JP2758913B2 - 高速原子線源 - Google Patents

高速原子線源

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JP2758913B2 JP63319821A JP31982188A JP2758913B2 JP 2758913 B2 JP2758913 B2 JP 2758913B2 JP 63319821 A JP63319821 A JP 63319821A JP 31982188 A JP31982188 A JP 31982188A JP 2758913 B2 JP2758913 B2 JP 2758913B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、大量の高速原子数を発生させる線源に関す
るものである。
〔従来の技術〕
常温大気中で熱運動している原子は、概ね0.05eV前後
の運動エネルギーを有している。これに比べて遥かに大
きな運動エネルギーで飛翔する原子を「高速原子」と呼
び、それが一方向にビーム状に流れる場合に「高速原子
線」と言う。
従来発表されている、気体原子の高速原子線を発生す
る高速原子線源のうち、運動エネルギーが0.5〜10keVの
アルゴン原子を放射する高速原子線源の一例を第2図に
示す。図中、1は円筒形の陰極、2はドーナッツ状の陽
極、3は0.5〜10kVの直流高圧電源、4はガスノズル、
5はアルゴンガス、6はプラズマ、7は高速原子線の放
出孔、8は高速原子線である。この動作は以下のとおり
である。
直流高圧電源は3以外の構成要素を真空容器に入れ十
分に排気した後、ガスノズル4からアルゴンガス5を円
筒形陰極1の内部に注入する。ここで直流高圧電源3に
よって、陽極2が正電位、陰極1が負電位となるよう
に、直流高電圧を印加する。これで陽極1・陽極2間に
グロー放電が起き、プラズマ6が発生し、アルゴンイオ
ンと電子が生成される。さらにこの放電において、円筒
形陰極1の底面から放出する電子は、陽極2に向かって
加速され、陽極2の中央の孔を通過して、円筒形陰極1
の反対側の底面に達し、ここで速度を失って反転し、あ
らためて陽極2に向かって加速され始める。このように
電子は陽極2の中央の孔を介して、円筒形陰極1の両方
の底面の間を高周波振動し、その間にアルゴンガスに衝
突して、多数のアルゴンイオンを生成する。こうして発
生したアルゴンイオンは、円筒形陰極1の底面に向かっ
て加速され、十分な運動エネルギーを得るに到る。この
運動エネルギーは、陽極2・陰極1間の放電電圧が、例
えば1kVのときは、1keV程度の値となる。このアルゴン
イオンは陰極1の付近で、残留するアルゴン分子に接触
して電荷を失いアルゴン原子にもどる。また円筒形陰極
1の底面近傍の空間は高周波振動をする電子の折り返し
点であって、低エネルギーの電子が多数存在する空間で
ある。この空間に入射したアルゴンイオンは電子と再結
合してアルゴン原子に戻る。この、イオンと分子の接触
はイオンの運動エネルギーを大きく損なうほど激しいも
のではないので、アルゴンイオンの運動エネルギーは殆
ど損失せずにそのまま原子に受け継がれて高速原子とな
る。またイオンと電子の衝突においては、電子の質量が
アルゴンイオンに比べて無視できる程に小さいために、
同様にアルゴンイオンの運動エネルギーは殆ど損失せず
にそのまま原子に受け継がれて高速原子となる。したが
ってこの場合の高速原子の運動エネルギーは、1keV程度
である。この高速原子は円筒形陰極1の一方の底面に穿
たれた放出孔7から高速原子線8となって放出する。
従来の高速原子線源では、プラズマ6の密度を充分に
高めることが困難であったために、大量の高速原子線を
取り出すことがむづかしかった。また放電電圧電源をイ
オン加速電圧電源が兼ねていたことで、高速原子線の発
生量とエネルギーを独立に調節することができないとい
う使いにくさもあった。
〔発明が解決しようとする課題〕
例えば半導体、金属、絶縁物から構成されるLSI用材
料に、電子素子パターンをスパッタエッチングで作製す
る場合や、絶縁物の組成分析を行う時等に、これまでは
イオンビームを用いていたが、イオンの電荷が絶縁物表
面に帯電して、加工や分析の妨害となっていた。しかし
イオンの替わりに、電荷を有しない高速原子線を用いれ
ば、帯電に起因するトラブルが回避され、加工精度、分
析の信頼性の向上が期待できる。本発明は上記の点に鑑
みてなされたもので、大量の高速原子線を容易に発生し
得る高速原子線源を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、[1]高速原子線を得るために、陽極・陰
極間の電界に直交する磁界を印加していること、[2]
高速原子線の発生量とエネルギーを独立に調節するため
に、放電電圧とイオン加速電圧が独立に調節できる構成
であることであって、そのために従来の高速原子線源と
は全く異なる構造をとっている。
〔実施例〕
第1図は、本発明の一実施例である。図中、21は円筒
形陽極、22は陽極21の内部に設けられた円周がナイフエ
ッジになった円盤状陰極、23は円筒形のイオン加速電極
兼イオン中和器、24は円筒形陽極21の中心軸にほぼ平行
に印加された磁界、25は陰極22と陽極21間に放電電圧を
印加する放電用高圧直流電源、26は陽極21とイオン加速
電極兼イオン中和器23間にイオン加速電圧を分圧するイ
オン加速用高圧直流電源、27は陽極21の内部にガスを導
入するためのガス注入用ノズル、28は真空容器である。
前記円盤状陰極22の直径は、円盤円周のナイフエッジと
円筒形陽極21の内壁の隙間が充分狭くなるような寸法と
し、かつ陰極22の円盤の中心軸が円筒形陽極21の中心軸
とほぼ合うように置かれている。また円筒形のイオン加
速電極兼イオン中和器23は円筒形陽極21とほぼ中心軸を
合わせて置かれている。この高速原子線源の動作は以下
のとおりである。
即ち、電源25,26以外の要素を真空容器28内に収めて
充分に排気する。ガス注入用ノズル27を通して、例えば
酸素ガスを陽極21の内部に注入する。これによって、陽
極21の内壁と陰極22のナイフエッジの間に放電が発生す
る。陽極22のナイフエッジから放出された電子は、陽極
21の円筒軸にほぼ垂直方向に加速されて、陽極21内壁に
向かうが、陽極21の円筒軸に平行に印加された磁界24の
ために円運動を始め、酸素ガスと衝突を繰り返して多量
の酸素イオンを作り出す。この酸素イオンはイオン加速
電極兼イオン中和器23に引かれて充分な運動エネルギー
を得てイオン加速電極兼イオン中和器23に入る。イオン
加速電極兼イオン中和器23の内部には、多量の酸素ガス
分子が残留しており、酸素イオンは酸素分子に接触して
電荷を失い酸素原子に戻る。この、イオンと分子の接触
はイオンの運動エネルギーを大きく損なうほど激しいも
のではないので、イオンの運動エネルギーは殆ど損失せ
ずにそのまま原子に受け継がれて酸素高速原子となる。
例えばイオン加速電極兼イオン中和器23によって酸素イ
オンが1keVに加速されれば、生成した酸素高速原子の運
動エネルギーも1keV程度となる。このようにして酸素高
速原子線が生成されてイオン加速電極兼イオン中和器23
から外に放出される。なお、ガス注入用ノズル27から注
入するガスがアルゴンの時にはアルゴン高速原子線が発
生する。
本実施例においては、円盤状陰極22の円周がナイフエ
ッジになっていること、このナイフエッジが陽極21の内
壁に接近していること、陽極21の円筒軸に平行な磁界が
印加されていることのために、低い放電電圧で大量のイ
オンが生成される。したがって大量の高速原子線を発生
させても放電電圧電源25の負担が軽くて済み経済的であ
る。
また放電用電源25とイオン加速用電極26が別であるた
めに、高速原子線の線量とエネルギーを独立に調節する
ことが容易である。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明によれば、低い放電電圧で大
量のイオンが生成されるため、放電電圧電源の負担を軽
くして大量の高速原子線を発生させることができる。ま
た、放電用電源とイオン加速用電極が別であるために、
容易に高速原子線の線量とエネルギーを独立に調節する
ことができる。
また、高速原子線は、高速のイオンビームと同様に、
スパッタ蒸着による薄膜形成、スパッタエッチングによ
る微細パターン加工、二次イオン質量分析による材料評
価に利用することができる。特に、高速原子線は非電荷
性であるために、金属、半導体ばかりでなく、イオンビ
ーム法が不得意とするプラスチックス、セラミックスな
どの絶縁物を対象とする場合にも威力がある。その意味
において、これまで実現の難しかった大線量の高速原子
線源の提案は、材料の加工、分析に非常に有益である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す構成説明図、第2図は
従来の高速原子線源を示す構成説明図である。 1……円筒形陰極、2……ドーナッツ状陽極、3……直
流高圧電源、4……ガスノズル、5……アルゴンガス、
6……プラズマ、7……高速原子線放出孔、8……高速
原子線、21……円筒形陽極、22……ナイフエッジを持っ
た円盤状陰極、23……イオン加速電極兼イオン中和器、
24……磁界、25……放電用高圧直流電源、26……イオン
加速用高圧直流電源、27……ガス注入用ノズル、28……
真空容器。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒形陽極と、 この陽極の内部にあって円周がナイフエッジになった円
    盤状であって前記ナイフエッジが陽極の内壁に接近し前
    記円盤の中心軸が前記円筒形陽極の中心軸にほぼ合うよ
    うに置かれた陰極と、 前記円筒形陽極とほぼ中心軸を合わせて置かれた円筒形
    のイオン加速電極兼イオン中和器と、 前記陰極と前記陽極間に放電電圧を印加する高圧直流電
    源と、 前記陽極と前記イオン加速電極兼イオン中和器間にイオ
    ン加速電圧を印加する高圧直流電源と、 前記円筒形陽極の中心軸にほぼ平行に印加された磁界
    と、 前記陽極内部にガスを導入するためのノズル から構成されることを特徴とする高速原子線源。
JP63319821A 1988-12-19 1988-12-19 高速原子線源 Expired - Lifetime JP2758913B2 (ja)

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JPS57105943A (en) * 1980-12-22 1982-07-01 Hitachi Ltd Ion source for neutron particle injector
JPH067464B2 (ja) * 1985-10-15 1994-01-26 日本電信電話株式会社 高速原子線源

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