JP3222458B2 - 磁心の製造方法 - Google Patents

磁心の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁心の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
磁性リボンを巻回しあるいは積層して磁心を形成した
場合、リボン層間の絶縁が悪いと、リボン層間を流れる
渦電流が生じ、渦電流損失の増大により全体の鉄損(磁
損)が増大する。この傾向はとくに高周波の場合に顕著
である。そして、透磁率の周波数特性が悪く100KHz以上
ではメリットのある利用は期待できない。
そこで、従来は、リボン層間の絶縁を良好にするた
め、リボン層間に非磁性物質からなる絶縁層を設けるこ
とが行われ、その一手段としてリボン表面に一様な絶縁
膜を形成して、上記問題の解決を図ろうとしている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、磁性リボンとしてアモルファス磁性リボンを
製造する場合、400℃前後での焼鈍が行われるが、この
ような焼鈍が行われると、絶縁膜とリボンとの線膨張係
数の違い、すなわち、ほとんどの場合、絶縁膜の線膨張
係数の方がアモルファスリボンのそれより大きいので、
リボンに圧縮応力が生じ、磁歪の逆効果により磁気特性
が劣化する。
また、400℃前後の焼鈍に耐える絶縁膜としては、材
料的に限られるという問題もあり、さらに、絶縁膜を設
けると磁心を構成した場合、磁性体の充填率(占積率)
が低下し、結果として磁心の大型化を招いてしまう。
ところで、本発明者らはこのような絶縁膜が無い場合
でも層間に空気層があれば、それが絶縁層となって、渦
電流を防ぎ、しかも、占積率を大きくできることも見い
だし、先に、このような空気層を確保するために、非磁
性体であり、かつ、絶縁性を有する無機物からなる微粉
を少なくとも一面に付着させて磁性リボンとすることを
考えた。
このような磁性リボンを製造しようとする場合、製造
工程中に無機物からなる微粉を磁性リボンに付着させる
必要があるが、製造を容易にするためには、そのような
微粉が磁性リボンに確実に付着することが望まれる。
本発明はこのような観点からなされたもので、磁性リ
ボンに無機物からなる微粉を確実に塗布できて、占積率
の低下を最小限にしてリボン層間の絶縁性を確保し、磁
気特性のよい磁性リボンおよび磁心を得るのに好適な磁
心の製造方法を提供することを技術的課題とするもので
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の磁心の製造方法は、非磁性体でしかも絶縁体
であり、且つ、粒径が1nmから5μmである粉体が、揮
発性液体に高分子化合物が溶解して形成される高分子溶
液、または揮発性液体を分散媒として高分子化合物を分
散させた高分子分散液もしくはその混合液に、0.1〜60
重量%の割合で分散している分散系で形成された絶縁処
理液を磁性リボンに塗布した後に、揮発性液体を揮散さ
せ、さらに焼鈍することによって、巻回または積層され
た磁心のリボン層間に前記粉体による空気層を含む絶縁
層を形成する。
前記絶縁処理液はコロイド溶液であるとよい。
〔作用〕
本発明では、高分子化合物で適度に粘度を調整でき
る。適度に粘度の調整された高分子溶液又は高分子分散
液を用いた分散系が磁性リボン表面に塗布され、続いて
その揮発性液体が揮散すると、塗布面に絶縁性粉体が均
一に積層される。
例えば、磁心を形成する際に、絶縁処理液が磁性リボ
ンに塗布されその後焼鈍されると、高分子化合物は焼失
し、絶縁性粉体は磁性リボン層間に介在・保持される。
分散系中の高分子による接着力は焼鈍以前に行われる
磁性リボンへの塗布工程や、磁心の積層工程などにおい
ては十分強固であるが、焼鈍時に高分子は消失するので
焼鈍後の接着力はかなり小さくなる。この事は、磁性リ
ボン内部の歪を解放するために焼鈍している磁心の場
合、好都合である。
磁性リボンへの絶縁体の接着強度は焼鈍以前すなわ
ち積層時に強固に、焼鈍後は弱いことが必要な条件で
ある。
以下、本発明を更に具体的に説明する。
本発明で、分散系中に分散している非磁性体の粉体と
しては、例えば次のような、物質が挙げられる。
具体的には、 ガラス(けい酸ナトリウム)、雲母(アルミノけい酸
アルカリ塩、フィロけい酸アルカリ塩)、炭化ケイ素、
硫酸カルシウム半水塩、炭酸カリウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等に代表される天然
無機化合物、 酸化アルミニウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、
二酸化ケイ素、二酸化スズ、酸化亜鉛、二酸化ジルコニ
ウム、五酸化二アンチモン、酸化チタン等の安定な金属
酸化物、 その他、ペロブスカイト、ケイ酸塩ガラス、リン酸
塩、チタン酸塩、ニオブ,タンタル,タングステン酸塩
等の複酸化物からなるセラミックス、窒化アルミニウ
ム、酸窒化アルミニウム焼結体、窒化ホウ素、窒化ホウ
素マグネシウム、窒化ホウ素複合体、窒化ケイ素、窒化
ケイ素ランタン、サイアロン等の窒化物、炭化ホウ素、
炭化ケイ素、炭化ホウ素アルミニウム、炭化ホウ素アル
ミニウム、炭化チタン等の炭化物、二ホウ化チタン、六
ホウ化カルシウム、六ホウ化ランタン等のホウ化物で例
示されるセラミックス素材を単一、もしくは複合して形
成したセラミックスを例示できる。
なお、これらは単独で用いられてもよく、混合されて
用いられてもよい。これらの中で、二酸化ケイ素、酸化
アルミニウム、二酸化ジルコニウム、五酸化二アンチモ
ン、酸化チタンが好適である。
粉体の粒径は、1nm〜5μmであるとよい。その中で
も、磁性リボンに塗布し、その磁性リボンから磁心を形
成しようとするような場合には、1nm〜2μm、好まし
くは、5nm〜1μmが望ましい。粒径が5μmを超える
と磁性体間の間隙の幅が大きくなりすぎて磁性体の占積
率が小さくなって好ましくない。粒径が小さいことは必
ずしも障害にはならないが、比較的製造が困難である。
分散媒に分散する粉体の粒径が1mμ〜100μmである場
合一般にコロイド溶液というが、本発明でも、この範囲
にあるとき粉体が安定に分散していて扱いやすい。
本発明では、上記のような粉体が高分子溶液又は高分
子分散液又は両者の混合液中に分散している。
本発明で用いられる高分子溶液は、揮発性液体に高分
子化合物が溶解して形成されている。揮発性液体として
は、具体的には、例えば、無機溶媒として、水、アンモ
ニア水など、有機溶媒として、トルエン、キシレン、低
級アルコール、ガソリン、ケロシン、ヘキサン、その他
にも芳香族、脂肪族有機溶剤などが挙げられる。なお、
これらは単独で用いられてもよく、可能な範囲で混合さ
れて用いられてもよい。
このような揮発性液体に溶解して用いられる高分子化
合物は、前記粉体を分散系中で実質的に凝結させること
のない非イオン性物質が望ましい。例えば具体的には、
ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアク
リル酸メチル、アクリル酸・シリコン化合物共重合体な
どが挙げられる。その他にも、アクリル系、ウレタン
系、エポキシ系、酢酸ビニル系などの高分子化合物も挙
げられる。
ただし、実際に用いられる高分子化合物は、上記の中
でも用いられる揮発性液体に対応して選択され、揮発性
液体が揮散した場合でも、なお、粘着性を有している高
分子化合物がよい。例えば、揮発性液体にトルエンを用
いた場合にはアクリル系、ウレタン系、あるいはエポキ
シ系化合物が挙げれる。揮発性液体に水を用いた場合、
ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールなどが
好ましい。
また、高分子化合物の割合は、分散系全体に対し、0.
1重量%〜10重量%であるとよい。高分子化合物の割合
がこの範囲にあると、分散系に適度の粘性が付与されて
よい。
本発明で用いる高分子分散液は、前記高分子溶液に用
いた揮発性液体と同一の液体を分散媒として用いること
ができる。このような揮発性液体に分散して用いられる
高分子化合物は、熱可塑性エラストマー、低密度ポリオ
レフィン、アイオノマー、酢酸ビニル系共重合ポリオレ
フィン、低分子量ポリオレフィンなどのポリオレフィン
系樹脂の微粉を例示できる。これら樹脂微粉の粒径は5
μm以下が好ましく、揮発性液体への分散量は総量に対
し、0.1〜10重量%程度が好ましい。
さらに具体的には、水(95重量%)に平均粒径4μ
mの熱可塑性エラストマー微粉を5重量%分散させた高
分子分散液、水(95重量%)に平均粒径5μmの低密
度ポリオレフィン微粉を5重量%分散させた高分子分散
液、水(95重量%)に平均粒径0.5μm以下のアイオ
ノマー微粉の10重量%分散させた高分子分散液、水
(95重量%)に平均粒径5μm以下の酢酸ビニル系共重
合ポリオレフィン微粉を5重量%分散させた高分子分散
液、水(95重量%)に平均粒径2〜5μmの低分子量
ポリオレフィン微粉を5重量%分散させた高分子分散液
などを例示できる。
そして、以上の高分子溶液、高分子分散液には本発明
の目的を損なわない範囲で、界面活性剤、乳化助剤、分
散助剤などの添加物質が含まれていてもよい。また、高
分子溶液と高分子分散液とが混合して用いられてもよ
い。
このような高分子溶液又は高分子分散液もしくはこれ
らの混合液中に分散される粉体の割合は、高分子溶液、
高分子分散液、粉体の種類によっても大きく異なるが、
一般には、分散系全体に対し、0.1重量%〜60重量%で
あるとよい場合が多い。その中でも、例えば粉体が五酸
化二アンチモン、揮発性液体がトルエンの場合、分散系
全体に対し、0.1〜30重量%の比率で五酸化二アンチモ
ンが用いられるとよい。五酸化二アンチモンの割合は例
えば3重量%程度でも十分有効で、このような絶縁処理
液を磁性リボンに塗布して絶縁層の形成される磁心に占
積率の低下はほとんどなく、磁気特性も劣化しない。
本発明に係る絶縁処理液の製造にあたって、粉体を分
散させる方法としては、例えば、分散法によってもよ
く、凝集法によってもよい。分散法の場合、機械的分散
法でもよく、電気的分散法でもよく、解膠法でもよい。
凝集法の場合、還元法、酸化法、複分解法、溶解度低下
法のいずれでもよい。
本発明に係る絶縁処理液を得るには、このような分散
液の製造にあたって、高分子化合物を混合してある高分
子溶液あるいは高分子分散液をあらかじめ用いて分散系
を形成し、それを絶縁処理液としてもよく、高分子溶液
あるいは高分子分散液の製造工程の中で上記のような粉
体を混合してもよい。また、粉体を分散した揮発性液体
の中に高分子化合物を溶解もしくは分散してもよい。
本発明に係る絶縁処理液は、例えば、磁心を形成する
ための磁性リボンなどに塗布して用いられるとよい。
このような磁性リボンを構成する磁性体材料として
は、遷移金属の中に特に鉄、コバルト又はニッケル等の
強磁性単体、あるいはこのような強磁性金属元素を含ん
で形成された強磁性合金等が挙げられる。また、このよ
うな強磁性単体あるいは合金に、更に常磁性元素や反磁
性元素が加えられて特性改善の図られた合金、そのほか
にも、フェライト、パーマロイ、アモルファス合金等を
例示できる。アモルファス合金としては、Fe−B,Fe−B
−C,Fe−B−Si,Fe−B−Si−C,Fe−B−Si−Cr,Fe−Co
−B−Si,Fe−Ni−Mo−B等の鉄系、Co−B,Co−Fe−Si
−B,Co−Fe−Ni−Mo−B−Si,Co−Fe−Ni−B−Si,Co−
Fe−Mn−B−Si,Co−Fe−Mn−Ni,Co−Mn−Ni−B−Si,C
o−Fe−Mn−Ni−B等のコバルト系等を例示できる。
以上の他に、当初はアモルファス状態であるが、加熱
処理をすると組織が微細結晶粒となる磁性体に塗布して
使用できる。このような磁性体としては、Fe−Cu−Nb−
Si−B、具体的な組成としては、Fe73.5−Cu1−Nb3−Si
13.5−B9を例示できる。
本発明に係る絶縁処理液を、上記のような磁性リボン
に塗布する際、塗布膜の厚さは10μm以下にするとよ
い。この程度の厚さにすると、磁性リボンに対する粉体
付着量が、磁性リボンの単位面積(1cm2)当り、10-7cm
3〜2×10-4cm3、条件次第では、3×10-6cm3〜10-5cm3
となるのでよい。このような付着量は単位面積当りの粉
体重量に換算すると、粉体の比重によっても変わるが、
粉体が五酸化二アンチモンの場合、3.8×10-7g/cm2〜7.
6×10-4g/cm2、条件次第では、1.1×10-5g/cm2〜3.8×1
0-5g/cm2になる。
通常、上記のように絶縁処理液の塗布された磁性リボ
ンを更に強制的もしくは自然に乾燥し、揮発性液体を揮
散させ、残存する高分子化合物を介して粉体を磁性リボ
ンなどに付着させる。
また、揮発性液体を揮散させるには、好ましくは乾燥
炉を使用し、一般には100℃以下で乾燥するとよい。
次いで、このように乾燥された磁性リボンを、窒素な
どの不活性ガス雰囲気中で、300〜600℃の温度で、0.5
〜5時間焼鈍するとよい。焼鈍すると磁性リボン、とり
わけアモルファスリボンが歪取りされる。焼鈍は、磁性
リボンを巻回あるいは積層した後に行ってもよいし、そ
の前に行ってもよい。焼鈍温度を、とりわけ、キュリー
点よりも10〜50℃高い温度とすると、高周波での特性の
よい磁性リボンが得られる。焼鈍は磁界中で行ってもよ
いし、磁場から離れたところで行ってもよい。
巻回もしくは積層した磁性リボンを焼鈍した場合、リ
ボン層間には絶縁処理液に含まれている粉体があるか
ら、磁性リボンが線膨張しても磁性リボンに不均一な応
力がかからず、得られる磁心に製造中の膨張現象が影響
を残すことはない。むしろ、粉体はアモルファスリボン
の収縮に伴う応力を吸収するという作用を奏する。
なお、以上は磁性リボンに絶縁処理液を塗布した場合
を中心に説明したが、本発明に係る絶縁処理液は、他の
絶縁用途に使用できることはもちろんである。
〔実施例〕
以下、本発明に係る絶縁処理液についての実施例を説
明する。
<実施例1> エポキシ系樹脂の5重量%トルエン溶液に、粒径0.01
〜0.02μmの五酸化二アンチモンを3重量%の割合で分
散させ、絶縁処理液とした。
<実施例2> 粒径1μm以下のポリオレフィンが水中に分散した高
分子分散液に、粒径0.04〜0.05μmの五酸化二アンチモ
ンを40重量%分散させて絶縁処理液とした。
<実施例3〜5> トルエンに代えて水を用い、高分子化合物としてエポ
キシ系樹脂に代えてポリエチレングリコール(実施例
3)、カルボキシメチルセルロース(実施例4)、又
は、ポリビニルアルコール(実施例5)をそれぞれ2重
量%の割合で用いた外は実施例1と同様にした。
<実験例1,2> 実施例1〜5の絶縁処理液を用いアモルファス製磁心
を形成した。
すなわち、第4図に示した装置で、アライド社製のア
モルファスリボン(1a),2605S−2(Fe78−B13−Si9,1
0mm幅)を順送りし、実施例1を用いた場合にはそれを
絶縁処理液(2)中に浸し、引き上げる際に一対のバー
コータ(3)ではさんで余分な溶液を落し、温風乾燥機
(4)で温風を当てて乾燥しつつ微粉付きリボン(1b)
を巻取った。
実施例2〜5の場合にはロールコータ法で塗布してリ
ボンを巻取った。
いずれのリボンにも、五酸化二アンチモンが、アモル
ファスリバンに強固に付着していることが分かった。
次に、第5図に示したように、微粉付きリボン(1b)
をローラ(5)を介して順送りし、最終段で張力をかけ
つつ巻回し、アモルファス製磁心(6)を形成した。そ
して、同寸法の磁心を複数形成し、そのそれぞれの窒素
雰囲気のもと、435℃で2時間焼鈍した。
得られた各磁心のB−H特性、鉄損の周波数特性、透
磁率の周波数特性を測定した。B−H特性は、10エルス
テッド(Oe)の磁界を印加した場合と、1エルステッド
(Oe)の磁界を印加した場合の2つの場合について測定
した。
実施例5の絶縁処理液を用いて製造した磁心の特性を
第1図〜第3図に示す。第1図はB−H特性、第2図は
鉄損の周波数特性で、測定に際しコアに巻いた1次巻線
の巻数は5、2次巻線の巻数は10である。第3図は透磁
率の周波数特性で測定に際しコアに巻いた1次巻線の巻
数は10、測定磁界=5mOe、測定電流=2.65173mAであっ
た。
この磁心の具体的ゲータは以下の通りである。
内径=23.00mm 外径=37.00mm 高さ=10.00mm 質量=42.00g 素材の密度=7.18g/cm3 体積 =5.850×10-6(m3) 有効断面積=6.207×10-5(m2) 平均磁路長=9.425×10-2(m) 占積率=88.67%(全体積に対するリボンの占める比
率) 磁性リボン巻回時の張力=0.8kg 以上の結果から、本発明の磁心の製造方法を使用して
製造した磁心は、巻回または積層された磁心のリボン層
間に前記粉体による空気層を含む絶縁層を形成する。こ
の結果、ヒステリシスがより線形に近く、また、鉄損に
ついても全体的に低く、とくに高周波部分での上昇を低
く押さえることができることが分かった。また、200kHz
までほぼ一定の透磁率が得られることが分かった。
また、製造工程中に磁性リボン表面に形成された粉体
層が剥離するというトラブルもなかった。
要するに、本発明磁心の製造方法によれば、非磁性体
でしかも絶縁体であり、且つ、粒径が1nmから5μmで
ある粉体が、揮発性液体に高分子化合物が溶解して形成
される高分子溶液、または揮発性液体を分散媒として高
分子化合物を分散させた高分子分散液もしくはその混合
液に、0.1〜60重量%の割合で分散している分散系で形
成された絶縁処理液を磁性リボンに塗布した後に、揮発
性液体を揮散させ、さらに焼鈍することによって、巻回
または積層された磁心のリボン層間に前記粉体による空
気層を含む絶縁層を形成するので、製造工程中に絶縁材
が塗布面から剥がれ落ちることがなく、微粉を確実に塗
布できる。その結果、例えば、磁性リボンに塗布して磁
心を製造した場合、とりわけ、10kHz以上の周波数での
磁気特性を改善でき、また、占積率をできるだけ大きく
できて、磁心の小型化に寄与できる。
〔発明の効果〕 本発明磁心の製造方法によれば、磁心の製造工程中に
絶縁材が塗布面から剥がれ落ちることがなく、微粉を確
実に塗布できる。その結果、本発明磁心の製造方法によ
って製造された磁心の場合、とりわけ、10kHz以上の周
波数での磁気特性を改善でき、また、占積率をできるだ
け大きくできて、磁心の小型化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は実験の結果得られた磁心の特性を示す
図で、第1図はB−H特性を示す図、第2図は鉄損の周
波数特性を示す図、第3図は透磁率の周波数特性を示す
図である。第4図は絶縁処理液の塗布手段を示した図、
第5図はトロイダル磁心の製造方法を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−56200(JP,A) 特開 昭59−125606(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性体でしかも絶縁体であり、且つ、粒
    径が1nmから5μmである粉体が、揮発性液体に高分子
    化合物が溶解して形成される高分子溶液、または揮発性
    液体を分散媒として高分子化合物を分散させた高分子分
    散液もしくはその混合液に、0.1〜60重量%の割合で分
    散している分散系で形成された絶縁処理液を磁性リボン
    に塗布した後に、揮発性液体を揮散させ、さらに焼鈍す
    ることによって、巻回または積層された磁心のリボン層
    間に前記粉体による空気層を含む絶縁層を形成する磁心
    の製造方法。
  2. 【請求項2】前記絶縁処理液がコロイド溶液である請求
    項1記載の磁心の製造方法。
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