JP2671219B2 - 高速原子線源 - Google Patents
高速原子線源Info
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H03—ELECTRONIC CIRCUITRY
- H03L—AUTOMATIC CONTROL, STARTING, SYNCHRONISATION OR STABILISATION OF GENERATORS OF ELECTRONIC OSCILLATIONS OR PULSES
- H03L7/00—Automatic control of frequency or phase; Synchronisation
- H03L7/26—Automatic control of frequency or phase; Synchronisation using energy levels of molecules, atoms, or subatomic particles as a frequency reference
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- Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
- Particle Accelerators (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は収束性高速原子線を効率良く発生させる高速
原子線源に関するものである。
原子線源に関するものである。
常温大気中で熱運動している原子は、概ね0.05eV前後
の運動エネルギーを有している。これに比べて遥かに大
きな運動エネルギーで飛翔する原子を「高速原子」と呼
び、それが一方向にビーム状に流れる場合に「高速原子
線」と言う。
の運動エネルギーを有している。これに比べて遥かに大
きな運動エネルギーで飛翔する原子を「高速原子」と呼
び、それが一方向にビーム状に流れる場合に「高速原子
線」と言う。
従来から発表されている気体原子の高速原子線を発生
する高速原子線源のうち、運動エネルギーが0.5〜10keV
のアルゴン原子を放射する高速原子線源の一例を第3図
に示す。図中、1は円筒形の陰極、2はドーナツツ状の
陽極、3は0.5〜10keVの直流高圧電源、4はガスノズ
ル、5はアルゴンガス、6はプラズマ、7は高速原子線
の放出孔、8は高速原子線である。
する高速原子線源のうち、運動エネルギーが0.5〜10keV
のアルゴン原子を放射する高速原子線源の一例を第3図
に示す。図中、1は円筒形の陰極、2はドーナツツ状の
陽極、3は0.5〜10keVの直流高圧電源、4はガスノズ
ル、5はアルゴンガス、6はプラズマ、7は高速原子線
の放出孔、8は高速原子線である。
このような構成において、直流高圧電源3以外の構成
要素を真空容器に入れ十分に排気した後、ガスノズル4
からアルゴンガス5を円筒形陰極1の内部に注入する。
ここで直流高圧電源3によつて陽極2が正電位,陰極1
が負電位となるように直流高電圧を印加する。これで陰
極1,陽極2間にグロー放電が起き、プラズマ6が発生
し、アルゴンイオンと電子が生成される。さらにこの放
電において、円筒形陰極1の底面から放出する電子は、
陽極2に向かつて加速され、陽極2の中央の孔を通過し
て円筒形陰極1の反対側の底面に達し、ここで速度を失
つて反転し、あらためて陽極2に向かつて加速され始め
る。このように電子は陽極2の中央の孔を介して円筒形
陰極1の両方の底面の間を高周波振動し、その間にアル
ゴンガスに衝突して多数のアルゴンイオンを生成する。
こうして発生したアルゴンイオンは、円筒形陰極1の底
面に向かつて加速され、十分な運動エネルギーを得るに
到る。この運動エネルギーは、陽極2と陰極1間の放電
維持電圧が、例えば1kVのときは、1keV程度の値とな
る。円筒形陰極1の底面近傍の空間は高周波振動をする
電子の折り返し点であつて、低エネルギーの電子が多数
存在する空間である。この空間に入射したアルゴンイオ
ンは電子と再結合してアルゴン原子に戻る。このイオン
と電子の衝突において、電子の質量がアルゴンイオンに
比べて無視できる程に小さいためにアルゴンイオンの運
動エネルギーは殆ど損失せずにそのまま原子に受け継が
れて高速原子となる。したがつてこの場合の高速原子の
運動エネルギーは1keV程度である。この高速原子は円筒
形陰極1の一方の底面に穿たれた放出孔7から高速原子
線8となつて放出する。
要素を真空容器に入れ十分に排気した後、ガスノズル4
からアルゴンガス5を円筒形陰極1の内部に注入する。
ここで直流高圧電源3によつて陽極2が正電位,陰極1
が負電位となるように直流高電圧を印加する。これで陰
極1,陽極2間にグロー放電が起き、プラズマ6が発生
し、アルゴンイオンと電子が生成される。さらにこの放
電において、円筒形陰極1の底面から放出する電子は、
陽極2に向かつて加速され、陽極2の中央の孔を通過し
て円筒形陰極1の反対側の底面に達し、ここで速度を失
つて反転し、あらためて陽極2に向かつて加速され始め
る。このように電子は陽極2の中央の孔を介して円筒形
陰極1の両方の底面の間を高周波振動し、その間にアル
ゴンガスに衝突して多数のアルゴンイオンを生成する。
こうして発生したアルゴンイオンは、円筒形陰極1の底
面に向かつて加速され、十分な運動エネルギーを得るに
到る。この運動エネルギーは、陽極2と陰極1間の放電
維持電圧が、例えば1kVのときは、1keV程度の値とな
る。円筒形陰極1の底面近傍の空間は高周波振動をする
電子の折り返し点であつて、低エネルギーの電子が多数
存在する空間である。この空間に入射したアルゴンイオ
ンは電子と再結合してアルゴン原子に戻る。このイオン
と電子の衝突において、電子の質量がアルゴンイオンに
比べて無視できる程に小さいためにアルゴンイオンの運
動エネルギーは殆ど損失せずにそのまま原子に受け継が
れて高速原子となる。したがつてこの場合の高速原子の
運動エネルギーは1keV程度である。この高速原子は円筒
形陰極1の一方の底面に穿たれた放出孔7から高速原子
線8となつて放出する。
従来の高速原子線源では、プラズマ6が円筒形陰極1
の内部いつぱいに広がつてしまうために陽極2から放出
孔7に向かうアルゴンイオンを収束することが困難であ
り、したがつて、収束性の高速原子線8を発生させるこ
とが出来なかつた。
の内部いつぱいに広がつてしまうために陽極2から放出
孔7に向かうアルゴンイオンを収束することが困難であ
り、したがつて、収束性の高速原子線8を発生させるこ
とが出来なかつた。
半導体,金属,絶縁物から構成されるLSI用材料に電
子素子パターンをスパツタエツチングで作製する場合や
絶縁物の組成分析を行う時にこれまではイオンビームを
用いていたが、イオンの電荷が絶縁物表面に帯電して加
工や分析の妨害となつていた。しかし、イオンの替わり
に電荷を有しない高速原子線を用いれば、帯電に起因す
るトラブルが回避され、加工精度,分析の信頼性の向上
が期待される。このような目的を達成するために本発明
による高速原子線源は、針状の陽極と、この針状陽極と
対向する面に多数の小孔,中央にイオン中性化用のノズ
ルを有して配置された第1の陰極と、この第1の陰極に
対向しかつ針状陽極と反対側に接近して配置された第2
の陰極と、針状陽極に正の高電圧を印加する第1の直流
電源と、第2の陰極の負の高電圧を印加する第2の直流
電源と、針状陽極と第1の陰極との間の空間に磁界を印
加する互いに90度回転して配置された2個の4極磁石
と、針状陽極と第1の陰極間および第1の陰極と第2の
陰極間にガスを注入するガスノズルとを有して構成され
ている。
子素子パターンをスパツタエツチングで作製する場合や
絶縁物の組成分析を行う時にこれまではイオンビームを
用いていたが、イオンの電荷が絶縁物表面に帯電して加
工や分析の妨害となつていた。しかし、イオンの替わり
に電荷を有しない高速原子線を用いれば、帯電に起因す
るトラブルが回避され、加工精度,分析の信頼性の向上
が期待される。このような目的を達成するために本発明
による高速原子線源は、針状の陽極と、この針状陽極と
対向する面に多数の小孔,中央にイオン中性化用のノズ
ルを有して配置された第1の陰極と、この第1の陰極に
対向しかつ針状陽極と反対側に接近して配置された第2
の陰極と、針状陽極に正の高電圧を印加する第1の直流
電源と、第2の陰極の負の高電圧を印加する第2の直流
電源と、針状陽極と第1の陰極との間の空間に磁界を印
加する互いに90度回転して配置された2個の4極磁石
と、針状陽極と第1の陰極間および第1の陰極と第2の
陰極間にガスを注入するガスノズルとを有して構成され
ている。
本発明においては、放電により第1の陰極から放出さ
れた電子が互いに90度回転した磁石内を通過することに
より中心軸近傍に収束されて収束電子ビームとなり、こ
の収束電子ビームが残留ガスに衝突することにより発生
したガスイオンは狭い断面から発生するために収束性の
良いビームとしてイオン中性化ノズルに入り、ガス高速
原子線に変換される。
れた電子が互いに90度回転した磁石内を通過することに
より中心軸近傍に収束されて収束電子ビームとなり、こ
の収束電子ビームが残留ガスに衝突することにより発生
したガスイオンは狭い断面から発生するために収束性の
良いビームとしてイオン中性化ノズルに入り、ガス高速
原子線に変換される。
以下図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。
第1図は本発明による高速原子線源の一実施例を示す
斜視図である。同図において、21は針状陽極、22は第1
の陰極、23はイオン中性化用ノズル、24は多数の小孔、
25は第2の陰極、26はガス注入用ノズル、27,28は磁
石、29は正の直流高圧電源、30は負の直流高圧電源であ
る。第2の陰極25は第1の陰極22に接近して配置されて
いる。磁石27,28はN極同士とS極同士とが対向する4
極マグネツトであつてこれらの磁石27,28は互いに90度
回転した位置に設置されており、各マグネツトのN極と
S極間の磁界は、針状陽極21と第1の陰極22との間の電
界に直交している。なお、第1の陰極22は接地されてい
る。
斜視図である。同図において、21は針状陽極、22は第1
の陰極、23はイオン中性化用ノズル、24は多数の小孔、
25は第2の陰極、26はガス注入用ノズル、27,28は磁
石、29は正の直流高圧電源、30は負の直流高圧電源であ
る。第2の陰極25は第1の陰極22に接近して配置されて
いる。磁石27,28はN極同士とS極同士とが対向する4
極マグネツトであつてこれらの磁石27,28は互いに90度
回転した位置に設置されており、各マグネツトのN極と
S極間の磁界は、針状陽極21と第1の陰極22との間の電
界に直交している。なお、第1の陰極22は接地されてい
る。
このような構成において、直流高圧電源29,30以外の
要素を真空容器内に収めて充分に排気する。ガスノズル
26を通して例えば酸素ガスを陽極21と第1の陰極22の間
および第1の陰極22と第2の陰極25の間の空間に注入す
る。これによつて陽極21と第1の陰極22間および第1の
陰極22の第2の陰極25間に放電が起きグローが発生す
る。この際、第1の陰極22と第2の陰極25の間の放電空
間は、等量の酸素イオンと電子、更にガス導入穴26から
導入されてイオン化されていない残留酸素より構成され
ている。
要素を真空容器内に収めて充分に排気する。ガスノズル
26を通して例えば酸素ガスを陽極21と第1の陰極22の間
および第1の陰極22と第2の陰極25の間の空間に注入す
る。これによつて陽極21と第1の陰極22間および第1の
陰極22の第2の陰極25間に放電が起きグローが発生す
る。この際、第1の陰極22と第2の陰極25の間の放電空
間は、等量の酸素イオンと電子、更にガス導入穴26から
導入されてイオン化されていない残留酸素より構成され
ている。
この放電プラズマ中の酸素イオンは第1の陰極22方向
に加速され、一方、電子はイオンとは逆に陽極21方向に
加速される。このとき、電子と酸素ガスとが衝突してイ
オン化し、すなわち多量の酸素イオンが生成される。ま
た、電子はイオンに比べて質量がきわめて小さいため、
配置された磁石27,磁石28の影響を受けて容易に収束電
子ビームとなりうる。なお、一般的なグロー放電プラズ
マ中のイオン化率(イオン数/導入ガス粒子数)は、10
-4程度であるため、導入ガスの大半は残留酸素として存
在する。そして、イオン中性化ノズル23の中では放電が
生じないため、この空間には多量の残留酸素が存在す
る。
に加速され、一方、電子はイオンとは逆に陽極21方向に
加速される。このとき、電子と酸素ガスとが衝突してイ
オン化し、すなわち多量の酸素イオンが生成される。ま
た、電子はイオンに比べて質量がきわめて小さいため、
配置された磁石27,磁石28の影響を受けて容易に収束電
子ビームとなりうる。なお、一般的なグロー放電プラズ
マ中のイオン化率(イオン数/導入ガス粒子数)は、10
-4程度であるため、導入ガスの大半は残留酸素として存
在する。そして、イオン中性化ノズル23の中では放電が
生じないため、この空間には多量の残留酸素が存在す
る。
このような状態で、第1の陰極22方向に加速された酸
素イオンは、イオン中性化ノズル23内に存在する内部の
残留酸素と接触して電荷を失い、中性の酸素原子,すな
わち高速酸素原子になり取り出される。この機構は、電
荷交換衝突と呼ばれ、次式で示される。
素イオンは、イオン中性化ノズル23内に存在する内部の
残留酸素と接触して電荷を失い、中性の酸素原子,すな
わち高速酸素原子になり取り出される。この機構は、電
荷交換衝突と呼ばれ、次式で示される。
高速酸素イオン+残留酸素原子→高速酸素原子+残留酸
素イオン イオン中性化ノズル23内に多量の残留酸素があるほ
ど、酸素イオンが酸素原子に戻りやすいため、上記の電
荷交換衝突の効率が高くなる。また、酸素イオンと電子
との再結合によっても酸素原子が生成されるが、これに
よって酸素イオンが中性となる確率は、一般に電荷交換
衝突に比べて1000分の1程度であることから、高速酸素
原子の大半は、加速された酸素イオンが残留酸素と接触
して生成されるものである。以上に示した機構により、
イオン中性化ノズル23の第1の陰極22とは逆の端から、
高速酸素原子線が取り出せる。
素イオン イオン中性化ノズル23内に多量の残留酸素があるほ
ど、酸素イオンが酸素原子に戻りやすいため、上記の電
荷交換衝突の効率が高くなる。また、酸素イオンと電子
との再結合によっても酸素原子が生成されるが、これに
よって酸素イオンが中性となる確率は、一般に電荷交換
衝突に比べて1000分の1程度であることから、高速酸素
原子の大半は、加速された酸素イオンが残留酸素と接触
して生成されるものである。以上に示した機構により、
イオン中性化ノズル23の第1の陰極22とは逆の端から、
高速酸素原子線が取り出せる。
第2図(a),(b)は第1図の磁石27,28の平面図
を示したものである。同図において、陽極21と第1の陰
極22の間の電界は紙面に垂直に加わつている。放電によ
って第1の陰極を発した電子は、磁石28を紙背から紙面
手前に向かって通過する時に同図(b)に示すA−B線
方向に扁平なビームとなり、磁石27に入射する。そし
て、磁石27は磁石28に対して90度回転しているから、扁
平な電子イームは磁石27を通過することによって中心軸
付近に収束する。ここで、電子はイオンに比べて質量が
きわめて小さいため、面積の広い第1の陰極22から放出
された電子であっても、配置された磁石27,28の影響を
受け容易に収束電子ビームとなり得るものである。な
お、この収束電子ビームの大半は、空間に存在するガス
と衝突してイオン化を促進させ、また、その一部は陽極
21に到達する。この陽極21に到達した電子は、一部は消
滅するが、二次電子も放出され、これらの電子が再びそ
の空間でイオン化に寄与することになる。
を示したものである。同図において、陽極21と第1の陰
極22の間の電界は紙面に垂直に加わつている。放電によ
って第1の陰極を発した電子は、磁石28を紙背から紙面
手前に向かって通過する時に同図(b)に示すA−B線
方向に扁平なビームとなり、磁石27に入射する。そし
て、磁石27は磁石28に対して90度回転しているから、扁
平な電子イームは磁石27を通過することによって中心軸
付近に収束する。ここで、電子はイオンに比べて質量が
きわめて小さいため、面積の広い第1の陰極22から放出
された電子であっても、配置された磁石27,28の影響を
受け容易に収束電子ビームとなり得るものである。な
お、この収束電子ビームの大半は、空間に存在するガス
と衝突してイオン化を促進させ、また、その一部は陽極
21に到達する。この陽極21に到達した電子は、一部は消
滅するが、二次電子も放出され、これらの電子が再びそ
の空間でイオン化に寄与することになる。
この収束電子ビームが酸素の残留ガスに衝突すること
によって発生した酸素イオンは、電子ほど収束されてい
ないが、磁石27,28の影響を受けてこれらの中心部に閉
じこめられている。従って、ここで生成された酸素イオ
ンは、少なくとも磁石27,28の中心部の開口程度の大き
さのビームとなってイオン中性化ノズル23に入り、酸素
高速原子線に変換されるものである。
によって発生した酸素イオンは、電子ほど収束されてい
ないが、磁石27,28の影響を受けてこれらの中心部に閉
じこめられている。従って、ここで生成された酸素イオ
ンは、少なくとも磁石27,28の中心部の開口程度の大き
さのビームとなってイオン中性化ノズル23に入り、酸素
高速原子線に変換されるものである。
酸素イオンと酸素ガスとの接触は、酸素イオンの運動
エネルギーが大幅に変わつてしまうほど激しいものでは
ないので、酸素イオンの運動エネルギーがそのまま中性
の酸素原子に受け継がれて酸素の高速原子線が誕生す
る。このようにして酸素高速原子線が生成されてイオン
中性化用ノズル23から外に放出される。これでイオン中
性化用ノズル23の内径程度に収束した酸素高速原子線が
得られる。
エネルギーが大幅に変わつてしまうほど激しいものでは
ないので、酸素イオンの運動エネルギーがそのまま中性
の酸素原子に受け継がれて酸素の高速原子線が誕生す
る。このようにして酸素高速原子線が生成されてイオン
中性化用ノズル23から外に放出される。これでイオン中
性化用ノズル23の内径程度に収束した酸素高速原子線が
得られる。
第1の陰極22と第2の陰極25間に発生したグローによ
つて生成された電子は、第1の陰極22の多数の小孔24を
通つて陽極21と第1の陰極22間の空間に入り、放電を助
長し放電の効率を高める。第2の陰極25が第1の陰極22
に接近して設置されているために直流高圧電源30の電圧
は、直流高圧電源29ほど高くなくてよい。
つて生成された電子は、第1の陰極22の多数の小孔24を
通つて陽極21と第1の陰極22間の空間に入り、放電を助
長し放電の効率を高める。第2の陰極25が第1の陰極22
に接近して設置されているために直流高圧電源30の電圧
は、直流高圧電源29ほど高くなくてよい。
なお、ガス注入用ノズル26から注入するガスがアルゴ
ンの時には、アルゴン高速原子線が発生する。
ンの時には、アルゴン高速原子線が発生する。
以上説明したように本発明による高速原子線源によれ
ば、収束性の高い高速原子線が得られるので、高速のイ
オンビームと同様にスパツタ蒸着による薄膜形成,スパ
ツタエツチングによる微細パターン加工および二次イオ
ン質量分析による材料評価に利用することができる。特
に高速原子線は非荷電性であるために金属,半導体のみ
ならず、イオンビーム法が不得意とするプラスチツク
ス,セラミツクスなどの絶縁物を対象とする場合に極め
て有効である。その意味においてこれまで高速原子線で
は実現の難しかつた収束性高速原子線源の提案は、微小
領域の加工,分析に極めて有益である。
ば、収束性の高い高速原子線が得られるので、高速のイ
オンビームと同様にスパツタ蒸着による薄膜形成,スパ
ツタエツチングによる微細パターン加工および二次イオ
ン質量分析による材料評価に利用することができる。特
に高速原子線は非荷電性であるために金属,半導体のみ
ならず、イオンビーム法が不得意とするプラスチツク
ス,セラミツクスなどの絶縁物を対象とする場合に極め
て有効である。その意味においてこれまで高速原子線で
は実現の難しかつた収束性高速原子線源の提案は、微小
領域の加工,分析に極めて有益である。
第1図は本発明の一実施例による高速原子線源の構成を
示す斜視図、第2図は第1図の磁石を示す平面図、第3
図は従来の高速原子線源を示す一部破断斜視図である。 1……円筒形陰極、2……ドーナツツ状陽極、3……直
流高圧電源、4……ガスノズル、5……アルゴンガス、
6……プラズマ、7……高速原子線放出孔、8……高速
原子線、21……針状陽極、22……第1の陰極、23……イ
オン中性化用ノズル、24……多数の小孔、25……第2の
陰極、26……ガス注入ノズル、27,28……磁石、29……
正の直流高圧電源、30……負の直流高圧電源。
示す斜視図、第2図は第1図の磁石を示す平面図、第3
図は従来の高速原子線源を示す一部破断斜視図である。 1……円筒形陰極、2……ドーナツツ状陽極、3……直
流高圧電源、4……ガスノズル、5……アルゴンガス、
6……プラズマ、7……高速原子線放出孔、8……高速
原子線、21……針状陽極、22……第1の陰極、23……イ
オン中性化用ノズル、24……多数の小孔、25……第2の
陰極、26……ガス注入ノズル、27,28……磁石、29……
正の直流高圧電源、30……負の直流高圧電源。
Claims (1)
- 【請求項1】針状陽極と、前記針状陽極と対向する面に
多数の小孔および中央にイオン中性化用のノズルを有し
て配置された第1の陰極と、前記第1の陰極に対向しか
つ針状陽極と反対側に近接して配置された第2の陰極
と、前記陽極に正の高電圧を印加する第1の直流電源
と、前記第2の陰極に負の高電圧を印加する第2の直流
電源と、前記針状陽極と第1の陰極との間の空間に磁界
を印加する互いに90度回転して配置された2個の4極磁
石と、前記針状陽極と第1の陰極との間および第1の陰
極と第2の陰極との間にガスを注入するガスノズルとを
備えたことを特徴とする高速原子線源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24093188A JP2671219B2 (ja) | 1988-09-28 | 1988-09-28 | 高速原子線源 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24093188A JP2671219B2 (ja) | 1988-09-28 | 1988-09-28 | 高速原子線源 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0290580A JPH0290580A (ja) | 1990-03-30 |
JP2671219B2 true JP2671219B2 (ja) | 1997-10-29 |
Family
ID=17066772
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24093188A Expired - Lifetime JP2671219B2 (ja) | 1988-09-28 | 1988-09-28 | 高速原子線源 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2671219B2 (ja) |
-
1988
- 1988-09-28 JP JP24093188A patent/JP2671219B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0290580A (ja) | 1990-03-30 |
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