JPH0753082B2 - 加水分解グルテンの製造法 - Google Patents

加水分解グルテンの製造法

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JPH0753082B2 JP13040988A JP13040988A JPH0753082B2 JP H0753082 B2 JPH0753082 B2 JP H0753082B2 JP 13040988 A JP13040988 A JP 13040988A JP 13040988 A JP13040988 A JP 13040988A JP H0753082 B2 JPH0753082 B2 JP H0753082B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、加水分解グルテンの改良された製造法に関す
る。
〔従来の技術〕
植物蛋白質の有効利用を目的として、小麦蛋白質である
グルテンを遊離の又は固定化したプロテアーゼを用いて
加水分解処理して、溶解性、起泡性、乳化性等を有する
加水分解グルテンを製造することが行われている。
しかしながら、プロテアーゼによるグルテンの加水分解
処理は、従来、小麦から得られたままの又は予め酸やア
ルカリ等で処理したグルテンをそのまま直接プロテアー
ゼで処理することにより行われており、その場合にはプ
ロテアーゼの活性が早期に低下したり失われたりして目
的とする加水分解グルテンの収量や収率等が大幅に低下
するという問題があり、特に、固定化したプロテアーゼ
を充填したバイオリアクターを使用してグルテンの加水
分解処理を行った場合にはその傾向が強かった。
〔発明の目的及び構成〕
本発明者等は、グルテンをプロテアーゼを用いて加水分
解処理するに際して、プロテアーゼの活性を長時間低下
させずに維持すること、更に固定化プロテアーゼを充填
したバイオリアクターを使用した場合にはチャンネリン
グの発生をも防止すること、そしてそれにより高い収量
で加水分解物を得ることを目的として長年研究を続けて
きた。
その結果、グルテンを予め特定の吸着材で処理してから
プロテアーゼ処理を行うと、プロテアーゼの活性が長時
間低下せずに維持されて、目的とする加水分解物が高い
収量で製造されることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
すなわち、本発明は、グルテン含有液を疎水的吸着材を
使用して処理した後、プロテアーゼで処理することを特
徴とする加水分解グルテンの製造法である。
グルテンは主として小麦から得られる、グルテニンとグ
リアジンとから主になる蛋白質の混合物であり、原料の
種類、調製法によってその組成が多少異なる。本発明で
はグルテンとして、小麦から調製したものをそのまま直
接使用することができ、その組成及び調製法のいかんを
問わない。その際に、グルテンは生グルテンの状態であ
ってもこれを粉末化したものでもよい。
また、本発明ではグルテンとして、小麦から得られたグ
ルテンに予め化学的処理や酵素等による処理を施して、
その分子量を低下させたものやプロテアーゼとの親和性
等を高めたものを使用することができる。そのようなグ
ルテンの例としては、グルテンを塩酸、硫酸等の無機
酸、有機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のア
ルカリ、酵素(トランスグルタミナーゼ)等を使用して
温和な条件下で処理して、グルテンの側鎖にあるアミド
結合(かかるアミド結合はグルテン分子内及び分子間に
おいて多くの水素結合を形成してグルテンを不溶性の蛋
白質にしている)を切断したいわゆる脱アミド化グルテ
ン、小麦から得られたグルテンを亜硫酸水素ナトリウ
ム、2−メルカプトエタノール、ジチオスレイトール、
L−システイン、還元性グルタチオン等の有機及び無機
還元剤で処理してグルテンの分子内及び分子間のSS結合
を切断したいわゆる還元処理グルテン等がある。グルテ
ンの脱アミド化処理及び還元処理については、各々本出
願人の出願に係る特願昭62−50351号及び特願昭62−503
52号に詳細に記載されている。
後段のプロテアーゼによる加水分解処理がより円滑に行
われ得るという点及び溶解性、起泡性、乳化性等のより
良好な加水分解物をより高い収量で得ることができると
いう点等から、小麦から調製されたグルテンを直接その
まま使用するよりも脱アミド化処理や還元処理等を施し
たものを使用するのが望ましい。
本発明では、上記のような種々のグルテンの少なくとも
1種を含有する液をまず疎水的吸着材を使用して処理す
る。本発明でいう「疎水的吸着材」とは、吸着材のもつ
疎水性基がグルテン含有液中に含まれていつかつプロテ
アーゼの活性を低下させる成分がもつ疎水性基と疎水結
合を形成し、その疎水結合によってプロテアーゼの活性
を低下させる成分をいわゆる“へばりついた”状態で吸
着材に吸着保持することのできる吸着材をいう。疎水的
吸着材の吸着能の大きさは、下記の方法により算出した
「疎水度」により表すことができ、疎水度が大きいほど
プロテアーゼ活性低下成分の吸着が円滑におこなわれ
る。
[疎水度の算出] 非イオン界面活性剤Nonidet P40(Sigma社製)の0.05重
量%水溶液を調製し、その280nmの波長における吸光度
を25℃で測定した(「N/A280」とする)。かかる水溶液
10mlを50mlの三角フラスコに入れ、これに乾燥した疎水
的吸着材1gを入れて25℃で60分間軽く振ろうした後、濾
過して固形分を除き、瀘液の280nmにおける吸光度を25
℃で測定し(「H/A280」とする)、下記の式により疎水
度を求めた。
疎水的吸着材の疎水度は、疎水的吸着材の骨格となって
いる材料の種類、架橋剤の種類と架橋割合、導入された
官能基の種類と量、表面被覆剤の種類等により変化し、
それの種類や割合、量等を適宜選ぶことによって目的と
する疎水度を得ることができる。上記の方法で算出した
場合に通常、疎水度が約30%以上、好ましくは50%以上
の吸着材が、疎水的吸着材としての機能を発揮し、疎水
的吸着材処理に続くプロテアーゼ処理においてプロテア
ーゼの活性を長時間低下させずに維持することができ、
更に固定化プロテアーゼを充填したバイオリアクターを
使用する場合にはチャンネリングの発生をも防止するこ
とができ、それに伴って目的とする加水分解物を高収率
で得ることができる。疎水的吸着材としては有機系及び
無機系のいずれをも使用することができる。
市販されている各種の吸着材について上記の方法により
疎水度を算出した結果、下記の表−1に示すとおりであ
った。
本発明では、上記の表−1に示した吸着材のうち疎水度
が30%以上のものを使用するのが好ましいが、それらの
ものに限定されるわけではなく疎水度が大きければ他の
ものを充分使用できる。
本発明では、グルテンを液体中、通常は水中に存在させ
て疎水的吸着材による吸着処理を行う。疎水的吸着材の
種類、グルテンの種類、グルテン含有液中のグルテン濃
度、グルテン含有液のpHや温度等の各種の要件によって
かかる吸着処理は大きく左右されるので、疎水的吸着材
やグルテンの種類等に応じて最適の条件を選んで吸着処
理を行う必要がある。しかしながら、小麦から得られた
グルテンをそのまま直接使用する場合及び脱アミド化処
理又は還元処理したグルテンを使用する場合のいずれの
場合にも、通常グルテン含有液中のpHを約1.5〜4.0と
し、かつグルテンの濃度をグルテン含有液の全重量に基
づいて約1〜10%とし、約10〜50℃で吸着処理を行う
と、後段のプロテアーゼ処理に悪影響を及ぼす成分の吸
着が効果的に行われる。
また、グルテン含有液の疎水的吸着材処理は、グルテン
含有液中に疎水的吸着材を添加して撹拌下に行ういわゆ
るバッチ処理により行っても、又は疎水的吸着材を適当
なカラムに充填し、これにグルテン含有液を連続的に供
給して処理する連続処理により行ってもよく、連続処理
の場合はかかるカラムはプロテアーゼ処理の前のいわゆ
るプレカラムとなる。グルテン含有液を連続して多量に
処理することができる点でプレカラムによる連続処理が
望ましい。
疎水的吸着材処理をバッチ式で行う場合は、通常グルテ
ン含有液100mlに対して、疎水的吸着材1〜10g(乾燥重
量)を添加して約5〜50rpmの撹拌速度で約30〜120分間
撹拌した後、疎水的吸着材を濾過し、遠心分離等の通常
の固液分離法により除く方法を採用するとよい。
また、疎水的吸着材処理を、プレカラムによる連続処理
により行う場合は、通常1ml当たり約0.01〜0.1gのグル
テンを含有するグルテン含有液を1分当たり吸着材1gに
つき約0.03〜0.3mlの割合でプレカラムに供給して処理
を行うのがよい。使用後の疎水的吸着材は、廃棄しても
よいが、洗浄し再生することにより再度使用できる。
本発明では、疎水的吸着材処理を施したグルテン含有液
に対して次にプロテアーゼによる処理を施す。このプロ
テアーゼ処理によりグルテンはその主鎖のペプチド結合
が加水分解、切断されて低分子化しその溶解性が増す。
このプロテアーゼ処理は通常、疎水的吸着材処理を施し
た後のグルテン含有液を、そのpH、グルテン濃度、温度
等がプロテアーゼ処理に施したものになるように調節し
て行う。
本発明で用いるプロテアーゼとしては、グルテン中のペ
プチド結合を加水分解、切断し得るものであればいずれ
でもよくその種類は問わない。プロテアーゼとしては、
例えば、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、ヒイ
ロタケ起源の酸性プロテアーゼ、アスペルギルス起源の
酸性ペロテアーゼ、パパイン、ブロメラインなど多数の
ものを用いることができる。プロテアーゼ同士がお互い
に悪影響を及ぼさない限りは、複数のプロテアーゼを併
用してもよく、例えばペプシンと他の酸性プロテアーゼ
を併用複合化して用いることができる。
プロテアーゼ処理の条件は、プロテアーゼの種類、使用
形態等によって変化し、各々に応じて最適のpH、温度等
の条件が選ばれる。例えばペプシン、ヒイロタケ起源の
酸性プロテアーゼ、アスペルギルス起源の酸性プロテア
ーゼの場合にはpH1.5〜4、温度約30〜50℃が採用され
る。
プロテアーゼはフリーの状態で処理液中に添加しても、
また固定化して使用してもよい。フリーの状態で使用す
る場合は通常乾燥したグルテン100g当たりプロテアーゼ
約0.1〜0.5gで用いるのがよい。固定化して用いる場合
は、固定化法は問わず、担体結合法、架橋法等のいずれ
もが採用できる。ビース、膜、網等の担体に固定化して
用いるのが実用的である。固定化プロテアーゼで処理す
る場合に、処理液中のグルテンの濃度を高くすると収率
が低下し、処理温度を60℃以上にするとプロテアーゼが
失活する。また空間速度を適当に制御することにより起
泡特性の優れた生成物が得られる。処理液中のグルテン
の量を約20〜60g/とし、この処理液を、担体の湿度量
1g当たり約10〜50mgのプロテアーゼを固定化した床に約
1.0〜6.0hr-1(滞留時間約10〜60分)の速度で通液する
と、収率、処理時間、生成物の起泡特性等の点で良好な
結果が得られる。
プロテアーゼ処理液からの加水分解グルテンの回収は通
常次のようにして行われる。
[フリーのプロテアーゼを用いた場合] 加水分解グルテンとプロテアーゼ等を含有するプロテア
ーゼ処理済み液のpH及び温度をプロテアーゼが失活する
pH及び温度にする。次に失活したプロテアーゼや未分解
グルテン等からなる不溶物を適当な方法で分離除去す
る。残った液中に含まれる化水分解グルテンを乾燥等に
より回収して目的物を得る。プロテアーゼとして例えば
ペプシン、ヒイロタケ起源の酸性プロテアーゼ、アスペ
ルギルス起源の酸性プロテアーゼを用いた場合は、約4
〜9のpH及び約70〜100℃の温度で失活する。
[固定化プロテアーゼを用いた場合] プロテアーゼ処理を済んだ液のpH及び温度を調節して未
分解物を沈澱させる。沈澱物を除去した液から液中に含
まれる加水分解グルテンを乾燥等の適当な方法で回収し
て目的物を得る。未分解物の沈澱、分離は通常pH約4.0
〜9.0および温度約70〜100℃で約10〜30分間加熱して行
う(プロテアーゼとしてペプシン、ヒイロタケ起源の酸
性ペロテアーゼ、アスペルギルス起源の酸性プロテアー
ゼを用いた場合)。
本発明において、疎水的吸着材による処理を疎水的吸着
材を充填したプレカラムを使用して行い、更にそれに続
くプロテアーゼによる加水分解処理を固定化プロテアー
ゼを使用して行う場合には、かかる処理を、疎水的吸着
材を充填したプレカラム(以後「吸着材プレカラム」と
いう)と固定化プロテアーゼを充填したカラム(以後
「プロテアーゼカラム」という)とを備えたバイオリア
クターからなる装置を使用して行うのが便利である。
本発明の用いるバイオリアクターは、吸着材プレカラム
とプロテアーゼカラムを備えたものであればその形状及
び構造を問わない。吸着材プレカラムとプロテアーゼカ
ラムとを別々のカラムとして離して設けパイプ等で両者
を連結しても、或は両者のカラムを、上下に、左右に又
は内側と外側に接して又は一体に設けてもよい。
本発明で用いるバイオリアクターの例を、第1A図〜第3B
図の模式図を使用して簡単に説明する。図中、符号1は
吸着材プレカラムを、符号2はプロテアーゼカラムを示
す。
第1A図及び第1B図は、吸着材プレカラム1とプロテアー
ゼカラム2とを別々の互いに離れたカラムから構成した
バイオリアクターを示す。第1A図ではグルテン含有液
は、吸着材プレカラム1の上部から供給されて吸着処理
を受けた後、下部から取り出され、次にプロテアーゼカ
ラムの上部に供給されてプロテアーゼ処理を受けてその
下部より取り出される。第1B図ではグルテン含有液の吸
着材プレカラム1への供給及び吸着処理後の液のプロテ
アーゼカラム2への供給はいずれもカラムの下部から行
われる。第1A図及び第1B図のものとは異なり、吸着材プ
レカラム1へは下部から、プロテアーゼカラム2へは上
部から、又は、吸着材プレカラム1へは上部から、プロ
テアーゼカラム2へは下部から供給するようにしてもよ
い。
第2A図及び第2B図は、1つのカラムを上下に仕切って一
方を吸着材プレカラム1に他方をプロテアーゼカラム2
にしたもの、又は別体の吸着材プレカラム1とプロテア
ーゼカラム2とを上下に積み重ねて設けたものである。
第2A図は上部を吸着材プレカラム1とし下部をプロテア
ーゼカラム2にしたものであり、そして第2B図は下部を
吸着材プレカラム1とし上部をプロテアーゼカラム2に
したものである。
第3A図及び第3B図は、1つの円筒状カラムの内側に更に
円筒体を設けて内側カラムと外側カラムとに分けたもの
である。第3A図は外側カラムを吸着材プレカラム1とし
内側カラムをプロテアーゼカラム2としたものであり、
第3B図は内側カラムを吸着材プレカラム1とし外側カラ
ムをプロテアーゼカラム2にしたものである。
各カラムの具体的な形状や寸法、各々のカラムに充填さ
れる疎水的吸着材及び固定化プロテアーゼの種類や量等
は、各々の状況に応じて適宜選択することができる。
上記、本発明の方法により製造された加水分解グルテン
は、通常約5,000〜20,000の平均分子量を有し、水に可
溶である。また該加水分解グルテンは一般に白色であり
不快味及び異臭はない。
更に、本発明による製造された加水分解グルテンは、起
泡力及び泡末安定等の気泡特性においても優れており、
分散性、加工性等がよい。しかも小麦等の穀物に由来し
ていて安定性が高いので、食品加工用の添加剤として極
めて有効であり、特にケーキ、クッキー、アイシング等
の製菓や製パン、蒲鉾、はんぺん等の練製品を製造する
際の起泡剤として適している。また本発明により製造さ
れた加水分解グルテンは、粉末状、ペースト状及び溶液
状のいずれの形態でも貯蔵及び使用することができる。
〔発明の効果〕
グルテン含有液をプロテアーゼで処理して加水分解グル
テンを製造するに際して、予め疎水的吸着材で処理して
からプロテアーゼ処理を行っている本発明では、疎水的
吸着材による処理を行わずにプロテアーゼ処理を行って
いる従来技術に比べて、プロテアーゼの早期における活
性低下、固定化プロテアーゼを充填したカラムの早期に
おけるチャンネリングが防止され、長時間にわたってプ
ロテアーゼの活性を高く保つことができ、それによって
目的とする加水分解グルテンを高収量、高収率で得るこ
とができる。
以下に例を挙げて本発明を説明するが、本発明はそれら
の例により限定されない。
実施例 1 小麦粉より調製した湿グルテン6.25kgを、蒸留水28l及
び濃塩酸90mlとともにホモジナイザーを使用して分散溶
解させた。6500Gで10分間遠心分離を行い未溶解物を除
いて上澄液30を得た。この上澄液を80℃で30分間加熱
した。
直径16mm及び高さ200mmのカラムに疎水的吸着材である
キトパールBCW3507 (疎水度97.0%)8mlを充填して吸
着材プレカラムを形成した。
また、直径16mm及び高さ200mmのカラムに、キトパールB
CW3007 (富士紡績社製)からなる担体8mlにペプシン
(天野製薬社製)150mgを吸着させグルタルアルデヒド
で架橋固定化してなる固定化ペプシンを充填してプロテ
アーゼカラムを形成した。
pHを3.0に調整して上記の上澄液のうち2.4を、温度40
℃、流速16ml/hrで連続的に上記の吸着材プレカラムに
通液し、吸着材プレカラムからの流出液を続けて上記の
プロテアーゼカラムに同じ流速で通して、グルテンの部
分加水分解物を含有する液を得た。プロテアーゼカラム
からの流出液を50時間毎に4回各1mlずつ採取し、下記
によりプロテアーゼカラムの酵素活性を求めた。
[プロテアーゼカラムの酵素活性の測定] プロテアーゼカラムからの流出液1mlに0.4Mトリクロロ
酢酸(TCA)4mlを加えて攪拌し、40℃に20分間放置して
沈澱を充分に形成させる。この沈澱を濾過して除いた
後、分光光度計を使用して波長280nmにおける濾液の吸
光度(以下「Abs280」という)を測定し、これを下記の
方法によって予め求めておいた検量線に当て嵌めて濾液
中の蛋白質濃度を測定し、これを処理当初の濾液中の蛋
白質濃度に対する百分率で示してその酵素活性を求めた
(処理当初のプロテアーゼカラムの酵素活性を100%と
する)。
[検量線の求め方] ケルダール方で蛋白質含量を予め測定したグルテン加水
分解物を、1mg蛋白質/mlとなるように水に溶解した。こ
れを希釈して、各々蛋白質濃度0.2、0.4、0.6及び1.0mg
/mlの蛋白質溶液を得た。各々の溶液のAbs280を測定し
たところ下記の結果を得た。 蛋白質濃度(mg/ml) Abs280 1 0 0.2 0.112 0.4 0.230 0.6 0.334 1.0 0.584 上記の結果から、濾液中の蛋白質濃度とAbs280との関
係、すなわち検量線は下記の式で表わされる。
蛋白質濃度(mg/ml)=1.72×Abs280 上記で求めたプロテアーゼカラムの酵素活性の結果を、
下記の表−2に示す。
また最終的に得られた加水分解グルテンの収率を下記に
より算出した。
[加水分解グルテンの収率] プロテアーゼカラムからの流出液2.4を5N水酸化ナト
リウム水溶液で中和した後、80℃で30分間加熱処理し
た。冷却後、6500Gで10分間遠心分離して不溶物を除去
し、加水分解グルテンを含有する上澄液を得た。上澄液
のAbs280を測定し、これを上記で求めた検量線に当て嵌
めて加水分解グルテンの濃度を求め、下記により加水分
解グルテンの収率を求めた。
得られた結果を表−2に示す。
実施例 2 吸着材プレカラムに充填する吸着材としてキトパールNS
86−1 (疎水度35.5%)を使用した地は実施例1と同
様にして加水分解グルテン含有液を調製し、そのときの
プロテアーゼカラムの酵素活性及び生成した加水分解グ
ルテンの収率を測定した。その結果を表−2に示す。
比較例 1 吸着材プレカラムを使用しない他は実施例1と同様にし
て加水分解グルテン含有液を調製し、そのときのプロテ
アーゼカラムの酵素活性及び生成した加水分解グルテン
の収率を測定した。その結果を表−2に示す。
比較例 2 吸着材プレカラムに充填する吸着材としてキトパールBC
W3007 (疎水度(20.1%)を使用した他は実施例1と
同様にして加水分解グルテン含有液を調製し、そのとき
のプロテアーゼカラムの酵素活性及び生成した加水分解
グルテンの収率を測定した。その結果を表−2に示す。
表−2の結果から、疎水性プレカラムを備えたバイオリ
アクターを使用している本発明では長時間プロテアーゼ
の活性が低下せず高収率で目的とする加水分解グルテン
が得られることがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1A図〜第3B図は、本発明で用いるバイオリアクターの
例を模式的に示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 育夫 埼玉県浦和市北浦和5丁目15番19号 (72)発明者 山縣 孝樹 滋賀県長浜市神前町10番52 エクセレント 神前602号 (72)発明者 田中 俊夫 滋賀県長浜市神前町10番52 エクセレント 神前105号 (72)発明者 中村 準 東京都世田谷区奥沢8丁目5番5号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グルテン含有液を疎水的吸着材を使用して
    処理した後、プロテアーゼで処理することを特徴とする
    加水分解グルテンの製造法。
JP13040988A 1988-05-30 1988-05-30 加水分解グルテンの製造法 Expired - Fee Related JPH0753082B2 (ja)

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