JPH08236030A - 負イオン源 - Google Patents

負イオン源

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JPH08236030A
JPH08236030A JP3845395A JP3845395A JPH08236030A JP H08236030 A JPH08236030 A JP H08236030A JP 3845395 A JP3845395 A JP 3845395A JP 3845395 A JP3845395 A JP 3845395A JP H08236030 A JPH08236030 A JP H08236030A
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JP
Japan
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helium
skimmer
magnetic field
negative ion
electron
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Pending
Application number
JP3845395A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kume
久米  博
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、負イオンの生成効率が高く、メイ
ンテナンスが容易な負イオン源の提供をする。 【構成】 アーク放電源1で発生した励起ガスビーム
(ヘリウムHe,ヘリウム正イオンHe+ ,準安定励起
状態のヘリウムHe* )をスキマー2aを通過させて余
分なガスを除去した後、偏向電極3及びスキマー2bに
よってイオン種であるヘリウム正イオンHe+ を除去す
る。これにより、スキマー2bを通過したビームは準安
定励起状態のヘリウムHe* とヘリウムHeのみを含む
ビームとなる。一方、フィラメント4aから放出された
電子eは、ビームの進行路周囲に複数形成された永久磁
石5によって形成されるカプス磁場によってその中心付
近に向かう力を受け、ビームの進行路付近に集められ
る。これにより、スキマー2bを通過したヘリウムHe
* は、高密度状態となった電子と衝突するため、電子が
付着する確率が高まり、負イオンの生成効率が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、タンデム型静
電加速器に入射させる負イオンビームの発生源として用
いられる負イオン源に関する。
【0002】
【従来技術】2〜3MeV程度の正インビームを比較的
小型な装置で得る場合、一般にタンデム型静電加速器が
用いられることが多いが、かかる加速器では、その前段
において負イオン(希ガス:He- 等)ビームを発生す
る必要がある。
【0003】ここで、希ガス、特にHeにおいては、そ
の基底状態では電子が付着しないため、従来、ヘリウム
負イオンHe- は、まず、アーク放電等の適当な方法で
ヘリウム正イオンHe+ を生成し、これを10KeV 程度
に加速して、その正イオンビームをアルカリ金属蒸気が
存在するセル内を通過させ、荷電変換つまりアルカリ金
属原子(A)から電子移動を行うことによって生成され
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルカ
リ金属からの電子移動は、 (1)He+ +A→He* (23S; 準安定状態) (2)He* +A→He- (24P; ) という2段階の過程を経るため、かかる従来の負イオン
源ではヘリウム正イオンHe+ からヘリウム負イオンH
- への変換効率は高々1%程度にすぎない。また、荷
電変換にアルカリ金属を利用することから、その取り扱
いが難しい点、さらには、アルカリ金属蒸気による周囲
の汚染が激しいため、装置のメインテナンスを十分に行
う必要が生じるなどの問題もある。
【0005】本発明は、かかる問題を解決するために創
案されたもので、負イオンの生成効率が高く、メインテ
ナンスが容易な負イオン源の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にかかる負イオン源は、励起ガスビームを射
出するガスビーム発生源と、その射出口に対して所定の
距離を隔てた位置に配置されるスキマーを備えた真空室
と、この真空室に対して前記スキマーを通じて差動排気
される排気室によって構成され、この排気室に、前記ス
キマーを通過した励起ガスビーム中に含まれるイオン種
を当該ビームの進行路から偏向するための偏向手段と、
前記イオン種が除かれた後のビームの進行路の周囲にカ
プス磁場を発生する磁場発生手段と、前記カプス磁場に
電子を供給する電子供給手段と、を配設したことを特徴
とする。
【0007】ここで、前記磁場発生手段は、イオン種が
除かれた後のビームの進行路を中心として、その略円周
位置にその磁極が交互に逆になるよう配設された複数の
磁石によって構成される。そして、前記複数の磁石を永
久磁石とし、これらを円筒状に形成された排気室の内壁
に配設することで、ビーム進行路の周囲にカプス磁場が
発生する。
【0008】また、前記電子供給手段は、フィラメント
と、これに負電圧を印加する電圧源とによって構成さ
れ、この電圧源によってフィラメントに印加する負電圧
は、1eV以下とすればよい。
【0009】
【作用】本発明にかかる負イオン源の作用を図1に基づ
いて説明する。
【0010】まず、アーク放電源1で発生した励起ガス
ビーム(ヘリウムHe,ヘリウム正イオンHe+ ,準安
定励起状態のヘリウムHe* )をスキマー2aを通過さ
せて余分なガスを除去した後、偏向電極3及びスキマー
2bによってイオン種であるヘリウム正イオンHe+
除去する。これにより、スキマー2bを通過したビーム
は準安定励起状態のヘリウムHe* とヘリウムHeのみ
を含むビームとなる。一方、フィラメント4aから放出
された電子eは、ビームの進行路周囲に複数配設された
複数の永久磁石5a(磁場発生手段5)によって形成さ
れる多重カプス磁場により、その中心付近に向かう力を
受け、ビームの進行路付近に集められる。これにより、
スキマー2bを通過したヘリウムHe* は、高密度状態
となった電子と衝突するため、電子が付着する確率が高
まり、負イオンの生成効率が高まる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図4に基づ
いて説明する。
【0012】図1に全体概略図が示される負イオン源
は、大きく4つの排気室C1〜C4から構成されてお
り、これらの各排気室C1〜C4は上流側から順次差動
排気されている。
【0013】第1の排気室C1(特許請求の範囲の真空
室に相当)に配置されたアーク放電源1には、1気圧程
度に設定されたヘリウムHeが封入されており、放電作
用によってへリウムHe,ヘリウム正イオンHe+ ,及
び準安定励起状態のヘリウムHe* からなる励起ガスビ
ームを発生する。なお、アーク放電源1の射出口1aを
1mm程度にすれば、射出する励起ガスの並進エネルギー
は5eV程度になり拡がりの小さい指向性の良いビーム
が比較的多く得られる。
【0014】アーク放電源1の射出口1a近傍にはスキ
マー2aが配設されており、図2に示されるように、ス
キマー2aによって、アーク放電源1から射出した指向
性の良いビームのみが取り出され、不要なビームが排除
される。このため、このスキマー2aは、次段以降の排
気室C2〜C4の排気負担が軽減されるとともに、生成
した準安定励起状態のヘリウムHe* が残留ガスとの衝
突によって脱励起されることを防ぐ効果をもたらす。
【0015】スキマー2aを通過した励起ガスビーム
は、次に偏向電極3によってイオン種であるヘリウム正
イオンHe+ の軌道が曲げられるため、電気的極性を持
たないヘリウムHeと準安定励起状態のヘリウムHe*
のみが直進してスキマー2bを通過する。
【0016】第3の排気室C3には、ヘリウムHeとヘ
リウムHe* のみを含むビームの進行路の周囲にカプス
磁場を発生するための磁場発生手段5と、このカプス磁
場内に電子を供給する電子供給手段4とが配設されてい
る。
【0017】図3は図1に示される負イオン源のA−A
断面図であり、図3の上半分であるa部は永久磁石5a
から生じる磁力線の状態を、また図3の下半分であるb
部は、この磁力線によって形成される等磁界線図を示す
ものである。この磁場発生手段5は、ビーム進行路の略
円周位置にその磁極が交互に逆になるよう略等間隔で配
設された複数の永久磁石5aによって構成されている。
各永久磁石5aから生じる多数の磁力線は、同図a部に
示されるように両隣りに配設された磁極が逆の永久磁石
に向うため、これらの磁力線の形は相隣り合う各永久磁
石間で略同一の形をなす放物線となる。
【0018】このため、同図b部に示されるように各永
久磁石間毎に形成される多数の磁力線によって、ビーム
進行路を中心とした同心円状に10G(グラディアン
ト),30G,100G,300G,1kGといった等
磁場かなる多段のカプス磁場が形成される。なお、かか
る永久磁石5aは第3の排気室C3を円筒状に形成し、
その内壁に配設するようにすれば構成が簡単となる。ま
た、永久磁石に代えて電磁石を用いることも可能であ
る。
【0019】図1において、電子供給手段4は、永久磁
石5aの近傍に配設されたフィラメント4aと、これに
所定の負電圧を印加する電圧源4bとから構成され、電
圧源4bのプラス側を零電位であるスキマー2bに接続
することで、マイナス側に接続されたフィラメント4a
は所定の負電位に保持され、適当な電流を流しておくこ
とにより、フィラメント4aから電子が発生すると共
に、発生した電子は所定のエネルギーに制御される。
【0020】第4の排気室C4には、所定電位に保持さ
れた引出電極7が配設されており、この引出電極7は、
第3の排気室C3からヘリウム負イオンHe- を引き出
し、負イオンビームとして外部に射出する機能を有す
る。
【0021】本発明にかかる負イオン源の作用を図1に
基づいて説明する。
【0022】まず、アーク放電源1で発生した励起ガス
ビーム(ヘリウムHe,ヘリウム正イオンHe+ ,準安
定励起状態のヘリウムHe* )をスキマー2aを通過さ
せて余分なガスを除去した後、偏向電極3及びスキマー
2bによってイオン種であるヘリウム正イオンHe+
除去する。これにより、スキマー2bを通過したビーム
は準安定励起状態のヘリウムHe* とヘリウムHeのみ
を含むビームとなる。一方、フィラメント4aから放出
された電子eは、かかるビームの進行路周囲に複数配設
された永久磁石5によって形成される多段カプス磁場に
よって、その磁場中心である進行路付近に向かう力を受
け、ビームの進行路付近に集められその密度が非常に高
くなる。
【0023】図4は、フィラメントからカプス磁場へ放
出された電子が運動する様子を示す図であり、それぞれ
放出された電子は磁力線に沿って巻き付く形で移動し、
中心部に向かうため、ビームの進行路付近の電子密度が
高まると共に第3の排気室C3の壁面に吸収されるまで
の時間が長くなる。このため、スキマー2bを通過した
ヘリウムHe* は、高密度状態で存在時間が長い電子と
衝突することとなり、その衝突回数が大幅に増すため、
電子が付着される確率が非常に高まり、負イオンの生成
が効率よく行われることとなる。
【0024】ここで、電圧源4bによってフィラメント
4aに印加する負電圧を1eV以下の所定電圧に調整す
ることにより、放出される電子eと準安定励起状態のヘ
リウムHe* との衝突エネルギーが数十から数百meV
となって、ヘリウムHe* の電子親和力が80meVで
あることから、ヘリウムHe* への電子付着を共鳴的と
でき、より高い効率で負イオンを得ることができる。
【0025】そして、生成されたヘリウム負イオンHe
- は、引出電極6で加速されて所定のエネルギーを有す
る負イオンビームとなる。
【0026】本発明にかかる負イオン源よれば、励起状
態のヘリウムHe* の進行路の周囲に形成したカプス磁
場によって、その進行路付近に電子eが高密度に集めら
れるため、ヘリウムHe* と電子との衝突回数が大幅に
増して電子がヘリウムHe*に付着される確率が非常に
高まり、負イオンの生成効率が極めて高まる。また、荷
電変換のためのアルカリ金属を使用する必要がなくなる
ため、装置のメインテナンスが容易となる。
【0027】さらに、フィラメント4aに印加する負電
圧を1eV以下とすることにより、放出される電子eと
準安定励起状態のヘリウムHe* への電子付着を共鳴的
となり、より高い効率で負イオンを得ることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、励起状態のヘリウムH
* の進行路の周囲に形成したカプス磁場によって、そ
の進行路付近に電子eが高密度に集められるように構成
したため、電子がヘリウムHe* に付着される確率が増
大し、負イオンの生成効率が極めて高まる。また、荷電
変換のためのアルカリ金属を使用する必要がなくなるた
め、装置のメインテナンスが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる負イオン源の全体概略図であ
る。
【図2】スキマーで不要な粒子が排除される様子を示す
図である。
【図3】本発明にかかる磁場発生手段の正面断面図であ
る。
【図4】フィラメントからカプス磁場へ放出された電子
が運動する様子を示す図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・アーク放電源 2a,2b・・・・スキマー 3・・・・・・・・偏向電極 4・・・・・・・・電子供給手段 5・・・・・・・・磁場発生手段 6・・・・・・・・引出電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起ガスビームを射出するガスビーム発
    生源と、その射出口に対して所定の距離を隔てた位置に
    配置されるスキマーを備えた真空室と、この真空室に対
    して前記スキマーを通じて差動排気される排気室によっ
    て構成され、 この排気室に、前記スキマーを通過した励起ガスビーム
    中に含まれるイオン種を当該ビームの進行路から偏向す
    るための偏向手段と、前記イオン種が除かれた後のビー
    ムの進行路の周囲にカプス磁場を発生する磁場発生手段
    と、前記カプス磁場に電子を供給する電子供給手段と、
    を配設したことを特徴とする負イオン源。
JP3845395A 1995-02-27 1995-02-27 負イオン源 Pending JPH08236030A (ja)

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JP3845395A JPH08236030A (ja) 1995-02-27 1995-02-27 負イオン源

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JP3845395A JPH08236030A (ja) 1995-02-27 1995-02-27 負イオン源

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ID=12525702

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JP3845395A Pending JPH08236030A (ja) 1995-02-27 1995-02-27 負イオン源

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002170700A (ja) * 2000-11-30 2002-06-14 Japan Atom Energy Res Inst 負イオン中性粒子入射装置の制御装置及び制御方法
KR100951389B1 (ko) * 2007-01-17 2010-04-08 가부시키가이샤 히다치 고쿠사이 덴키 박막 형성 장치
JP2015185233A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 フラーレン及び有機高分子の負イオンビーム生成方法

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JP2015185233A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 フラーレン及び有機高分子の負イオンビーム生成方法

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