JPH0752686B2 - 磁気特性の良好な非晶質合金接着積層体 - Google Patents
磁気特性の良好な非晶質合金接着積層体Info
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- JPH0752686B2 JPH0752686B2 JP60051286A JP5128685A JPH0752686B2 JP H0752686 B2 JPH0752686 B2 JP H0752686B2 JP 60051286 A JP60051286 A JP 60051286A JP 5128685 A JP5128685 A JP 5128685A JP H0752686 B2 JPH0752686 B2 JP H0752686B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は主として、電力トランス、高周波トランスなど
の電力変換器の鉄心として用いられる非晶質合金薄帯の
接着積層体に関するものである。
の電力変換器の鉄心として用いられる非晶質合金薄帯の
接着積層体に関するものである。
(従来の技術) 変圧器や回転機など、電磁機器に使用される鉄心材料
は、電磁気特性として、励磁特性が良好で、鉄損が低い
ことが要求される。鉄損を低くするには、欠陥を少く
し、内部応力を下げてヒステリシス損を下げ、更に電気
抵抗を高くし、板厚を薄くして渦電流損を低減させねば
ならない。
は、電磁気特性として、励磁特性が良好で、鉄損が低い
ことが要求される。鉄損を低くするには、欠陥を少く
し、内部応力を下げてヒステリシス損を下げ、更に電気
抵抗を高くし、板厚を薄くして渦電流損を低減させねば
ならない。
この様な条件を満す材料として、珪素鋼板が、通常用い
られてきている。珪素鋼板は、励磁特性が良く、鉄損も
低く、鉄心材料として盛んに用いられている。
られてきている。珪素鋼板は、励磁特性が良く、鉄損も
低く、鉄心材料として盛んに用いられている。
ところが近年、合金を高温の溶融条件より超急冷し、液
体と同じ構造をもつ非晶質合金の薄帯を大量につくる方
法が開発されてきた。一方非晶質合金は異方性がなく、
電気抵抗も高く、鉄損が著しく低く、励磁特性も良好で
鉄心材料として大いに期待され、種々の組成の非晶質合
金が発表されている。
体と同じ構造をもつ非晶質合金の薄帯を大量につくる方
法が開発されてきた。一方非晶質合金は異方性がなく、
電気抵抗も高く、鉄損が著しく低く、励磁特性も良好で
鉄心材料として大いに期待され、種々の組成の非晶質合
金が発表されている。
しかし、これらの非晶質合金薄帯は、その特性および製
造方法から、20〜100μm程度の厚さの薄帯に限定され
ている。そのため、鉄心材料として用いる場合は、鉄心
加工工程に多大の負荷をかけるだけでなく、取扱い時に
変形や歪を生じやすく、そのため磁性を劣化しやすいの
で、現在のところは巻鉄心にのみ使用されているのが現
状であった。またこれら薄帯を用いて積層鉄心を製造す
るには、剪断、積層時に手間がかかり作業能率低下を来
たすとともに、取扱い時の折れ、曲がりによる磁性劣化
があり、使用がむずかしかった。
造方法から、20〜100μm程度の厚さの薄帯に限定され
ている。そのため、鉄心材料として用いる場合は、鉄心
加工工程に多大の負荷をかけるだけでなく、取扱い時に
変形や歪を生じやすく、そのため磁性を劣化しやすいの
で、現在のところは巻鉄心にのみ使用されているのが現
状であった。またこれら薄帯を用いて積層鉄心を製造す
るには、剪断、積層時に手間がかかり作業能率低下を来
たすとともに、取扱い時の折れ、曲がりによる磁性劣化
があり、使用がむずかしかった。
そこで例えば特開昭56−36336号公報により非晶質合金
薄帯を接着性樹脂を用いて積層接着した後、打抜くこと
により打抜き性を改善する方法が提案されている。ま
た、特開昭57−103499号公報に非晶質合金薄帯をロール
方法を用いて積層接着する方法が開示されている。これ
らはいずれも薄帯表面全面に亘って接着を行う全面接着
方法が行われている。
薄帯を接着性樹脂を用いて積層接着した後、打抜くこと
により打抜き性を改善する方法が提案されている。ま
た、特開昭57−103499号公報に非晶質合金薄帯をロール
方法を用いて積層接着する方法が開示されている。これ
らはいずれも薄帯表面全面に亘って接着を行う全面接着
方法が行われている。
(発明が解決しようとする問題点) 従来のこれらの方法は非晶質合金薄帯の板厚が薄いため
鉄心の加工性が悪いという本質的な欠点を接着すること
により板厚を厚くし、加工性を補うことを意図している
が、磁気特性から見れば、全面接着積層したことにより
非晶質合金薄帯の接着による収縮や不均一接着により磁
束密度、鉄損共に、接着しないで積層した場合にくらべ
て劣化している。
鉄心の加工性が悪いという本質的な欠点を接着すること
により板厚を厚くし、加工性を補うことを意図している
が、磁気特性から見れば、全面接着積層したことにより
非晶質合金薄帯の接着による収縮や不均一接着により磁
束密度、鉄損共に、接着しないで積層した場合にくらべ
て劣化している。
(問題点を解決するための手段) 本発明は非晶質合金薄帯を接着積層体にするに際し、接
着部を線状にして接着積層体にすることにより非晶質合
金積層体の鉄損、磁束密度を大幅に改良したものであ
る。
着部を線状にして接着積層体にすることにより非晶質合
金積層体の鉄損、磁束密度を大幅に改良したものであ
る。
以下、本発明を説明する。
本発明は非晶質合金薄帯を積層接着するに際し、接着部
を規定し、積層体内の接着による応力分布を均一にして
磁気特性を改善した積層体を得るものであり、更に詳し
くは非晶質合金薄帯を2枚以上接着して積層体とする際
に、その接着剤を線状に、前期薄帯の幅方向長手方向又
は斜め方向などの所定方向に塗布して接着積層体を構成
し、接着剤により薄帯に誘起される応力を所定方向に制
御して磁気特性を改良した積層体を得るものである。
を規定し、積層体内の接着による応力分布を均一にして
磁気特性を改善した積層体を得るものであり、更に詳し
くは非晶質合金薄帯を2枚以上接着して積層体とする際
に、その接着剤を線状に、前期薄帯の幅方向長手方向又
は斜め方向などの所定方向に塗布して接着積層体を構成
し、接着剤により薄帯に誘起される応力を所定方向に制
御して磁気特性を改良した積層体を得るものである。
本発明に用いる非晶質合金薄帯はすべての種類の非晶質
合金薄帯に適用出来るが、磁歪の大きな非晶質合金薄
帯、例えば、Fe−Si−B系非晶質合金に適用した場合に
最大の効果が期待出来る。すなわち、磁歪の大きな非晶
質合金は応力に対して非常に敏感に磁気特性が変化する
からである。
合金薄帯に適用出来るが、磁歪の大きな非晶質合金薄
帯、例えば、Fe−Si−B系非晶質合金に適用した場合に
最大の効果が期待出来る。すなわち、磁歪の大きな非晶
質合金は応力に対して非常に敏感に磁気特性が変化する
からである。
非晶質合金薄帯の磁気特性は、磁区構造及び磁壁の動き
によって決まる。すなわち、磁気測定を行う磁化方向に
磁壁が揃い、且つ磁壁間隔が小さい場合、磁束密度は高
く、鉄損も小さくなる。
によって決まる。すなわち、磁気測定を行う磁化方向に
磁壁が揃い、且つ磁壁間隔が小さい場合、磁束密度は高
く、鉄損も小さくなる。
配電用トランスをはじめ各種トランス用鉄心には、磁束
密度が高く鉄損が小さくなる材料が必要とされている
が、この様な材料は上に述べた様な磁区構造をもつ。磁
壁が乱れれば、磁束密度が低下し、また磁区幅が大きく
なれば、周波数依存損(渦流損)が大きくなり、鉄損が
大きくなる。
密度が高く鉄損が小さくなる材料が必要とされている
が、この様な材料は上に述べた様な磁区構造をもつ。磁
壁が乱れれば、磁束密度が低下し、また磁区幅が大きく
なれば、周波数依存損(渦流損)が大きくなり、鉄損が
大きくなる。
これらの磁区構造は非晶質合金薄帯では磁歪を通して薄
帯に誘起される応力によって大きな影響を受け、引張応
力方向に磁区が並ぶ。従って、引張応力の方向を一方向
に揃えれば磁区は引張応力方向に並び、かつ細分化さ
れ、磁性が改善されるのである。
帯に誘起される応力によって大きな影響を受け、引張応
力方向に磁区が並ぶ。従って、引張応力の方向を一方向
に揃えれば磁区は引張応力方向に並び、かつ細分化さ
れ、磁性が改善されるのである。
本発明はかかる非晶質合金薄帯の特性を把握し、この薄
帯に接着剤を線状に部分的に塗布しかかる引張応力を所
定の方向に揃えようとするものである。
帯に接着剤を線状に部分的に塗布しかかる引張応力を所
定の方向に揃えようとするものである。
非晶質合金薄帯を接着積層した場合、接着剤の接着力は
必然的に薄帯に影響を及ぼして薄帯に応力が生じ、磁気
特性を変化させる。接着による応力の制御は、接着部の
位置を幾何学的な配列にして行われる。接着剤が乾燥固
化される時に一般に収縮する。従ってこの応力を磁気特
性の好ましい方向に揃えると、積層接着と同時に磁気特
性が改善される。
必然的に薄帯に影響を及ぼして薄帯に応力が生じ、磁気
特性を変化させる。接着による応力の制御は、接着部の
位置を幾何学的な配列にして行われる。接着剤が乾燥固
化される時に一般に収縮する。従ってこの応力を磁気特
性の好ましい方向に揃えると、積層接着と同時に磁気特
性が改善される。
次に、非晶質合金薄帯を線状に部分的に接着を行い、張
力を所定方向とする要件について述べる。鉄心材料とし
て非晶質合金薄帯を用いる場合、磁気特性の必要な方向
は一般に薄帯の長さ方向である。従って接着部は薄帯の
幅方向に線状に構成する。接着部は接着力が同じであれ
ば、出来るだけ面積が小さい方が望ましい。接着間隔
(ピッチ)は接着力、接着幅によって決まる。薄帯の幅
方向に線状に接着剤を塗布する場合は、接着ピッチを接
着幅の約10倍にするのが適当である。また、上記方向に
点線状に接着剤を塗布する場合は、その接着ピッチを接
着幅の約10倍、薄帯幅方向の間隔を接着幅の約5倍以下
にするのが適当である。また、接着剤の接着力が大きい
場合は接着ピッチを大きくし、接着幅を小さくすること
ができる。逆に、接着力が小さいときは接着ピッチを小
さくし、接着幅を大きくする必要がある。
力を所定方向とする要件について述べる。鉄心材料とし
て非晶質合金薄帯を用いる場合、磁気特性の必要な方向
は一般に薄帯の長さ方向である。従って接着部は薄帯の
幅方向に線状に構成する。接着部は接着力が同じであれ
ば、出来るだけ面積が小さい方が望ましい。接着間隔
(ピッチ)は接着力、接着幅によって決まる。薄帯の幅
方向に線状に接着剤を塗布する場合は、接着ピッチを接
着幅の約10倍にするのが適当である。また、上記方向に
点線状に接着剤を塗布する場合は、その接着ピッチを接
着幅の約10倍、薄帯幅方向の間隔を接着幅の約5倍以下
にするのが適当である。また、接着剤の接着力が大きい
場合は接着ピッチを大きくし、接着幅を小さくすること
ができる。逆に、接着力が小さいときは接着ピッチを小
さくし、接着幅を大きくする必要がある。
なお、接着による応力の方向を揃えることができれば接
着部のパターンについては上記範囲に限定するものでは
なく、非晶質合金薄帯の長手方向又は斜め方向に接着剤
を塗布して接着しても全面接着に比べ、磁気特性は向上
する。
着部のパターンについては上記範囲に限定するものでは
なく、非晶質合金薄帯の長手方向又は斜め方向に接着剤
を塗布して接着しても全面接着に比べ、磁気特性は向上
する。
なお、この線状接着は鋳造まま、焼鈍後表面処理後、歪
導入後など、上記薄帯のあらゆる状態で適用が可能であ
る。
導入後など、上記薄帯のあらゆる状態で適用が可能であ
る。
本発明における接着剤は、膨張係数の大きい、即ち、収
縮力の大きな接着剤が使用出来る利点がある。焼鈍後の
磁性を改善するには、耐熱性の接着剤が必要となる。高
耐熱性高分子化合物を主成分とする接着剤としては、例
えば、ポリ(フェニレン)オキシド、ポリ(p−キシリ
レン)、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリアミド−イミ
ド、ポリエステル−イミド、芳香族ポリイミド、フェノ
キシ樹脂等の高分子化合物の1種又は2種以上の混合物
を主成分とする接着剤が用いられる。
縮力の大きな接着剤が使用出来る利点がある。焼鈍後の
磁性を改善するには、耐熱性の接着剤が必要となる。高
耐熱性高分子化合物を主成分とする接着剤としては、例
えば、ポリ(フェニレン)オキシド、ポリ(p−キシリ
レン)、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリアミド−イミ
ド、ポリエステル−イミド、芳香族ポリイミド、フェノ
キシ樹脂等の高分子化合物の1種又は2種以上の混合物
を主成分とする接着剤が用いられる。
更に、酸化物系接着剤を用いることで耐熱性を高め、接
着力を強くすることが出来る。酸化物系接着剤としては
例えばジルコニア、シリカ、アルミナ等の1種又は2種
以上の混合物を主成分とする接着剤があげられる。
着力を強くすることが出来る。酸化物系接着剤としては
例えばジルコニア、シリカ、アルミナ等の1種又は2種
以上の混合物を主成分とする接着剤があげられる。
これらの耐熱性接着剤は、焼鈍後の接着力を期待出来る
が、焼鈍を行わない場合でも、300℃以下の乾燥で接着
力を十分に保ち、鋳造ままでの接着積層体の磁性を改善
することが出来、鋳造ままでも鉄心材料として使用可能
である。
が、焼鈍を行わない場合でも、300℃以下の乾燥で接着
力を十分に保ち、鋳造ままでの接着積層体の磁性を改善
することが出来、鋳造ままでも鉄心材料として使用可能
である。
なお、本発明の目的を達成しうる接着剤であれば、上記
高分子化合物系あるいは酸化物系に限定されるものでな
いことは勿論である。
高分子化合物系あるいは酸化物系に限定されるものでな
いことは勿論である。
鋳造ままの磁性を改善するには耐熱性が要求されないた
め、一般の接着剤が十分に使用出来る。この場合、収縮
力、接着力の大きな接着剤(例えばエポキシ系接着剤)
が望ましい。
め、一般の接着剤が十分に使用出来る。この場合、収縮
力、接着力の大きな接着剤(例えばエポキシ系接着剤)
が望ましい。
次にこれらの接着剤の塗布方法としてはグラビアロール
方式、フレキソ方式、キス・ロール方式、スクイズ・ロ
ール方式、ダイレクト・ロール・コーター方式、リバー
ス・ロール・コーター方式等が用いられうる。また、間
欠的に接着剤を固定ノズルから供給する方法は接着厚
み、接着長さを制御し易く有効である。
方式、フレキソ方式、キス・ロール方式、スクイズ・ロ
ール方式、ダイレクト・ロール・コーター方式、リバー
ス・ロール・コーター方式等が用いられうる。また、間
欠的に接着剤を固定ノズルから供給する方法は接着厚
み、接着長さを制御し易く有効である。
本発明における塗布方法は、試料の形状、量によっては
上記以外の方法の使用も勿論可能である。この様に塗布
された接着剤は、有機系の場合、乾燥炉で溶剤を揮散さ
せた後、数枚から十数枚重ねながらロールで圧着し、加
熱接着する。この場合の加熱としては、300〜結晶化温
度以下(500℃程度)で短時間(1分間程度から100分間
程度)連続的に磁場中焼鈍しながら接着する方法があ
る。この方法では、鉄心加工後の歪が小さい場合には、
加工後の磁場焼鈍を省略できる利点があり、特に積層鉄
心用に用いることが出来る。この場合の磁場焼鈍条件は
非晶質合金の組成にも依存するため、最適条件は実験的
に決定され、500℃以下で温度が高いほど焼鈍時間は短
くされる。この様な条件では高耐熱性高分子化合物を主
成分とする接着剤を用いた場合には皮膜の剥離、炭化分
解もなく、すぐれた耐熱性の皮膜を保持することが可能
である。
上記以外の方法の使用も勿論可能である。この様に塗布
された接着剤は、有機系の場合、乾燥炉で溶剤を揮散さ
せた後、数枚から十数枚重ねながらロールで圧着し、加
熱接着する。この場合の加熱としては、300〜結晶化温
度以下(500℃程度)で短時間(1分間程度から100分間
程度)連続的に磁場中焼鈍しながら接着する方法があ
る。この方法では、鉄心加工後の歪が小さい場合には、
加工後の磁場焼鈍を省略できる利点があり、特に積層鉄
心用に用いることが出来る。この場合の磁場焼鈍条件は
非晶質合金の組成にも依存するため、最適条件は実験的
に決定され、500℃以下で温度が高いほど焼鈍時間は短
くされる。この様な条件では高耐熱性高分子化合物を主
成分とする接着剤を用いた場合には皮膜の剥離、炭化分
解もなく、すぐれた耐熱性の皮膜を保持することが可能
である。
上記薄帯を加熱圧着と同時に焼鈍する場合には加熱時間
が長くなるために連続通板時間が長くなる欠点を有する
ため、場合によっては短時間(1〜5分)で加熱接着
し、積層接着非晶質合金薄帯を作り、その後、所定寸法
に切断後積層鉄心としてから焼鈍することも可能であ
る。
が長くなるために連続通板時間が長くなる欠点を有する
ため、場合によっては短時間(1〜5分)で加熱接着
し、積層接着非晶質合金薄帯を作り、その後、所定寸法
に切断後積層鉄心としてから焼鈍することも可能であ
る。
無機系酸化物接着剤の場合、溶剤の揮散は必要なく、圧
着後、加熱と同時に焼鈍を行い、積層接着鉄心とするこ
とも可能である。
着後、加熱と同時に焼鈍を行い、積層接着鉄心とするこ
とも可能である。
(実施例) 次に実施例をあげて説明する。
実施例1 単ロール法で製造された組成、Fe79.5B13.1Si6.9C0.5
(原子%)、板幅50mm、板厚27μmの非晶質合金薄帯の
幅方向に1mm幅10mm間隔に高耐熱性高分子系接着剤(ポ
リエステルイミド系樹脂)をグラビアロール方式で塗布
した後、300℃で1分間乾燥炉で溶剤を揮発させた。こ
の薄帯を3枚重ねて圧着し、N2雰囲気中で20Oeの直流磁
界中で焼鈍を行い、接着積層体を得た。一方比較として
リバースコーター方式で接着剤を非晶質合金薄帯の全面
に塗布し同一処理を施した。磁気特性は、鉄損を1.3T、
50Hz、(W13/50)、磁束密度を80A/m(B0.8)で測定
し、測定結果を表1に示す。本発明例による積層体は鉄
損、磁束密度ともに、比較例にくらべすぐれており、積
層鉄心用として好適であった。
(原子%)、板幅50mm、板厚27μmの非晶質合金薄帯の
幅方向に1mm幅10mm間隔に高耐熱性高分子系接着剤(ポ
リエステルイミド系樹脂)をグラビアロール方式で塗布
した後、300℃で1分間乾燥炉で溶剤を揮発させた。こ
の薄帯を3枚重ねて圧着し、N2雰囲気中で20Oeの直流磁
界中で焼鈍を行い、接着積層体を得た。一方比較として
リバースコーター方式で接着剤を非晶質合金薄帯の全面
に塗布し同一処理を施した。磁気特性は、鉄損を1.3T、
50Hz、(W13/50)、磁束密度を80A/m(B0.8)で測定
し、測定結果を表1に示す。本発明例による積層体は鉄
損、磁束密度ともに、比較例にくらべすぐれており、積
層鉄心用として好適であった。
実施例2 単ロール法で製造された組成Fe79.5B13.1Si7.1C
0.3(原子%)、板幅50mm、板厚40μmの非晶質合金薄
帯の幅方向に1.5mm幅、15mm間隔に酸化物系接着剤(ジ
ルコニア・シリカ系)を線状に塗布し3枚重ねに圧着し
た。しかる後、13Oeの直流磁界中で焼鈍を行った。なお
比較として、同一接着剤を非晶質合金薄帯全面に塗布
し、同一熱処理を行った積層体(比較例1)及び、接着
を行わない薄帯に同様の処理を行い、3枚重ねにし(比
較例2)、磁気特性を、磁束密度(B0.8)での鉄損
(W13/50)について測定した。結果を表に示す。
0.3(原子%)、板幅50mm、板厚40μmの非晶質合金薄
帯の幅方向に1.5mm幅、15mm間隔に酸化物系接着剤(ジ
ルコニア・シリカ系)を線状に塗布し3枚重ねに圧着し
た。しかる後、13Oeの直流磁界中で焼鈍を行った。なお
比較として、同一接着剤を非晶質合金薄帯全面に塗布
し、同一熱処理を行った積層体(比較例1)及び、接着
を行わない薄帯に同様の処理を行い、3枚重ねにし(比
較例2)、磁気特性を、磁束密度(B0.8)での鉄損
(W13/50)について測定した。結果を表に示す。
また磁区観察を走査型電子顕微鏡で行った。第1図に接
着面の反対面の磁区構造写真を示す。本発明例による場
合、磁区は薄帯長さ方向に良く揃い、且、接着しない場
合にくらべ磁区幅が小さく、細分化していることがわか
る。
着面の反対面の磁区構造写真を示す。本発明例による場
合、磁区は薄帯長さ方向に良く揃い、且、接着しない場
合にくらべ磁区幅が小さく、細分化していることがわか
る。
実施例3 単ロール法で鋳造したFe80B12Si8(原子%)組成の非晶
質合金薄帯(30μm板厚、100mm幅)に、グラビアロー
ルで、長さ方向間隔5mm、幅方向間隔0.5mmで、径1mmφ
の酸化物系(シリカ系)接着剤を薄帯表面にグラビアロ
ール法で塗布し、2枚重ねに圧着した。しかる後300℃
で連続加熱し積層体とした(本発明例1)。次に、同一
接着剤を長さ方向に10mm間隔で1mm幅の線を連続に塗布
し2枚重ねに圧着、加熱乾燥を行い積層体とした(本発
明例2)。
質合金薄帯(30μm板厚、100mm幅)に、グラビアロー
ルで、長さ方向間隔5mm、幅方向間隔0.5mmで、径1mmφ
の酸化物系(シリカ系)接着剤を薄帯表面にグラビアロ
ール法で塗布し、2枚重ねに圧着した。しかる後300℃
で連続加熱し積層体とした(本発明例1)。次に、同一
接着剤を長さ方向に10mm間隔で1mm幅の線を連続に塗布
し2枚重ねに圧着、加熱乾燥を行い積層体とした(本発
明例2)。
比較として、同一接着剤をロール方式で薄帯全面に塗布
し、同一処理を行い積層体とした(比較例1)。
し、同一処理を行い積層体とした(比較例1)。
これらの積層体の磁気測定を鉄損(W13/50)磁束密度
(B0.8)について行った。表3にその結果を示す。な
お比較例2は鋳造ままの非晶質薄帯を接着しないで上記
の処理を行った薄帯である。本発明例による積層体は、
鋳造ままでも良好な磁気特性を示すことが明らかで積層
鉄心として好ましいことがわかった。
(B0.8)について行った。表3にその結果を示す。な
お比較例2は鋳造ままの非晶質薄帯を接着しないで上記
の処理を行った薄帯である。本発明例による積層体は、
鋳造ままでも良好な磁気特性を示すことが明らかで積層
鉄心として好ましいことがわかった。
(発明の効果) 以上説明したように本発明によれば、非晶質磁性合金薄
帯の積層体の鉄損の向上、磁束密度の向上が図られ、鉄
心としての特性を改善出来る。即ち本発明積層体によっ
て得られる鉄心は、従来の積層体にくらべて鉄損、励磁
特性が優れ、且、鉄心の巻き、積み等加工性も改善出
来、その効果は極めて大きい。
帯の積層体の鉄損の向上、磁束密度の向上が図られ、鉄
心としての特性を改善出来る。即ち本発明積層体によっ
て得られる鉄心は、従来の積層体にくらべて鉄損、励磁
特性が優れ、且、鉄心の巻き、積み等加工性も改善出
来、その効果は極めて大きい。
第1図は本発明積層体及び比較例の走査型電子顕微鏡に
よる結晶構造を示す写真である。
よる結晶構造を示す写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 元治 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日本 製鐵株式會社広畑製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭57−39510(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】非晶質合金薄帯表面に所定間隔を置いて線
状の薄帯間接着部分を延在せしめて、非晶質合金薄帯に
生起する引張応力が所定方向に揃う如く構成したことを
特徴とする磁気特性の良好な非晶質合金接着積層体。 - 【請求項2】所定間隔を置いて延在する線状の薄帯間接
着部分が、非晶質合金薄帯の幅方向に延在するものであ
る特許請求の範囲第1項記載の非晶質合金接着積層体。 - 【請求項3】所定間隔を置いて延在する線状の薄帯間接
着部分が、非晶質合金薄帯の長手方向または斜め方向に
延在するものである特許請求の範囲第1項記載の非晶質
合金接着積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60051286A JPH0752686B2 (ja) | 1985-03-14 | 1985-03-14 | 磁気特性の良好な非晶質合金接着積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP60051286A JPH0752686B2 (ja) | 1985-03-14 | 1985-03-14 | 磁気特性の良好な非晶質合金接着積層体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPS61208811A JPS61208811A (ja) | 1986-09-17 |
JPH0752686B2 true JPH0752686B2 (ja) | 1995-06-05 |
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ID=12882685
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP60051286A Expired - Fee Related JPH0752686B2 (ja) | 1985-03-14 | 1985-03-14 | 磁気特性の良好な非晶質合金接着積層体 |
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JP (1) | JPH0752686B2 (ja) |
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1985
- 1985-03-14 JP JP60051286A patent/JPH0752686B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPS61208811A (ja) | 1986-09-17 |
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