JPH06101394B2 - 高速原子線源 - Google Patents

高速原子線源

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JPH06101394B2
JPH06101394B2 JP28886386A JP28886386A JPH06101394B2 JP H06101394 B2 JPH06101394 B2 JP H06101394B2 JP 28886386 A JP28886386 A JP 28886386A JP 28886386 A JP28886386 A JP 28886386A JP H06101394 B2 JPH06101394 B2 JP H06101394B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は取り出し効率の高い高速原子線を放出する線源
に関するものである。
[従来の技術] 第2図を参照して従来発表されている気体原子の高速原
子線を発生する高速原子線源のうち運動エネルギーが0.
5〜10keVのアルゴン原子を放射する高速原子線源の一例
を説明する。
図中、1は両端面を有する円筒状陰極、2はリング状陽
極であり、これらはステンレススチール,グラファイト
等の非磁性材料で作製されている。3は0.5〜10kVの直
流高圧電源、4は陰極1の1つの端面に取り付けられた
ガス導入孔、5はアルゴンガス、6はプラズマ、7は陰
極1の他の端面に穿たれた高速原子線放出孔、8は高速
原子線である。
以上の構成要素のうちの直流高圧電源3以外を真空容器
(図示せず)に入れる。真空容器中の空気を十分に排気
した後にガス導入孔4からアルゴンガス5を円筒状陰極
1の内部に導入する。陽極2が正電位、陰極1が負電位
となるように直流高圧電源3から、直流高電圧を印加す
る。この印加により、陰極1の両端面とそれらの間にあ
る陽極2との間に各々グロー放電が起こり、プラズマ6
が発生してアルゴンイオンと電子が生成される。
これらの放電において、高速原子線放出孔7を有する側
の端面から放出された電子は、陽極2に向かって加速さ
れ、十分な運動エネルギーを得てアルゴンガス分子と衝
突してアルゴンガスをイオン化する。
さらに、陽極2に達した電子は陽極2の中央の穴を通過
して、陰極1のガス導入孔4が取り付けられた側の端面
に向かって減速され始め、この端面の近傍に達した電子
は速度を失い、反転してあらためて陽極2に向かって加
速され始める。
以上のように、電子は陽極2を中心に陰極1の両端面の
間を高周波振動し、この過程で多数のアルゴンイオンを
生成する。
また、陰極1の両端近傍の空間は、高周波振動電子の折
り返し点であるため、低速の電子が多数存在する空間で
ある。また、この空間は陰極2の両端面の器壁に衝突し
たイオンによって放出される低速の二次電子が多数存在
する空間でもある。
電子とアルゴンガス分子との衝突によって生成されたア
ルゴンイオンは、陰極1の両端面に向かって加速され、
この両端面付近の空間に突入して、そこに多数存在する
低速の電子と再結合してアルゴン高速原子が誕生する。
イオンと電子の衝突に際しては、電子の質量はイオンの
それに比べて無視し得る程に小さいために、イオンの運
動エネルギーが損なわれることはなく、高速原子の運動
エネルギーはイオンのそれと同程度になる。
このような過程で形成された高速原子は、陰極1の1つ
の端面に穿たれた高速原子線放出孔7から高速原子線8
となって放出される。たとえば、直流高圧電源3を1kV
にすれば加速されたイオンは陰極1の両端面の近傍に達
し、このイオンは約1keVの運動エネルギーを有している
ので、高速原子線8の運動エネルギーも約1keVとなる。
[発明が解決しようとする問題点] 以上のような従来の高速原子線源においては、プラズマ
が円筒状陰極の内部全体に広がってしまうために、プラ
ズマ密度を高めることが困難であったので、高速原子線
の取り出し効率がよくないという問題点があった。
本発明の目的は、上述の問題点を解決し、プラズマ密度
を上げて加速されるイオンすべてを高速原子に変換して
取り出し効率のよい高速原子線源を提供することにあ
る。
[問題点を解決するための手段] かかる目的を達成するために、本発明の高速原子線源
は、それぞれ中空の円錐台形状の形状を持ち、円錐台形
のそれぞれの中心軸を同一にして上底面同士が対向して
配置された2つの強磁性体製陰極と、2つの陰極の間に
陰極と中心軸を同一にして配置され、紡錐台形の形状を
持つ強磁性体製陽極と、陽極および陰極を外囲し、陽極
と陰極とをそれぞれの中心軸方向に磁化させるための磁
石と、陽極と陰極との間に接続された放電用直流高圧電
源とを具備したことを特徴とする。
[作用] 本発明は、強磁性体の陰極および陽極と磁石とを併用し
て磁界を狭い空間に集中させることによって、プラズマ
密度を上げて高速原子線を取り出している。そのために
大出力の原子線を効率よく取り出すことができる。
[実施例] 第1図を参照して、本発明を詳細に説明する。
図において、21,22は中空円錐台形の強磁性体、たとえ
ば純鉄製の陰極、23は中空紡錐台形の強磁性体、たとえ
ば純鉄製の陽極である。陰極21,22および陽極23はすべ
て中心軸を一致させて配設されている。24,25はそれぞ
れ陰極21,22の円錐台形上底面に穿たれた放電孔、26,27
は紡錐台形陽極23の両端面に穿たれた放電孔である。28
は陰極21と陽極23とを取り囲む磁石、29は陰極22と陽極
23とを取り囲む磁石である。
本実施例においては、2個の磁石28,29は陽極23のつば
部23Aを挟み、かつそれぞれの異極(磁石28のS極と磁
石29のN極)を近傍させて配設され、また、磁石28のN
極は陰極21のつば部21Aと、磁石29のS極側は陰極22の
つば部22Aと接している。従って、この例では、陰極21
の放電孔24と陽極23の放電孔26はそれぞれN極,S極とな
って対向し、また陽極23の放電孔27と陰極22の放電孔は
それぞれN極,S極となって対向する。
30は高速原子線,31はモニター電極、32は放電用直流高
圧電源、33は電流検出器である。
陰極21,22と陽極23とは電気的に絶縁される必要がある
ので、磁石28,29にはフェライト磁石を用いるとよい。
磁石28のN極から出た磁力線は、陰極21の内部を通して
放電孔24から、陰極21と陽極23との間の空間に出る。そ
してその磁力線は放電孔26から陽極23へ入り、陽極23の
内部を通過して放電孔27に達する。放電孔27から、陽極
23と陰極22との間の空間に出た磁力線は、放電孔25から
陰極22に入って磁石29のS極に達する。
各放電孔はそれぞれ円錐台形または紡錐台形の先端部に
当り、面積が小さいので、放電孔24と26との間および放
電孔27と25との間の空間は磁界が集中している。
放電用直流高圧電源32および電流検出器33以外の構成要
素を真空容器(図示せず)に収めて十分に排気した後、
たとえばアルゴンガスを、真空容器内の真空度が10-2
10-5Torrに達するまで導入する。次いで、陽極23が正電
位、陰極21および22が負電位となるように、放電用直流
高圧電源32によって直流高電圧を印加する。この高電圧
印加によって、放電孔24と26との間および放電孔25と27
との間で放電が起こり、プラズマが発生する。
このプラズマ中において、陰極21,22のそれぞれの放電
孔24,25から出た電子はそれぞれ陽極23の放電孔26,27に
向かって加速される。この電子が通過する、放電孔24と
26との間および放電孔25と27との間には磁界が集中して
いるので、電子はこの磁力線に巻きつくような螺線運動
をしながら飛翔する。
放電孔25から出て陽極23に達した電子は、放電孔27およ
び26を通過して陰極21に向かって減速しながら飛行を続
ける。陰極21の放電孔24に達した電子はここで速度を失
って反転し、あらためて陽極23に向かって加速され始め
る。電子は、陽極23を介して陰極21と22との間を高周波
振動し、その振動の間にアルゴンガスとの衝突を繰り返
して多数のアルゴンイオンを生成する。
上述のような過程を経て生成したアルゴンイオンは、陰
極21,22のそれぞれの放電孔24,25に向かって加速され
る。また放電孔24,25近傍の空間は、高周波振動してい
る電子の折り返し点であり、低速の電子が多数存在する
空間である。この空間に突入してきたフルゴンイオンは
低速電子と衝突・再結合してアルゴン原子となる。
電子の質量はアルゴンイオンの質量よりも遥かに小さい
ので、電子との衝突・再結合に際してのイオンの運動エ
ネルギー損失はほとんどない。
このため、イオンの運動エネルギーはそのまま原子に受
け継がれ、高速原子線30となって放出される。
高速原子線30は、陰極21と22の両方から放出する。そこ
で、陰極21の中心軸がモニター電極31のほぼ中心を通る
ようにモニター電極31を配置して、このモニター電極31
に高速原子が衝突することによって放出する二次電子流
を、電流検出器33で測定して高速原子生成のモニターと
する。
本発明においては、空間内に磁力線を集中して分布さ
せ、そのことによってプラズマ密度を高めている。その
ために陰極21,22および陽極23には磁化され易く、しか
も高真空中での電子衝撃による加熱に耐え、かつ安定な
材料として、純鉄を用いるのが良い。
磁石28,29としては、それぞれの陰極21,22および陽極23
との接触面に磁束の通過を妨げない厚さの絶縁体層を設
ければ、アルニコ磁石などの合金磁石を用いることもで
きる。また2個の円筒状磁石28,29で陽極23のつば部23A
を挟むのでなく、複数の棒状磁石を円筒面に沿って配設
してもよい。要は陰極21,22と陽極23とが電気的に絶縁
された状態で、各陰極と陽極をそれらの中心軸方向に磁
化させることができればよい。
[発明の効果] 以上説明したように本発明においては、陰極および陽極
の材料として強磁性体を用い、空間に磁界を集中して分
布させているので、プラズマの発生効率がよく、従来の
線源よりも効率よく高速原子線を取り出すことができ
る。また、高速原子線は高速のイオンビームと同様に、
スパッタ蒸着による薄膜形成,スパッタエッチングによ
る微細パターン加工,および二次イオン質量分析による
材料評価等に利用することができる。
さらに、高速原子線は非荷電性であるので、金属や半導
体ばかりでなく、イオンビーム法による加工,分析等が
適用できないプラスチックやセラミック等の絶縁物を対
象とする場合にも有効であり、加工,分析等の能率向上
に非常に有益である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の高速原子線源の一実施例を示す斜視
図、 第2図は従来の高速原子線源を示す斜視図である。 21,22…陰極、 23…陽極、 24,25,26,27…放電孔、 28,29…磁石、 30…高速原子線、 31…モニター電極、 32…放電用直流高圧電源、 33…電流検出器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれ中空の円錐台形状の形状を持ち、
    該円錐台形のそれぞれの中心軸を同一にして上底面同士
    が対向して配置された2つの強磁性体製陰極と、 該2つの陰極の間に該陰極と中心軸を同一にして配置さ
    れ、紡錐台形の形状を持つ強磁性体製陽極と、 該陽極および前記陰極を外囲し、該陽極と前記陰極とを
    それぞれの中心軸方向に磁化させるための磁石と、 前記陽極と陰極との間に接続された放電用直流高圧電源
    と を具備したことを特徴とする高速原子線源。
JP28886386A 1986-12-05 1986-12-05 高速原子線源 Expired - Lifetime JPH06101394B2 (ja)

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