JPH0753094B2 - カカオ風味飲料の製法 - Google Patents

カカオ風味飲料の製法

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JPH0753094B2
JPH0753094B2 JP2156224A JP15622490A JPH0753094B2 JP H0753094 B2 JPH0753094 B2 JP H0753094B2 JP 2156224 A JP2156224 A JP 2156224A JP 15622490 A JP15622490 A JP 15622490A JP H0753094 B2 JPH0753094 B2 JP H0753094B2
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正志 小林
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、優れたカカオ風味を有する飲料の製法に係
り、更に詳しくは、保存安定性に優れ、かつカカオ本来
の香気成分を含んだカカオ風味飲料の製法に関するもの
である。
(従来の技術) 従来、カカオを原料とする飲料としては、ココア飲料、
チョコレート飲料等が知られている。
このうち、ココア飲料は、ココアパウダー、砂糖、牛乳
を混合、加熱して作られる。ココアパウダーは、カカオ
豆を焙炒し、外皮、胚芽を取り除いたカカオニブを磨漬
して得られるカカオマスからココアパウダーを除き、乾
燥したものである。ココアパウダーには、通常、油脂分
が約20重量%、繊維質が約4重量%含まれている。
他方、チョコレート飲料は、ココアパウダーに代えて、
チョコレートを用い、これに砂糖、牛乳を混合、加熱し
て作られる。チョコレートは、カカオマス、ココアパウ
ダー、ココアパウダー等と糖類、粉乳等とを混合、精練
して得られるものであって、油脂分が30重量%以上、繊
維質が約0.5重量%含まれている。
上記ココア飲料やチョコレート飲料は、家庭でも作られ
るだけでなく、缶や紙パックに入った密封容器入り飲料
としても市販され、近年、人気を集めている。
しかしながら、これらの飲料は、コーヒー飲料等の他の
飲料とは異なり、カカオ原料に由来する油脂分を多く含
むため、油脂分が長期保存中に分離し易い。
また、油脂分以外にも、飲料中にはカカオ原料由来の繊
維質等が含まれるため、飲料保存中に、繊維質を含む不
溶性のカカオ成分が沈降して容器底面にこびりついてし
まう。このため、密封容器入りのココア飲料やチョコレ
ート飲料は、飲用する前によく容器を振らなくてはなら
なかった。
そこで、上記問題を解決する方法として乳化剤や安定剤
を用いて、油脂分や繊維質等の不溶性成分の分離や沈降
を防止することが行われている。
しかしながら、乳化剤や安定剤を多量に添加すると、乳
化剤特有の苦味、臭いが生じ、飲料自体の風味が損なわ
れたり、粘度が高くなりすぎて口当たりが悪くなるとい
う問題があった。また、飲料中の油脂分やカカオ成分の
含有量によっては、乳化剤や安定剤を多量に加えても、
上記問題を解決できない場合があった。
また、上記ココア飲料やチョコレート飲料の原料である
ココアパウダーやカカオマスは、加工する工程で熱履歴
をうけるため、どうしてもカカオ本来の香りが失われ、
特有の加工臭を有するようになる。このため飲料とした
ときには、香料でカカオの香りを賦香することも行われ
ているが、やはりカカオ本来の香りを再現することは難
しい。また、密封容器入り飲料は、加熱殺菌工程を経る
ため、香料の飛散、消失を免れないのが現状であった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、このような事情に鑑みなされたものであっ
て、その目的とするところは、カカオ本来の風味に優
れ、かつ長期安定性に優れたカカオ風味飲料の製法を提
供するにある。
(課題を解決するための手段) 上記の目的は、焙炒した後、10メッシュ以上の粒子径の
ものが全粒中40〜50重量%となるように粉砕したカカオ
ニブから、該カカオニブに対し、重量比で5〜15倍量の
水性媒体を用いてカカオ成分を抽出することを特徴とす
るカカオ風味飲料の製法によって達成される。
すなわち、本発明者は、多量の乳化剤や安定剤等を用い
ることなく、かつカカオの香気成分を豊富に含有するカ
カオ風味飲料を製造する方法について検討を重ねた。そ
の結果、従来用いられてきたココアパウダー、カカオマ
ス等のカカオ豆加工原料を用いず、焙炒した後、10メッ
シュ以上の粒子径のものが全粒中40〜50重量%となるよ
うに粉砕したカカオニブから、該カカオニブに対し、重
量比で5〜15倍量の水性媒体を用いてカカオ成分を直接
抽出することによって、油脂分や繊維質等の不溶性成分
を殆ど含むことなく、香気成分を効率的に抽出できるこ
とを見い出し本発明を完成した。
次に、本発明を詳しく説明する。
本発明に用いるカカオニブの原料となるカカオ豆は、チ
ョコレート原料として一般に用いられているエクアド
ル、ガーナ等のカカオ豆でよく、これらを単独もしくは
混合して用いればよい。
そして、カカオニブは、例えば、次のようにして調整さ
れる。すなわち、まず、カカオ豆を焙炒し、外皮・胚芽
を取り除いてカカオニブとする。この焙炒条件は、通常
のカカオ豆の焙炒条件でよく、ロースターの種類等によ
っても異なるが、120〜220℃、10〜60分程度でよい。ま
た、特開平1−252250号公報に開示されているようなセ
ラミックス粒子を含有してなる成型木炭を用いて遠赤焙
煎するようにしてもよい。
次に、上記のようにして得られたカカオニブを粉砕す
る。粉砕は、コーヒー豆等の粉砕に使われるグラニュレ
ーターやチョコレート製造に用いられる破砕ロール等を
用いればよい。また、粉砕した後のカカオニブは、10メ
ッシュ(1.7mm(「JISZ8801」に基づく))以上の粒径
の大きいものが、カカオニブ全粒中40〜50重量%となる
ようにする。すわわち、10メッシュ以上のものが40重量
%未満であると、抽出時にカカオニブから油脂分や繊維
質等の不溶性成分が溶出しすぎ、逆に、10メッシュ以上
のものが50重量%を越えると、抽出効率が悪くなる。
また、上記カカオニブを、予めアルカリで処理し、カカ
オ色素が強く出るようにしてもよい。
次に、上記のようにして調整されたカカオニブを用い
て、本発明のカカオ風味飲料は、例えば、次のようにし
て製造される。すなわち、まず、焙炒・粉砕したカカオ
ニブを水に浸漬し、カカオ成分の抽出を行う。このと
き、カカオニブと水の比は、1:5〜15とする。すなわ
ち、カカオニブに対する水性媒体の重量比が5倍量未満
であると、油脂分や繊維質等の不溶性成分が多量に抽出
されてしまうので、上記不溶性成分による分離や沈澱が
生じ、逆に15倍量を越えると、抽出不充分となる。
また、抽出されるカカオニブの可溶性固形分が、カカオ
ニブに対して5〜20重量%となるようにすることが好ま
しい。すなわち、5重量%未満だと、抽出不充分とな
り、カカオ風味が乏しい傾向にある。逆に20重量%より
多いと、飲料保存中に分離、沈澱を生じ易くなる。
また、抽出する際の水の温度は、特に限定するものでは
ないが、短時間で抽出する場合には、高温で抽出するこ
とが望ましく、例えば、カカオニブ:水=1:10の場合、
90〜100℃でニーダー方式のとき、5〜10分間、ドリッ
プ抽出のとき、20〜40分間抽出するようにすればよい。
このようにして得られた抽出液は、カカオニブの油脂分
や繊維質等の不溶性成分を殆ど含有しておらず、良好な
るカカオの香気成分は充分に抽出されている。
次に、得られた抽出液に、糖類、乳製品、洋酒、乳化剤
等を適宜添加した後、好ましくは100〜200kg/cm2で均質
代すれば本発明のカカオ風味飲料が得られる。
上記抽出の方法は、焙炒、粉砕したカカオニブに水を流
下させるようにしても良いし、水を張ったタンクに焙
炒、粉砕したカカオニブを投入して保持した後、濾過す
るようにしてもよい。また、抽出に用いる水には、糖、
乳製品等を予め添加しておいてもよい。
(発明の効果) 以上のように、本発明のカカオ風味飲料の製法は、焙炒
した、特定粒径のカカオニブ粉砕物から特定量の水性媒
体を用いて直接カカオの香気成分を抽出するので、従来
のココア飲料、チョコレート飲料とは異なりカカオ原料
に由来する油脂分や繊維質等の不溶性成分を殆ど含まな
いカカオ風味飲料を得ることができる。
したがって、長期保存中に分離・沈澱が生じることがな
く、外観上、風味上、優れたカカオ風味飲料を製造する
ことが可能となった。
また、ココアパウダーやチョコレート等のカカオ豆加工
原料を用いていないので、カカオ本来の風味の損失が少
なく、香料を用いることなく、カカオの香りの高い飲料
とすることができる。
また、カカオニブからの色素の溶出が少ないので淡色の
カカオ風味飲料にしたり、アルカリ処理、着色料等によ
って所望の色調に着色することもできる。
更に、従来のコーヒー飲料設備、チョコレート製造設備
を利用して大量に連続的に生産することもできる。
次に、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
(実施例) カカオ豆を第1表に示す条件で焙炒し、カカオニブとし
た後破砕し、カカオ成分の抽出を行った。次に、この抽
出液に第1表に示す副原料を加え、均質化した後、缶に
充填し、121℃、20分間殺菌し、密封容器入りカカオ風
味飲料とした。
(比較例1) 実施例と同様の条件で焙炒したカカオニブ150部と、水1
50部を90℃に加熱したものとを用いて、カカオ成分の抽
出を行った他は、実施例1と同様にして密封容器入りカ
カオ風味飲料を得た。
(比較例2) 実施例と同様の条件で焙炒したカカオニブ150部と、水2
700部を90℃に加熱したものとを用いて、カカオ成分の
抽出を行った他は、実施例1と同様にして密封容器入り
カカオ風味飲料を得た。
(比較例3) 実施例1と同様の条件で焙炒し、粒径10メッシュ以上の
ものが30重量%となるように粉砕したカカオニブを用い
る他は実施例1と同様にして密封容器入りカカオ風味飲
料を得た。
(比較例4) 実施例と同様の条件で焙炒し、粒径が全て10メッシュ以
上となるように粉砕したカカオニブを用いる他は実施例
1と同様にして密封容器入りカカオ風味飲料を得た。
得られた飲料を、25℃で2ケ月間保存した後、開缶し、
分離、沈澱、風味を評価した。以上の結果を、第1表に
合わせて示す。
以上の結果から、実施例のカカオ風味飲料は、いずれも
カカオ本来の風味に優れ、しかも保存中不溶性成分の分
離や沈澱を生じることがなく、常温流通飲料として価値
の高い新規な飲料であった。
一方、比較例1は、抽出時の焙炒カカオニブと水性媒体
との比率が、1:5を下回っていたので、油脂分や繊維質
等の不溶性成分が多量に抽出されており、製造後1時間
静置した後には上記不溶性成分の分離や沈澱が生じてい
た。
また、比較例2は、抽出時の焙炒カカオニブと水性媒体
との比率が、1:15を超えていたので、カカオ成分が充分
に抽出されず、カカオの香りや風味に大変乏しかった。
また、比較例3は、10メッシュ以上のカカオニブの割合
が40重量%を下回っていたので、カカオニブから油脂や
繊維質等の不溶性成分が溶出しすぎてしまい、分離や沈
澱が生じていた。
更に、比較例4は、全てのカカオニブの粒径が10メッシ
ュ以上であったためカカオ成分が充分に抽出されず、カ
カオの香りや風味に大変乏しかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焙炒した後、10メッシュ以上の粒子径のも
    のが全粒中40〜50重量%となるように粉砕したカカオニ
    ブから、該カカオニブに対し、重量比で5〜15倍量の水
    性媒体を用いてカカオ成分を抽出することを特徴とする
    カカオ風味飲料の製法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022216267A1 (ru) * 2021-04-06 2022-10-13 Андрей Борисович КОНОНЕНКО Способ приготовления напитка из какао

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