JPH0749607B2 - 炭素繊維製造用アクリロニトリル系前駆体の製造法 - Google Patents

炭素繊維製造用アクリロニトリル系前駆体の製造法

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JPH0749607B2
JPH0749607B2 JP2167587A JP16758790A JPH0749607B2 JP H0749607 B2 JPH0749607 B2 JP H0749607B2 JP 2167587 A JP2167587 A JP 2167587A JP 16758790 A JP16758790 A JP 16758790A JP H0749607 B2 JPH0749607 B2 JP H0749607B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は炭素繊維製造用アクリロニトリル系前駆体の製
造法に関する。特に炭素繊維製造において発生するフィ
ラメント間の融着を防止し、これに起因する欠陥がな
い,かつ高強度の炭素繊維トウを製造するのに好適なア
クリロニトリル系前駆体(以下、プリカーサという)の
製造法に関する。
[従来の技術] アクリロニトリル系重合体より作られた繊維トウは高性
能炭素繊維製造用のプリカーサとして極めて有用なもの
である。
アクリロニトリル系繊維トウをプリカーサとして炭素繊
維を製造するには、通常、まず酸化雰囲気下200〜300℃
で耐炎化し、次いで不活性ガス雰囲気下1000℃以上の温
度で炭化する工程等を経ることが一般的である。上記の
耐炎化工程は発熱反応であるために単繊維相互間の融着
を誘発しやすいことが難点の一つである。この融着部分
を含む耐炎化糸条を引き続き炭素化すると単糸切れが起
り、工程通過性が不安定になり、得られる炭素繊維トウ
は機械的特性、とりわけ強度が低下し、さらに毛羽が増
加する等の不都合が生ずる。
従来より、このような難点のない炭素繊維を製造するた
めのプリカーサとして、紡糸して得られた水膨潤状態の
アクリロニトリル系繊維トウを乾燥緻密化する前に工程
油剤を付与する方法、あるいは前記乾燥緻密化後の繊維
を湿熱再延伸したあと仕上げ油剤を付与する方法などが
採用されている。この内、前者の方法は引き続く乾燥緻
密化工程で生ずる単繊維同志の擬似接着を防止すること
が主目的であり、後者の方法は耐炎化工程における単繊
維同志の融着回避をはじめとし、製糸の最終段階である
巻取り時の巻き崩れ防止、巻取ったあとの解舒性改良な
どの目的に沿って配合された油剤が用いられている。仕
上げ油剤のもつ性能を工程油剤にもたせて仕上げ油剤付
与を省略する方法もあるが、特に耐炎化工程におけるプ
リカーサの融着回避手段に対しては、湿熱再延伸後に仕
上げ油剤を付与する方法が効果的であり、そのような仕
上げ油剤として、例えば特公昭58-5287号公報で示され
るポリブテンの溶剤溶液とか特開昭62-231078号公報で
示されるジペンタエリスリトールヘキサラウレート/ア
ミノ変性シリコーン配合物などが提案されている。
この仕上げ油剤の付与方法としては、付与する工程が製
糸の終了段階であるために繊維トウの走行速度が通常10
0〜400m/分の高速であり、付与の安定化、付与率の調整
しやすさ等の点からキスロール方式を採るが一般的であ
る。
このキスロール方式とは、回転するロール表面を仕上げ
油剤で濡らし、繊維トウを接触させることにより給油す
る方法であるが、繊維トウを構成するフィラメントの数
が1000本以上ではフィラメントが重なり合い厚みがある
ため、油剤が十分に繊維トウの反対面にまで浸透せず、
通常は、繊維トウの両面からの多段とした付与方法が採
られている。
このようにして給油された繊維トウは一旦ボビンに巻き
取られたあと、炭素繊維用プリカーサとして,後工程の
耐炎化、炭化の処理に供されるが、フィラメント数が10
00本以上の繊維トウでは付与した仕上げ油剤がトウの内
部まで均一に浸透せず,付着が不均一であるため、これ
に起因してプリカーサの巻き崩れ、解舒性不良に加えて
耐炎化工程において繊維トウ内部での融着などの諸トラ
ブルが発生し回避できないのが実情であった。この問題
は特に冬期製造において顕著であり、製品品質の不均一
化の主要な起因となっていた。
[発明が解決しようとする課題] かかる工程ならびに品質上の諸問題について発明者らが
鋭意検討した結果、フィラメント数1000本以上のアクリ
ロニトリル繊維トウでは仕上げ油剤の有効成分がトウの
内部まで十分に浸透せず、いわゆる表面層にのみ片寄っ
て付着していることが原因であることが判明した。
このようなアクリロニトリル系繊維に対する仕上げ油剤
の不均一付着の現象は、仕上げ油剤を付与する工程でト
ウが高い張力下で緊密に集束していること、走行するト
ウが高速であるためにキスロールへの接触が瞬時である
こと、さらに仕上げ油剤が粘性を有していること等に起
因すると考えられる。むろん、フィラメント数を1000本
より少なくするか、あるいはトウの走行速度を十分に下
げれば、かかる不均一付着を避けることができるが、生
産性を高めたい願望に反し現実的ではない。
そこで本発明者らは、これらの点に着目して、まず仕上
げ油剤の付着量を多くする検討を試みたが、繊維トウ内
部への浸透効果は十分に得られぬばかりか、逆に耐炎化
工程で油剤の熱分解に起因する堆積物が多くなり、品質
ならびに操業上の前記問題を全く解消することができな
かった。
これに対して、必要最小限の仕上げ油剤を付与して巻取
ったアクリロニトリル系繊維トウを、所定の温度・時間
の条件で加熱処理するという,極めて簡便で経済性にも
優れた方法によって、前述の諸問題が一挙に解決できる
ことを見出し、本発明に至ったのである。
すなわち、本発明の課題は、アクリロニトリル系繊維ト
ウの内外層(部)へ仕上げ油剤を均一に浸透させること
により、炭素繊維用プリカーサとして,耐炎化工程での
単繊維同志の融着問題、並びに炭化工程での前記単繊維
同志の融着に基づく、糸切れ,毛羽発生および強度的性
質の低下など、工程ないし品質上の諸問題を解消するこ
とにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の上記課題は、アクリロニトリル系重合体を紡
糸、延伸したフィラメント数1000本以上のアクリロニト
リル系繊維トウに仕上げ油剤を付着せしめて巻取った
後、60℃ないし120℃の雰囲気中で少なくとも6時間加
熱処理することによって、解決することができる。
すなわち、本発明の実施にあたり、アクリロニトリル系
重合体とは、アクリロニトリル成分が85重量%以上のア
クリロニトリル系重合体が好ましい。このアクリロニト
リル系重合体には、アクリロニトリルと共重合しうる他
のコモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸などのビニルカルボン酸類、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、アク
リルアミド、メタクリルアミドなどのビニルモノマー類
等を用いることができる。
また、このアクリロニトリル系重合体の重合法として
は、溶液重合法、乳化重合法、水系懸濁重合法等、公知
の重合法を用いることができる。
得られたアクリロニトリル系重合体は、湿式紡糸法、乾
−湿式紡糸法、乾式紡糸法、溶融紡糸法等による紡出糸
条に、所要の延伸,工程油剤処理,乾燥緻密化,さらに
は湿熱再延伸,湿熱再延伸した後の仕上げ油剤処理等が
施され、その後のアクリロニトリル系繊維トウはボビン
(通常は紙管)に巻き取られてパッケージとなる。
この際、アクリロニトリル系繊維トウはフィラメント数
を1000本以上とする。すなわち、繊維トウの厚さは、フ
ィラメントの繊度、本数によって異るが、例えば1デニ
ール×10000本フィラメントの場合には約0.2mm程度の厚
さであり、約20本のフィラメントが厚さ方向に重なり合
った状態になっている。このように密に重なり合った状
態の繊維トウの両面から,例えばキスロール方式で仕上
げ油剤が付与されたとしても、油剤成分は表面層にのみ
付与されたとしても、油剤成分は表面層にのみ付着し内
部には浸透しにくい。このような多数本のフィラメント
からなり,かつ仕上げ油剤が施された繊維トウが巻き上
げられたパッケージに対してこそ、後述する本発明の加
熱処理がはじめて顕著な効果を発揮するのである。むろ
ん、フィラメント数が少ない場合にはフィラメントの重
なりも少なく、例えば1デニールのフィラメントが1000
本より少ない場合には厚さ方向のフィラメント重なりは
1〜2本であるので、仕上げ油剤は一般の処理方法で繊
維トウの内部にまで十分浸透さすことができる。したが
って、フィラメント数が1000本より少ない場合には本発
明の加熱処理は必要でない。
なお、この仕上げ油剤は、一般にはプリカーサの耐炎化
工程における融着回避をはじめ、プリカーサパッケージ
の巻崩れ防止や解舒性改良等の目的で付与されている
が、これらの目的に沿った仕上油剤として,ポリブテン
とか、ポリシロキサンのような耐熱安定剤や、ラウリル
アルコールエチレンオキサイド(EO)付加物あるいは高
級脂肪酸EO付加物のような静電気防止剤などが例示で
き、さらにこれらには中性油や鉱物油のような粘度調節
剤などを適宜配合することができる。
これらの仕上油剤の付与方法は、浸漬法,スプレー法お
よびキスロール方式等のいずれの方法によっても構わな
いが、繊維トウに対する(有効成分の)付着量を0.05重
量%以上とするのが好ましい。
次に、仕上げ油剤処理後の上記繊維トウは、引き続きボ
ビンにパッケージとして巻き取られる。本発明において
はこのパッケージを60〜120℃の加熱雰囲気中で、6時
間以上の加熱処理を行う。これによってパッケージにお
ける仕上げ油剤の流動性を高め、その仕上げ油剤を繊維
トウの内部まで十分浸透させることができる。
すなわち、アクリロニトリル系繊維トウの仕上げ油剤と
して、通常用いられている油剤は、粘度が常温において
50〜100cpである。このためこのような仕上げ油剤は、
繊維トウの内部にまで浸透するに十分な流動性に欠ける
ことになる。
そこで、本発明者らは、このような欠点を解決する方策
として、繊維トウに仕上げ油剤を付与して巻取った後の
パッケージを、所定の温度,時間で加熱処理することに
より、付着した仕上げ油剤の流動性を高め、繊維トウの
内部まで浸透させることができたのである。すなわち、
本発明者らの実験によれば、20℃で粘度が70cpであった
油剤は70℃で10cpに、100℃では6cpにそれぞれ粘度低下
を示した。さらに着色した油剤を付着させた繊維トウを
加熱室に放置するテストによれば、加熱温度を高くする
程,繊維トウ内部への油剤の浸透性が向上する事実が確
認でき、その結果、油剤の粘度は10cp以下になるように
加熱するのが好ましいことが判明した。むろん、油剤の
浸透性は加熱時間との関係もあり、加熱雰囲気の温度が
高温になるほど所要加熱時間は短くてすむ。
なお、一般に,アクリロニトリル系繊維トウをプリカー
サとして供する際には、その巻長が10〜40万mの長尺と
され、巻上げパッケージのサイズは例えば幅50cm、ボビ
ン外径15cmの場合にパッケージの直径は30〜60cmの太径
となる。このため、パッケージの加熱処理に際してはそ
の内部まで加熱室の熱が均一にゆき届く処理時間の設定
が必要となる。本発明者らによる熱電対挿入試験によれ
ば、パッケージの外層は昇温が速いが、パッケージの内
部は昇温が遅い。すなわち、例えば巻径50cmのパッケー
ジでは、その内部の温度を60℃以上に昇温させるために
は、加熱室温度が70℃では約12時間、120℃では約6時
間が必要となることがわかった。
このようにプリカーサパッケージの加熱処理、すなわ
ち,熟成処理には、パッケージの内部が加熱室の温度に
到達するのに比較的長時間を要する。このために加熱室
の温度を高くし過ぎると仕上げ油剤中の溶剤とか低沸点
成分などが揮発して粘度が上昇するか、あるいは仕上げ
油剤中の有効成分自体が分解して性能を損う場合があ
る。前者の揮発という問題に対しては予めフィルムのよ
うな適当な包装材でカバーして熟成することにより、十
分防止することができるが、後者の有効成分の分解ある
いは変質という問題に対しては防ぐことができない。こ
れらの問題を回避しようとして逆に加熱室に温度を低く
し過ぎると、仕上げ油剤が十分に繊維トウ内部にまで浸
透し得ない。このことから加熱室は60℃〜120℃,好ま
しくは70℃〜100℃の温度範囲に保つと共に、6時間以
上,好ましくは7〜14時間の加熱時間が必要となるので
ある。この加熱室における加熱温度および加熱時間範囲
を厳密に維持することによって、前述したプリカーサパ
ッケージの熟成処理において、仕上げ油剤を繊維トウ内
部にまで十分浸透させると共に、仕上げ油剤自体の分解
・変質を十分防止することができる。
[実施例] 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
なお、本例中の炭素繊維トウの性能、物性は次のような
測定・評価方法に従った。
融着度合; 炭素繊維トウを5mm長に切断し、界面活性剤の0.5重量%
水溶液中に分散させ、プロペラ型撹拌機を用いて60rpm
で1分間撹拌したのち、濾紙で濾過し濾紙上の融着繊維
本数を数え、元の繊維10に対する数で表示し、次の基準
に従って判定した。
融着本数1以下:◎ 融着本数2〜4:○ 融着本数5以上:× 毛羽: 炭素繊維トウ1m長について、その側面を60倍に拡大した
顕微鏡で観察し、そのトウから出ている毛羽を数え、次
の基準に従って判定した。
毛羽本数 1以下:◎ 毛羽本数 2〜5:○ 毛羽本数 6以上:× ストランド強度、弾性率: JIS R−7601に準じてエポキシ樹脂含浸ストランドの物
性を測定し、測定回数10回の平均値で示した。
実施例1 アゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤としてジメチ
ルスルホキシド(DMSO)中70℃で溶液重合を行ないアク
リロニトリル99.5重量%、イタコン酸0.5重量%の共重
合体の20重量%DMSO溶液を作製した。この共重合体の極
限粘度は1.80であった。
この共重合体溶液にアンモニアガスを吹込みpH8.0に調
整した後、60℃に維持し、孔数6000コアで,孔径0.08mm
φの紡糸口金を通じてDMSO60重量%水溶液の凝固浴中に
紡出した。さらに50〜60℃に保った複数の水洗槽中で脱
溶媒し、95℃の熱水中で5倍に延伸した。
次に、この延伸の糸条を工程油剤に浸漬し、繊維に対し
油剤純分を0.5重量%付着せしめた。
次に、130℃のホットローラ上で乾燥緻密化処理を施
し、125℃の加熱水蒸気中で3倍に再延伸した後、135℃
のホットローラ上で熱処理した。
引き続き、仕上げ油剤として中性油に30重量%溶解させ
たポリブテンを、キスロール方式で繊維トウの両面から
1.5重量%付与して単糸繊度が1.0デニール、フィラメン
ト数6000本の糸条として巻取った。仕上油剤付与時の繊
維トウの太さは幅5mm、厚さ0.12mmであり、糸条の処理
速度は250m/分であった。
この場合のキスロールは、8.0rpmで回転する直径20cmの
円柱状体を水平に配置したもので、その下部が仕上油剤
液に浸っている形式のものである。
このようにして仕上油剤を付与した繊維トウを外径15cm
の紙管を用いて巻厚み3cm(すなわち巻き外径21cm)と
なるようにして同一条件のもの7本を巻取った。繊維ト
ウ長さはそれぞれ1040mであった。
次いで、これらの巻上げたパッケージをポリプロピレン
フィルムで包装し50℃から130℃まで温度の異なる加熱
室にそれぞれ5時間放置する熟成処理を行なった。熟成
処理後のパッケージは、放冷した後に230〜270℃の温度
勾配を有する熱風雰囲気の耐炎化炉で40分間耐炎化処理
し、次いで窒素ガス雰囲気中1300℃の炭化炉でそれぞれ
3分間処理して炭素繊維に焼成した。
上記の工程処理中に発生した融着、毛羽の程度、および
得られた炭素繊維の物性は表1に示すごとくであり、熟
成温度を60℃から120℃としたものが操業性や品質の面
で優れていることがわかる。
比較例1 熟成処理をしないこと以外は実施例1と同一の方法でア
クリロニトリル系プリカーサを製造し、耐炎化と焼成工
程を経て炭素繊維を得た。
この際にプリカーサの巻き崩れとか解舒時にバルーニン
グなどが発生し、さらに耐炎化工程では融着、炭化工程
では毛羽の発生が多い等、諸トラブルが頻発した。
また、得られた炭素繊維は表1に示すようにストランド
強度が低いものしか得られなかった。
実施例2 実施例1と同一の方法でアクリロニトリル系プリカーサ
を製造した。ただし、巻き取りは繊維トウ長さを20万
m、巻き外径を52cmとした。
このパッケージをポリプロピレンフィルムで包装し、70
℃の加熱室で12時間熟成処理し、放冷した後に、実施例
1と同一の方法で耐炎化と炭化の処理をし炭素繊維を得
た。
これらの工程中に融着、毛羽等の欠陥は少なくトラブル
の発生もなく良好であった。また得られた炭素繊維の物
性は表1に示すごとく高強度を示し、性能の優れたプリ
プレグ製造に供することができた。
[発明の効果] 本発明方法により得られた炭素繊維製造用アクリロニト
リル系プリカーサは,空気中で200〜300℃の温度で耐炎
化処理し、次いで不活性ガス雰囲気中で炭化することに
よって、炭素繊維トウとすることができる。
また、その際,従来のプリカーサがパッケージの巻き崩
れとか解舒性が悪いなどの問題がある上に、耐炎化処理
工程において融着の発生が顕著であり、引き続く炭化工
程で毛羽や糸切れが頻発したのに対して、本発明による
プリカーサは、かかる諸問題の発生が極めて少く製造工
程が安定しているのみならず、強度が高くかつ高品位の
優れた炭素繊維が得られる等、顕著な効果を奏するので
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリロニトリル系重合体を紡糸、延伸し
    たフィラメント数1000本以上のアクリロニトリル系繊維
    トウに仕上げ油剤を付着せしめて巻取った後、60℃ない
    し120℃の雰囲気中で少なくとも6時間加熱処理するこ
    とを特徴とする炭素繊維製造用アクリロニトリル系前駆
    体の製造法。
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US6337228B1 (en) 1999-05-12 2002-01-08 Amkor Technology, Inc. Low-cost printed circuit board with integral heat sink for semiconductor package
JP6107222B2 (ja) * 2013-02-26 2017-04-05 東レ株式会社 炭素繊維用アクリル系前駆体繊維の製造方法、および炭素繊維の製造方法。

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