JPH0751675Y2 - 自動販売機のコンベア式商品搬送棚装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、自動販売機のコンベ
ア式商品搬送棚装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】壜商品，紙パック入り商品等の破損し易
い商品を取り扱う商品搬送棚装置として頭記したコンベ
ア式商品搬送棚装置が周知である。かかるコンベア式商
品搬送棚装置は、自動販売機の庫内に上下複数段の水平
移動式のコンベア棚機構と、各段のコンベア棚機構と商
品取出口との間を連繋して昇降するエレベータ式のバケ
ット機構とを組み合わせて配備しており、販売指令によ
り選択されたコンベア棚機構から搬出した商品を当該コ
ンベア棚機構の搬出端に待機しているエレベータ式バケ
ット機構に受け渡し、次いでバケット機構を商品取出口
へ送出するように構成したものである。

【０００３】一方、かかるコンベア式商品搬送棚装置に
関して、販売動作時にコンベア棚機構から搬出する商品
を検知する手段として、コンベア棚機構の商品搬出端側
に設置して棚上に並ぶ最前列の収納商品と係合し合う揺
動ゲート形の商品検知アクチュエータを配備し、商品搬
出動作により商品に押されて動作する前記アクチュエー
タで商品検知スイッチを動作させ、該商品検知スイッチ
の動作信号でコンベア棚機構を停止制御するようにした
ものが同じ出願人より実願昭６０−１５２０２６号にて
提案されている。

【０００４】次に前記提案の商品検知アクチュエータを
装備したコンベア式商品搬送棚装置を図６に示す。図に
おいて１はコンベア棚機構であり、該コンベア棚機構は
駆動スプロケット２と従動スプロケット３との間に張架
されたエンドレスのコンベアベルト４と、該ベルト４の
駆動モータ５とから成り、商品６はコンベアベルト４の
上に一列に並べて収納されている。かかる構成で販売指
令により駆動モータ５を始動してコンベアベルト４を矢
印Ｐ方向に移動すると、商品６もコンベアベルト４と一
緒に移動し、その最前列に並ぶ商品がコンベアベルト４
の先端より落下搬出して図示されないエレベータ式のバ
ケット機構に受け渡しされる。

【０００５】ここで商品の搬出を検知するために、コン
ベア棚機構１の商品搬出端側には最前列の商品に係合す
るように揺動ゲート形の商品検知アクチュエータ７が配
備され、かつこのアクチュエータ７に商品検知スイッチ
８が対向位置している。これにより販売動作時に最前列
の商品６がコンベア棚機構１の先端から搬出されると、
搬出商品６に押されて商品検知アクチュエータ７が反時
計方向に揺動し、スイッチ８が動作する。なお商品検知
アクチュエータ７には待機位置に向けて付勢するばねが
取付けてあり、商品６が搬出されるとばね付勢により自
動的に待機位置に復帰する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】ところで、上記した商
品検知アクチュエータ７は販売待機状態でもその揺動が
規制されることはなく、したがって商品の補充に際して
コンベア棚機構１へ誤って商品６を規定本数以上に収納
しようとすると、矢印Ａのように無理に商品を商品列に
割り込ませることにより最前列の商品が押し出され、結
果として商品検知アクチュエータ７を押し開いて矢印Ｂ
のようにコンベア棚機構１の先端から誤って脱落するト
ラブルの生じることがある。また同様なトラブルは商品
６の補充操作を雑に扱った場合にも起こり得る。

【０００７】このための対策として、従来では商品検知
アクチュエータ７にソレノイド操作式の鎖錠機構を備
え、販売待機状態ではアクチュエータ７を待機位置に拘
束鎖錠し、販売指令が与えられた際にのみ選択されたコ
ンベア棚機構のソレノイドを制御して商品検知アクチュ
エータの鎖錠を釈放するようにした方式が実施されてい
る。

【０００８】しかしながらかかる方式では各段のコンベ
ア棚機構毎にソレノイドを付設する必要があってコスト
高になる他、各ソレノイドの制御関係が複雑になると言
った難点がある。この考案は上記の点にかんがみなされ
たものであり、前記した従来方式の難点を解消し、ソレ
ノイド等を特別に付設することなくコンベア棚機構の停
止している販売待機状態では商品検知アクチュエータを
販売待機位置に拘束して商品の不測な落下を防止し、販
売動作時にはコンベア棚機構の動きを利用して商品検知
アクチュエータの拘束を解いて自由に動作できるように
した自動販売機のコンベア式商品搬送棚装置を提供する
ことを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この考案は、上面に商品を一列に並べて収納する水
平移動式のコンベア棚機構を有し、販売指令に基づくコ
ンベア棚機構の駆動操作により、該コンベア棚機構の搬
出端から収納商品を１個宛落下搬出して商品取出口へ送
出するようにした自動販売機のコンベア式商品搬送棚装
置であり、かつ前記コンベア棚機構の商品搬出端側には
最前列に並ぶ収納商品と係合し合う自動復帰式の揺動ゲ
ート形商品検知アクチュエータを配備してなるものにお
いて、商品検知アクチュエータとコンベア棚機構のスプ
ロケット軸との間に当該スプロケット軸に結合したワン
ウエークラッチを介装して両者間を連繋してなるストッ
パ機構を備え、販売待機時のコンベア棚機構の停止状態
ではワンウエークラッチにより商品検知アクチュエータ
の揺動を拘束して商品を収納位置に保持し、かつ販売動
作時には前記スプロケット軸の回動により前記ワンウエ
ークラッチによる商品検知アクチュエータの拘束を解除
してその揺動を許容するようにする。

【００１０】

【作用】商品補充時および販売待機時には、コンベア棚
機構が停止、したがってスプロケット軸は停止し、商品
検知アクチュエータはワンウエークラッチにより待機位
置に拘束されている。この状態で商品補充ミス等により
商品検知アクチュエータが前方へ押されても、該アクチ
ュエータは前記拘束により揺動が阻止されるので、商品
がコンベア棚機構の先端から誤って落下することがな
い。一方、販売指令によりコンベア棚機構が運転を開始
するとスプロケット軸が回転するのでワンウエークラッ
チが従動して商品検知アクチュエータの拘束が解け、コ
ンベア棚機構上の最前列の商品に商品検知アクチュエー
タが押されて商品搬出位置まで揺動し、商品が搬出され
たところで商品検知アクチュエータがその自動復帰機能
により待機位置に戻り、コンベア棚機構の運転停止によ
り再び拘束されるようになる。

【００１１】

【実施例】図１ないし図４、および図５はこの考案の異
なる実施例を示すものであり、図６に対応する同一部材
には同じ符号が付してある。まず図１，図２において、
コンベア棚機構１の商品搬出端側には図６と同様に揺動
ゲート形の商品検知アクチュエータ７が設置され、かつ
アクチュエータ７のカム７１に商品検知スイッチ８が対
向位置している。なおアクチュエータ７は復帰ばね７２
により待機位置に付勢されている。かかる商品検知アク
チュエータ７に対し、その前方に近接してストッパ機構
としてストップレバー９が従動スプロケット３の軸３１
の軸端部に遊嵌されており、かつ該ストップレバー９は
レバー内部に組み込まれたワンウエークラッチ１０を介
してスプロケット軸３１に連繋結合されている。さらに
ストップレバー９に対し、該レバーを図示の待機位置へ
向けて後退付勢する復帰ばね１１，およびレバー９を待
機位置に停止するストッパ１２が設けてある。なお復帰
ばね１１に代えてバランスウエイトをストップレバー９
に取付けてもよい。

【００１２】一方、前記したワンウエークラッチ１０の
具体例の構造は図３に示すように、スプロケット軸３１
の軸上に固定された爪車１３と、ストップレバー９に取
り付けて爪車１３の歯列に係合する爪１４を組み合わせ
たラチェット機構として構成されている。ここで、スプ
ロケット軸３１が停止状態にあれば爪１４が爪車１３の
歯列に係止してストップレバー９の矢印Ｃ方向（商品搬
出方向と同じ方向）への揺動を阻止する。一方、スプロ
ケット軸３１が反時計方向に回転している状態では、図
３に示した爪車１３も回転するのでストップレバー９は
スプロケット軸３１との相対位置を保って矢印Ｃ方向に
揺動可能となる。なおストップレバー９は外力が加わら
ない状態では復帰ばね１２により待機位置に向けて矢印
Ｄ方向にばね付勢されている。

【００１３】次に上記構成による商品の搬出動作を図４
（ａ）〜（Ｃ）により説明する。まず販売待機状態では
（Ａ）図のようにコンベア棚機構は停止の状態にあり、
コンベアベルト４の上に収納された最前列の商品６が実
線位置で商品検知アクチュエータ７に当接している。一
方この状態では商品検知アクチュエータ７の前方に位置
するストップレバー９はワンウエークラッチ１０により
図示待機位置に拘束されており、したがって図６で述べ
たように商品６の補充操作ミス等によりコンベア棚機構
上に並ぶ最前列の商品６が鎖線位置に向けて前方へ押し
出されても、商品検知アクチュエータ７は鎖線位置まで
揺動したところでストップレバー９に突き当たってそれ
以上の揺動が阻止される。したがって商品６が不測にコ
ンベア棚機構の先端から脱落することはない。

【００１４】一方、販売指令によりコンベア棚機構が矢
印Ｐ方向に移動を開始すると、従動側のスプロケット軸
３１もコンベアベルト４と一緒に回転する。したがって
ストップレバー９の拘束が解け、（Ｂ）図のようにコン
ベアベルト４とともに矢印Ｐ方向移動する最前列の商品
６に押されて商品検知アクチュエータ７およびストップ
レバー９が実線位置に向けて揺動し、この過程で商品６
がコンベアベルト４の先端から搬出され、同時に商品検
知スイッチ８が動作して商品の搬出が検知されると該ス
イッチの動作信号でコンベア棚機構が停止制御されるよ
うになる。また商品６が搬出されると、商品検知アクチ
ュエータ７およびストップレバー９は図２に示した復帰
ばね７２，１２の付勢で（Ｃ）図のように待機位置に復
帰し、再び待機状態に戻りこの位置でストップレバー９
が再び鎖錠されるようになる。

【００１５】次に図５に示した別の実施例を説明する。
この実施例では、先記した実施例が商品検知アクチュエ
ータ７とコンベア棚機構１のスプロケット軸３１との間
にワンウエークラッチ１０を介装してかつストップレバ
ー９を介して両者間を連繋してなるストッパ機構が採用
されていたのに対し、商品検知アクチュエータ７とスト
ップレバー９とを一体化して構造の簡略化を図ったもの
である。

【００１６】すなわち図示のように商品検知アクチュエ
ータ７は商品検知スイッチ８に対向するカム７１ととも
にスプロケット軸３１に遊嵌支持され、かつ図３に示し
たのと同様なラチェット機構として成るワンウエークラ
ッチ１０を介してスプロケット軸３１に連繋結合されて
いる。かかる構造により少ない部品点数で先記実施例と
同様に販売待機状態での商品の不測な脱落を防止しつ
つ、販売動作時の商品搬出を検知することができる。

【００１７】

【考案の効果】以上述べたようにこの考案によれば、コ
ンベア棚機構の商品搬出端側に配備して最前列に並ぶ収
納商品と係合し合う自動復帰式の揺動ゲート形商品検知
アクチュエータに対し、商品検知アクチュエータとコン
ベア棚機構のスプロケット軸との間に当該スプロケット
軸に結合したワンウエークラッチを介装して両者間を連
繋してなるストッパ機構を備え、販売待機時のコンベア
棚機構の停止状態ではワンウエークラッチにより商品検
知アクチュエータの揺動を拘束して商品を収納位置に保
持し、かつ販売動作時には前記スプロケット軸の回動に
より前記ワンウエークラッチによる商品検知アクチュエ
ータの拘束を解除してその揺動を許容するようにしたこ
とにより、ソレノイド等の鎖錠機構を特別に付設するこ
となしに、コンベア棚機構の動きを巧みに利用して販売
停止状態ではコンベア棚機構上に収納された商品が不測
に脱落するのを確実に防止しつつ、販売動作時にはコン
ベア棚機構の移動動作で商品検知アクチュエータの拘束
を解いて商品搬出を検知することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例の構成を示す斜視図

【図２】図１の側面図

【図３】ワンウエークラッチの具体例の構造図

【図４】（ａ）（ｂ）（ｃ）はそれぞれ図１における商
品搬出動作の説明図

【図５】この考案の別な実施例の構成を示す側面図

【図６】従来のコンベア式商品搬送棚装置の構成概略図

【符号の説明】

１ コンベア棚機構 ２ 駆動スプロケット ３ 従動スプロケット ４ コンベアベルト ５ 駆動モータ ６ 商品 ７ 商品検知アクチュエータ ８ 商品検知スイッチ ９ ストップレバー １０ ワンウエークラッチ １１ ストップレバーの復帰ばね １２ ストップレバーのストッパ １３ ラチェット機構の爪車 １４ ラチェット機構の爪 ３１ スプロケット軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上面に商品を一列に並べて収納する水平移
   動式のコンベア棚機構を有し、販売指令に基づくコンベ
   ア棚機構の駆動操作により、該コンベア棚機構の搬出端
   から収納商品を１個宛落下搬出して商品取出口へ送出す
   るようにした自動販売機のコンベア式商品搬送棚装置で
   あり、かつ前記コンベア棚機構の商品搬出端側には最前
   列に並ぶ収納商品と係合し合う自動復帰式の揺動ゲート
   形商品検知アクチュエータを配備してなるものにおい
   て、商品検知アクチュエータとコンベア棚機構のスプロ
   ケット軸との間に当該スプロケット軸に結合したワンウ
   エークラッチを介装して両者間を連繋してなるストッパ
   機構を備え、販売待機時のコンベア棚機構の停止状態で
   はワンウエークラッチにより商品検知アクチュエータの
   揺動を拘束して商品を収納位置に保持し、かつ販売動作
   時には前記スプロケット軸の回動により前記ワンウエー
   クラッチによる商品検知アクチュエータの拘束を解除し
   てその揺動を許容するようにしたことを特徴とする自動
   販売機のコンベア式商品搬送棚装置。