗浄中に蛋白質による汚れが凝固して医療器具に強
く付着することもなく、また、剪刀類の刃先を欠損する
こともない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明にかかる医療器具の洗浄装置の側面
図、図2は同医療器具の洗浄装置の正面図である。これ
らの図において符号1はケーシングであり、このケーシ
ング1の中央から若干下方に下がった箇所には洗浄液を
貯めるタンク2が設けられている。また、タンク2の下
部であってタンク中心から若干ずれた箇所には、タンク
内に貯められる洗浄液を撹拌するための、インペラ3、
及び、該インペラ3を回転させるためのモータ4からな
る撹拌手段5が設けられている。
【0012】前記タンク2には図示せぬステーが設けら
れ、このステーによって、内部に洗浄対象となる医療器
具を収納する下段バスケット6がタンク2の高さ方向略
中央に位置するように支持される。また、この実施の形
態での洗浄装置では、下段バスケット6の上方位置に上
段バスケット7が、ケーシング1から延びる図示せぬス
テーによって支持されるようになっている。
【0013】前記下段バスケット6は主に鉗子類や剪刀
類を洗浄するために用いられるものであり、上段バスケ
ット7は主に容器類を洗浄するために用いられる。な
お、前記タンク2に洗浄液が上限まで満たされた場合で
も、上段バスケット7は洗浄液中に浸らないようになっ
ている。
【0014】また、前記ケーシング1内には、上段洗浄
回転アーム9A、中段洗浄回転アーム、9B、下段洗浄
回転アーム9Cがそれぞれ所定間隔をあけて、かつそれ
ぞれが回転するように設けられている。上段洗浄回転ア
ーム9Aの下部、中段洗浄回転アーム9B上部及び下
部、下段洗浄回転アーム9Cの上部には、ぞれぞれ温水
噴射ノズル10と精製水噴射ノズル11が設けられ、そ
れら噴射ノズル10、11から噴射される温水・熱水あ
るいは精製水が、上段バスケット7あるいは下段バスケ
ット6に収納されている医療器具等に上下両方向から当
たるようになっている(図3参照)。
【0015】なお、前記上中下段回転アーム9A〜9C
には回転手段が連結され、それら回転アーム9A〜9C
は一定速度で回転されるようになっている。回転手段
は、ポンプ13Aとそれから延びる配管13Bとからな
り、ポンプ13Aから配管13Bを通じて供給される所
定圧の精製水あるいは熱水により噴射回転されるように
なっている。中段洗浄回転アーム9Bは、その下方に配
置される下段バスケット6の出し入れが可能なように、
一端側がヒンジ結合されて水平状態と傾斜状態の姿勢が
選択できる支持板9BBに取り付けられている(図12
点鎖線参照)。
【0016】また、ケーシング1内には、前記下段ある
いは上段バスケット6、7内に収納されている医療器具
に温風を吹き付ける温風供給手段15が組み込まれてい
る。温風供給手段15は、ケーシング1の天板に取り付
けられたフィルター及びヒーター付きのブロアー16
と、ケーシングに一体的に設けられてブロアー16から
送られてくる温風を前記上下段バスケット6、7近傍ま
で導くダクトと、該ダクトに設けられダクトを通して送
られてくる温風を上下段バスケット6、7内に収納され
ている医療器具等に向けて噴射させるノズル18によっ
て構成される(図3参照)。なお、19はバスケット
6、7をケーシング1内に出し入れするための窓付きド
アである。
【0017】次に、上記医療器具の洗浄装置を用いた洗
浄方法について説明する。ここでいう洗浄方法は、図3
及び図4に示すように、医療器具に付着する汚れを落ち
やすくさせる予備洗浄工程30と、前記医療器具に温水
を噴射してその表面を洗い流す洗浄工程31と、前記医
療器具に熱水を注いで消毒するすすぎ工程32と、前記
医療器具に熱風を吹き付けて乾燥する熱風乾燥工程33
とからなる。
【0018】前記予備洗浄工程30について説明する
と、予備洗浄をするには、まず洗浄装置のドア19を開
け、中段回転アーム9Bを下部の支持板9BBごとヒン
ジ部を中心に傾斜させて、主に鉗子類や剪刀類を収納し
た下段バスケット6をタンク2内にセットする。次い
で、中段回転アーム9Bを水平状態となるよう戻し、そ
の上方に主に容器類を収納した上段バスケット7をセッ
トする。なお、容器類等の洗浄が不要なときには上段バ
スケット7をセットする必要はない。上段バスケット7
をセットした場合には、図3(a)中Saで示すよう
に、洗浄液をタンク2内の下部に貯め、上段バスケット
7内に収納された容器類に対し予備洗浄をする。すなわ
ち、上段バスケット7中に収納されている容器類に対
し、上段回転アーム9Aに下向きに取り付けられている
温水噴射ノズル10及び中段回転アーム9Bに上向きに
取り付けられている温水噴射ノズル10から、それぞれ
洗浄液を所定圧で吹き付ける。このとき、洗浄液に洗剤
は注入しなくてもよいが、仮に注入する場合には無泡性
の中性洗剤を使用するのが好ましい。洗浄液の温度は3
5〜48℃とし、より好ましくは42.5℃とする。こ
の上段バスケット7内の容器類に対する洗浄時間は2〜
3分程度とする。上記予備洗浄が終了し、この時点で洗
浄液の汚れ具合を調べ、汚れがひどい場合には洗浄液を
一旦排出する。また、汚れがあまりひどくない場合に
は、そのまま洗浄液を図3(b)中Sbで示すようにタ
ンク2内の中程まで充填し、下段バスケット6内に収納
されている鉗子類や剪刀類等の器具が洗浄液中に浸るよ
うにする。なお、上段バスケット7をセットしない場合
には、図3(b)に示すように、洗浄液をSbで示すタ
ンク2内の中程まで充填し、下段バスケット6内に収納
されている鉗子類や剪刀類等の器具が洗浄液中に浸すこ
とから始める。
【0019】洗浄液には蛋白質分解酵素が含まれてお
り、この蛋白質分解酵素が、例えば鉗子類のボックスロ
ック部内のような医療器具の狭隘な隙間に侵入し、そこ
に付着している血液等の蛋白質を主成分とする汚れを分
解する。蛋白質分解酵素としては、35℃〜48℃の範
囲で活性力の強いものが好ましい。これは、あまり高い
温度では蛋白質を凝固させるためであり、そのような凝
固を防ぎつつ酵素の活性化を促進する意味からである。
また、洗浄液がアルカリ性あるいは酸性であると、通常
金属製からなる医療器具に錆が生じるのを促進させるこ
ととなり好ましくない。このため、洗浄液はPH6〜8
の中性とするのが好ましく、勿論、蛋白質分解酵素とし
ても中性で活性が強いものを用いるのが好ましい。この
ような要求を満たす蛋白質分解酵素としては、アスヘル
ギルス オリザエからのかびプロテアーゼ、バチルス ブ
チリスからの細菌プロチアーゼ等が挙げられる。
【0020】図5は、蛋白質分解酵素を含有する洗浄液
を使用し、該洗浄液の温度を種々違えて鉗子類を洗浄し
た場合に、洗浄後の洗浄液中に残存する蛋白質の量を色
素結合法(クーマシーブリリアントブルーG250)を
用いて調べたものである。横軸には洗浄液の温度、縦軸
には洗浄液中に残存する蛋白質の量を表す色素濃度をと
っている。色素濃度が高いことは洗浄度が高いことを示
す。この図からもわかるように、洗浄液の温度が42.
5℃のときが最も洗浄度が高く、この温度を境として、
それより下がると洗浄度は低くなり、また、それより上
がっても洗浄度は低くなる。この図からも、洗浄液の温
度が35℃〜48℃が好ましいのがわかる。
【0021】上記のように下段バスケット6に収納され
ている鉗子類、剪刀類等医療器具を洗浄液中に所定時間
(汚れの度合いによっても異なるが、例えば5分間ある
いは10分間程度)静止状態で浸した後、撹拌手段5に
よって洗浄液を撹拌する。これは、汚れが付着している
部分に常に新たな蛋白質分解酵素を供給するためであ
る。このように洗浄液を撹拌することによって、医療器
具に付着している汚れの分解度を飛躍的に高めることが
できる。
【0022】次に、洗浄工程31に移るが、その前に、
上段バスケット7内の容器類に対する温水噴射を一旦停
止させるとともに、タンク2内に貯えられている洗浄液
をドレン孔から排出する。
【0023】再び、図3(a)中Saで示すように、洗
浄液をタンク2の下部に貯め、この状態で、図3(c)
に示すように上中下段回転アーム9A〜9Cにそれぞれ
取り付けられている温水噴射ノズル10,…,から温水
を噴射し、下段及び上段バスケット6、7内に収納され
ている医療器具等に当てる。このようにスプレー洗浄す
ることによって、医療器具等に付着している汚れを噴射
流を利用して吹き飛ばす。このとき同時に、医療器具等
に付着している洗剤も洗い流す。洗浄が終わったら、タ
ンク2内に貯えられている洗浄液をドレン孔から排出す
る。
【0024】次に、すすぎ工程32に移るが、すすぎ工
程32は、熱水消毒工程32Aと仕上げすすぎ工程32
Bに分かれる。熱水消毒工程32Aでは、図3(a)中
Saで示すように、洗浄液をタンク2内の下部に貯め、
上中下段回転アーム9A〜9Cにそれぞれ取り付けられ
ている温水噴射ノズル10,…,から熱水(約93℃)
を噴射し、下段及び上段バスケット6、7内に収納され
ている医療器具に当てる。この熱水を噴射する時間は1
0分程度である。これにより医療器具を消毒する(細菌
芽胞を除く全ての微生物が死滅する)。洗浄が終わった
ら、タンク2内に貯えられている洗浄液をドレン孔から
排出する。
【0025】その後の仕上げすすぎ工程32Bでは、上
中下段回転アーム9A〜9Cにそれぞれ取り付けられて
いる精製水噴射ノズル11,…,から常温の精製水を噴
霧し、下段及び上段バスケット6、7に収納されている
医療器具等に当てる。このように精製水を消毒後の医療
器具に噴霧するのは、上記消毒処理に使用される熱水に
は一般的にカルシウム、マグネシウム等の種々の成分を
含有する水道水が使用され、仕上げすすぎ工程32Bを
経ることなく乾燥した場合には、このようなカルシウム
やマグネシウムの成分が医療器具の表面に析出すること
となり、このような事態を防止するためである。つま
り、噴霧した精製水によって、医療器具の表面についた
水道水を洗い流すのである。
【0026】次いで、温風乾燥工程33に移る。ここで
は、ブロアー16からダクトを介して送られてくる温風
が、ダクトに設けられたノズル18から勢い良く噴射さ
れて、上下段バスケット6、7内に収納されている医療
器具に当たる。これにより、医療器具の表面にある水滴
が吹き飛ばされたり蒸発されたりして乾燥が促進され
る。なお、温風の吹き出し温度は110℃前後が好まし
い。
【0027】上述した医療器具の洗浄方法であると、予
備洗浄工程30として、蛋白質分解酵素を含有する洗浄
液中に、医療器具を浸漬するものであるから、この予備
洗浄工程中30において、蛋白質分解酵素が、例えば鉗
子類のボックスロック部内のような医療器具の狭隘な隙
間に侵入し、そこに付着している血液等の蛋白質を主成
分とする汚れを分解する。このため、その後の洗浄工程
31では、分解された蛋白質等の汚れが速やかに洗い流
されることとなる。このため、蛋白質による汚れが医療
器具に凝固して付着することもなく、また、剪刀類の刃
先を欠損することもない。
【0028】図6は、従来のように洗浄液(アルカリ性
の洗剤を含んだもの)を噴射のみして洗浄する噴射洗浄
方式と、本発明のように洗浄液に一度浸した後に洗剤を
含まず単に温水のみを噴射して洗浄する浸漬・撹拌+噴
射洗浄方式とを、前述の色素結合法により調べ、その比
較を表したものである。具体的には、医療機器等の洗浄
対象物を洗浄液(蛋白質分解酵素を含むもの)に浸漬し
ただけのもの、浸漬を10分間行った後洗浄液を噴射し
たもの、浸漬を5分間行った後洗浄液を噴射したもの、
ある種のアルカリ性洗剤を含む洗浄液を噴射したもの、
他の種類のアルカリ性洗剤を含む洗浄液を噴射したもの
をそれぞれ比較した。
【0029】縦軸には洗浄後の鉗子に付着する残存汚れ
(主に血液の蛋白質)をとり、横軸には時間をとってい
る。この図の場合、色素濃度が低いことは残存する汚れ
が少ないこと、つまり洗浄度が高いことを示す。この図
から明らかなように、単に洗浄液を噴射する噴射洗浄方
式では、30分以上洗浄を行っても汚れは完全には取り
除けないのに対し、本発明の浸漬+噴射洗浄方式のもの
では、10分間浸漬をしたものあるいは5分間浸漬をし
たものいずれも、20分以上の洗浄で汚れが完全に除去
できることがわかった。なお、浸漬時間を比べると、5
分間行ったものより10分間行ったものの方が、高い洗
浄効果が得られることがわかった。
【0030】また、特に、上記洗浄方法では、蛋白質分
解酵素を含有する洗浄液中に医療器具を静止状態で浸漬
した後、撹拌手段5によって洗浄液を撹拌しているか
ら、たとえ、蛋白質を主成分とする汚れが医療器具の狭
隘な隙間に付着している場合でも、そのよう狭隘な隙間
に新たな酵素を常に供給できるとともに、該酵素によっ
て分解された分解物を常に除去することができ、もって
汚れの分解度を飛躍的に高めることが可能となった。
【0031】
【発明の効果】請求項1にかかる医療器具の洗浄方法に
よれば、医療器具に付着する汚れを落ちやすくさせる予
備洗浄工程と、前記医療器具に温水を噴射してその表面
を洗い流す洗浄工程と、前記医療器具に熱水を注いで消
毒するすすぎ工程と、前記医療器具に温風を吹き付けて
乾燥する乾燥工程とを備える医療器具の洗浄方法におい
て、前記予備洗浄工程を、蛋白質分解酵素を含有する洗
浄液中に前記医療器具を浸漬する工程としたから、この
予備洗浄工程中に、蛋白質分解酵素が医療器具の狭隘な
隙間に侵入し、そこに付着している血液等の蛋白質を主
成分とする汚れを分解することとなり、分解物はその後
の洗浄工程で速やかに洗い流される。このため、蛋白質
による汚れを速やかに除去することができ、同汚れが熱
によって凝固し医療器具に強固に付着することがなく、
また、剪刀類の刃先を欠損するといった不具合も回避で
きる。
【0032】請求項2にかかる医療器具の洗浄方法によ
れば、予備洗浄工程における医療器具を浸漬させる洗浄
液を撹拌させており、たとえ、蛋白質を主成分とする汚
れが医療器具の狭隘な隙間に付着している場合でも、そ
のよう狭隘な隙間に新たな酵素を常に供給できるととも
に、該酵素によって分解された分解物を除去することが
でき、もって蛋白質除去効果を飛躍的に高めることがで
きる。
【0033】請求項3にかかる医療器具の洗浄方法によ
れば、前記洗剤として中性洗剤を用いているから、通常
ステンレス鋼等の金属で作られている医療器具が洗浄に
よって錆び易くなるのを未然に防止することができる。
【0034】請求項4にかかる医療器具の洗浄方法によ
れば、予備洗浄工程における医療器具を浸漬させる洗浄
液の温度を35℃〜48℃の範囲に保つので、汚れの主
成分である蛋白質が凝固するのを防止しつつ酵素の活性
化を促すことができ、もって、洗浄力をより高めること
ができる。
【0035】請求項5にかかる医療器具の洗浄装置によ
れば、ケーシングと、該ケーシングの下部に設けられて
洗浄液を貯めるタンクと、前記タンク内に貯められた洗
浄液を撹拌する撹拌手段と、内部に洗浄対象となる医療
器具を収納して前記タンク内に浸漬されるバスケット
と、前記バスケットを挟んでその上部あるいは下部の少
なくとも何れか一方に設けられて、前記洗浄液が除去さ
れた状態の前記バスケット内に収納されている医療器具
に温・熱水を噴射するスプレーと、前記バスケット内に
収納されている医療器具に温風を吹き付ける温風供給手
段とを備えるので、上記した本発明の方法を好適に実施
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す医療器具の洗浄装
置の側面図である。
【図2】 本発明の実施の形態を示す医療器具の洗浄装
置の正面図である。
【図3】 本発明の実施の形態を示す医療器具の洗浄方
法を説明する模式図である。
【図4】 本発明の実施の形態を示す医療器具の洗浄方
法を説明する工程図である。
【図5】 洗浄液の温度を変えたときの洗浄力の違いを
説明する図である。
【図6】 洗浄液に医療器具を浸漬した後温水を噴射す
るときと、単に洗浄液を噴射するときとの洗浄効果の比
較を行った図である。
【符号の説明】
1…ケーシング、2…タンク、5…撹拌手段、6…下段
バスケット、7…上段バスケット、9A〜9c…洗浄回
転アーム、10…温水噴射ノズル、11…精製水噴射ノ
ズル、15…温風供給手段、16…ブロアー、30…予
備洗浄工程、31…洗浄工程、32…すすぎ工程、32
A…熱水消毒工程、32B…仕上げすすぎ工程、33…
…熱風乾燥工程。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医療器具に付着する汚れを落ちやすくさ
    せる予備洗浄工程(30)と、前記医療器具に温水を噴
    射してその表面を洗い流す洗浄工程(31)と、前記医
    療器具に熱水を注いで消毒するすすぎ工程(32)と、
    前記医療器具に温風を吹き付けて乾燥する乾燥工程(3
    3)とを備える医療器具の洗浄方法において、 前記予備洗浄工程が、蛋白質分解酵素を含有する洗浄液
    中に、前記医療器具を浸漬する工程であることを特徴と
    する医療器具の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記予備洗浄工程における、前記医療器
    具を浸漬させる洗浄液が撹拌されることを特徴とする請
    求項1記載の医療器具の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 前記洗浄液として、中性洗剤を用いるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の医療器具の洗浄
    方法。
  4. 【請求項4】 前記予備洗浄工程における、前記医療器
    具を浸漬させる洗浄液の温度が35℃〜48℃の範囲に
    保たれていることを特徴とする範囲請求項1〜3のいず
    れかに記載の医療器具の洗浄方法。
  5. 【請求項5】 ケーシングと、 該ケーシングの下部に設けられて洗浄液を貯めるタンク
    (2)と、 前記タンク内に貯められた洗浄液を撹拌する撹拌手段
    (5)と、 内部に洗浄対象となる医療器具を収納して前記タンク内
    に浸漬されるバスケット(6)と、 前記バスケットを挟んでその上部あるいは下部の少なく
    とも何れか一方に設けられて、前記洗浄液が除去された
    状態の前記バスケット内に収納されている医療器具に温
    ・熱水を噴射するスプレー(10、11)と、 前記バスケット内に収納されている医療器具に温風を吹
    き付ける温風供給手段(15)とを備えることを特徴と
    する医療器具の洗浄装置。
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