JPH0751025A - 肉軟化用組成物 - Google Patents

肉軟化用組成物

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JPH0751025A
JPH0751025A JP5218067A JP21806793A JPH0751025A JP H0751025 A JPH0751025 A JP H0751025A JP 5218067 A JP5218067 A JP 5218067A JP 21806793 A JP21806793 A JP 21806793A JP H0751025 A JPH0751025 A JP H0751025A
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JP
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meat
oil
weight
sauce
softening composition
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Withdrawn
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JP5218067A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Sasaki
博隆 佐々木
Yumiko Ono
由美子 大野
Shigeru Kawai
滋 河合
Yoshinobu Nakajima
義信 中島
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸味が抑制され、使用された素材の風味が損
なわれず良好な風味を有しながら、高い肉軟化性能を維
持し同時に無菌状態に保存し得る肉軟化用組成物を提供
する。 【構成】 野菜成分及び/又は果実成分、香辛料、そし
てプロテアーゼを含み、pHが4以下である肉軟化用組
成物であって、平均粒子径が1μm以下の油滴の状態に
ある油脂を0.1〜10重量%含む肉軟化用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、牛肉等の肉との接触に
より肉を軟化させることのできる肉軟化用組成物であっ
て、保存性に優れ、かつ良好な風味を有する肉軟化用組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】焼き肉用のたれを代表とする調味料とし
ての肉軟化用組成物は、一般に野菜、果実、香辛料、食
酢、醤油、食塩、糖類、デンプン等を原料として作られ
た調味配合物であるが、肉を軟かくする目的で調理対象
の肉の食感を良くするためにプロテアーゼ(蛋白分解酵
素)を含有させたものがある。
【0003】このような肉軟化用組成物は、含まれてい
る糖類、食塩、食酢に防腐効果があるので本来保存性の
よい調味料であるが、容器に充填するまでの工程で微生
物により汚染される恐れがあり、市販に際しては無菌状
態にする必要がある。最近、食塩の過剰摂取が警戒され
るなど一般に薄味傾向であるため、上記の成分の濃度が
下げられており、微生物汚染の危険性が増している。
【0004】合成保存剤を添加することも認められてい
るが、健康上の理由から合成保存剤を使用することはあ
まり歓迎されない。微生物汚染を防止するために加熱殺
菌処理することが考えられるが、プロテアーゼを含む肉
軟化用組成物を加熱殺菌すると、プロテアーゼは加熱に
より変性されてその活性が低下する傾向があり、プロテ
アーゼの作用を著しく低減させるので、プロテアーゼを
含む肉軟化用組成物を加熱殺菌処理することは好ましく
ない。
【0005】また肉軟化用組成物の加熱殺菌により、含
まれている香辛料の風味が弱くなったり、損なわれたり
する。肉軟化用組成物は香辛料の風味が商品選択の重要
な要因の一つであり、風味の変化や低下は商品価値を著
しく低下させる。
【0006】また、pHが4以下であるような酸性にす
ると、殆どの菌は死滅して無菌状態にできることが知ら
れている。従来の肉軟化用組成物には一般に食酢のよう
な酸が含まれているがpHを4以下にすると肉軟化用組
成物は酸味の強いものになる。酸味を弱め、良好な風味
を持たせるために、肉軟化用組成物のpHを例えば、
4.5程度に高めた場合には、そのままでは無菌状態に
することができず加熱殺菌することが必要になり、上記
のような問題が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸味
が抑制され、使用された素材の風味が損なわれず良好な
風味を有しながら、加熱殺菌処理しなくても実質的に無
菌状態に保持し得る肉軟化用組成物を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、野菜成分及び
/又は果実成分、香辛料、そしてプロテアーゼを含み、
pHが4以下である肉軟化用組成物であって、平均粒子
径が1μm以下の油滴の状態にある油脂を0.1〜10
重量%含むことを特徴とする肉軟化用組成物である。
【0009】他の本発明は、野菜成分及び/又は果実成
分、香辛料、そしてプロテアーゼを含み、pHが4以下
である肉軟化用組成物に、別に調製した油滴の平均粒子
径が1μm以下である水中油型油脂乳化物を添加混合し
て得られた上記の肉軟化用組成物である。
【0010】本発明の好適な態様は下記の通りである。
【0011】(1)上記水中油型油脂乳化物の含有量が
油脂の重量として0.5〜8重量%である上記の肉軟化
用組成物。
【0012】(2)上記のpHが2〜4の範囲内にある
上記の肉軟化用組成物。
【0013】(3)上記水中油型油脂乳化物の油脂含有
量が1〜60重量%である上記の肉軟化用組成物。
【0014】本発明の肉軟化用組成物の代表例として
は、肉類の漬け込み、焼きたれ等に使用される焼き肉用
のたれがある。このような肉軟化用組成物は、調理前の
肉をこれに漬け込み、肉を軟化させ、肉に味つけする態
様で使用される。
【0015】本発明の肉軟化用組成物は、平均粒子径が
1μm以下の油滴の状態にある油脂を0.1〜10重量
%含有することの他は、従来の肉軟化用組成物と同様の
ものである。
【0016】原料の野菜としては、タマネギ、トマト、
ニンジン、セロリ等が一般的に使用され、ハクサイ、ミ
ツバ、マッシュルーム、ネギ等も使用できる。また、果
実としてはリンゴが一般的であり、ミカン、プラム、プ
ルーン、パイナップル、バナナ等も使用できる。これら
の野菜及び果実はそのまま使用することもできるが、一
般にエキス、ジュース、ピューレー、ペースト、乾燥粉
末等の形態のものが使用される。
【0017】原料の香辛料としては、香辛野菜又は香味
野菜と呼ばれるものも含めて多種類のものが使用され、
代表的な例としてニンニク(ガーリック)、オニオン、
ジンジャー、コショウ、トウガラシ、パプリカ、ヒメウ
イキョウ、セージ、タイム、ローレル、チンピ、ニッ
ケ、ニクズク等が挙げられる。この香辛料は、一般にエ
キス、乾燥品、乾燥粉末、アルコール抽出物等の形態の
ものが使用される。
【0018】肉軟化用組成物の他の原料として、食酢、
糖類、食塩、デンプン、カラメル等や、海藻エキス、グ
ルタミン酸ナトリウム、酸味料(クエン酸、コハク酸、
リンゴ酸、乳酸等)、アルコール類、甘味料等が使用さ
れる。
【0019】また、プロテアーゼとしては、エンドペプ
チダーゼ(プロテイナーゼ)であって酸性条件下で活性
を有するものが好ましく、例えば、パパイン、キモパパ
イン、ブロメライン、フィシン、Rhizopus chinensisか
らの酸性プロテアーゼ等を好ましい例として挙げること
ができる。
【0020】本発明の肉軟化用組成物中の、平均粒子径
が1μm以下、好ましくは0.01〜0.8μmの範囲
内である油滴の状態にある油脂は、例えば、野菜成分及
び/又は果実成分、香辛料、そしてプロテアーゼを含
み、pHが4以下である肉軟化用組成物に、別に調製し
た、油滴の平均粒子径が1μm以下、好ましくは0.0
1〜0.8μmの範囲内である水中油型油脂乳化物を添
加混合することにより含有させることができる。
【0021】上記の油脂乳化物に使用される油脂として
は、食用に適するものであれば特に限定されないが、ナ
タネ油、大豆油、トウモロコシ油、綿実油、ゴマ油等の
液状植物油が一般的に好ましく、パーム油、ヤシ油等の
固形植物脂も使用することができる。更に、これらの油
脂に硬化、分別、エステル交換等の処理を施したものも
使用することができる。
【0022】上記の水中油型油脂乳化物は、上記のよう
な油脂を食品用乳化剤の存在下で適当な乳化機及び/又
は均質機を使用して水中に均質化することによって製造
することができる。食品用乳化剤としては特に限定され
ず、レシチン、酵素処理レシチン、グリセリン脂肪酸エ
ステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、有機酸モノ
グリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル等を使用で
きる。
【0023】上記のような油滴の平均粒子径が小さい水
中油型油脂乳化物を製造するための装置としては、液体
を高圧下(100〜3000g/cm2 )、均質バルブ
又はスリットを通して低圧部に送り、その際の剪断力、
衝撃力等により油脂球を粉砕する形式の高圧均質機(高
圧ホモジナイザー)を使用することが好ましい。このよ
うな装置としては、ナノマイザー(ヤマサトレーディン
グ社)、マイクロフルイダイザー(バイオテクノロジー
・デベロップメント社)、マウンテンゴウリン等の装置
がある。高圧均質機で処理する前に予め他の形式の乳化
機で油脂を乳化しておき、この乳化物(油滴の粒子径は
比較的大きい)を高圧均質機で乳化すると、油滴の平均
粒子径を小さくする上で有効である。また、油滴の平均
粒子径を小さくするために、乳化物を高圧均質機に繰り
返し通すことも有効である。
【0024】この水中油型油脂乳化物中の油脂の含有量
は1〜60重量%であることが好ましい。
【0025】本発明の肉軟化用組成物のpHは2〜4で
あることが好ましい。肉軟化用組成物のpHをこのよう
な値に調製するためには、原料の食酢の添加量を増加さ
せてもよく、また、クエン酸、コハク酸、酢酸、リンゴ
酸、グルコン酸、乳酸等の食品添加物として認められて
いる有機カルボン酸を添加してもよい。
【0026】上記の水中油型油脂乳化物の添加は、肉軟
化用組成物製造工程のどの段階であってもよいが、従来
法と同様にしてpH4以下の肉軟化用組成物を製造した
後、この肉軟化用組成物に上記の水中油型油脂乳化物を
添加することが好ましい。
【0027】本発明の肉軟化用組成物は、pHが4以下
であり、若し上記の水中油型油脂乳化物を含有させない
と、酸味の強いものである。しかしながら、上記のよう
に平均粒子径が1μm以下の極めて微細な油滴を有する
水中油型油脂乳化物が含まれていることにより、本発明
の肉軟化用組成物はその酸味が緩和されて良好な風味を
有するようになるのである。本発明に於ては平均粒子径
が1μm以下の油滴の状態で油脂が分散していることが
重要であり、比較例4に示すように、油滴の平均粒子径
が本発明の範囲外の大きい場合は、肉軟化用組成物の酸
味は緩和されず水中油型油脂乳化物を添加しないものと
同様の酸味の強いものである。本発明に於いて油脂を前
記のような極めて微細な油滴として含有させることによ
り肉軟化用組成物の酸味が緩和されることは、全く予想
外の顕著な効果である。
【0028】本発明の肉軟化用組成物中の上記のような
微細な油滴の状態にある油脂の含有量は、肉軟化用組成
物のpHや所望の風味等によっても変わるが、0.1〜
10重量%、好ましくは0.5〜8重量%である。
【0029】本発明の肉軟化用組成物は、pHが4以下
であるので、加熱殺菌処理をしなくても実質的に無菌状
態に保持されており、更に、消費者に於て開栓された後
に空気中から微生物が入ったとしても殺菌され、汚染さ
れることがない。更に、本発明の肉軟化用組成物は加熱
殺菌処理する必要がないので、長期間保存後も、香辛料
の風味が高く維持され、プロテアーゼの活性も低下する
ことがない。
【0030】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明する。
【0031】[実施例1] 水中油型油脂乳化物の調製 ナタネ油30重量部にレシチン0.5重量部を溶解して
油相部を調製した。ホモミキサーに水69.5重量部を
入れ10000rpmで攪拌しながら、これに上記油相
部を滴下した。油相部を全量添加した後、更に5分間1
0000rpmで攪拌した。得られた乳化物を1000
kg/cm2 の供給圧力でナノマイザーに10回通し
て、油滴の平均粒子径が0.3μmの水中油型油脂乳化
物を得た。なお、油滴の平均粒子径は、レーザー回折式
粒度分布測定装置(SALD−1100型、株式会社島
津製作所製)を用いて測定した。
【0032】焼き肉用たれモデルの調製 アップルピューレ12.0重量部、ガーリック2.0重
量部、オニオン0.5重量部、ジンジャー1.5重量
部、一味唐辛子0.2重量部、コショウ0.5重量部、
及びパプリカ0.4重量部の原料を水に添加し、非加熱
で混合して果実及び香辛料の混合物を得た。
【0033】上記果実と香辛料の混合物にプロテアーゼ
としてパパイン0.4重量部を添加し、更に食酢を添加
してpHを3.0に調整し、得られた混合物に上記の水
中油型油脂乳化物を20重量%含有されるような量で添
加し混合して、焼き肉用たれモデルを調製した。
【0034】焼き肉用たれモデルの評価 得られた焼き肉用たれモデルを加熱殺菌することなく、
室温で空気中に開放して3時間放置した後、その中の生
菌数を寒天平板培養法により測定したところ、0個/m
lであった。この焼き肉用たれモデルの酵素活性[下記
の比較例1で調製した焼き肉用たれモデル(pH=7.
0)の酵素活性を100とし、それに対する比活性で示
す。以下同様である]は70であった。この焼き肉用た
れモデルの風味は、酸味が抑制され、一方香辛料の風味
は適度であり、良好なものであった。また、この焼き肉
用たれモデルに15分間漬けた後、焼いた牛肉の食感は
軟らかいものであった。
【0035】[実施例2]水中油型油脂乳化物の含有量
を1重量%に変えた他は、実施例1に於けると同様にし
て焼き肉用たれモデルを調製した。
【0036】得られた焼き肉用たれモデルを加熱殺菌す
ることなく、実施例1に於けると同様に放置した後、そ
の中の生菌数を測定したところ、0個/mlであった。
この焼き肉用たれモデルの酵素活性は70であり、風味
は、酸味が抑制され、一方香辛料の風味が適度であり、
良好なものであった。また、実施例1に於けると同じ肉
を使用し同様にして、この焼き肉用たれモデルに漬けた
後焼いた肉の食感は軟らかいものであった。
【0037】[比較例1]pHを7.0に調整し、水中
油型油脂乳化物を添加しなかった他は、実施例1に於け
ると同様にして焼き肉用たれモデルを調製した。
【0038】得られた焼き肉用たれモデルの酵素活性は
100であり、風味は、酸味が抑制され、香辛料の風味
が適度であり、良好なものであり、実施例1に於けると
同じ肉を使用し同様にして、この焼き肉用たれモデルに
漬けた後、焼いた肉の食感は軟らかいものであった。し
かし、この焼き肉用たれモデルを加熱殺菌することな
く、実施例1に於けると同様に放置した後、その中の生
菌数を測定したところ、5.0×103 個/mlであっ
た。
【0039】[比較例2]pHを5.0に調整した他
は、実施例1に於けると同様にして焼き肉用たれモデル
を調製した。
【0040】得られた焼き肉用たれモデルの酵素活性は
80であり、風味は、酸味が抑制され、香辛料の風味が
適度であり、良好なものであり、実施例1に於けると同
じ肉を使用し同様にして、この焼き肉用たれモデルに漬
けた後、焼いた肉の食感は軟らかいものであった。しか
し、この焼き肉用たれモデルを加熱殺菌することなく実
施例1に於けると同様に放置した後、その中の生菌数を
測定したところ、1.0×102 個/mlであった。
【0041】[比較例3]水中油型油脂乳化物を添加し
なかった他は、実施例1に於けると同様にして焼き肉用
たれモデルを調製した。
【0042】得られた焼き肉用たれモデルを加熱殺菌す
ることなく、実施例1に於けると同様に放置した後、そ
の中の生菌数を測定したところ、0個/mlであった。
また酵素活性は70であった。しかし、この焼き肉用た
れモデルの風味は、酸味が強いものであった。
【0043】[比較例4] 水中油型油脂乳化物の調製 ナタネ油30重量部にレシチン0.5重量部を溶解して
油相部を調製した。ホモミキサーに水69.5重量部を
入れ10000rpmで攪拌しながら、これに上記油相
部を滴下した。油相部を全量添加した後、更に5分間1
0000rpmで攪拌した。得られた乳化物を50kg
/cm2 の供給圧力でナノマイザーに2回通して、油滴
の平均粒子径が3.0μmの水中油型油脂乳化物を得
た。
【0044】実施例1に於いて使用した水中油型油脂乳
化物の代わりに上記の油滴の平均粒子径の大きい水中油
型油脂乳化物を同量添加した他は、実施例1に於けると
同様にして焼き肉用たれモデルを調製した。
【0045】得られた焼き肉用たれモデルを加熱殺菌す
ることなく、実施例1に於けると同様に放置した後、そ
の中の生菌数を測定したところ、0個/mlであった。
また酵素活性は70であった。しかし、この焼き肉用た
れモデルの風味は、酸味が強いものであった。
【0046】[比較例5]pHを4.5に調整し、水中
油型油脂乳化物を添加しなかった他は、実施例1に於け
ると同様にして焼き肉用たれモデルを調製した。
【0047】得られた焼き肉用たれモデルを約100℃
で約5分間加熱殺菌して、実施例1に於けると同様に放
置した後、その中の生菌数を測定したところ、0個/m
lであった。しかし、この焼き肉用たれモデルの酵素活
性は0であり、実施例1に於けると同じ肉を使用し同様
にして、この焼き肉用たれモデルに漬けた後、焼いた肉
の食感は硬いものであった。更にこの焼き肉用たれモデ
ルの風味は、酸味は抑制されていたが、香辛料の風味が
実施例1で得られた焼き肉用たれモデルに比較して弱い
ものであった。
【0048】比較例1で得られた焼き肉用たれモデル
は、pHが7.0であって風味は良好であり肉も軟化さ
せるが、加熱殺菌しないので生菌数の多いものである。
比較例2で得られた焼き肉用たれモデルは、pHが5.
0であるが本発明に於ける油脂乳化物を含有しているの
で風味は良好であり肉も軟化させるが、加熱殺菌してい
ないので生菌数の多いものである。比較例3で得られた
焼き肉用たれモデルは、pHが3.0であるので加熱殺
菌しなくても生菌数は0であるが、本発明に於ける油脂
乳化物を含有していないので酸味の強いものである。比
較例4で得られた焼き肉用たれモデルは、pHが3.0
であるので加熱殺菌しなくても生菌数は0であるが、含
有されている油脂乳化物が本発明の範囲外の油滴平均粒
子径の大きい油脂乳化物であるので、酸味の強いもので
ある。比較例5で得られた焼き肉用たれモデルは、pH
が4.5であるが加熱殺菌しているので生菌数が0であ
る。しかし、加熱殺菌処理のためにプロテアーゼ(パパ
イン)の酵素活性が0であって肉を軟化させることがで
きず、更に香辛料の風味が損なわれ各実施例に比べて弱
いものになっている。
【0049】これに対して、実施例1及び実施例2で得
られた焼き肉用たれモデルは、pHが3.0であるので
加熱殺菌しなくても生菌数が0であり、本発明の範囲内
の微細な油滴の状態の油脂を含有しているのでpHが低
いにもかかわらず酸味が抑制され、加熱殺菌処理しない
ので香辛料の風味も損なわれず適度であり、良好な風味
を有するものである。更に、実施例1及び実施例2で得
られた焼き肉用たれモデルは、加熱殺菌処理しないので
プロテアーゼ(パパイン)の活性が十分高く維持されて
おり、肉を軟化させることができるものである。
【0050】[比較例6]醤油30.0重量部、砂糖1
8.0重量部、みりん5.0重量部、食酢28.0重量
部、アップルピューレ12.0重量部、食塩1.0重量
部、グルタミン酸ナトリウム0.5重量部、ガーリック
2.0重量部、オニオン0.5重量部、ジンジャー1.
5重量部、一味唐辛子0.2重量部、コショウ0.5重
量部、パプリカ0.4重量部、及びパパイン0.4重量
部を、非加熱で混合して焼き肉用たれを製造した。この
たれのpHは3.2であった。
【0051】この焼き肉用たれを加熱殺菌することな
く、実施例1に於けると同様に放置した後、その中の生
菌数を測定したところ、0個/mlであり、酵素活性は
75であった。しかし、この焼き肉用たれの風味は、酸
味の強いものであった。
【0052】[実施例3]比較例6で製造した焼き肉用
たれに、実施例1で調製した水中油型油脂乳化物を10
重量%含有されるように添加し混合して焼き肉用たれを
製造した。この焼き肉用たれのpHは3.2であった。
また、この焼き肉用たれ中の油滴の平均粒子径は約0.
6μm(顕微鏡による目視測定値)であった。
【0053】この焼き肉用たれを加熱殺菌することな
く、実施例1に於けると同様に放置した後、その中の生
菌数を測定したところ、0個/mlであり、酵素活性は
75であった。また、この焼き肉用たれの風味は、酸味
が抑制され、加熱殺菌処理しないので香辛料の風味も損
なわれず適度であり、良好な風味を有するものであっ
た。また、この焼き肉用たれモデルに漬けた後、焼いた
牛肉の食感は軟らかいものであった。
【0054】比較例6で製造した焼き肉用たれは酸味の
強いものであるが、実施例3に於いて、比較例6で製造
した焼き肉用たれに本発明に於ける特定の油脂乳化物を
添加して製造した焼き肉用たれは、pHを低く維持しな
がら酸味が抑制され良好な風味を有するものである。更
に、実施例3で得られた焼き肉用たれモデルは、加熱殺
菌処理しないのでプロテアーゼ(パパイン)の活性が十
分高く維持されており、肉を軟化させることができるも
のである。
【0055】
【発明の効果】本発明の肉軟化用組成物は、pHが4以
下であるので、加熱殺菌処理をしなくても実質的に無菌
状態に保持されており、更に、消費者に於て開栓された
後に空気中から微生物が入ったとしても殺菌され、汚染
されることがなく、優れた保存性を示す。また、本発明
の肉軟化用組成物は加熱殺菌処理する必要がないので、
長期間保存後も、プロテアーゼの活性が高く維持される
ので肉を軟化させることができ、また香辛料の風味が高
く維持される。更に本発明の肉軟化用組成物は、pHが
4以下であるにもかかわらず、平均粒子径が1μm以下
の油滴の状態で油脂が含まれているので、酸味が抑制さ
れ、良好な風味を有するものである。
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】上記のような油滴の平均粒子径が小さい水
中油型油脂乳化物を製造するための装置としては、液体
を高圧下(100〜3000kgf/cm)、均質バ
ルブ又はスリットを通して低圧部に送り、その際の剪断
力、衝撃力等により油脂球を粉砕する形式の高圧均質機
(高圧ホモジナイザー)を使用することが好ましい。こ
のような装置としては、ナノマイザー(ヤマサトレーデ
ィング社)、マイクロフルイダイザー(バイオテクノロ
ジー・デベロップメント社)、マウンテンゴウリン等の
装置がある。高圧均質機で処理する前に予め他の形式の
乳化機で油脂を乳化しておき、この乳化物(油滴の粒子
径は比較的大きい)を高圧均質機で乳化すると、油滴の
平均粒子径を小さくする上で有効である。また、油滴の
平均粒子径を小さくするために、乳化物を高圧均質機に
繰り返し通すことも有効である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】[実施例1] 水中油型油脂乳化物の調製 ナタネ油30重量部にレシチン0.5重量部を溶解して
油相部を調製した。ホモミキサーに水69.5重量部を
入れ10000rpmで攪拌しながら、これに上記油相
部を滴下した。油相部を全量添加した後、更に5分間1
0000rpmで攪拌した。得られた乳化物を1000
kg/cmの供給圧力でナノマイザーに10回通し
て、油滴の平均粒子径が0.3μmの水中油型油脂乳化
物を得た。なお、油滴の平均粒子径は、レーザー回折式
粒度分布測定装置(SALD−1100型、株式会社島
津製作所製)を用いて測定した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】[比較例4] 水中油型油脂乳化物の調製 ナタネ油30重量部にレシチン0.5重量部を溶解して
油相部を調製した。ホモミキサーに水69.5重量部を
入れ10000rpmで攪拌しながら、これに上記油相
部を滴下した。油相部を全量添加した後、更に5分間1
0000rpmで攪拌した。得られた乳化物を50kg
/cmの供給圧力でナノマイザーに2回通して、油
滴の平均粒子径が3.0μmの水中油型油脂乳化物を得
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 野菜成分及び/又は果実成分、香辛料、
    そしてプロテアーゼを含み、pHが4以下である肉軟化
    用組成物であって、平均粒子径が1μm以下の油滴の状
    態にある油脂を0.1〜10重量%含むことを特徴とす
    る肉軟化用組成物。
  2. 【請求項2】 野菜成分及び/又は果実成分、香辛料、
    そしてプロテアーゼを含み、pHが4以下である肉軟化
    用組成物に、別に調製した油滴の平均粒子径が1μm以
    下である水中油型油脂乳化物を添加混合して得られた請
    求項1記載の肉軟化用組成物。
JP5218067A 1993-08-09 1993-08-09 肉軟化用組成物 Withdrawn JPH0751025A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014128202A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Kikkoman Corp そぼろ状鶏挽肉、そぼろ状鶏挽肉含有調味液及び容器入りそぼろ状鶏挽肉含有調味液

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