JPH0766761B2 - 高速原子線源 - Google Patents

高速原子線源

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JPH0766761B2
JPH0766761B2 JP21267786A JP21267786A JPH0766761B2 JP H0766761 B2 JPH0766761 B2 JP H0766761B2 JP 21267786 A JP21267786 A JP 21267786A JP 21267786 A JP21267786 A JP 21267786A JP H0766761 B2 JPH0766761 B2 JP H0766761B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、スパッタ,エッチング等の材料加工や二次イ
オン質量分析計等の中性ビーム源に好適な、中性化率が
高くかつ大量の高速原子線を発生することのできる高速
原子線源に関するものである。
[従来の技術] 従来は、第2図(A)および(B)に示す線源を用いて
高速原子線を形成していた。同図に示すように、この線
源は、Al製円筒の両端面20および21を冷陰極とすると共
に、この円筒内に同心状に陽極22を配置する。一方の冷
陰極20にガス導入孔23を設けると共に、冷陰極20および
21を共に接地し、更に他方の冷陰極21の中央部にたとえ
ば直径1mmφのビーム引出し孔24を穿設してなるもので
ある。
同図では円筒冷陰極20および21の同心軸上に平行に、陽
極22から第1の冷陰極20に向う方向と陽極22から第2の
冷陰極21に向う方向に、相等しくかつ反対方向の電界E
が加えられている。したがって、線源内に形成されたプ
ラズマ中の約半分のイオンがビーム放出孔24の設置され
た第2の冷陰極21に向けて加速され、取り出される。し
かしながら、残り半分のイオンは第1の冷陰極20に向う
方向に加速され、この冷陰極20に衝突して消滅してしま
うので、ビーム放出孔24より取り出せるビーム量を増大
させることができなかった。
また、このような構成の線源より取り出されるビーム
は、イオン,原子とからなる混合ビームであり、この場
合のイオン線と原子線の割合は、実験の結果、50%,50
%であることが判明している。すなわち、ビームの中性
化率は50%程度であり、この値がこれ以上高くならない
という欠点があった。
従来、この線源より取り出すビーム量を増大させたり、
あるいは中性化率の増大や制御のために、次のような試
みがなされてきた。すなわち、ビーム量の増大に関して
は、第2図(A)および(B)に示した陽極22、冷陰極
20,21について、その形状および寸法の最適化を図り、
線源内のプラズマ密度(イオン密度)を高めることが行
われてきた。この方法は、経験やノウハウに依存するこ
とが多く、しかもビーム量を大幅に増大させることはで
きなかった。
他方、中性化率の増大や制御に関しては、第3図,第4
図に示す方法が採用されている。
第3図に示す例では、線源25から引き出された混合ビー
ム26をニュートライザ27に斜入射させて、混合ビーム中
のイオンの電荷を変換し、原子線28を形成する。
第4図に示す例では、線源25からの混合ビーム26中のイ
オン線に熱電子源29から放出した熱電子30を供給して原
子線を得る。
第3図の方法は第4図の方法に比べイオン中性化効率が
よいものの、それでもビームがニュートライザ27を表面
で吸収されて消滅してしまう場合も多く、中性化率の増
加はさほど多くなかった。
更に、混合ビーム26がニュートライザ27自身をスパッタ
するため、電荷交換により得られたビーム中にニュート
ライザ27の原子が混入してビームの純度を低下させるお
それもあった。
[発明が解決しようとする問題点] このように、従来技術では、中性化率が約50%程度であ
りかつ、大量の高速原子線が得られないという欠点があ
った。
そこで、本発明の目的は、前述の従来技術の問題点を解
消し、中性化率が高く、かつ大量の高速原子線を発生す
ることのできる高速原子線源を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] かかる目的を達成するために、本発明の高速原子線源
は、環状の第1の陽極の両側にメッシュ状の第1の冷陰
極およびビーム放出孔を有する第2の冷陰極を配置する
と共に、第1の冷陰極の外側に板状の第2の陽極を配置
し、これらの電極間にガスを介在させて低圧ガス放電を
発生させる。これら電極間の外周に磁石を配置して、上
述の陽極と冷陰極との間に形成される電界に沿った方向
に磁界を印加し、第1と陽極を中心として両冷陰極間で
振動する電子と、第1の冷陰極とその両側の第1および
第2の陽極間で振動するイオンとを結合させて得た高速
原子線を第2の冷陰極をビーム放出孔より取り出す。こ
のビーム放出孔の外部近傍に熱電子源を配置し、この熱
電子源に通電する電流の大きさを変えることによって、
放出する熱電子の数を変化させることにより、ビームの
中性化率を制御する。
本発明の第1の形態は、環状の第1の陽極の両側に、メ
ッシュ状の第1の冷陰極と、ビーム放出孔を設けた第2
の冷陰極とを配設し、第1の冷陰極の外側に板状の第2
の陽極を配設し、第1および第2の冷陰極と第1および
第2の陽極とによって形成される電界に沿った方向に磁
界を印加し、第1の陽極とその両側の第1および第2の
冷陰極を振動する電子、および第1の冷陰極とその両側
の第1および第2の陽極との間を振動するイオンと気体
分子、原子との衝突により形成されたイオンと、振動電
子とが結合した高速原子線をビーム放出孔より取り出す
ようにしたことを特徴とする。
本発明の第2の形態は、環状の第1の陽極の両側に、メ
ッシュ状の第1の冷陰極と、ビーム放出孔を設けた第2
の冷陰極とを配設し、第1の冷陰極の外側に板状の第2
の陽極を配設し、第1および第2の冷陰極と第1および
第2の陽極とによって形成される電界に沿った方向に磁
界を印加し、第1の陽極とその両側の第1および第2の
冷陰極を振動する電子、および第1の冷陰極とその両側
の第1および第2の陽極との間を振動するイオンと気体
分子、原子との衝突により形成されたイオンと、振動電
子とが結合した高速原子線をビーム放出孔より取り出
し、ビーム放出孔の外部にビーム放出孔に近接して熱電
子源を配置したことを特徴とする。
[作用] 本発明では、環状の第1の陽極の両側に第1および第2
の冷陰極を配置すると共に、第1の冷陰極の外側に板状
の第2の陽極を配置し、これらの電極間にガスを導入し
て環状の第1の陽極に正の直流電圧を印加すると、低圧
ガス放電が生じる。ここで、冷陰極から放出された電子
は、第1の陽極を中心として両冷陰極間で振動し、その
途中で多くの気体分子,原子と衝突してイオンを生ず
る。ここまでの作用は、第2図示の従来例と同じであ
る。
本発明においては、第2の板状陽極に正の直流電圧を印
加しているので、放電空間中のイオンは、環状の第1の
陽極ならびに板状の第2の陽極にはさまれた冷陰極を中
心とする領域においても振動を行い、これらの空間内で
気体分子,原子と衝突して更に多くのイオンを形成す
る。すなわち、本発明では、上述の構造により、大量の
イオンを発生させる作用が可能となる。
また、これらの電極間には、軸方向に磁界が印加されて
いるので、電極間を振動する電子,イオンのうち、電界
と平行に運動しないものについては、磁界によるローレ
ンツ力が作用するため、磁力線にからみつくように螺旋
運動する。これによって電子,イオンの実効的飛程が長
くなるため、気体原子,分子と衝突する機会が多くな
り、より一層多くのイオンを生じるようになる。しかも
また、電子は磁界の印加により、その螺旋運動の半径が
冷陰極に近いほど小さくなるので、発散することなくビ
ーム放出孔に集中し、以て、放電空間中に大量に発生し
たイオンと結合して大量の高速原子線となる。
このように、本発明では、磁界を印加することにより、
大量のイオンを発生させることができると共に、イオン
の有効な電荷の中和作用が可能となる。
なお、この際、ビーム放出孔からは、イオンも取り出さ
れる。そこで、本発明においては、ビーム放出孔直後に
更に熱電子源を設置し、フィラメントを加熱して熱電子
を発生させることによって、イオンと電子が結合して高
速原子線となる確率をより一層高くすることができ、そ
れにより、ビームの中性化率を向上することができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
第1図に、本発明の一実施例を示す。同図に示されるよ
うに円筒状の容器10の一方の端面を第1の冷陰極1とす
ると共に、その容器10の他方の端面を第2の冷陰極2と
する。更に、その容器10の中央部において環状の第1の
陽極3が同心状に配置されている。冷陰極1および2
は、接地されている。冷陰極1には、環状陽極3の内径
程度の孔がメッシュ状にあけられている。また、冷陰極
2には、その中央にビーム放出孔4が設けられている。
更に、冷陰極1の外側には、円筒状容器10を延在した容
器11を設け、その外側端面にはガス導入孔5を設け、こ
の容器11内に板状の第2陽極6が設置されている。これ
らの電極系の外周には、容器10および11を取り囲んで、
同心状に環状の磁石7が配置されており、環状陽極3お
よび板状陽極6と冷陰極1および2との間に形成される
電界Eに沿った磁界Bが発生している。磁石7として
は、直流電磁石,交流電磁石または永久磁石等を使用で
きるが、磁界強度を任意所望に変化できる電磁石が好適
である。
更に、本発明では、冷陰極2の外側近傍に熱電子源8を
設置している。この熱電子源8は、スライダック(商品
名)等の変圧器に接続されている。熱電子源8として
は、例えばタングステンフィラメント,トリウムタング
ステンフィラメント等が使用できる。
このような構成の高速原子線源は、次のように使用す
る。まず、ガス導入孔5よりAr等の不活性ガスを容器10
および11により限界されている放電空間内に導入し、次
いで環状陽極3に数kV〜10kV程度の直流正電圧を印加す
る。すると、環状陽極3とその両側の冷陰極1および2
との間でグロー放電が生じる。この時、冷陰極1および
2から放出される電子は、環状陽極3に向けて加速さ
れ、環状の陽極3の中央を貫通して反対側の冷陰極1ま
たは2に達し、ここで速度を失っていったん停止し、あ
らためて陽極3に向けて加速され、以後同様の動作を繰
り返す。
すなわち、陰極1および2より放出された電子は、陽極
3を中心にバルクハウゼン−クルツの振動(B-K振動)
と呼ばれる高周波振動を行い、その途中で多くの気体分
子,原子と衝突してイオンを大量に生成する。この場合
の電子の周波数feは次式で与えられる。
ここで、dは環状陽極3と冷陰極1,2との間の距離(c
m)であり、Vは陽極3に印加した正電圧の値(V)で
ある。また、eは電子の電荷、mは電子の質量(kg)で
ある。例えばVは3000(V)、dは5(cm)程度である
から、80MHZ程度の振動を行っていることになる。放電
空間内では、このような電子の高周波振動により、電子
は多くの気体と衝突して大量のイオンを生成する。
このような状態の下で、次に板状陽極6に環状陽極3と
同じ正電圧を印加する。冷陰極1の方向に加速されたイ
オンは冷陰極1に設けられたメッシュを貫通して、板状
陽極6に達し、ここで速度を失っていったん停止し、あ
らためて冷陰極1の方向に加速され、メッシュ状の陰極
1を通り過ぎ、更に環状陽極3に達し、ここでいったん
速度を失ない、再びメッシュ状の冷陰極1方向に加速さ
れる。このようにプラズマ中のイオンは、放電空間中
で、メッシュのある冷陰極1を中心として、その両側の
環状および板状陽極3および6の間で高周波運動するた
め、これらのイオンが気体と衝突して更に多くのイオン
を生じる。この場合のイオンの周波数fiは次式で与えら
れる。
ここで、dはメッシュのある冷陰極1と環状陽極3ある
いは板状陽極6との間の距離(cm)であり、Vは環状陽
極3もしくは板状陽極6に印加した正電圧(V)の値で
ある。また、eは電子の電荷、MはArイオンの質量(k
g)である。例えばVは3000(V)、dは5(cm)程度
であるから、放電空間中のイオンは約300KHZ程度の振動
を行っており、このようなイオンと気体とが衝突して大
量のイオンが生成される。このように放電空間内を高周
波で振動する電子,イオンと気体分子,原子との衝突
(すなわちelectron impact ionization,ionimpact ion
ization)により大量のイオンを形成できることにな
る。
また、本実施例では、磁界を第1図の容器10の軸方向に
印加しているため、冷陰極1あるいは2よりこの軸方向
に対し角度θで放出された電子、あるいは冷陰極1,2を
中心に環状陽極3と板状陽極6との間を振動するイオン
のうち、第1図の軸方向に対しθ方向に折り返すイオン
の磁界Bから受けるローレンツ力Fは、次式で与えられ
る。
F=υsinθ・eB (3) ただし、υは電子あるいはイオンの速度、eは電子ある
いはイオンの電荷である。このローレンツ力Fは電子あ
るいはイオンの運動方向および磁界Bの方向に垂直な方
向に作用し、遠心力とつり合うので、電子,イオンにつ
いて各々次式が成立する。
ここでmは電子の質量、Mはイオンの質量、rおよびR
はそれぞれ電子およびイオンが円運動を行う半径であ
る。また、電子およびイオンの各運動エネルギーは、環
状陽極3および板状陽極6に印加する電圧をVとすれ
ば、各々、次式で与えられる。
(1/2)mυ=eV (6) (1/2)Mυ=eV (7) したがって、(3),(4),(6)式より電子が円運
動をする場合の半径r、(3),(5),(7)式より
イオンが円運動する場合の半径rが、それぞれ、次式で
表わされる。
(8)式は、電子が磁力線のまわりにからみつくように
螺旋運動を行い、その回転半径rが環状陽極3付近で最
大となり冷陰極1,2に近づくほど小さくなることを示し
ている。
いま、θを30°,B=500 Gauss,V=3×103Vとすれば電
子の回転半径rは約0.2cmとなる。環状陽極3の内径
は、2.5cmであるから、電子は電極系内部で発散せず
に、また陽極3に衝突せずに運動できることがわかる。
また、近似計算により螺旋運動する電子は、陰極−陽極
間を直線運動する電子に比べ、その行程が1.2倍程度長
くなる。したがって、ビーム引出し方向に沿って磁界B
を加えることにより、電子と気体との衝突によりイオン
が生成される確率を更に大きくできる。
また、イオンについても、電子と同様にその工程が大き
くなり、大量のイオンを形成できる。
一方、ビーム引出孔4のある冷陰極2と環状陽極3との
間には、電界Eが形成されているので、これらの放電空
間中に生じたイオンは冷陰極2の方向に加速される。冷
陰極2に達したイオンは数kV程度の運動エネルギーを有
しており、その一部は、冷陰極2に衝突して二次電子を
放出する。これらの二次電子は、初速度が数十eVと低い
から、大きな衝突断面積を有しており、その大半が後続
のイオンと結合し大量の高速原子線が生成される。
また、冷陰極2の付近は環状陽極3を中心に、その両側
の冷陰極1と2との間で、B-K振動を行っている電子の
速度がゼロになる領域であり、大きな衝突断面積をを有
しており、イオンと低速二次電子との再結合と同様に、
イオンと低速のB-K振動電子との結合が生じ、高速原子
線が形成される。
ここで、ビーム放出孔4からは、高速原子線とともにイ
オンも同様に取り出される。そこで、ビーム放出孔4の
直後に熱電子源8を設置し、そのフィラメントを加熱し
て熱電子を放出させる。ビーム放出孔4より取り出され
たビーム中のイオンは、電子と結合して高速原子線とな
る確率が高くなり、ビーム中の中性化率を制御し、かつ
増大することができる。
[発明の効果] 以上、実施例に基づいて具体的に説明したように、本発
明の高速原子線源は、板状陽極の設置と軸方向磁界の印
加により線源内大量のイオンを発生させることができ、
放電の効率化に有効である。更に、ビーム放出孔の外側
近傍に熱電子源を設置し熱電子を放出させることによ
り、イオン中性化効率を飛躍的に高めることができる。
このようにして、中性化率が高く、多量の高速原子線を
発生させることができるので、スパッタ,エッチングな
どの材料加工を高速に進めることができる。高速原子線
は、非電荷性粒子のため、絶縁性材料に照射しても帯電
等の欠点がなく、金属,半導体,絶縁体というような材
料の電導度とは関係なく加工や分析を進行することがで
きる。更に、放電時のエネルギーを制御することもで
き、ダメージレスエッチングや種々の膜厚形成時の同時
照射用ビーム源として好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す構成図、 第2図(A)および(B)は従来の線源の一例を示す構
成図、 第3図は第2図に示した線源より放出したビームをニュ
ートライザに斜入射させ、その一部を中性なビームにす
る一例を示す図、 第4図は第2図に示した線源より放出したビームに熱電
子を衝撃してその一部を中性なビームにする一例を示す
図である。 1……メッシュ状の第1冷陰極、2……ビーム放出孔の
設けられた第2冷陰極、3……環状の第1陽極、4……
ビーム放出孔、5……ガス導入孔、6……板状の第2陽
極、7……磁石、8……熱電子源、10,11……円筒状容
器、20……冷陰極、21……ビーム放出孔のある冷陰極、
22……陽極、23……ガス導入孔、24……ビーム放出孔、
25……線源、26……混合ビーム、27……ニュートライ
ザ、28……原子線、29……熱電子源、30……熱電子。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状の第1の陽極の両側に、メッシュ状の
    第1の冷陰極と、ビーム放出孔を設けた第2の冷陰極と
    を配設し、前記第1の冷陰極の外側に板状の第2の陽極
    を配設し、前記第1および第2の冷陰極と前記第1およ
    び第2の陽極とによって形成される電界に沿った方向に
    磁界を印加し、前記第1の陽極とその両側の前記第1お
    よび第2の冷陰極を振動する電子、および前記第1の冷
    陰極とその両側の前記第1および第2の陽極との間を振
    動するイオンと気体分子、原子との衝突により形成され
    たイオンと、前記振動電子とが結合した高速原子線を前
    記ビーム放出孔より取り出すようにしたことを特徴とす
    る高速原子線源。
  2. 【請求項2】前記磁界は磁界強度を可変することのでき
    る電磁石であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の高速原子線源。
  3. 【請求項3】環状の第1の陽極の両側に、メッシュ状の
    第1の冷陰極と、ビーム放出孔を設けた第2の冷陰極と
    を配設し、前記第1の冷陰極の外側に板状の第2の陽極
    を配設し、前記第1および第2の冷陰極と前記第1およ
    び第2の陽極とによって形成される電界に沿った方向に
    磁界を印加し、前記第1の陽極とその両側の第1および
    第2の冷陰極を振動する電子、および前記第1の冷陰極
    とその両側の前記第1および第2の陽極との間を振動す
    るイオンと気体分子、原子との衝突により形成されたイ
    オンと、前記振動電子とが結合した高速原子線を前記ビ
    ーム放出孔より取り出し、前記ビーム放出孔の外部に該
    ビーム放出孔に近接して熱電子源を配置したことを特徴
    とする高速原子線源。
  4. 【請求項4】前記磁界は磁界強度を可変することのでき
    る電磁石であることを特徴とする特許請求の範囲第3項
    記載の高速原子線源。
  5. 【請求項5】前記熱電子源は放出熱電子数を可変に構成
    したことを特徴とする特許請求の範囲第3項または第4
    項記載の高速原子線源。
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