JPH0752014Y2 - 巻きテープの包装箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本願はロール状に巻回された巻テープを収納すると共
に、販売店の店頭などにおいて吊り下げて陳列すること
ができるよう構成した包装箱に関する。

従来の技術 従来、感圧性接着剤を塗布し、この塗布面に剥離紙を仮
着したテープを所要の長さで切断すると共に、剥離紙を
剥がして書籍或いは綴り用紙の背部に貼着する製本用テ
ープ、或いは装飾用のリボンテープなどをロール状に巻
回して成る巻きテープの商品を収納すると共に、販売店
の店頭において吊り下げて陳列することができるように
構成した包装箱は、例えば実公平1-20264号公報におい
て公知であり、この公知のものは、上蓋を二等分した前
蓋片及び後蓋片を正面板及び背面板の上縁に連設し、前
記前蓋及び後蓋片の上縁に吊下孔を穿設した吊下片をま
た、該吊下片の左右に位置するように係止片を夫々連設
し、さらに、左右側面板の上縁に、切線により中央部で
切り離された左右の補助蓋片を夫々形成し、この補助蓋
片を水平状に折曲したのち、該補助蓋片の切線に前記係
止片を挿し込んで前，後蓋片を水平状に折曲すると共
に、その前，後蓋片の接合位置で吊下げ片を起立する構
成であった。

考案が解決しようとする課題 ところが上記した公知の包装箱の構成によれば、係止片
が補助蓋片に設けた切線を介して包装箱の内部に突出す
るので、これが巻きテープの収納に邪魔とならないよう
に包装箱を無駄に深く構成する必要があり、また、吊下
げ孔を棒状ハンガーに挿通した陳列状態で巻きテープの
荷重は吊下片を介して前蓋片と後蓋片とに加わり、さら
にこれが係止片と補助蓋片に設けたスリットとの挿し込
み位置に加わる。そして巻きテープ荷重が作用する位置
と、係止片と補助蓋片との挿し込み位置が同位置線上に
あるので、係止片が抜け易く、そのため商品に触れたり
した場合に往々にして前記の挿し込み状態が外れて上蓋
が回転してしまうという不都合があった。

問題点を解決するための手段 そこで本願は、上記した公知のものの不都合を改善する
ため、正方形状の前片と後片及び縦長方形状の一対の側
片とを有し、かつ、それらの各片の下辺に設けた閉止片
を折り合わせて底蓋を形成すると共に、前記前片と後片
と一対の側片の各上辺に夫々折線を介して前部閉止片と
箱体の上面を閉じる大きさの後部閉止片と舌片とを夫々
連設し、かつ、前記後部閉止片の中央部に横長の導出ス
リットを、また、後部閉止片の上辺の中央部に、折線を
介して係止舌片を夫々設け、さらに前記前部閉止片の舌
片の中央部に折線に沿って延びて前記係止舌片を係挿す
る係止スリットを設けると共に、前部閉止片の中央位置
に前記導出スリットに挿通して上方に延び、かつ、吊下
孔を有した起立可能な吊下片を設けたことを特徴とする
巻きテープの包装箱を提供するものであり、上記におい
て、耐荷重性をさらに増加するために前部閉止片を箱体
の上面を閉じる大きさに形成すると共に、上辺と直交す
る左右一対の切込線とそれらの端部を結ぶ折線によって
吊下片を遊離可能に設け、またテープの引き出しを容易
にするために一方の側片とそれから延びる舌片との間
に、側片の上部から折線と直交して舌片の中間部位置ま
で平行状に延びる左右一対の切線と、この切線の上下端
を夫々結ぶ山折線とにより形成され舌片と側片との間の
折線位置で谷折される指当て用中折部を設け、さらに指
当て用中折部の位置で対向する前部閉止片と後部閉止片
とに切欠部を形成する凹部を設け、また、テープの色や
材質などが外部から確認できるように側片に巻きテープ
の色や材質などを識別する窓孔を設け、さらにまたテー
プの残量を外部から確認できるように前片及び後片の少
なくとも一方に、巻きテープの残量表示用のスリットを
設けて成るものである。

作用 しかして、閉止片の折合わせにより底部が閉じられた上
面が開口する有底角筒状の箱体内に巻きテープを収納
し、次いで左右の舌片を内方に折曲げた後、前部閉止片
を内方に折曲げて、この閉止片の吊下片を起立させ、こ
の状態で後部閉止片を内方に折曲げると共に、前部閉止
片の吊下片を後部閉止片の導出スリットに挿通して後部
閉止片の上面より導出し、かつ、係止舌片を前部閉止片
の係止スリットに挿入することにより巻きテープを収納
した包装箱が構成される。このように構成された包装箱
は、店頭などにおいて棒状ハンガーに吊下片の吊下孔に
挿通することにより陳列される。そして巻きテープの使
用時には、その端部を一方の舌片と前部閉止片との間に
介入してそれらの間から外部に引き出せるように構成さ
れる。そして一方の側片とそれから延びる舌片との間
に、側片の上部から折線と直交して舌片の中間部位置ま
で平行状に延びる左右一対の切線と、この切線の上下端
を夫々結ぶ山折線とにより形成された舌片と側片との間
の折線位置で谷折される指当て用中折部を設けた場合
は、舌片と側片との間を指圧して折線を谷折りすること
により側片の上部に中折部が窪んだ状態に形成されるの
で、巻きテープの端部の引き出しに便利であり、特に指
当て用中折部の位置で対向する前部閉止片と後部閉止片
とに切欠部を形成する凹部を設けるときは巻きテープの
端部を摘持して引き出すことができる。また側片に巻き
テープの色や材質などを識別する窓孔を設けた場合に
は、窓孔より箱体内に収納されている巻きテープの色な
どが確認でき、また前片及び後片の少なくとも一方に、
巻きテープの残量表示用のスリットを設けた場合には、
残量表示スリットにより巻きテープの残存量が確認でき
る。

実施例 以下図面と共に本願実施例を詳述すると、第４図は包装
箱の展開板を示し、この展開板は、収納しようとする巻
きテープＡの外径に見合う大きさを持つ正方形状の前片
（１）と、この前片（１）と同大の後片（２）と、これ
らと同一の高さで前記巻きテープＡの幅に見合う横幅を
持つ縦長方形状の一対の側片（３），（４）とをこれら
が並列するように夫々折線a,b,cを介して連設し、か
つ、前記前片（１），後片（２）及び前記側片（３），
（４）の下辺には底蓋（５）を構成するための底閉止片
（６），（６）′，（７），（７）′を夫々折線d,e,f,
gを介して連設すると共に、前記後片（２）の側片に折
線ｈを介して糊代部（８）が連設してある。前記前片
（１），後片（２）及び前記側片（３），（４）の上辺
には上蓋（９）を構成するための閉止片（10），（11）
と舌片（12），（13）とが夫々折線i,j,k,lを介して夫
々連設してあり、前記後部閉止片（11）は箱体の上面を
閉じる大きさを有し、その中央部には横長の導出スリッ
ト（14）が、また、後部閉止片（11）の上辺の中央部に
は、折線ｍを介して係止舌片（15）が夫々設けてある。
前記前部閉止片（10）もまた箱体の上面を閉じる大きさ
を有し、その下辺の中央部には折線ｉに沿って係止スリ
ット（16）が設けてあると共に、前部閉止片（10）の上
辺の中央部位置には左右切込み線（17），（17）と、そ
の下端を結ぶ折線ｎとにより遊離されて前記導出スリッ
ト（14）から上方に導出れる吊下片（18）が連設してあ
り、この吊下片（18）の上縁は山形状に湾曲されている
と共に、中央部に棒状ハンガーＢを挿通する吊下孔（1
9）が穿設してある。前記左右の舌片（12）と（13）と
は箱体の上面をほぼ1/3程度閉じる大きさを有し、か
つ、前記一方の舌片（12）と一方の側片（３）との間
に、側片（３）の上部から折線ｋと直交して舌片（12）
の中間位置まで平行状に延びる左右一対の切線（21），
（21）と、それらの上下端を夫々結ぶ山折線o,pとによ
り形成され、前記折線ｋの位置で谷折される指当て用中
折部（20）が設けてある。他方の側片（４）の下部には
方形状に切欠して設けたテープの色や材質等が外部から
透視できる窓孔（22）が、また、前片（１）の中央下部
には縦長状に切欠して設けたテープの残量確認用の表示
スリット（23）が夫々設けてあり、この窓孔（22）と残
量表示スリット（23）の内面には、好ましくは、透明フ
ィルム（24）設けられる。（25）は上蓋（９）の組み立
て状態で前記指当て用中折部（20）の上面位置に摘み部
を構成するために、閉止片（10），（11）の側縁中間部
に設けた切欠部を夫々示している。

しかして第４図で示す一枚の厚紙などより成る展開板の
折線a,b,c及びｈを夫々山折りすると共に、糊代部
（８）を後片（２）の外側内面に接着して箱体の胴部を
形成し、かつ、折線ｄ乃至ｇを夫々折曲して閉止片
（６），（６）′及び（７），（７）′を折合わせるこ
とにより底蓋（５）を形成して第２図で示すように上面
が開口する有底角筒状の箱体（26）を構成し、この状態
でこの箱体（26）内に巻きテープＡを収納する。次い
で、折線k,lを夫々折曲して左右の舌片（12），（13）
を内方に折曲げた後、折線ｉを折曲して前部閉止片（1
0）を内方に折曲げて、この前部閉止片（10）の吊下片
（18）を遊離して折線ｎにより起立させる。この状態で
折線ｊを折曲して後部閉止片（11）を内方に折曲げると
共に、前部閉止片（10）の吊下片（18）を後部閉止片
（11）の導出スリット（14）に挿通して後部閉止片（1
1）の上面より導出し、かつ、折線ｍを折曲して係止舌
片（15）を前部閉止片（10）の係止スリット（16）に挿
入し、さらに、切線（21），（21）の間を内方に指圧し
て折線ｋを谷折りすることにより第１図で示すように巻
きテープＡを収納した包装箱が構成される。このように
構成された包装箱は、店頭などにおいて棒状ハンガーＢ
に吊下片（18）の吊下孔（19）に挿通することにより陳
列される。この吊り下げ状態で箱体（26）に加わる巻き
テープＡの荷重は、吊下片（18）を介して前部閉止片
（10）を覆っている後部閉止片（11）の全体に作用し、
しかも荷重が作用する吊下片（18）の位置と係止舌片
（15）の係止スリット（16）に対する押し込み位置とが
異なるので耐荷重性が強い。

なお箱体（26）内に収納された巻きテープＡを引き出し
て使用する場合には、第３図仮想線で示すようにテープ
Ａの端部を一方の舌片（12）の上面と前部閉止片（10）
との間に介入し、かつ、指当て用中折部（20）と指当て
用凹部（24）との間で巻きテープＡの端部を摘持しそれ
を引き出すものであり、また窓孔（22）より箱体（26）
内に収納されている巻きテープＡの色などが確認でき、
また、表示スリット（23）より巻きテープＡの残存量が
確認できる。

また、運搬，梱包に際しては吊下片（18）を後部閉止片
（11）の導出スリット（14）か導出せずに、これを前部
閉止片（10）と同一平面状にして後部閉止片（11）と左
右の舌片（12），（13）との間に重合する。

考案の効果 以上のように本願によれば、吊り下げ状態で箱体に加わ
る巻きテープの荷重に対し充分な耐荷重性が得られると
ともに、箱体内部に突出部分が存在しないので箱体の容
積を巻きテープの収納のために有効に使用でき、また請
求項２記載の構成によれば、閉止片同士が重合して耐荷
重性に優れ、また請求項３記載の構成によれば、巻きテ
ープを箱体内から引き出すのに便利であると共に、請求
項４記載の構成によれば、巻きテープの端部を摘持する
ことができてさらに便利であり、また請求項５記載の構
成によれば、巻きテープの色などが、また請求項６の構
成によれば、巻きテープの残存量が夫々一目で確認でき
る等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本願の実施例を示し、第１図は総体斜視図、第２
図は上蓋を開披した状態の斜視図、第３図は展開図、第
４図は縦断面図である。 図中、（１）は前片、（２）は後片、（３），（４）は
側片、（６），（７）は底閉止片、（８）は糊代部、
（９）は上蓋、（10），（11）は閉止片、（12），（1
3）は舌片、（14）は導出スリット、（15）は係止舌
片、（16）は係止スリット、（17）は切込み線、（18）
は吊下片、（19）は吊下孔、（20）は指当て用中折部、
（21），（21）は切込部、（22）は覗き窓、（23）は残
量表示スリット、（25）は切欠部、（26）は箱体、Ａは
巻きテープ、ａ乃至ｐは折線である。

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】正方形状の前片と後片及び縦長方形状の一
   対の側片とを有し、かつ、それらの各片の下辺に設けた
   閉止片を折り合わせて底蓋を形成すると共に、前記前片
   と後片と一対の側片の各上辺に夫々折線を介して前部閉
   止片と箱体の上面を閉じる大きさの後部閉止片と舌片と
   を夫々連設し、かつ、前記後部閉止片の中央部に横長の
   導出スリットを、また、後部閉止片の上辺の中央部に、
   折線を介して係止舌片を夫々設け、さらに前記前部閉止
   片の舌片の中央部に折線に沿って延びて前記係止舌片を
   係挿する係止スリットを設けると共に、前部閉止片の中
   央位置に前記導出スリットに挿通して上方に延び、か
   つ、吊下孔を有した起立可能な吊下片を設けたことを特
   徴とする巻きテープの包装箱。
2. 【請求項２】前部閉止片を箱体の上面を閉じる大きさに
   形成すると共に、上辺と直交する左右一対の切込線とそ
   れらの端部を結ぶ折線によって吊下片を遊離可能に設け
   て成る請求項１記載の巻きテープの包装箱。
3. 【請求項３】一方の側片とそれから延びる舌片との間
   に、側片の上部から折線と直交して舌片の中間部位置ま
   で平行状に延びる左右一対の切線と、この切線の上下端
   を夫々結ぶ山折線とにより形成され舌片と側片との間の
   折線位置で谷折される指当て用中折部を設けたことを特
   徴とする請求項1,2記載の巻きテープの包装箱。
4. 【請求項４】指当て用中折部の位置で対向する前部閉止
   片と後部閉止片とに切欠部を形成する凹部を設けて成る
   請求項1,2または３記載の巻きテープの包装箱。
5. 【請求項５】側片に巻きテープの色や材質などを識別す
   る窓孔を設けて成る請求項1,2,3または４記載の巻きテ
   ープの包装箱。
6. 【請求項６】前片及び後片の少なくとも一方に、巻きテ
   ープの残量表示用のスリットを設けて成る請求項1,2,3,
   4または５記載の巻きテープの包装箱。