JPH0766874B2 - 高速原子線源 - Google Patents

高速原子線源

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JPH0766874B2
JPH0766874B2 JP19292386A JP19292386A JPH0766874B2 JP H0766874 B2 JPH0766874 B2 JP H0766874B2 JP 19292386 A JP19292386 A JP 19292386A JP 19292386 A JP19292386 A JP 19292386A JP H0766874 B2 JPH0766874 B2 JP H0766874B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、スパッタ型イオン線によるプライマリー イ
オン ビーム デポジション(primary ion beam depos
ition)に好適であり、金属,半導体,絶縁体のあらゆ
る物質の中性ビームを大量に発生することのできる高速
原子線源に関するものである。
[従来の技術] スパッタリング型イオン源としては、たとえばイギリス
のハウエル原子力研究所で開発された第4図に示すよう
なヒル・ネルソン形イオン源がある。
このイオン源は、アーク放電とスパッタリング技術を組
み合せたものであり、ここで、2はターゲット、5はガ
ス導入孔、8はフィラメント、9は引き出し電極、10は
電磁石、11は陽極電源、12はスパッタリング電源、13は
フィラメント電源、14はイオン引出し電源、15はマグネ
ット電源、16はスパッタリング電極、17はイオン源本
体、18は電極9から引き出されたイオンビームである。
この装置の動作は、次の通りである。
イオン源本体17にガス導入孔5を通してアルゴンなどの
放電維持用ガスを導入し、イオン源本体17内、すなわち
放電室内でアーク放電を起こさせる。このような状態の
下で、負電圧を印加したスパッタリング電極16上に、イ
オン化して取り出そうとする物質、すなわちターゲット
材料2を充填すれば、アーク放電により生じたイオンが
このターゲット2を衝撃し、ターゲット2を構成する原
子をたたき出す。このスパッタにより放出された原子
は、プラズマ中でフィラメント8より放出された電子に
よりイオン化され、イオン源本体17の後段に設置したイ
オン引き出し電極9によりイオン18が引き出される。
イオン源本体17の外周には、イオン化効率を高めるため
に、電磁石10によって300Gauss程度の軸方向磁界が印加
されている。このイオン源で得られる電流はCu+で30μ
A程度であり、フィラメント寿命は6〜30時間である。
[発明が解決しようとする問題点] このように、ヒル・ネルソン型イオン源では、イオン化
物質を引き出すために、(1)イオン生成室17の陽極電
源11、(2)ターゲット2に負バイアスを印加するため
のスパッタリング電源12、(3)スパッタ原子をイオン
化するためのフィラメント電源13、(4)イオン引出し
用の引出し電極14、(5)放電効率化のためのマグネッ
ト電源15等、装置動作上多くの電源を必要とし、かつイ
オン源自体が複雑であり、かつ大型化するから、装置の
トラブルを生じやすいという欠点があった。
さらに、フィラメント8の寿命が短く、スパッタ蒸着や
イオン注入を連続して行うことができず、実用的見地か
ら問題が残されていた。
さらにまた、引き出されるビームは、イオンビームであ
るから、チャージアップ効果があり、したがって、絶縁
性材料上への蒸着や注入等が行えず、イオン源の適用対
象が限られていた。
このように、従来技術では、(1)装置が複雑かつ大型
化し、使い勝手が悪いこと、(2)イオン源の動作時間
が短く、信頼性に欠けること、(3)大量のビームを引
き出すことができないので、加工効率が良くないこと、
(4)中性なビームを取り出すことができないので、蒸
着や注入を行う基板材料が限定される等の欠点があっ
た。
そこで、本発明の目的は、このような従来の問題点を解
消し、中性化率が高く、かつ高速原子線を大量に発生す
ることのできるスパッタリング形の高速原子線源を提供
することにある。
[問題点を解決するための手段] このような目的を達成するために、本発明では、筒状の
陰極の内側に接してこの陰極を覆うようにして、スパッ
タするターゲット材料を嵌合し、更に陰極の中心軸に対
象な位置に、その中心軸と平行に2本の棒状の陽極を配
設し、筒状陰極の内側にターゲットと2本の棒状陽極と
間に直流電圧を印加してグロー放電を誘起せしめ、この
グロー放電によるプラズマ中のイオンにより、ターゲッ
トを衝撃し、それにより放出されたターゲット構成原子
を陰極の中心軸方向に設けたビーム放出孔より取り出
す。
[作 用] 本発明では、2本の棒状陽極と、筒状陰極の内側に嵌合
したターゲットとの間にガスを介在させて低圧ガス放電
を生じさせるが、それによって陰極より放出された電子
は、陽極の中心としてターゲット間で振動し、その途中
で多くの気体ガスの分子,原子と衝突してイオンを生ず
る。放電空間内に形成されたイオンは、棒状陽極と筒状
陰極の内部に装着されたターゲットとの間に形成される
電界によって加速され、ターゲットを衝撃することによ
りターゲットの構成原子,イオンを放出せしめる。
そのうち、ターゲットのイオンは、棒状陽極と筒状陰極
の端面との間に形成される電界によって輸送され、ビー
ム放出孔付近で電子と結合して、高速原子線となって取
り出される。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
実施例1 第1図(A)および(B)は、本発明の一実施例の構成
の概要を示す図である。第1図(A)は円筒状の冷陰極
の中心軸に沿った断面図、第1図(B)は正面図であ
る。
ここで、円筒状の冷陰極1の内側に、この冷陰極1をと
り囲むように筒状の薄膜形成物質蒸発源、すなわちター
ゲット2を嵌合する。このターゲット2の円筒軸、すな
わち冷陰極1の円筒軸に平行して2本の棒状陽極3Aおよ
び3Bを配置する。円筒状冷陰極1の端面1Aおよび1Bに
は、それぞれ、ガス導入孔5およびビーム放出孔6を配
設する。ビーム放出孔6は単一の孔であってもよく、メ
ッシュによる多孔であってもよい。
この構成の高速原子線源を使用するにあたっては、ま
ず、ガス導入孔5よりAr等の不活性ガスを冷陰極1内の
放電空間内に導入する。次いで、陽極3Aおよび3Bに数kV
〜10kV程度の高圧の直流正電圧HVを印加する。2本の棒
状陽極3Aおよび3Bと、筒状冷陰極1のうち陽極3Aおよび
3Bと対向する部分の内側に装着されたターゲット2Aと2B
との間でグロー放電が生じる。
その際に、ターゲット2Aあるいは2Bより放出される電子
は、陽極3Aあるいは3Bに向けて加速され、棒状の陽極3A
と3Bの中央部を貫通して反対側のターゲット2Aあるいは
2Bに達し、ここで速度をいったん失なって停止し、あら
ためて、他方の棒状陽極3Bあるいは3Aに向けて加速され
る。
以後、同様の運動を繰り返す。それにより得られる電子
の運動軌跡7を第1図(B)に実線で示す。このとき、
ターゲット2Aあるいは2Bより放出された電子は、陽極3A
あるいは3Bを中心に、次の式で与えられるような周波数
fで高周波振動を呈する。
この運動は、バルクハウゼン−クルツの振動(B−K振
動)と呼ばれる。
ここで、dは陽極3Aと3Bが結ぶ軸とターゲット2Aあるい
は2Bとの間の距離(cm)、Vは陽極3Aおよび3Bに印加し
た直流正電圧の値である。
例えば、Vは3000V、dは2cm程度であるから、200MHz程
度の振動を行っていることになる。
放電空間内では、このような電子の高周波振動により電
子は多くの気体ガスと衝突して、大量のArイオンを生成
する。また、この場合の線源内のガス圧は、10-2〜10-3
Torrであり、また、線源内では、放電におけるパッシェ
ンの法則に基づいて、ビーム引出し方向と垂直方向の振
動が支配的になるよう設計しておくのが好ましい。
一方、上述のB−K振動電子と気体ガスとの衝突により
生成したArイオンは、ターゲット2Aあるいは2Bに向けて
加速される。ターゲット2Aあるいは2Bに飛来したイオン
は、数kV〜10kV程度の運動エネルギーを有しており、タ
ーゲット2Aあるいは2Bに衝突してターゲット構成原子あ
るいは二次イオンを放出せしめる。放出された原子は、
ターゲット2Aと2Bとの間で高周波振動するB−K振動電
子やターゲット2Aおよび2Bから放出する二次電子と衝突
して、イオン化される。
また、放電空間内に形成されたターゲット構成原子のイ
オンは、棒状陽極3Aおよび3Bと、円筒冷陰極1の端面1A
および1Bとの間に形成される電界によって輸送され、こ
のイオンが陰極端面1Aおよび1Bに衝突して放出された二
次電子と結合して高速原子線となり、ビーム放出孔6よ
り取り出される。冷陰極端面1Aおよび1Bより放出された
二次電子は、初速度が数十eVと低いため、大きな衝突断
面積を有しており、その大半が後続のイオンと結合する
ようになる。
次に、本発明の高速原子線源の試験結果について、第2
図および第3図(A)〜(C)を参照して説明する。
なお、かかる線源より引き出されるビームは高速の原子
線であるから、イオン電流に換算した値を電流値とし
た。また、ビーム中性化率とは、全ビーム中の高速原子
線の割合を示している。
第2図に、本発明の高速原子線源から取り出される高速
原子線のビーム電流,ビーム中性化率と放電電流との関
係を示す。ここでターゲットには、グラファイトを用い
た。放電電圧は300〜600V、Arガス圧力は1.3×10-1Paと
した。本例の線源では、100mAの放電電流で、ビーム電
流400mA/cm2、中性化率ほぼ90%のビームが得られた。
第3図(A)〜(C)は、グラファイトターゲットをス
パッタリングしたときの、スパッタリング前後での表面
状態を観察した電子顕微鏡写真である。
第3図(A)は線源動作前のグラファイト表面、第3図
(B)は線源動作後のターゲット2Aおよび2Bの位置にお
けるグラファイト表面、第3図(C)は第1図(B)に
おいてターゲット位置2Cおよび2Dにおかれたグラファイ
ト表面を観察した結果である。
第3図(A)では、グラファィト特有の条痕と微細な粒
状模様がみられる。これをスパッタリングすると、第3
図(B)のように、大きく表面状態が変わり、くぼみが
明瞭となった。これは、Arイオンによりグラファイト表
面がスパッタされたためである。
また、第3図(A)と(C)とを比較すると、第3図
(C)はスパッタリング前のグラファイト表面と似てい
る。このことは、第1図(A)および(B)の高速原子
線源では、ターゲット2Aと2Bとの間での電子の高周波振
動やイオンの加速が主であることを示唆する。
本発明によりグラファイトをスパッタリングして得られ
たカーボン膜を二次イオン質量分析計により測定した結
果、このカーボン膜がカーボンとアルゴンとから成る薄
膜であることが明らかとなった。ここで、膜中に含有さ
れているアルゴンは、放電維持用のガスとして用いたも
のが、カーボンのビームと共にビーム放出孔6より引き
出されたためである。
[発明の効果] 以上から明らかなように、本発明では、ビーム引出し方
向に沿って配置した2本の棒状陽極の外周に筒状のター
ゲットを配置した構成の線源によりターゲット構成原子
の高速原子線を大量に得ることができる。本発明では、
装置構成および放電条件の設定が簡便であり、ターゲッ
トの種類を選ぶことにより、あらゆる金属,半導体等の
高速原子線を得ることができる。更に加えて、絶縁体を
スパッタする場合には、線源内にフィラメントを設置
し、熱電子衝撃でターゲット表面のチャージアップを防
ぐようにすればよい。
特に、高速原子線は、イオンと異なり非電荷性粒子であ
るため、SiO2等の絶縁性基板上にも容易に堆積すること
ができ、金属,半導体あるいは絶縁性材料など各種の基
板を用いることができる。また、高速原子線を用いた場
合には、半導体試料にイオンを照射した場合にみられる
ような界面電荷密度の上昇に伴なう表面の損傷が生じに
くいという利点があり、高品質な薄膜形成が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は本発明の一実施例の構成を、その冷陰極
の中心軸に沿って示す断面図、 第1図(B)は同じく正面図、 第2図は第1図(A)および(B)に示した実施例によ
るビーム電流,中性化率と放電電流との関係を示す特性
図、 第3図(A)〜(C)は第1図(A)および(B)に示
した実施例で用いたグラファイトターゲットの表面状態
を線源動作前後で観察した結果の結晶構造を示す顕微鏡
写真、 第4図は従来の線源の一例を示す構成図である。 1……筒状陰極、 1A,1B……陰極端面、 2……ターゲット、 2A〜2D……ターゲット位置、 3A,3B……棒状陽極、 5……ガス導入孔、 6……ビーム引出し孔、 7……電子の運動軌跡、 8……フィラメント、 9……引出し電極、 10……電磁石、 11……陽極電源、 12……スパッタリング電源、 13……フィラメント電源、 14……イオン引出し電源、 15……マグネット電源、 16……スパッタリング電極、 17……イオン源本体、 18……イオン。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状の陰極の内側に、該陰極を覆うように
    ターゲットを嵌合し、前記陰極の中心軸に対して、対称
    な位置に、当該中心軸と平行に2本の棒状陽極を配設
    し、前記ターゲットと前記陽極との間に直流電圧を印加
    してグロー放電の誘起せしめ、当該グロー放電によるプ
    ラズマ中のイオンにより前記ターゲットを衝撃して放出
    された、前記ターゲットの構成原子を、前記陰極の中心
    軸方向に設けたビーム放出孔より取り出すように構成し
    たことを特徴とする高速原子線源。
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