JP2021000135A - 酢酸含有飲食品の酸味抑制方法 - Google Patents

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有希 伊藤
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Abstract

【課題】様々な酢酸含有飲食品に適用できる酢酸含有飲食品の酸味の抑制方法の提供。【解決手段】本発明は、酢酸含有飲食品の酸味を抑制する方法であって、前記酢酸含有飲食品を、密封状態で、450MPa以上の高圧処理を1分以上施すことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、酢酸含有飲食品の酸味抑制方法に関し、より詳細には、高圧処理を施すことによる酢酸含有飲食品の酸味抑制方法に関する。
従来より、酢酸が健康によいというイメージは広く認識されており、様々な飲食品が販売されてきた。一方で、酢酸は独特の酸味が強いことも認識されており、その酸味を苦手とする消費者も多く、商品設計をするうえでは様々な工夫が求められてきた。
ところで、特許文献1においては、分離液状ドレッシングに150MPa以上400MPa未満の高圧処理を施すと、植物細胞の細胞壁が破壊されて細胞質などがより多く細胞外に出て行くため、いわゆるエキス分によりドレッシングの味がまろやかになることが記載されている。しかし、粉砕した野菜類と、食用植物油脂と、食酢等とを混合したものに400MPa以上の高圧処理を施すと、食用植物油脂と食酢等が高圧処理の際の圧力変化により、混合乳化し、分離液状のドレッシングが得られないとの課題も存在していた。
特開2007−104979号公報
したがって、様々な酢酸含有飲食品に適用できる酢酸含有飲食品の酸味、特に酢酸含有飲食品中の酢酸由来の酸味を抑制する方法が求められている。
本発明者らは、上記課題に対して誠意検討した結果、意外にも、酢酸含有飲食品を、密封状態で、特定の条件で高圧処理を施すことで、酢酸含有飲食品の酸味、特に酢酸含有飲食品中の酢酸由来の酸味を抑制できることを知見した。本発明者らは、このような知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様によれば、
酢酸含有飲食品の酸味を抑制する方法であって、
前記酢酸含有飲食品を、密封状態で、450MPa以上の高圧処理を1分以上施すことを特徴とする、抑制方法が提供される。
本発明の態様においては、前記酢酸含有飲食品が、酢酸を0.01質量%以上含有することが好ましい。
本発明の態様においては、前記酢酸含有飲食品が、酢酸を0.05質量%以上5.0質量%以下含有した酢酸含有調味料であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記酢酸含有調味料が、乳化液状調味料またはノンオイル液状調味料であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記酢酸含有飲食品が、具材と、酢酸を0.05質量%以上5.0質量%以下含有した酢酸含有調味料とを和えた惣菜であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記酢酸含有飲食品が、酢酸を0.3質量%以上20質量%以下含有した食酢または食酢含有飲料であることが好ましい。
また、本発明の別の態様によれば、具材と、酢酸含有調味料または食酢を混合した酢酸含有飲食品の製造方法であって、前記酢酸含有調味料または食酢は、密封状態で、450MPa以上の高圧処理を1分以上施されたものであることを特徴とする、酢酸含有飲食品の製造方法が提供される。
本発明によれば、様々な酢酸含有飲食品に適用できる酢酸含有飲食品の酸味、特に酢酸含有飲食品中の酢酸由来の酸味を抑制する方法を提供することができる。このような酢酸含有飲食品の酸味抑制方法により、酢酸含有飲食品のさらなる市場拡大が期待できる。
<酢酸含有飲食品の酸味抑制方法>
本発明による酢酸含有飲食品の酸味抑制方法は、酢酸含有飲食品を、密封状態で、特定の条件の高圧処理を施すことを特徴とするものである。
(高圧処理の条件)
酢酸含有飲食品に施す高圧処理の印加圧力は、450MPa以上であり、好ましくは480MPa以上1000MPa以下であり、より好ましくは500MPa以上800MPa以下である。印加圧力が上記範囲を下回ると、酢酸含有飲食品中の酢酸由来の酸味を十分に抑制することができない。また、高圧処理の圧力維持時間は、1分以上であり、好ましくは1分以上60分以内であり、より好ましくは2分以上30分以内である。なお、高圧処理は連続的に実施してもよいし、断続的に実施してもよい。断続的に実施する場合には、合計の圧力維持時間が上記数値範囲内であればよい。高圧処理の温度は、好ましくは60℃未満であり、より好ましくは5℃以上50℃以下であり、さらに好ましくは10℃以上30℃以下である。また、圧力媒体としては、水を用いることが好ましい。高圧処理の条件が上記範囲内であることで、多大な製造コストをかけずに、酢酸含有飲食品の酸味を抑制することができる。
高圧処理に用いる装置は特に限定されず、従来公知の圧力装置を用いることができる。圧力装置は、上記の条件で高圧処理を施すことができるものであれば、バッチ式および連続式のいずれであってもよい。
(容器)
酢酸含有飲食品に高圧処理を施す際には、容器に密封して行う。容器としては、高圧処理に耐えられる容器であれば特に限定されず、従来公知の硬質容器および軟質容器のいずれも用いることができる。容器の材質は特に限定されず、金属製、樹脂製等を適宜選択することができる。また、容器のサイズは、惣菜の量等に応じて適宜選択することができる。
酢酸含有飲食品を容器に密封する方法は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。密封方法としては、例えば、容器内に酢酸含有飲食品を半分程度から満杯になるまで充填して常圧密封する方法、容器内を真空処理して減圧密封する方法、容器内をガスで充填して加圧密封する方法等を行うことができる。
(酢酸含有飲食品)
酢酸含有飲食品は、酢酸を0.01質量%以上含有するものであることが好ましい。酢酸含有飲食品が酢酸を0.01質量%以上含有する場合、酢酸由来の酸味があることが多く、高圧処理を施すことで、酢酸含有飲食品中の酢酸由来の酸味を抑制することができる。
酢酸含有飲食品としては、酢酸含有調味料、具材と酢酸含有調味料とを和えた惣菜、食酢、米飯、煮物、炒め物、スープ、飲料等を挙げることができる。酢酸含有調味料、具材、食酢については、以下で詳述する。
(酢酸含有調味料)
酢酸含有調味料は、少なくとも酢酸を含むものであり、水、卵黄、食用油脂、および他の原料等をさらに含んでもよい。酢酸含有調味料は、食用油脂を含む場合、乳化状であってもよく、分離状であってもよい。酢酸含有調味料は、乳化状の場合、水中油型(O/W型)エマルションやW/O/W型複合エマルションの構成を有してもよく、水中油型(O/W型)エマルションの構成がより好ましい。酢酸含有調味料は、食用油脂を含まない場合、いわゆるノンオイルタイプの調味料とすることができる。これらの酢酸含有調味料の中でも、乳化状の水中油型(O/W型)エマルションが好ましい。
酢酸含有調味料としては、ノンオイル液状調味料であってもよい。ノンオイル液状調味料とは、食用油脂を使用せず且つ脂質含有量が3質量%未満の液状調味料を言う。ノンオイル液状調味料としては、例えば、ドレッシング、ソース、タレ、及びこれらに類する他の食品が挙げられる。
酢酸含有調味料の水分含量は、特に限定されずに他の成分の含有量に応じて適宜設定することができる。酢酸含有調味料の水分含量は、例えば、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下である。
酢酸含有調味料のpHは、好ましくは3.0以上5.5以下であり、より好ましくは3.5以上5.4以下であり、さらに好ましくは4.0以上5.3以下である。酢酸含有調味料のpHが上記範囲内であれば、酢酸含有調味料の微生物発生を制御して保存性を高めながら、酢酸含有調味料の風味を良好にすることができる。なお、酢酸含有調味料のpHの値は、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF−72)を用いて測定した値である。
(酢酸)
酢酸含有調味料中の酢酸の含有量は、酢酸含有調味料全体に対して、好ましくは0.05質量%以上5.0質量%以下であり、より好ましくは0.10質量%以上4.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.20質量%以上3.00質量%以下である。酢酸の含有量が上記範囲内であれば、高圧処理を施すことで、酢酸含有飲食品中の酢酸由来の酸味を抑制することができる。また、酢酸含有調味料の微生物発生を制御して保存性を高めながら、酢酸含有調味料の風味を良好にすることができる。
(食用油脂)
酢酸含有調味料に配合する食用油脂は、特に限定されず従来公知の食用油脂を用いることができる。具体的には、食用油脂として、例えば、菜種油、大豆油、コーン油、パーム油、綿実油、ひまわり油、サフラワー油、胡麻油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、椿油、荏胡麻油、グレープシードオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル等の植物油脂、魚油、牛脂、豚脂、鶏脂、又はMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂等を用いることができる。これらの中でも植物油脂を用いることが好ましく、菜種油、大豆油、コーン油、パーム油、またはこれらの混合油を用いることがより好ましい。
酢酸含有調味料中の食用油脂の含有量は、酢酸含有調味料全体に対して、好ましくは10質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは15質量%以上85質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以上80質量%以下である。酢酸含有調味料中の油脂の含有量が50質量%以上であれば、油由来のコク味を十分に感じることができる。
(卵黄)
酢酸含有調味料に配合する卵黄は、一般的に流通している卵黄であればいずれのものでもよく、生卵黄(液卵黄)又は生卵黄に所定の処理を行ったもの等が挙げられる。所定の処理の例としては、食塩や糖分等の添加、低温殺菌等の殺菌処理、冷凍及び解凍、乾燥及び水戻し、脱糖処理等が挙げられる。これらの処理は、一種のみ行ってもよいし、二種以上を組み合わせて行ってもよい。なお、液卵黄とは、鶏等の鳥類の卵を割卵し卵白を分離したものをいい、割卵及び分離後、所定期間冷蔵保存したもの並びに凍結後解凍させたものを含むものとする。
酢酸含有調味料中の卵黄の含有量は、生換算で、酢酸含有調味料全体に対して、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上であり、また、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは12質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である。酢酸含有調味料中の卵黄の含有量が上記数値範囲内であれば、卵黄由来のコクを十分に感じることができる。また、酢酸含有調味料全体の味のバランスに優れ、良好な乳化状態を維持することもできる。
(他の原料)
本発明の酢酸含有調味料は、上述した原料以外に、本発明の効果を損なわない範囲で酢酸含有調味料に通常用いられている各種原料を適宜選択し含有させることができる。例えば、アミノ酸、食塩、醤油、砂糖、味噌、ブドウ糖等の調味料、水あめ、デキストリン、はちみつ、香辛料抽出物、たん白加水分解物、着色料及び着香料、レモン汁、胡麻、チーズ、タマネギ、ピーマン、刻んだ茹で卵、パセリ、ケッパー、チャイブ、きゅうり等のピクルス、キサンタンガム、カラギーナン、グアーガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、及びアラビアガム等の増粘剤、マスタード、からし粉、胡椒等の香辛料、レシチン、リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等乳化剤、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、静菌剤等が挙げられる。
(酢酸含有調味料の製造方法)
酢酸含有調味料の製造方法は、例えば、少なくとも、酢酸(食酢)、食塩、増粘剤、他の原料等及び水を混合し、ミキサー等で均一に混合して水相原料混合液を調製する。その後、当該水相原料混合液に卵黄を加え、ホモミキサー等で均一に混合して、水相を得る。酢酸含有調味料が食用油脂を含まないノンオイルタイプの場合には、得られた水相をそのまま酢酸含有調味料とすることができる。
続いて、上記で得られた水相に、必要に応じて食用油脂を徐々に注加して乳化し、水相中に食用油相を乳化分散させた酢酸含有調味料を得ることができる。また、上記で得られた水相に食用油脂を積載して、分離状の酢酸含有調味料を得ることもできる。
(製造装置)
本発明の酢酸含有調味料の製造には、通常の酢酸含有調味料の製造に使われる装置を用いることができる。このような装置としては、例えば、一般的な攪拌機、スティックミキサー、スタンドミキサー、ホモミキサー、ホモディスパー等が挙げられる。攪拌機の攪拌羽形状としては、例えばプロペラ翼、タービン翼、パドル翼、アンカー翼等が挙げられる。
(具材)
具材としては、植物性の具材および動物性の具材のいずれでも用いることができる。植物性の具材としては、大根、人参、牛蒡、筍、キャベツ、白菜、セロリ、アスパラガス、ほうれん草、小松菜、青梗菜、トマト等の野菜、ジャガイモ、薩摩芋、里芋等の芋類、大豆、小豆、蚕豆、エンドウ豆等の豆類、米、麦、稗、粟等の穀類、リンゴ、モモ、パイナップル等の果実類、椎茸、シメジ、エノキ、ナメコ、松茸等のきのこ類、若布、昆布、ひじき等の海藻等を挙げることができる。また、動物性の具材としては、牛肉、豚肉、鳥肉、羊肉、馬肉、鹿肉、猪肉、山羊肉、兎肉、鯨肉、それらの内臓等の肉類や、鯵、鮎、鰯、鰹、鮭、鯖、鮪等の魚類、鮑、牡蠣、帆立、蛤等の貝類、エビ、カニ、イカ、タコ、ナマコ等の魚介類を挙げることができる。また、ゆで卵、卵焼き、オムレツ等の卵製品、蒲鉾等の練製品やハム・ソーセージ等の畜肉製品、麺類、漬物等の加工食品であってもよい。食用の食品製造原料または素材であれば、これらに限定されない。これらの具材は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これらの具材の中でも、高圧処理によって硬さ等の物性が変化しにくい植物性の具材を用いることが好ましい。
これらの具材は、生の状態で用いてもよいし、茹でる、煮る、焼く、蒸す、揚げる等の加熱・調理を行ったものを用いてもよい。また、これらの具材は、凍結あるいは凍結・解凍処理をしたものを用いることもできる。さらに、これらの具材の形状は、塊でも一口大でもいずれの形状であってもよく、具材の大きさは適宜選択することができる。
(惣菜)
惣菜は酢酸を含有するものであり、酢酸の含有量は、惣菜全体に対して好ましくは0.01質量%以上0.5質量%以下であり、より好ましくは0.02質量%以上0.4質量%以下であり、さらに好ましくは0.03質量%以上0.3質量%以下である。惣菜中の酢酸の含有量が上記範囲内であれば、高圧処理を施すことで、惣菜中の酢酸由来の酸味を抑制することができる。また、惣菜の微生物発生を制御して保存性を高めながら、惣菜の風味を良好にすることができる。
惣菜のpHは、具材の種類に応じて適宜調節することができ、例えば、3.0以上6.0以下であり、下限値は3.8以上、4.0以上、又は4.3以上であってもよく、上限値は5.8以下、5.7以下、又は5.5以下であってもよい。酢酸含有調味料のpHが上記範囲内であれば、酢酸含有調味料の微生物発生を制御して保存性を高めながら、酢酸含有調味料の風味を良好にすることができる。なお、惣菜のpHの値は、惣菜をミキサーを用いて、粉砕・混合して均一な状態にした後、1気圧、品温20℃の条件で、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF−72)を用いて測定した値である。
具材と和える酢酸含有調味料としては、乳化液状調味料が好ましく、マヨネーズ様調味料がより好ましい。マヨネーズ様調味料としては、マヨネーズやドレッシング等を挙げることができる。日本農林規格(JAS)では、ドレッシングのうち粘度が30Pa・s以上が半固体状ドレッシングと呼ばれる。その中で卵黄等決められた原料を用い、水分含量が30質量%以下、油脂含量が65質量%以上のものがマヨネーズである。本発明におけるマヨネーズ様調味料には、JASで定めるマヨネーズと類似の性状を有しながら成分組成がJASに合致しない類似商品群も含まれる。
惣菜の具材は、上記の具材を用いたものであれば特に限定されないが、高圧処理によって硬さ等の物性が変化しにくい植物性の具材を用いたものが好ましい。惣菜としては、例えば、野菜サラダであることが好ましく、ポテトサラダであることがより好ましい。
(食酢)
食酢とは、食酢品質表示基準(平成23年8月31日消費者庁告示8号)で規定されている食酢を意味する。食酢中の酢酸含量は、好ましくは0.3質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは0.5%質量以上18質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以上15質量%以下である。
食酢中には、酢酸以外にも、従来公知の食酢の成分が含まれていてもよい。例えば、食酢の原料として、大麦、粟、きび、稗、小豆、及び米から選ばれる穀物1種以上を用いて、常法により酢酸発酵させることにより食酢を得ることができる。また、他の穀物原料や、リンゴ、ブドウ、野菜、その他農産物を併用して用いることもできる。食酢には、これらの原料由来の成分が含まれてもよい。
食酢のpHは、好ましくは2.0以上4.0以下であり、より好ましくは2.1以上3.8以下であり、さらに好ましくは2.3以上3.5以下である。食酢のpHが上記範囲内であれば、食酢の微生物発生を制御して保存性を高めながら、食酢の風味を良好にすることができる。なお、食酢のpHの値は、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF−72)を用いて測定した値である。
酢酸発酵の方法としては、常法の酢酸発酵処理方法を用いることができるが、例えば、静置発酵法、通気発酵法(深部発酵法)などを挙げることができる。
酢酸発酵に用いる酢酸菌としては、公知の酢酸菌を用いることができる。例えば、アセトバクター(Acetobacter)属に属する酢酸菌が良く、アセトバクター・パスツリアヌス(Acetobacterpasteurianus)やアセトバクター・アセチ(Acetobacteraceti)等が好ましい。酢酸発酵工程では、別途アルコールを配合し酢酸発酵を進行させてもよい。
(食酢含有飲料)
食酢含有飲料中の酢酸含量は、好ましくは0.3質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.5%質量以上4質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以上3質量%以下である。
食酢含有飲料のpHは、好ましくは2.0以上4.5以下であり、より好ましくは2.3以上4.0以下であり、さらに好ましくは2.5以上3.5以下である。食酢含有飲料のpHが上記範囲内であれば、食酢の微生物発生を制御して保存性を高めながら、食酢の風味を良好にすることができる。なお、食酢のpHの値は、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF−72)を用いて測定した値である。
<酢酸含有飲食品の製造方法>
本発明による酢酸含有飲食品の製造方法は、上記で高圧処理を施した酢酸含有調味料や食酢と、具材とを混合する工程を含むものである。酢酸由来の酸味を抑制した酢酸含有調味料や食酢を用いることで、酢酸由来の酸味を抑制した酢酸含有飲食品を得ることができる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
[試験例1]
<酢酸含有調味料A〜Cの調製>
表1に記載の配合割合に準じて、酢酸含有調味料A〜Cを調製した。具体的には、まず、食酢、卵黄、食塩、デキストリン、及び清水をミキサーを用いて均一に混合して、水相を調製した。次に、水相をミキサーで撹拌させながら食用植物油脂を徐々に注加し乳化した後、コロイドミルで乳化して酢酸含有調味料A〜Cを調製した。
Figure 2021000135
<酢酸含有調味料A〜Cのへの高圧処理>
上記で製造した酢酸含有調味料A〜Cについて、それぞれ、圧力媒体として0〜30℃の水中で、表2に記載の条件A〜Hで高圧処理を施した。得られた酢酸含有調味料A〜Cについて、高圧処理の前後それぞれで、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF−72)を用いてpHを測定したところ、pHは3.0〜5.3であった。なお、高圧処理前後において、各酢酸含有調味料のpHは変化していなかった。
Figure 2021000135
<酢酸含有調味料A〜Cの官能評価>
上記の条件A〜Hで高圧処理を施した酢酸含有調味料A〜Cについて、訓練されたパネルにより、酢酸由来の酸味の抑制効果を下記の基準で官能評価を行った。評価結果を表3に示した。なお、下記の評価は、評価が2点以上であれば、良好な結果であるといえる。
[酢酸由来の酸味の評価基準]
3:高圧処理前のものと比較すると、酢酸由来の酸味が十分に抑制されており、非常に好ましかった。
2:高圧処理前のものと比較すると、酢酸由来の酸味がわずかに抑制されており、好ましかった。
1:高圧処理前のものと比較すると、酢酸由来の酸味が十分に抑制されておらず、好ましくなかった。
Figure 2021000135
[試験例2]
<植物性の具材の処理>
皮を剥き芽取り済みのジャガイモを、100℃で60分蒸煮した。この蒸煮したジャガイモを目開き20mmのメッシュに押圧して破砕し、1〜2cm程度の破砕物を得た。また、2mm程度に薄切りしたタマネギを沸騰水中で1分、いちょう切りにしたニンジンを沸騰水中で2分加熱後ざるにあげ、流水に晒したのち水切りした。さらに、キュウリを輪切りし、流水に晒したのち水切りした。
<ポテトサラダA〜Dの製造>
表4に記載の配合割合に準じて、植物性の具材に、高圧処理を施す前の調味料A〜Cを和えて、ポテトサラダA〜Dを製造し、容器に密封した。
Figure 2021000135
<ポテトサラダA〜Dへの高圧処理>
上記で製造したポテトサラダA〜Dについて、それぞれ、圧力媒体として20〜30℃の水中で、表2に記載の条件A〜Hで高圧処理を施した。得られたポテトサラダA〜Dについて、高圧処理の前後それぞれで、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF−72)を用いてpHを測定したところ、pHは4.3〜5.8であった。なお、高圧処理前後において、各ポテトサラダのpHは変化していなかった。
<ポテトサラダA〜Dの官能評価>
上記の条件A〜Hで高圧処理を施したポテトサラダA〜Dについて、訓練されたパネルにより、酢酸由来の酸味の抑制効果を<酢酸含有調味料A〜Cの官能評価>と同様の基準で官能評価を行った。評価結果を表5に示した。
Figure 2021000135
[試験例3]
高圧処理を施す前の調味料Bの代わりに、上記の試験例1で得られた条件C〜Hの高圧処理を施した調味料Bをそれぞれ用いた以外は、試験例2のポテトサラダAと同様にしてポテトサラダをそれぞれ製造した。製造した各ポテトサラダは、酢酸由来の酸味が抑制されており、好ましかった。
[試験例4]
<酢酸含有調味料D〜Fの調製>
表6に記載の配合割合に準じて、酢酸含有調味料D〜Fを調製した。具体的には、濃口醤油、グラニュ糖、食酢、加工澱粉、及び清水をミキサーを用いて均一に混合し、酢酸含有調味料D〜Fを調製した。
Figure 2021000135
<酢酸含有調味料D〜Fへの高圧処理>
上記で製造した酢酸含有調味料D〜Fについて、それぞれ、圧力媒体として20〜30℃の水中で、表2に記載の条件A〜Hで高圧処理を施した。得られた酢酸含有調味料D〜Fについて、高圧処理の前後それぞれで、<酢酸含有調味料A〜Cのへの高圧処理>と同様にしてpHを測定したところ、pHは3.0〜5.3であった。なお、高圧処理前後において、各酢酸含有調味料のpHは変化していなかった。
<酢酸含有調味料D〜Fの官能評価>
上記の条件A〜Hで高圧処理を施した酢酸含有調味料D〜Fについて、訓練されたパネルにより、酢酸由来の酸味の抑制効果を<酢酸含有調味料A〜Cの官能評価>と同様の基準で官能評価を行った。評価結果を表7に示した。
Figure 2021000135
<植物性の具材の処理>
2mm程度に薄切りしたタマネギ及び種を取り角切りにしたピーマンを沸騰水中で2分、乱切りしたニンジンを沸騰水中で3分加熱後ざるにあげ、流水に晒したのち水切りした。
<動物性の具材の処理>
豚もも肉を一辺が2〜3cm程度に角切りし、表面に片栗粉をまぶしたうえで油で揚げた。
<酢豚A〜Cの製造>
表8に記載の配合割合に準じて、植物性の具材及び動物性の具材に、高圧処理を施す前の酢酸含有調味料D〜Fを和え、酢豚A〜Cを製造し、容器に密封した。
Figure 2021000135
<酢豚A〜Cへの高圧処理>
上記で製造した酢豚A〜Cについて、それぞれ、圧力媒体として20〜30℃の水中で、表2に記載の条件A〜Hで高圧処理を施した。得られた酢豚A〜Cについて、高圧処理の前後それぞれで、<ポテトサラダA〜Dへの高圧処理>と同様にしてpHを測定したところ、pHは3.0〜5.0であった。なお、高圧処理前後において、各酢豚のpHは変化していなかった。
<酢豚A〜Cの官能評価>
上記の条件A〜Hで高圧処理を施した酢豚A〜Cについて、訓練されたパネルにより、酢酸由来の酸味の抑制効果を<酢酸含有調味料A〜Cの官能評価>と同様の基準で官能評価を行った。評価結果を表9に示した。
Figure 2021000135
[試験例5]
<食酢A〜Cの調製>
表10に記載の酢酸含量に調節した食酢A〜Cを調製した。
Figure 2021000135
<食酢A〜Cへの高圧処理>
上記で製造した食酢A〜Cについて、それぞれ、圧力媒体として20〜30℃の水中で、表2に記載の条件A〜Hで高圧処理を施した。得られた食酢A〜Cについて、高圧処理の前後それぞれで、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF−72)を用いてpHを測定したところ、pHは2.3〜3.5であった。なお、高圧処理前後において、各食酢のpHは変化していなかった。
<食酢A〜Cの官能評価>
上記の条件A〜Hで高圧処理を施した食酢A〜Cについて、訓練されたパネルにより、酢酸由来の酸味の抑制効果を<酢酸含有調味料A〜Cの官能評価>と同様の基準で官能評価を行った。評価結果を表11に示した。
Figure 2021000135

Claims (7)

  1. 酢酸含有飲食品の酸味を抑制する方法であって、
    前記酢酸含有飲食品を、密封状態で、450MPa以上の高圧処理を1分以上施すことを特徴とする、抑制方法。
  2. 前記酢酸含有飲食品が、酢酸を0.01質量%以上含有することを特徴とする、
    請求項1に記載の抑制方法。
  3. 前記酢酸含有飲食品が、酢酸を0.05質量%以上5.0質量%以下含有した酢酸含有調味料であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の抑制方法。
  4. 前記酢酸含有調味料が、乳化液状調味料またはノンオイル液状調味料であることを特徴とする、
    請求項3に記載の抑制方法。
  5. 前記酢酸含有飲食品が、具材と、酢酸を0.05質量%以上5.0質量%以下含有した酢酸含有調味料とを和えた惣菜であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の抑制方法。
  6. 前記酢酸含有飲食品が、酢酸を0.3質量%以上20質量%以下含有した食酢または食酢含有飲料であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の抑制方法。
  7. 具材と、酢酸含有調味料または食酢を混合した酢酸含有飲食品の製造方法であって、
    前記酢酸含有調味料または食酢は、密封状態で、450MPa以上の高圧処理を1分以上施されたものであることを特徴とする、
    酢酸含有飲食品の製造方法。
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