JPH0623233Y2 - コンバインのフィーダハウス内従動ドラム部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、刈取部と脱穀部の間のフィーダ室内前部に軸
架したフィーダ用従動ドラムの軸側に穀稈等が巻きつく
のを防止できるようにしたコンバインのフィーダハウス
内従動ドラム部構造に関する。

［従来の技術］ 従来は、刈取部と脱穀部の間のフィーダ室内前部にはフ
ィーダのチェンを掛装する従動ドラムをベアリングを介
し軸架して構成するコンバインにおいて、本出願人が既
に出願した実願昭62-92889号にも見られるように、従動
ドラムの軸部側に穀稈等が侵入するのを防止するため
に、従動ドラムの両端面に接近させて侵入防止板をそれ
ぞれ被着するような構造になっていた。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、そのような構造にしても、従動ドラムと
侵入防止板との間の隙間から穀稈等がどうしても侵入す
ることになって、軸部に巻付くとベアリングを破損した
りすることになり、また、巻きついた穀稈等を取り除く
にしても、フィーダを取り外して行わなければならず、
手間がかかる、といった不具合を有していた。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、そのように不具合を課題として解決し、簡単
な構造にして軸部側への巻付きを確実に防止できるよう
にしたものであり、そのため、従動ドラムの両端面に接
近させて被着した円盤状の両侵入防止板の外周寄り側面
には開口をそれぞれ切欠形成するとともに、従動ドラム
の回転方向下手側となる両開口の端部から内方に向けス
クレーパ片をそれぞれ折曲形成して構成したものであ
る。

［作用］ したがって、従動ドラムと侵入防止板との間の隙間から
穀稈等が侵入しても、従動ドラムにより回転させられな
がらスクレーパ片に掬くわれるようにしてそのまま開口
から外方へ排除されることになる。

［実施例］ 次に、図面に示す実施例について説明する。

第２図はコンバインの側面図を示し、両クローラ(8)に
より支持する機体上には上部に前後方向のスクリュー扱
胴(9)を内装した脱穀部(C)を搭載し、該脱穀部(C)の前
方には、刈刃(10)、掻込オーガ(11)、掻込リール(12)等
を有する刈取部(B)をフィーダ室(A)を介して連通連設
し、脱穀部(C)の横側方には上方に排出オーガ筒(13)を
有する穀粒タンク(14)を搭載するとともに、その前方に
キャピン(15)を配備して従来形構造同様に構成する。

また、前記フィーダ室(A)の前部内方には、両側の両ス
テー(16)によって支持される両ボス(17)に両端を嵌着し
て支軸(18)を軸架し、両端側外周面にチェン支持輪(19)
(19)を嵌着した従動ドラム(2)の両側両端面(2a)の中央
部を両ボス(17)にベアリング(3)(3)を介してそれぞれ回
転自由に軸架し、外周の輪部(4a)が従動ドラム(2)の端
部外周に重なるようにた円盤状に両侵入防止板(4)を両
ボス(17)にそれぞれ嵌合するとともに、従動ドラム(2)
の両端面(2a)の外側方に接近するよう両ステー(16)にそ
れぞれ支持させて架設し、両チェン支持輪(19)の外周側
には両側からスクレーパ(20)(20)をそれぞれ延設して構
成する。

前記フィーダ室(A)の中間部および後部には緊張輪(21)
および両スプロケット(22)をそれぞれ軸架し、両チェン
(1)にまたがって搬送板(7)を一定間隔おきに連繋して構
成するフィーダ(a)のその両チェン(1)を従動ドラム(2)
の両チェン支持輪(19)と緊張輪(21)と両スプロケット(2
2)にそれぞれ掛装して構成する。

前記両侵入防止板(4)の外周寄り側面には円周方向にや
や長くなる開口(5)(5)をそれぞれ切欠形成し、従動ドラ
ム(2)の回転方向下手側となる両開口(5)の端部から従動
ドラム(2)の両端面(2a)に向け傾斜して接近するよう両
スクレーパ片(6)をそれぞれ折曲形成して構成する。

したがって、コンバイン作業時には、フィーダ(a)は矢
印(イ)で示すように回動して、刈取部(B)で刈り取られた
穀稈を搬送しながら脱穀部(C)に供給することになる
が、そのフィーダ(a)の回動にともなって従動ドラム(2)
も矢印(ロ)方向に回転することになり、その状態で、従
動ドラム(2)と侵入防止板(4)との間の隙間から穀稈等が
侵入すると、そのまま、従動ドラム(2)により回転させ
られながら、スクレーパ片(6)に掬くわれるようにして
開口(2a)から外方に排除されることになって、ベアリン
グ(3)側に巻付くのを防止できることになる。

［考案の効果］ このように本考案は、従動ドラム(2)と侵入防止板(4)と
の間の隙間から穀稈等が侵入しても、従動ドラム(2)に
より回転させながらスクレーパ片(6)により掬くように
して開口(5)から外方へ排除できることになるので、従
来形のように侵入した穀稈等が軸部側に巻付いてベアリ
ング(3)を破損したり、従動ドラム(2)を停止させたりす
ることを良好に防止できることになり、また、メンテナ
ンスを良好に行うことができることになり、簡単な構造
にして好適に実施できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である要部の平断面図、第２図
はコンバインの側面図、第３図は第２図の一部の断面
図、第４図は第３図の一部の拡大図、第５図は侵入防止
板の内方側斜視図を示す。 (B)……刈取部、(C)……脱穀部 (A)……フィーダ室、(a)……フィーダ (1)……チェン、(2)……従動ドラム (3)……ベアリング、(4)……侵入防止板 (5)……開口、(6)……スクレーパ片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】刈取部(B)と脱穀部(C)の間のフィーダ室
   (A)内前部にはフィーダ(a)のチェン(1)を掛装する従動
   ドラム(2)をベアリング(3)を介し軸架して構成するコン
   バインにおいて、前記従動ドラム(2)の両端面(2a)に接
   近させて被着した円盤状の両侵入防止板(4)の外周寄り
   側面には開口(5)をそれぞれ切欠形成するとともに、前
   記従動ドラム(2)の回転方向下手側となる両開口(5)の端
   部から内方に向けスクレーパ片(6)をそれぞれ折曲形成
   して構成したことを特徴とするフィーダハウス内従動ド
   ラム部構造。