JPH0750637B2 - 高速原子線源 - Google Patents

高速原子線源

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JPH0750637B2
JPH0750637B2 JP60023514A JP2351485A JPH0750637B2 JP H0750637 B2 JPH0750637 B2 JP H0750637B2 JP 60023514 A JP60023514 A JP 60023514A JP 2351485 A JP2351485 A JP 2351485A JP H0750637 B2 JPH0750637 B2 JP H0750637B2
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cold
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房男 下川
博喜 桑野
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は大量の高速原子線を発生するとのできる高速原
子線源に関するものである。
〈従来の技術〉 従来では、第5図に示す線源を用いて高速原子線を形成
している。同図に示すようにこの線源はAl製円筒の両端
面(直径30mm)を冷陰極3,4とすると共にこの円筒内に
同心状に環状の陽極2を配置する一方、一方の冷陰極3
にガス導入孔1を設けると共に冷陰極3,4を接地し、更
に他方の冷陰極4の中央部に直径1mmのビーム引き出し
孔を穿設してなるものである。このような構成の線源よ
り取り出されるビーム5はイオン、原子とから成る混合
ビームである。この場合のイオン線と原子線の割合は、
実験の結果50%,50%であることが判明している。即
ち、このビームの中性化率は50%である。
従来、このビームの中性化率を増加あるいは制御するた
めに第6図又は第7図に示す方法が採用されている。第
6図に示されるものは、線源6か取り出されたイオン・
原子の混合ビーム7に対して、電子源8から電子線9を
照射することにより、混合ビーム7中のイオン線を一部
中和して原子線とするものである。この方法では、イオ
ンの全てを原子に変換することは困難であり、イオンが
原子に変わる割合は数%にすぎない。従つて、混合ビー
ムは約51〜52%の原子と、48〜49%のイオンとからなる
ビームにしか中性率を増加することができず、この方法
では大量の高速原子線が得られなかつた。第7図に示さ
れるものは線源6から引き出された混合ビーム7をNeut
ralizer11に斜入射させて、混合ビーム7中のイオンの
電荷を変換し、原子線を形成する方法である。この方法
では、混合ビーム7がNeutralizer11に衝突する際に、
多くは吸収、消失してしまい、大量の原子線を作ること
ができない。更に、混合ビームがNeutralizer11に衝突
することによつてNeutralizer自身をスパツタするた
め、電荷交換により得られるビーム中にNeutralizer11
の原子が混入しビームの純度を低下させるおそれもあ
る。
〈発明が解決しようとする問題点〉 このように、従来技術では、中性化率が約50%程度であ
り、大量の高速原子線から得られず、また純度の高い高
速の原子線が得られないという欠点があつた。本発明
は、磁石を付加することによりこのような従来技術の問
題点を解消した高速原子線源を提供することを目的とす
る。
〈問題点を解決するための手段〉 斯かる目的を達成する本発明の高速原子線源に係る構成
は環状の陽極の両側に第1の冷陰極とビーム放出孔を有
するグラファト製の第2の冷陰極を各々配置すると共に
これらの電極間にガスを介在させて低圧ガス放電を発生
させる一方、これら陽極及び冷陰極の外周に磁石を配置
して前記陽極、前記第1の冷陰極及び前記第2の冷陰極
との間に形成される電界に沿った方向に磁界を印加し、
また前記陽極を中心として前記第1及び第2の冷陰極間
で振動する電子とイオンとが結合した高速原子線を前記
ビーム放出孔から取り出すことを特徴とするものであ
り、そして磁石は磁界強度を変化させることのできる電
磁石であることが望ましい。
〈作用〉 環状の陽極とこの両側の冷陰極との間にガスを介在させ
て低圧ガス放電させると、冷陰極から放出された電子は
陽極を中心として両冷陰極間で振動し、その途中で多く
の気体ガス分子原子と、衝突してイオンを生ずる。振動
する電子は折り返し点である冷陰極付近では低速となつ
て、イオンと再結合し高速原子線となり更に冷陰極中央
のビーム放出孔から取り出される。また、ビーム放出孔
からはイオンも同様に取り出される。ここで、振動する
電子のうち電界と平行に運動しないものについては、磁
界によるローレンツ力が作用するため、磁力線にからみ
つくように螺旋運動を行う。これによって、電子の実効
的な飛程が伸びるため、気体ガスと衝突して多量のイオ
ンが生成され、高速原子線内のプラズマ密度が増大す
る。即ち、ビーム放出孔に向かって加速されるイオンの
数が増えることになる。更に、このイオンは、磁石によ
ってビーム放出孔付近に集中する電子と結合して多量の
高速原子となる。
〈実施例〉 以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
第1図に本発明の一実施例を示す。同図に示されるよう
に、円筒状の容器の一端面が冷陰極4となると共にその
容器の他端面として冷陰極3が装着され、更にその容器
の中央部において環状の陽極2が同心状に配置されて、
直径55mm、長さ60mmの放電用空間が容器内に形成されて
いる。冷陰極3,4はいずれもグラフアイト製であり、接
地される一方、冷陰極3にはガス導入口1が接続され、
また冷陰極4にはその中央にビーム放出孔14が設けられ
ている。具体的には、直径5mm程度の単孔や直径1mm以下
の孔が無数にあき開口率が高められたメッシュ状のビー
ム放出孔14が設けられている。更に本発明では、陽極2
及び冷陰極3,4の外周においては、これらと同心状に環
状の磁石16が配置されており、第2図に示すように陽極
2と冷陰極3,4との間に形成される電界Eに沿つた磁界
Bが発生している。磁石16としては、直流電磁石、交流
電磁石又は永久磁石等が使用でき、磁界強度を変化させ
られる電磁石が便利である。
このような構成の高速原子線源は次の様に使用する。ま
ず、ガス導入口1より、Ar等の不活性ガスを放電用空間
内に導入し、次いで、陽極2に数kV〜10kV程度の直流正
電圧を印加する。すると、陽極2とその両側の冷陰極3,
4間でグロー放電が発生し、この時、冷陰極3又は4か
ら放出される電子12は陽極2に向かつて加速し、環状の
陽極2の中央を貫通して反対側の冷陰極4又は3に達
し、ここで速度を失つていつたん停止し、あらためて陽
極2に向けて加速され、以後同様に繰り返す。即ち、冷
陰極3,4より放出された電子12は陽極2を中心にバルク
ハウゼン−クルツの振動(以下B−K振動という)と呼
ばれる高周波運動を行い、その途中で多くの気体ガス、
分子、原子と衝突してイオン13を大量に生成する。この
場合、線源内のガス圧縮は10-2〜10-3Torrであり、ま
た、線源内では放電におけるパツシエンの法則に基づい
て引出し方向の振動が支配的となる用に設計される。ビ
ーム放出孔14付近は、B−K振動を行う電子12の折り返
し点であり、速度の小さい電子12が多数存在する空間で
もある。この電子12は低速であり衝突断面積が大きいた
め冷陰極4付近に飛来するイオン13と結合して高速原子
線15となる。また、冷陰極4に飛来したイオン13は数kV
の運動エネルギーを有しており、一部は冷陰極4に衝突
して二次電子を放出する。放出された二次電子は初速度
が数十eVと低いため、大きな衝突断面積を有しており、
これも後続のイオン13と結合して高速原子線15となる。
このため、陽極2、冷陰極3,4としては二次電子放出比
が0.1程度の材料であり、しかも耐熱性に優れたグラフ
アイトが好ましい。陽極2及び冷陰極3,4をグラフアイ
ト製とすると、第4図中丸印で示すように中性化率が約
70%に向上する。
更に、本発明では電界Eに沿つて磁界Bを加えているた
め、電子12は第2図に示すように振る舞う。即ち、B−
K振動する電子12は電界Eに沿つた加速度を受けるが、
他の原子、分子又は壁面に衝突するため、その運動方向
は必ずしも電界と平行ではない。電子12の運動方向と電
界とのなす角をθとすると、電子12が磁界Bから受ける
ローレンツ力Fは下式で示される。
F=v・sinθ・eB …(1) 但し、vは電子の速度、eは電子の電荷である。
このローレンツ力Fは電子12の運動方向及び磁界Bの方
向とに垂直な方向に作用し、遠心力とつり合うので下式
が成り立つ。
但し、mは電子の質量、rは電子が円運動を行う半径で
ある。
また、電子の運動エネルギーは次のように表現できる。
但し、Vは陽極に印加した電圧である。
従つてこれら3式より、電子が円運動を行う半径rは次
式で表される。
(4)式は、第2図に示すように電子が磁力線のまわり
にからみつく様に螺旋運動する際、その半径は、電子12
の速度vの磁界Bに垂直方向の成分に比例し、磁界Bに
反比例することを示している。陽極2と冷陰極3,4と間
には通常数KVの電圧を印加しているので、環状の陽極2
の近傍では、電子12の速度vの磁界Bに垂直方向の成分
が大きくなり、一方、冷陰極3,4の近傍では小さくな
る。従って、電子12の螺旋運動の半径は、中央ほど大き
く、両側に近づくにしたがつて小さくなることを示して
いる。例えば、陽極冷陰極3,4の寸法を長径3cm、陽極2
の内径を2cmとすれば、この螺旋運動により、電極は電
極系の内部で発散させずに、ビーム放出孔14に集中する
こととなり、ビーム放出孔14付近でイオンと電子とが結
合して大量の高速原子線が発生されることとなる。
次に、本発明の高速原子線源の試験結果について説明す
る。尚、線源から引き出されたビーム原子線であるた
め、イオン電流に換算して電流値として示した。
第3図に高速原子線源から放射される高速原子線のビー
ム電流と磁束密度との相関を示す。ビームは放出孔から
15°程度の開き角で放射しており、放出孔出口における
電流密度が第3図の縦軸に示してある。同図に示される
ように、磁束密度に比例してビーム電流密度が直線的に
比例しており、制御が容易である。第4図には、全ビー
ム中の高速原子線の割合、即ち、中性化率と磁束密度と
の相関を示す。同図に示すように、中性化率は80〜95%
であり、磁界を加えることにより中性化率が大幅に向上
することが判る。
〈発明の効果〉 以上、実施例に基づいて具体的に説明したように、本発
明の高速原子線源は磁石を付加したことにより、高速原
子源内でのプラズマ密度が増え、更に、電子を発散させ
ずに集束することができ、さらにビーム放出孔を有する
冷陰極を2次電子放出比の大きいグラファイト製とした
ので、ビーム放出孔近傍に放出された衝突断面積の大き
い低速の2次電子もイオンと結合して高速原子線となる
ので大量の高速原子線を発生できると共にその中性化率
も向上させることができるようになつた。本発明の高速
原子線源をスパッタリングに応用すれば、絶縁体表面が
チャージアップすることに影響されず、材料の加工を行
うことができる。特に、高速原子線は、電荷を持たない
ため、ビーム同士の反発がないため、微細パターンの形
成に有利であり、更に絶縁性材料においてもチャージア
ップ現象が見られないため、低損傷な加工が期待でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示す概略構成図、第2図
は、第1図中の電界、磁界及び電子の運動の軌跡を示す
説明図、第3図は、ビーム電流密度と磁束密度との相関
を示すグラフ、第4図は、中性化率と磁束密度との相関
を示すグラフ、第5図(a)(b)は、各々従来の線源
を示す概略構成図、正面図、第6図は、混合ビームに電
子線を照射する様子を示す説明図、第7図は、混合ビー
ムをNeutralizerに斜入射する様子を示す説明図であ
る。 図面中、 1はガス導入口、2は陽極、3,4は冷陰極、5はビー
ム、6は線源、7は混合ビーム、8は電子源、9は電子
線、10はイオンが残存した原子線、11はNeutralizer、1
2は電子、13はイオン、14はビーム放出孔、15は高速原
子線、16は磁石である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状の陽極の両側に第1の冷陰極とビーム
    放出孔を有するグラファイト製の第2の冷陰極を各々配
    置すると共にこれらの電極間にガスを介在させて低圧ガ
    ス放電を発生させる一方、これら陽極及び冷陰極の外周
    に磁石を配置して前記陽極、前記第1の冷陰極及び前記
    第2の冷陰極との間に形成される電界に沿った方向に磁
    界を印加し、また前記陽極を中心として前記第1及び第
    2の冷陰極間で振動する電子とイオンとが結合した高速
    原子線を前記ビーム放出孔から取り出すことを特徴とす
    る高速原子線源。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、磁石は磁
    界強度を変化させることのできる電磁石であることを特
    徴とする高速原子線源。
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