JP2918255B2 - 磁心の製造方法 - Google Patents

磁心の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、トランス用鉄心あるいはモータ用鉄心等に
用いられる磁心の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
この種の技術について記載されている例としては、特
公昭62−37114号公報がある。
前記公報においては、非晶質磁性鋼帯(磁性リボン)
に対してリン酸塩処理および/またはクロム酸塩処理の
表面処理を行い、絶縁皮膜を付着させた後、酸化性雰囲
気中で焼鈍する技術が記載されている。
すなわち、この種の予め絶縁皮膜処理を施された磁性
リボンにおいては、酸化性雰囲気中で焼鈍を行うことに
より鉄損特性が向上し、それまでの窒素雰囲気中で焼鈍
したものに比べて特性上、同等あるいはそれ以上の性能
を示すことが見い出されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前記技術においては、焼鈍による透磁率の劣
化については充分に配慮されているとはいえなかった。
すなわち、磁性リボンとしてアモルファス磁性リボン
を製造する場合、400℃前後で焼鈍することが行われる
が、このような焼鈍が行われると、絶縁膜とリボンとの
線膨張係数の違い、すなわち、ほとんどの場合、絶縁膜
の線膨張係数の方がアモルファスリボンのそれより大き
いので、リボンに圧縮応力が生じ、磁歪の逆効果により
透磁率が劣化する。
また、400℃前後の焼鈍に耐える絶縁膜としては、材
料的に限られるという問題もあり、さらに、絶縁膜を設
けると磁心を構成した場合、磁性体の充填率(占積率)
が低下し、結果として磁心の大型化を招いてしまう。
本発明は、このような背景の下になされたもので、占
積率の低下を最小限にしてリボン層間の絶縁性を確保し
て、鉄損特性の向上と透磁率の向上とを共に満足する磁
心の製造技術の提供を技術的課題とするものである。
本発明は、その理論的前提として、まず、次のような
点に着目してなされた。
すなわち、磁性リボンにおける層間絶縁膜について
は、いかに絶縁性能の良い絶縁膜材料を見い出すかが当
業者間の最大の関心事となっている。
しかし、観点を変えてみると、このような絶縁膜が無
い場合でも層間に空気層があれば、それが絶縁層となっ
て、渦電流を防ぎ、かつ占積率を大きくできる。
そこで、本発明では、このような空気層を確保するた
めに、磁性リボンの積層体間に、絶縁性を有する酸化性
無機物質からなる非磁性体の微粉を、これらの微粉がス
ペーサとして空気層を形成するように介在させた状態で
焼鈍した。
同時に本発明では、この焼鈍を酸化性雰囲気中で行な
うこととした点に特徴がある。
また、磁性リボン単体の場合は、微粉がリボン表面に
接着していなければならないが、磁性リボンを巻回もし
くは積層した場合は、微粉が接着している必要はなく、
リボン間に介在している状態で足りる。
〔作用〕
以下、本発明の作用を述べ、さらに具体的な解決手段
について説明する。
本発明では、無機物質からなる微粉を少なくとも一面
に付着させて磁性リボンとしたので、この磁性リボンを
巻回し、あるいは、積層して磁心とした場合、微粉がス
ペーサとなって、リボンによる各層間に空気層が形成さ
れる。
ここで、本発明における磁性リボンとは、厚さが5μ
m〜100μm程度の磁性体の薄帯であり、磁性体材料と
しては、遷移金属中のFe,Co,Ni等の強磁性元素単体、あ
るいは強磁性元素同士の合金、特性改善を図るために加
えられる非強磁性元素と強磁性元素との合金、フェライ
ト、パーマロイ、アモルファス合金等を例示できる。ア
モルファス金属としては、Fe−B,Fe−B−C,Fe−B−S
i,Fe−B−Si−C,Fe−B−Si−Cr,Fe−Co−B−Si,Fe−
Ni−Mo−B等のFe系、Co−B,Co−Fe−Si−B,Co−Fe−Ni
−Mo−B−Si,Co−Fe−Ni−B−Si,Co−Fe−Mn−BrBi,C
o−Fe−Mn−Ni,Co−Mn−Ni−B−Si等のCo系等を例示で
きる。
また、本発明では磁性体材料としてアモルファス金属
以外に、Fe−Si−B−Cu−Nb系合金などのFe系微結晶軟
磁性材料も使用できる。
本発明の巻磁心に利用されるアモルファス合金は、例
えば (Fe(1-x-y-z)NixCoyMz(1-a-b-c)SiaBbCc ……(A) で示される組成式で実質的に示される非晶質磁性合金で
あると更によい。
ここで、M:Mo,Nb,Crでなる群から選択される1種のみ
又は2種以上の元素の組み合せで、各元素の組成比は 0≦x≦0.56 0≦y≦0.45 0≦z≦0.11 0≦a≦0.15 0.05≦b≦0.25 0≦c≦0.05 ただし、0.7≦(1−a−b−c)≦0.9で表される。
ここで、ニッケルは透磁率を改善することのできる元
素であるが、含有量が全体の50at.%を超えるあたりか
ら飽和磁束密度が大幅に低下するとともに、合金のキュ
リー温度が室温を下回り、実用材料として利用価値が失
われるので0≦x≦0.56がよい。
コバルト元素は含有量が増すにつれて飽和磁化が増加
するが、40at.%を超えると逆に飽和磁化が減少し、ま
た、軟磁気特性が悪化するので、0≦y≦0.45がよい。
MはMo,Nb,Crの少なくとも1種からなるが、これらは
高融点金属であり、特にMo,Nb,Crが磁歪を減少させると
ともに、結晶化温度を高め、著しく軟磁気特性を向上さ
せる。しかし、Mの割合が10at.%を超えると飽和磁化
率が減少し、また、キュリー温度も下がって実用上好ま
しくない。その場合、更に、溶融温度(融点)及び粘度
も増大し工業的大量生産に不向きとなる。そこで、0≦
z≦0.11とするのがよい。
次に、ケイ素元素は透磁率等の軟磁気特性とアモルフ
ァスの形成能を向上させるが、その割合が15at.%を超
えると、逆にそれら特性・性能が悪化するため0≦a≦
0.15とした。
また、ホウ素元素はアモルファス化には不可欠である
が、25at.%を越える添加は意味がなく、また5at.%未
満になるとアモルファス化が良好でなくなるので0.05≦
b≦0.25が好適である。
最後に、炭素元素は角形性など軟磁気特性を向上させ
るが、5at.%以上の添加は磁気特性及びアモルファス形
成能並びに機械的強度も減少させるので、0≦c≦0.05
とするのが好適である。
本発明では、例えば上記のような組成式で表されるア
モルファス合金が少なくとも純度98重量%以上を占めた
アモルファス合金が望ましい。
なお、本発明で使用する磁性体としては、以上の他
に、当初はアモルファス状態であるが、加熱処理をする
と組織が微細結晶粒となる磁性体、例えば、Fe−Cu−Nb
−Si−B形合金、具体的な組成としてはFe73.5−Cu1−N
b3−Si13.5−B9を例示できる。
次に、本発明で使用される無機物の微粉としては、非
磁性体であり、かつ、絶縁性を有することが条件とな
る。微粉が磁性体であり、また、導電性を有すると、磁
気特性に悪影響を与えたり、渦電流が流れやすくなった
りするからである。
このような微粉としては、ガラス(けい酸ナトリウ
ム)、雲母(アルミノけい酸アルカリ塩、フィロけい酸
アルカリ塩)、炭化ケイ素、硫酸カルシウム半水塩、炭
酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム等に代表される自然状態で安定な無機物質、
酸化アルミニウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、二
酸化ケイ素、二酸化スズ、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウ
ム、五酸化二アンチモン、酸化チタン等の金属酸化物、
前記に例示される素材の他、ペロブスカイト、ケイ
酸塩ガラス、リン酸塩、チタン酸塩、ニオブ,タンタ
ル,タングステン酸塩等の複酸化物からなるセラミック
ス、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム焼結体、窒
化ホウ素、窒化ホウ素マグネシウム、窒化ホウ素複合
体、窒化ケイ素、窒化ケイ素ランタン、サイアロン等の
窒化物、炭化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素アルミニ
ウム、炭化ホウ素アルミニウム、炭化チタン等の炭化
物、二ホウ化チタン、六ホウ化カルシウム、六ホウ化ラ
ンタン等のホウ化物で例示されるセラミックス素材を単
体、もしくは複合して形成したセラミックスを例示でき
る。これらの中では、二酸化ケイ素、酸化アルミニウ
ム、二酸化ジルコニウム、五酸化二アンチモン、酸化チ
タンが好適である。
これら酸化性無機物質の微粉の粒径についてみると、
微粉をリボンにまんべんなく付着・介在させて絶縁層と
する点を考慮すると、微粉の粒径は小さくてもよいが、
極度に小さくすることは製造を困難にする要因となる。
一方、余り大きいとリボンで磁心を形成した場合、リボ
ン間の間隙の幅が大きくなりすぎて磁性体の占積率が小
さくなる。このような理由から、微粉の粒径は1nm〜2
μmであるのが望ましい。
また、微粉の付着・介在量はリボンの単位面積(1c
m2)当り、微粉が10-7cm3〜2×10-4cm3、さらに好適に
は3×10-6cm3〜10-5cm3となる量だけ付着・介在するよ
うにするとよい。この付着・介在量を単位面積当りの微
粉重量に換算すると、微粉の素材の比重によりその値が
変わるが、五酸化二アンチモンの場合、3.8×10-7g/cm2
〜7.6×10-4g/cm2、さらに好適には1.1×10-5g/cm2〜3.
8×10-5g/cm2である。
微粉を磁性リボン間に介在させる手段としては、磁性
リボンを巻回もしくは積層するにあたって、微粉を磁性
リボン上に散布しながら巻回もしくは積層する方法を例
示できる。また他の方法として、前記のような微粉を、
高分子溶液又は高分子分散液又は両者の混合液に分散し
て得た分散系、とりわけコロイド溶液とした絶縁処理液
を磁性リボンの少なくとも一面に付着させ、それを巻回
もしくは積層する方法を例示できる。
このような絶縁処理液で用いられる高分子溶液は、揮
発性液体に高分子化合物が溶解して形成されている。揮
発性液体としては、具体的には、例えば、無機溶媒とし
て、水、アンモニア水など、有機溶媒として、トルエ
ン、キシレン、低級アルコール、ガソリン、ケロシン、
ヘキサン、その他にも芳香族、脂肪族有機溶剤などが挙
げられる。なお、これらは単独で用いられてもよく、可
能な範囲で混合されて用いられてもよい。
このような揮発性液体に溶解して用いられる高分子化
合物は、前記微粉を分散系中で実質的に凝結させること
のない非イオン性物質が望ましい。例えば具体的には、
ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアク
リル酸メチル、アクリル酸・シリコン化合物共重合体な
どが挙げられる。その他にも、アクリル系、ウレタン
系、エポキシ系、酢酸ビニル系などの高分子化合物も挙
げられる。
ただし、実際に用いられる高分子化合物は、上記の中
でも用いられる揮発性液体に対応して選択され、揮発性
液体が揮散した場合でも、なお、粘着性を有している高
分子化合物がよい。例えば、揮発性液体にトルエンを用
いた場合にはアクリル系、ウレタン系、あるいはエポキ
シ系化合物が挙げれる。揮発性液体に水を用いた場合、
ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールなどが
好ましい。
また、高分子化合物の割合は、分散系全体に対し、0.
1重量%〜10重量%であるとよい。高分子化合物の割合
がこの範囲にあると、分散系に適度の粘性が付与されて
よい。
絶縁処理液で用いる高分子分散液は、前記高分子溶液
に用いた揮発性液体と同一の液体を分散媒として用いる
ことができる。このような揮発性液体に分散して用いら
れる高分子化合物は、熱可塑性エラストマー、低密度ポ
リオレフィン、アイオノマー、酢酸ビニル系共重合ポリ
オレフィン、低分子量ポリオレフィンなどのポリオレフ
ィン系樹脂の微粉を例示できる。これら樹脂微粉の粒径
は5μm以下が好ましく、揮発性液体への分散量は総量
に対し、0.1〜10重量%程度が好ましい。
さらに具体的には、水(95重量%)に平均粒径4μ
mの熱可塑性エラストマー微粉を5重量%分散させた高
分子分散液、水(95重量%)に平均粒径5μmの低密
度ポリオレフィン微粉を5重量%分散させた高分子分散
液、水(95重量%)に平均粒径0.5μm以下のアイオ
ノマー微粉を10重量%分散させた高分子分散液、水
(95重量%)に平均粒径5μm以下の酢酸ビニル系共重
合ポリオレフィン微粉を5重量%分散させた高分子分散
液、水(95重量%)に平均粒径2〜5μmの低分子量
ポリオレフィン微粉を5重量%分散させた高分子分散液
などを例示できる。
そして、以上の高分子溶液、高分子分散液には、界面
活性剤、乳化助剤、分散助剤などの添加物質が含まれて
いてもよい。また、高分子溶液と高分子分散液とが混合
して用いられてもよい。
このような高分子溶液又は高分子分散液もしくはこれ
らの混合液中に分散される微粉の割合は、高分子溶液、
高分子分散液、微粉の種類によっても大きく異なるが、
一般には、分散系全体に対し、0.1重量%〜60重量%で
あるとよい場合が多い。その中でも、例えば微粉が五酸
化二アンチモン、揮発性液体がトルエンの場合、分散系
全体に対し、0.1〜30重量%の比率で五酸化二アンチモ
ンが用いられるとよい。五酸化二アンチモンの割合は例
えば3重量%程度でも十分有効で、このような絶縁処理
液を磁性リボンに塗布して絶縁層の形成される磁心に占
積率の低下はほとんどなく、磁気特性も劣化しない。
絶縁処理液の製造にあたって、微粉を分散させる方法
としては、例えば、分散法によってもよく、凝集法によ
ってもよい。分散法の場合、機械的分散法でもよく、電
気的分散法でもよく、解膠法でもよい。凝集法の場合、
還元法、酸化法、複分解法、溶解度低下法のいずれでも
よい。
絶縁処理液を得るには、このような分散液の製造にあ
たって、高分子化合物を混合してある高分子溶液あるい
は高分子分散液をあらかじめ用いて分散系を形成し、そ
れを絶縁処理液としてもよく、高分子溶液あるいは高分
子分散液の製造工程の中で上記のような微粉を混合して
もよい。また、微粉を分散した揮発性液体の中に高分子
化合物を溶解もしくは分解してもよい。
絶縁処理液を、上記のような磁性リボンに塗布する
際、塗布膜の厚さは10μm以下にするとよい。この程度
の厚さにすると、磁性詠リボンにに対する微粉付着量
が、磁性リボンの単位面積(1cm2)当り、10-7cm3〜2
×10-4cm3、条件次第では、3×10-6cm3〜10-5cm3とな
るのでよい。
通常、上記のように絶縁処理液の塗布された磁性リボ
ンを更に強制的もしくは自然に乾燥し、揮発性液体を揮
散させ、残存する高分子化合物を介して微粉を磁性リボ
ンなどに付着させる。
また、揮発性液体を揮散させるには、好ましくは乾燥
炉を使用し、一般には100℃以下で乾燥するとよい。
このような微粉が付着した磁性リボン、リボン間に微
粉を介在させた磁心は、製造時に残留した内部応力を解
放することを主目的として好ましくは300〜600℃の温度
で焼鈍を行う。この焼鈍は、リボンを巻回あるいは積層
して磁心とした後に行ってもよいし、リボンの状態のま
まで行ってもよい。なお、焼鈍は磁場中で行ってもよい
し、無磁場で行ってもよい。
前記絶縁処理液が磁性リボンに塗布された場合、その
後焼鈍されると、高分子化合物は焼失し、絶縁性微粉は
磁性リボンに間に介在保持される。
そして、巻回もしくは積層したアモルファス磁心を焼
鈍する場合、リボン間に介在する微粉は、粉体であるが
ゆえに線膨張ということが磁心に影響を与えない。むし
ろ、アモルファスリボンの収縮に伴う応力を吸収すると
いう作用を奏する。
さらに、磁性リボンもしくは磁心の焼鈍は酸化性雰囲
気中で行なわれる。これにより、酸化膜が適切に生長さ
れ、鉄損特性を向上させることができる。
なお、ここでいう酸化性雰囲気とは、空気、空気と不
活性ガスとの混合ガス、湿分を含ませた不活性ガス等で
形成された雰囲気を含み、このような酸化性雰囲気は、
必ずしも炉内全体に形成されている必要はなく、少なく
とも磁性リボンの表面がこれで満たされていればよい。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。
第3図に示した装置で、アライド社製のアモルファス
(1a),2605S−2(Fe78−B13−Si9,(原子%)10mm
幅)を順送りで五酸化二アンチモンのコロイド溶液
(2)中に浸し、引き上げる際に一対のバーコータ
(3)ではさんで余分な溶液を落し、温風乾燥機(4)
で温風を当てて乾燥しつつ微粉付きリボン(1b)を巻取
った。五酸化二アンチモンのコロイド溶液(2)はトル
エンを溶媒とし、トルエン97重量%に対し、五酸化二ア
ンチモンを3重量%分散させたものである。
次に、第4図に示したように、微粉付きリボン(1b)
をローラ(5)を介して順送りし、最終段で張力をかけ
つつ巻回し、アモルファス製磁心(6)を形成した。そ
して、同寸法の磁心を複数形成し、そのそれぞれを大気
中のもと、430℃で2時間焼鈍した。
得られた各磁心における鉄損の周波数特性、透磁率の
周波数特性を5ミリエルステッド(mOe)の磁界を印加
した場合について測定した。
以下の実施例は、前記に基づいて得た磁心であり、併
せて、未処理状態の磁性リボンを420℃で2時間焼鈍し
た場合を比較例として示した。
<実施例> (a) 非晶質金属の組成; (米)アライドシグナル社が製造販売しているMETGLAS2
605S−2 (カタログ組成Fe78B13Si9 at.%) (b) 磁 心; 前記の磁性リボンを巻回したトロイダルコア 内 径=23.0mm 外 径=37.0mm 高 さ=15.0mm 質 量=63.0g 素材の密度=7.18g/cm3 体 積=8.77×10-6(m3) 有効断面積=9.31×10-5(m2) 平均磁路長=9.43×10-2(m) 占 積 率=88.7% (全体積に対するリボンの占める比率) 磁性リボン巻回時の張力=0.8kg (c) 塗布したコロイド溶液; 有機溶媒=トルエン 97重量% 微 粉=五酸化二アンチモン 3重量% (d) 焼鈍処理条件 雰囲気 =大気中 加熱条件=420℃ 時 間=2(hr) (e) 結果 *鉄損;10kHz,0.1Tにおいて 1.0W/kg 100kHz,0.1Tにおいて 29W/kg *透磁率の周波数特性;第1図に示す コアに巻回した1次巻線の巻数は12 測定磁界=5mOe 測定電流=2.20978mA <比較例> (a) 磁心;前記の磁性リボンを巻回したトロイダル
コア 内 径=23.0mm 外 径=37.0mm 高 さ=15.0mm 質 量=63.0g 素材の密度=7.18g/cm3 体 積=8.77×10-6(m3) 有効断面積=9.31×10-5(m2) 平均磁路長=9.43×10-2(m) 占 積 率=88.7% (全体積に対するリボンの占める比率) 磁性リボン巻回時の張力=0.8kg (b) 焼鈍処理条件 雰囲気 =窒素ガス中 加熱条件=430℃ 時 間=2(hr) (e) 結果 *鉄損;10kHz,0.1Tにおいて 1.3W/kg 100kHz,0.1Tにおいて 33W/kg *透磁率の周波数特性;第2図に示す コアに巻回した1次巻線の巻数は12 測定磁界=3mOe 測定電流=1.32587mA 以上の結果から、10kHzにおける鉄損が比較例の未処
理状態のものは1.3W/kgであるのに対して実施例のもの
は1.0W/kgと低く、100kHzにおける高周波領域では比較
例の場合が33W/kgであるのに対して、実施例の場合が29
W/kgと比較的低い良好な値が得られた。
また、透磁率についても第2図に対する第1図との対
比から明かなように、比較例が1kHz〜100kHzの間が103
のオーダーであるのに対して、実施例は104以上のオー
ダーとなり、著しく改善されている。
(発明の効果) 本発明では、前記構成としたので、占積率の低下を最
小限にしてリボン層間の絶縁性を確保して、鉄損特性の
向上と透磁率の向上とを共に満足する磁心を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例である実施例における周波数特
性と透磁率との変化を示すグラフ図、第2図は比較例に
おける周波数と透磁率との変化を示すグラフ図、第3図
は微粉の付着処理装置を示した概略図、第4図はトライ
ダル型の磁心の製造手段を示した説明図である。 1a……磁性リボン(無処理),1b……微粉付き磁性リボ
ン,2……微粉のコロイド溶液,3……バーコータ,4……温
風乾燥機,5……ローラ,6……磁心。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−110606(JP,A) 特開 昭54−130449(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 1/18,41/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性リボンの表面に絶縁性を有する酸化性
    無機物質からなる非磁性体の微粉を、単位面積(cm2
    当たり10-7cm3〜2×10-4cm3の範囲で付着させ、これを
    酸化性雰囲気中で焼鈍することにより、前記磁性リボン
    の積層体間に前記微粉をスペーサとして空気層を形成す
    ることを特徴とする磁心の製造方法。
  2. 【請求項2】前記微粉の径が1nm〜2μmである請求項
    1に記載の磁心の製造方法。
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