JPH0752108Y2 - ベルト式アンローダのパドルフィーダ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は揺動動作する垂直２重ベルトコンベヤの下端に
パドルフィーダを配置したベルト式アンローダに関し、
特に船艙から穀物等の粒状体や粉状体のばら物を荷揚げ
するのに使用されるベルト式アンローダのパドルフィー
ダの構造に関する。

（従来技術） 船艙から穀物等の粒状，粉状ばら物を荷揚げする連続式
アンローダとして従来、走行台車に旋回フレームを介し
て起伏可能なブームの先端に船艙内へのびる２重ベルト
コンベヤを吊り下げ、該２重ベルトコンベヤの下端にパ
ドルフィーダと称する遠心ラジアルファン掬揚機を設け
たベルト式アンローダが知られている（例えば特開昭54
-25078号、実開昭62-74610号）。第６図はこの種のベル
ト式アンローダの下端部の正面図である。図示しないブ
ームの先端に垂直フレーム３が垂直面内で揺動（矢印Ａ
方向のスィング動作）するように吊り下げられ、該フレ
ーム３内に一対の無端ベルトを重ね合せた２重ベルトコ
ンベヤ４が配置され、また該２重ベルトコンベヤ４の下
端に一対のパドルフィーダ５が配置されている。パドル
フィーダ５はその両端部で垂直フレーム３に軸支されて
図示しない油圧モータ等により互いに対向方向に回転さ
れる。垂直フレーム３の下端部が船艙に収容されたばら
物６内に挿入され、パドルフィーダ５が回転することに
よってばら物６が２重ベルトコンベヤ４に向けて跳ね上
げられ、ベルト間に挟まれて上昇搬送される。

従来のパドルフィーダ５は第４図に示すように軸体７の
外周に軸方向にのびる複数個の突起８を溶接等で固着
し、この突起部に半径方向にのびる複数個のパドル羽根
９を複数のボルト10で結合している。また扱い物のばら
物に混じって長尺の鉄片や木片等の異物が２重ベルトコ
ンベヤ内に取り込まれるのを防止するために、第５図に
示すように、パドル羽根９を軸方向に沿って複数の仕切
板11で仕切り、長尺の異物が仕切板11間の掻取空間部内
に入らないようにしたものも提案されている（例えば実
願昭63-48308号）。なお第６図は第５図に示すような仕
切板付きのパドルフィーダをもつベルト式アンローダの
例である。

（考案が解決しようとする課題） この種のベルト式アンローダのパドルフィーダ部分は、
パドル羽根９の高速回転による遠心力で扱い物を上方へ
跳ね上げる部分であって、扱い物による衝撃が大きく、
摩耗や鉄片等の異物による損傷が起り易い。荷役動作中
に損傷を受けると、緊急に取り替える必要があるが、第
４図に示す従来のパドルフィーダではボルト10の結合部
分が多く、しかも各羽根９ごとに軸方向に並んで多数の
ボルト10で結合されているので、その取り外し，取り付
けがきわめて煩雑である。また第４図の例では扱い物や
異物が直接ボルト部分に当り、ボルト10の摩耗，緩み，
損傷等が発生し易く、さらにボルト，ナットの部分が掻
取空間部に突出しているので、その分扱い物が入る空間
が狭くなり、どうしても羽根サイズを大きくしなければ
ならなかった。第５図に示す仕切板付きパドルフィーダ
では異物対策上はそれなりの効果があるものの、掻取空
間部を多数の仕切板で小さく区切るためにパドル羽根９
および仕切板11を脱着可能なボルト結合とすることが容
易でなく、また第４図の場合と同様にボルトの摩耗，緩
み等の問題があり、溶接等による固着手段をとらざるを
得なかった。パドルフィーダ全体を取り替える場合に
も、その両端が垂直フレームに挾まれており、しかも片
端には油圧モータ等の駆動装置が歯車連結されているの
で、全体の取付，取外作業は容易でなかった。

本考案は、パドル羽根間に仕切板を設けて異物対策を講
じながら、パドル羽根全体の取付，取外作業が容易かつ
短時間に行い得、またパドル羽根部の強度向上も確保で
きるベルト式アンローダのパドルフィーダを提供するこ
とにある。

（課題を解決するための手段） 本考案によれば、２重ベルトコンベヤを揺動可能に吊設
し、該ベルトコンベヤを支持する垂直フレームの下端に
パドルフィーダを軸支したベルト式アンローダにおい
て、前記垂直フレームに軸支されるパドルフィーダ軸部
と、外周に複数のパドル羽根および仕切板が固着されか
つ径方向に２体に分割されたパドル胴と、前記パドル胴
の両端部に形成され、かつ、パドルフィーダ軸部側への
びるパドル胴側フランジ部と、前記パドルフィーダ軸部
に形成された軸部側フランジ部とを有し、前記パドルフ
ィーダ軸部に前記２体のパドル胴を径方向外側から装着
しかつ前記パドル胴側フランジ部と前記軸部側フランジ
部とを接当させてボルト連結したベルト式アンローダの
パドルフィーダが得られる。

（実施例） 次に、本考案を実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図は本考案の実施例によるパドルフィーダの一部分
裁断した側面図、第２図は第１図の実施例の端面図であ
る。パドル胴12の外周部に複数個の、図示実施例では全
体として８個の平板状パドル羽根13が放射状に溶接等の
手段で固着されている。またこれらのパドル羽根13と略
直交してパドル胴12の軸方向に複数個の仕切板11がパド
ル胴外周部に固着されている。仕切板11の個数はパドル
胴12の軸方向長さに応じて選定されるが、例えばパドル
胴全長Ｌが小さい場合は中央に１枚、またＬが大きい場
合は４枚程度とし、これによって周方向に隣接した２枚
のパドル羽根13とパドル胴12周部と隣接仕切板11とで形
成される扱い物掻取空間が可及的に小空間とされる。第
１図の例では仕切板11は３枚設けられている。夫々のパ
ドル胴12の両端部の内周面にはパドル胴12の軸心側すな
わち後述するボス部18側へ突出したパドル胴側フランジ
部14が形成されている。

上述の如くパドル羽根13および仕切板11を固着した筒状
のパドル胴12は軸方向に沿って中心線15上で２体に分割
されている。分割された一方のパドル胴半体12aの仕切
板の分割部の一方の端部に、他方のパドル胴半体12bの
仕切板方向に突出した小突起片16を溶接等で固設し、同
様に他方のパドル胴半体12bの仕切板分割部にも同様な
小突起片16′を固設し、この２枚の小突起片16,16′に
よってそれぞれ相手方の半体12b,12a側の仕切板を挾
持，支持することで各半体12a,12bが位置決めされる。

パドル胴12の両端部の内側中心部に一対のパドルフィー
ダ軸部（実施例では軸部が軸とボスで別々になっている
が、軸とボスとが一体に形成されてもよい。以下本実施
例ではこのパドルフィーダ軸部をボス部18と称する）が
配置される。ボス部18の外周にはパドル胴12へ向って突
出した軸部側フランジ部19が形成され、またボス部内径
部にはキー溝20が形成されている。ボス部外周の軸部側
フランジ部19とパドル胴12の内周部のパドル胴側フラン
ジ部14が端面どおし接合され、周方向に沿って複数個
（第２図では片端面８個）のボルト21でパドル胴12とボ
ス部18が固着されるようになっている。図示の例ではボ
ス部18のフランジ部19にボルト挿通孔が穿けられ、パド
ル胴12のフランジ部14にねじ孔が形成され、ボス部18の
外側からボルト締着できるようになっている。

ブームに吊設された垂直フレーム（第６図符号３）の下
端両側に回転自在に軸支された短軸（パドル軸、図示省
略）に、ボス部18がキー連結される。この状態でボス部
18に、分割された２体のパドル胴半体12a,12bを半径方
向から挾むように装着し、互いのフランジ部14,19を前
述のようにボルト連結する。なお片側の前記パドル軸は
油圧モータその他適当な回転駆動源に連結されている。
荷役動作中パドル胴12のパドル羽根13や仕切板11が毀損
したときは、前記パドル軸をそのままにして、まずボル
ト作業でパドル胴半体12a,12bをボス部18から半径方向
に外し取り、その後必要によりボス部18を前記パドル軸
から抜き取る。なお第３図に示す如くパドル胴半体12a,
12bはその分割部の一方に、軸方向に沿って当板17を溶
接等で固設し、該当板17と他方のパドル胴12とを適当な
箇所で互いにボルト結合するようにしてもよい。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、パドル羽根および
仕切板を固着したパドル胴を２体に分割してボス部にフ
ランジ部を介してボルト連結するようにしたので、パド
ル軸を取り外すことなくパドル胴ごとパドル羽根の取り
替えが短時間で容易に行える。ボルトの個数も少なく、
また掻取空間部にボルトが露出していないのでボルトの
毀損やゆるみが生じない。ボルトの存在で掻取量が犠牲
になることもなく、さらにパドル羽根は溶接でパドル胴
に固着でき、２体に分割したパドル胴を一体にボルト連
結するので、パドル羽根部の強度向上が図れる。長尺の
異物は仕切板により排除される等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例によるパドルフィーダの一部分
裁断した側面図、第２図は第１図の実施例の端面図、第
３図はパドル胴半体を互いにボルト結合した状態を示す
部分断面図、第４図および第５図は従来のパドルフィー
ダの各種例を示す斜視図、第６図は仕切板付きパドルフ
ィーダを備えた従来のベルト式アンローダの下端部の正
面図である。 ３……垂直フレーム、11……仕切板、12……パドル胴、
12a,12b……パドル胴半体、13……パドル羽根、14……
パドル胴側フランジ部、19……軸部側フランジ部、18…
…ボス部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】２重ベルトコンベヤを揺動可能に吊設し、
   該ベルトコンベヤを支持する垂直フレームの下端にパド
   ルフィーダを軸支したベルト式アンローダにおいて、前
   記垂直フレームに軸支されるパドルフィーダ軸部と、外
   周に複数のパドル羽根および仕切板が固着されかつ径方
   向に２体に分割されたパドル胴と、前記パドル胴の両端
   部に形成され、かつ、パドルフィーダ軸部側へのびるパ
   ドル胴側フランジ部と、前記パドルフィーダ軸部に形成
   された軸部側フランジ部とを有し、前記パドルフィーダ
   軸部に前記２体のパドル胴を径方向外側から装着しかつ
   前記パドル胴側フランジ部と前記軸部側フランジ部とを
   接当させてボルト連結したことを特徴とするベルト式ア
   ンローダのパドルフィーダ。