JPH0751281B2 - 卓上切断機の安全カバー開閉機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はのこ刃軸を中心に回動する卓上切断機の安全カ
バー開閉機構に関するものである。

〔従来の技術〕

従来例を第５図により説明する。

ハンドル９を押し下げることにより、被切断材２の上面
とセフティカバー10の下面が当接し、セフティカバー10
が回動する。使用時以外は安全上セフティカバー10の開
放を防止するため、ギヤケース６とセフティカバー10間
に設けたスプリング11により常に閉鎖側（時計回り）に
加圧されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

このスプリング11による加圧力及びセフティカバー10の
自重による回転モーメントにより、被切断材２に当接し
たときに被切断材２とセフティカバー10の接触力は大と
なり、セフティカバー10が開きにくくなる。

また、セフティカバー10の被切断材接触面が滑らかな面
を持たないときなど上記した加圧力及び回転モーメント
により被切断材２に傷が付きやすい欠点があった。

本発明の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、セ
フティカバーの開閉を円滑に行なえるようにすることで
ある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、セフティカバーが閉鎖位置にあるときは弾性
体で前記セフティカバーの自重による閉鎖側回転モーメ
ントより小さい開放側回転モーメントを与え、該セフテ
ィカバー重心位置がのこ刃軸の真上に移動する付近から
前記弾性体で該セフティカバー自重による開放側回転モ
ーメントより大きい閉鎖側回転モーメントが加わるよう
に弾性体をギヤケースとセフティカバーに設けたもので
ある。

〔作用〕

セフティカバーを上昇回転させた場合、セフティカバー
重心位置がのこ刃軸の真上に近寄るまでは、弾性体によ
りセフティカバーの自重による閉鎖側への回転モーメン
トより小さい開放側への回転モーメントをが作用し、合
成されたセフティカバーの回転モーメントは、ややセフ
ティカバーの閉鎖側となり、セフティカバーの上昇回転
力を軽減させる。

セフティカバー重心位置がのこ刃軸の真上に位置する付
近からセフティカバーの自重による回転モーメントは開
放側に加わり、弾性体には開放側回転モーメントより大
きい回転モーメントがセフティカバーの閉鎖側に加わる
ようにし、セフティカバーの開放防止を行なう。

これらにより、セフティカバーは小さい回転力で回転す
ることになり、被切断材と当接しセフティカバーが上昇
するときも円滑に回転する。

〔実施例〕

本発明を第１図〜第４図により説明する。第１図は卓上
切断機の側面図、第２図は切断作業時の側面図である。

図において、ベース１上面に被切断材２を支持するフェ
ンス３を固着し、ベース１後部にホルダ４の下端が保持
されている。ホルダ４上端にはシャフト５を支点とし、
ベース１に対し上下に揺動自在にモートル部を有するギ
ヤケース６が保持されている。ギヤケース６にはのこ刃
軸７を中心としてのこ刃８が回転自在に取り付けられ、
前端部にのこ刃８を押し下げるためのハンドル９が保持
されている。

のこ刃軸７にはのこ刃８の露出部を覆うセフティカバー
10がのこ刃軸７を中心に回転自在に保持されている。ギ
ヤケース６のフック掛穴12とセフティカバー10のフック
掛穴13には引張りコイルばねであるスプリング11が保持
されている。

上記構成において、ハンドル９を押し下げれば、被切断
材２の上面にセフティカバー10の下面が当接し、さらに
ハンドル９を押し下げると、セフティカバー10は上昇し
始める。

セフティカバー10の回転を円滑に行なうためには、セフ
ティカバー10自重による閉鎖側（時計回り）への回転モ
ーメントを極力小さくするよう配慮すれば良いことにな
る。さらに考慮しなければならない点は、安全上セフテ
ィカバー10の自重による回転モーメントがセフティカバ
ー10の開き方向に転移しやすいギヤケース６の上限位置
（ハンドル９を下降させない位置）において、セフティ
カバー10が閉鎖側に回転モーメントが加わるようスプリ
ング11の位置を設定する必要がある。

第３図及び第４図によりスプリング11の作用を説明す
る。第３図は安全カバー部の部分拡大図で、第３図には
セフティカバー10の重心位置110を示してある。

第４図はギヤケース６の上限位置におけるセフティカバ
ー10が回転しているときのセフティカバー10の重心位置
110（110a〜110d）と、スプリング11の荷重点（13a〜13
d）の位置関係を作図化したものであり、セフティカバ
ー10の重心位置110a,110b,110c,110dとスプリング11の
荷重点13a,13b,13c,13dが対応する。

第４図に示すように、セフティカバー10を上昇回転させ
た場合、セフティカバー重心位置110がのこ刃軸７の真
上に近寄ると、セフティカバー10の自重による閉鎖側へ
の回転モーメントは減少することから、スプリング11の
伸長量を少なくし、スプリング11によるセフティカバー
10の上昇回転力を軽減させるように配設させ、合成され
たセフティカバー10の回転モーメントはややセフティカ
バー10の閉鎖側となる。

セフティカバー10の重心位置がのこ刃軸７の真上に位置
（110c位置）する付近から、セフティカバー10の自重に
よる回転モーメントは開放側に加わり、スプリング11に
は開放側回転モーメントより大きい回転モーメントがセ
フティカバー10の閉鎖側に加わるよう配設されている。

これらにより、セフティカバー10は小さい回転力で回転
することになり、被切断材22と当接しセフティカバー10
が上昇するときも円滑に回転する。

なお、本発明のように引張りばねを使用するのではな
く、のこ刃軸７の中心に巻き込んだねじりコイルばね使
用しても同様な効果が得られる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、セフティカバー自重による回転モーメ
ントの軽減及びセフティカバーの開放防止が行なえるよ
うにしたため、セフティカバーの回転力を小さくし、セ
フティカバーの開閉は円滑に行なえる。

また、セフティカバーが被切断材に当接したときの接触
圧力が軽減することにより、被切断材に傷が付きにくい
という実用上優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す卓上切断機の側面図、
第２図は切断作業時の側面図、第３図は安全カバー部の
部分拡大図、第４図は安全カバー回転時の説明図、第５
図は従来の卓上切断機の側面図である。 ２は被切断材、６はギヤケース、７はのこ刃軸、８はの
こ刃、10はセフティカバー、11はスプリング、12,13は
フック掛穴、110及び110a〜110dはセフティカバーの重
心位置、13a〜13dはスプリングの荷重点である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被切断材を支持するベースに連結したホル
   ダ上方にシャフトを支点に揺動可能にギヤケースを軸支
   し、該ギヤケースにモートル部、のこ刃、のこ刃軸を中
   心に回動するセフティカバーを連結し、前記ギヤケース
   と前記セフティカバー間に弾性体を設け、ギヤケースを
   下方に揺動することにより被切断材と該セフティカバー
   が当接し、該セフティカバーが開閉する卓上切断機にお
   いて、 前記セフティカバーが閉鎖位置にあるときは前記弾性体
   で前記セフティカバーの自重による閉鎖側回転モーメン
   トより小さい開放側回転モーメントを与え、該セフティ
   カバー重心位置が前記のこ刃軸の真上に移動する付近か
   ら前記弾性体で該セフティカバー自重による開放側回転
   モーメントより大きい閉鎖側回転モーメントが加わるよ
   うに弾性体を前記ギヤケースと前記セフティカバーに設
   けたことを特徴とする卓上切断機の安全カバー開閉機
   構。