JPH0749462B2 - ブロックイソシアネート化合物、並びにこれを含有する低温硬化性組成物、塗料組成物及び接着剤組成物 - Google Patents

ブロックイソシアネート化合物、並びにこれを含有する低温硬化性組成物、塗料組成物及び接着剤組成物

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JPH0749462B2
JPH0749462B2 JP1149702A JP14970289A JPH0749462B2 JP H0749462 B2 JPH0749462 B2 JP H0749462B2 JP 1149702 A JP1149702 A JP 1149702A JP 14970289 A JP14970289 A JP 14970289A JP H0749462 B2 JPH0749462 B2 JP H0749462B2
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邦和 酒井
由光 石井
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、低温での加熱により解離してイソシアネート
を再生するブロックイソシアネート化合物、並びに塗
料、接着剤等として自動車工業等において広く使用しう
る前記化合物を含有する組成物に関する。
〔従来の技術〕
従来、ブロックイソシアネート化合物としては、アルコ
ール類、フェノール類、ラクタム類、オキシム類、アセ
ト酢酸アルキルエステル類、マロン酸アルキルエステル
類、フタルイミド類、イミダゾール類、塩化水素、シア
ン化水素又は亜硫酸水素ナトリウム等によりブロックさ
れたものが知られている。このうち、置換フェノール
類、オキシム類、アセト酢酸アルキルエステル類、マロ
ン酸アルキルエステル類、フタルイミド類、イミダゾー
ル類、塩化水素、シアン化水素又は亜硫酸水素ナトリウ
ムによるブロックイソシアネート化合物が、比較的低温
で解離してイソシアネートを再生する。例えば、シー・
エム・シー社昭和58年8月発行の「最新ポリウレタン応
用技術」によれば、次の化合物によりブロックされたヘ
キサメチレンジイソシアネート(以下HDIと略称す
る。)の20分間加熱で解離する温度は、以下の通りであ
る。
n−ブタノール:約170℃ フェノール:約160℃ カプロラクタム:約160℃ メチルエチルケトオキシム:約150℃ アセト酢酸エステル:約140℃ マロン酸ジエチルエステル:約130℃ また、同じ条件で、m−ニトロフェノール又はp−クロ
ロフェノールによりブロックされたHDIが共に約130℃で
解離することも公知である。但し、塩化水素、シアン化
水素又は亜硫酸水素ナトリウムによりブロックされたも
のは、非水系で使用することが困難である。そのため、
非水系で使用することのできる比較的低温解離型のブロ
ックイソシアネート化合物としては、置換フェノール
類、オキシム類、アセト酢酸アルキルエステル類、マロ
ン酸アルキルエステル類、フタルイミド類又はイミダゾ
ール類によりブロックされたものが知られている。
一方、ポリウレタン塗料は、イソシアネート基の強い反
応性のため常温で硬化して、他の塗料と比べて耐摩耗
性、耐衝撃性、耐薬品性、耐候性等に優れた硬化塗膜を
形成する。そのため、航空機や大型車両等の高温焼付の
できない大型被塗物、及びプラスチック、木材等の耐熱
性に乏しい被塗物の塗装に適している。しかし、ポリウ
レタン塗料は、イソシアネート基の強い反応性を考慮し
て主剤/硬化剤から成る二液型にした場合には、ポット
ライフ、作業性(配合)の点で問題があり、例えば自動
車生産ラインにおける塗装には適していない。そのた
め、自動車生産ライン等における塗装には、二液型のも
のより貯蔵安定性に優れている、イソシアネート基を適
当なブロック剤でブロック(マスク)したブロックイソ
シアネート化合物を含有する一液型のポリウレタン塗料
が使用されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来の前記ブロックイソシアネート化合
物は、比較的低温解離型のものでもかなりの温度に加熱
しなければ、解離してイソシアネートを再生しない。そ
のため、従来のブロックイソシアネート化合物を含有す
る一液型のポリウレタン塗料、接着剤等は、ポットライ
フ、作業性(配合)の点で二液型のものより優れている
が、次のような問題点がある。
(イ)その硬化にはかなりの高温までの加熱が必要であ
り、加熱のためのエネルギー消費が大きい。従って、か
なりの高温に加熱しないと硬化がスムースでなく、製品
の生産効率を悪化させることになる。
(ロ)近年、自動車部品等について、その軽量化のた
め、プラスチックでの代替えが進行している。各種プラ
スチックを使用したこのような製品の塗装、接着等に、
従来の加熱温度すなわちプラスチックの熱変形温度以上
の温度で加熱すると、プラスチックが変形してしまう。
(ハ)しかも、自動車の外板、建築構築物の外装などの
ように耐候性を特に要求される部分については、無黄変
タイプのものが使用されている。しかし、無黄変タイプ
のものは黄変タイプのものに比べてそのイソシアネート
基の反応性が低いため、黄変タイプのものより高い温度
で加熱しなければならず、この場合前記問題点は更に深
刻である。
本発明は、前記従来の問題点を解決したもので、低温で
の加熱により解離してイソシアネートを再生するブロッ
クイソシアネート化合物、及びこれを含有する低温での
加熱により硬化する前記ブロックイソシアネート化合物
を含有する一液型のポリウレタン塗料、接着剤等の組成
物を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、(1)HDIのイソシアヌレート化物
を、置換基R1及びR2(但し、R1はハロゲン原子、水素原
子、ニトロ基又はアルキル基を表わし、R2は−OH又は−
SHを表わす。)を有する、芳香族性かつ含窒素を六員環
又は縮合六員環化合物でブロックしたブロックイソシア
ネート化合物、(2)前記ブロックイソシアネート化合
物及びポリオールを含有して成る低温硬化性組成物、
(3)前記ブロックイソシアネート化合物及びポリオー
ルを含有して成る一液型ポリウレタン塗料組成物、及び
(4)前記ブロックイソシアネート化合物及びポリオー
ルを含有して成る一液型ポリウレタン接着剤組成物が提
供される。
本発明におけるイソシアネート用ブロック剤を構成する
化合物は、環内に共役二重結合を有しこれらのπ電子系
が非局在化しているため芳香族性である、含窒素(縮
合)六員環を母体構造とするものである。本発明におけ
るイソシアネート用ブロック剤を構成する化合物の具体
例としては、次のものを挙げることができる。これらは
公知の化合物である。
2−ピリジノール、3−ピリジノール、4−ピリジ
ノール、4−メチル−2−ピリジノール、4,6−ジメチ
ル−2−ピリジノール、2−クロル−3−ピリジノー
ル、2−ブロム−5−ピリジノール、3−ニトロ−4−
ピリジノール、3−ニトロ−5−ブロム−4−ピリジノ
ール等のピリジノール誘導体。
2−メルカプトピリジン、6−メチル−2−メルカ
プトピリジン、2,6−ジメチル−4−メルカプトピリジ
ン、5−ニトロ−2−メルカプトピリジン等のメルカプ
トピリジン誘導体。
2−キノリノール、3−キノリノール、4−キノリ
ノール、8−キノリノール、2−メチル−4−キノリノ
ール、1−ベンゾ〔f〕キノリノール、5−ベンゾ
〔f〕キノリノール、3−メチル−1−ベンゾ〔f〕キ
ノリノール、4,6−ジクロル−8−キノリノール、4−
ニトロ−8−キノリノール、10−ベンゾ〔h〕キノリノ
ール等のキノリノール誘導体。
キノリン−2−チオール、キノリン−8−チオール
等のキノリンチオール誘導体。
1−イソキノリノール、4−イソキノリノール、5
−イソキノリノール、6−イソキノリノール、8−イソ
キノリノール、4−ニトロ−8−イソキノリノール等の
イソキノリノール誘導体。
3−ヒドロキシピリダジン等のヒドロキシピリダジ
ン誘導体。
2−ピリミジノール、5−ピリミジノール、6−ピ
リミジノール、2,4−ジメチル−6−ピリミジノール、
4,6−ジメチル−2−ピリミジノール等のピリミジノー
ル誘導体。
2−メルカプトピリミジンチオール、2−メルカプ
ト−4−メチル−ピリミジンチオール等のピリミジンチ
オール誘導体。
ピラジノール、3,6−ジメチルピラジノール等のピ
ラジノール誘導体。
3−シンノリノール、4−シンノリノール、8−シ
ンノリノール等のシンノリノール誘導体。
1−ヒドロキシフタラジン等のヒドロキシフタラジ
ン誘導体。
2−キノキサリノール、3−メチル−2−キノキサ
リノール等のキノキサリノール誘導体。
2−ヒドロキシ−1,7−ナフチリジン、8−ヒドロ
キシ−1,7−ナフチリジン、4−ヒドロキシ−1,5−ナフ
チリジン、2−ヒドロキシ−1,5−ナフチリジン、8−
ヒドロキシ−1,6−ナフチリジン、2−ヒドロキシ−1,8
−ナフチリジン、3−ヒドロキシ−2,6−ナフチリジ
ン、1−ヒドロキシ−2,7−ナフチリジン、4−ヒドロ
キシ−8−ニトロ−1,5−ナフチリジン等のヒドロキシ
ナフチリジン誘導体。
6−ヒドロキシ−1,7−フェナントロリン、4−ク
ロル−10−ヒドロキシ−1,7−フェナントロリン、5−
クロル−6−ヒドロキシ−1,7−フェナントロリン、2
−ヒドロキシ−4−メチル−1,10−フェナントロリン、
5−ヒドロキシ−4,7−フェナントロリン等のヒドロキ
シフェナントロリン誘導体。
2−ヒドロキシ−ピリド〔2,3−g〕キノリン、2
−ヒドロキシ−ピリド〔3,2−g〕キノリン等のヒドロ
キシアントラゾリン誘導体。
1−フェナジノール、2−フェナジノール等のフェ
ナジノール類。
2−アクリジノール、4−アクリジノール等のアク
リジノール誘導体。
2−ヒドロキシ−s−トリアジン、3−ヒドロキシ
−as−トリアジン、4−ヒドロキシ−v−トリアジン、
3−ヒドロキシ−1,2,4−ベンゾトリアジン等のヒドロ
キシトリアジン誘導体。
5−ヒドロキシ−v−テトラジン,3−ヒドロキシ−
s−テトラジン等のヒドロキシテトラジン誘導体。
前記〜各群の化合物の母体構造を、まとめて以下に
示す。
本発明のブロックソシアネート化合物は、ブロック剤を
構成する前記化合物とHDIのイソシアヌレート化物との
反応により得られる、置換基R1及びR2(但し、R1、R2
前記の意味を有する。)を有する、芳香族性かつ含窒素
の六員環又は縮合六員環に連結のウレタン結合又はチオ
ウレタン結合を有する化合物である。
本発明のブロックイソシアネート化合物を形成するため
のHDIのイソシアヌレート化物(イソシアヌレート化HDI
ともいう)は、従来の脂肪族系イソシアネート硬化剤に
較べて、低粘度で各種ポリオールや溶剤との相溶性に優
れているので使いやすく、またNCO含量が高いのでその
使用量が少量で塗料化、接着剤化などしやすく、更に耐
候性に優れている。
本発明のブロックイソシアネート化合物は、例えば、HD
Iのイソシアヌレート化物1モルに対しブロック剤を構
成する化合物を1.0〜1.05モル使用して、反応時間3〜2
0時間、反応温度50〜150℃で製造することができる。反
応温度は、60〜70℃が特に好ましい。この反応は無溶剤
でも行なうことができるが、ウレタン化反応において常
用の不活性溶剤(イソシアネート基と反応しない溶剤)
を1種又は2種以上使用することもできるため、生成す
るブロックイソシアネート化合物をその使用条件に応じ
た粘度に調整することができる。不活性溶剤としては、
例えば、トルエン、キシレン、スワゾール、ソルベッソ
等の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン(以下MEKと略
称する)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソ
ブチル等のエステル系溶剤、酢酸セロソルブアセテー
ト、カルビトールアセテート等のセロソルブアセテート
系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
系溶剤を挙げることができる。この反応において必要な
場合には、触媒を使用することもできる。触媒として
は、通常のウレタン化反応に使用されるジブチルチンジ
ラウレート、ジオクチルチンラウレート等の有機金属化
合物、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等のア
ミン系化合物等を挙げることができる。
本発明の低温硬化性組成物は、ブロックイソシアネート
化合物の他にポリオールを含有する。
本発明の組成物に使用されるポリオールは、分子内に2
個以上の水酸基を有する有機ポリオールであればよい
が、ポリヒドロキシル基含有ポリマー(水酸基含有合成
樹脂)が好ましい。具体的には例えば、飽和ポリエステ
ル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和または不飽和の
油変性または脂肪酸変性アルキッド樹脂、アミノアルキ
ッド樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレ
タン樹脂、アクリルポリオール、ニトロセルロース、セ
ルロースアセテートブチラート樹脂を挙げることができ
る。本発明の組成物の硬化剤とブロックイソシアネート
化合物の解離性とは必ずしも完全に一致するとは限ら
ず、その硬化性は組み合わせるポリオールによっても異
なってくる。しかし、本発明のブロックイソシアネート
化合物は従来のものに比べて顕著に低い温度でHDIのイ
ソシアヌレート化物を解離するため、本発明の組成物
は、従来の一液型ポリウレタン系組成物に比べて顕著に
低い温度で硬化する。
本発明の低温硬化性組成物、一液型ポリウレタン塗料組
成物及び接着剤組成物は、被塗物、被着物に適した、前
記ブロックイソシアネート化合物と各種ポリオール、場
合によってはこれらの組成物に常用の各種顔料、各種添
加剤等を組み合わせることによって得ることができる。
その際、ブロックイソシアネート化合物/ポリオール
(すなわちNCO/OH)=0.9〜1.1の配合比の場合が、耐摩
耗性、耐衝撃性、耐薬品性、耐候性、密着性等に特に優
れた塗膜、接着膜を得ることができる。
これらの組成物は、通常の方法によって実際に適用する
ことができる。例えば、本発明の塗料組成物は、エアレ
ススプレー機、エアスプレー機、静電塗装機、ロール塗
装機、ハケ等を使用して、あるいは浸漬により、塗布す
ることができる。
〔作用〕
本発明におけるイソシアネート用ブロック剤を構成する
化合物は、共鳴構造に参加する窒素原子を(縮合)六員
環内に持っている。その環内窒素原子の感応効果によっ
て前記化合物の活性水素原子の電子密度が低下するた
め、この化合物とHDIのイソシアヌレート化物との間の
結合が弱くなる。その結果、ブロックイソシアネート化
合物が熱により解離しやすくなると推測される。更に、
このブロック剤を構成する化合物の電子密度はハロゲン
原子、ニトロ基のような電子吸引性基の存在によりさら
に低下するため、これらの基を有する化合物によるブロ
ックイソシアネート化合物はより低い温度での加熱で解
離すると考え得る。その結果、これらの基を有する化合
物から成るブロック剤は、一般に解離温度の高いブロッ
クイソシアネート化合物を形成するHDIのイソシアヌレ
ート化物好適に適用されることになる。
〔実施例〕
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明がこれらにより限定されるものでは
ない。以下の実施例及び比較例において、「部」は全て
「重量部」を意味する。
実施例1 (1)ブロックイソシアネート化合物の構造 攪拌器、温度計及び冷却器の付いた反応器に、イソシア
ヌレート化(トリマー化)HDI(日本ポリウレタン工業
株式会社製コロネートEH、固形分=100%、NCO含量=2
1.3%、以下同じ)539.9部とMEK100部、触媒としてトリ
エチルアミン0.08部を仕込んだ。これを攪拌しながら60
〜70℃に加熱し、この中に2−ピリジノール260.1部をM
EK100部に溶かした溶液を加えた。
次いで、この溶液を60〜70℃にて反応液の残NCO含量が
ゼロになるまで(約18時間)反応を続けて、反応生成物
であるブロックイソシアネート化合物の溶液を得た。得
られた反応生成物は、固形分=80.2%、粘度=850cP/25
℃、有効NCO含量=11.5%の淡黄色液体であった。
(2)性能試験 得られたブロックイソシアネート化合物の熱解離性、低
温硬化性組成物の熱硬化性、及びこれを塗料化した場合
の塗膜物性を調べた。
ブロックイソシアネート化合物の熱解離性を後の第1表
に、塗料化した場合の塗膜物性を後の第2表及び第3表
に、そしてラビング法により求めた低温硬化性組成物の
熱硬化性を後の第6表に示す。
(イ) 熱解離性 得られたブロックイソシアネート化合物について、加熱
セル法による赤外線吸収スペクトル法により、イソシア
ネート基の再生する温度と時間を調べた。
(ロ) 熱硬化性 得られたブロックイソシアネート化合物21.4部にアクリ
ルポリオール(大日本インキ化学工業株式会社製アクリ
ディックA−801;固形分=50.0%、水酸基価=50)65.7
部(すなわち、NCO/OH=1.0)とMEK12.9部とを配合し
て、低温硬化性組成物(ワニス)を調製した。このワニ
スから形成した塗膜のラビングテストを行なった。すな
わち、MEKを含浸させた脱脂綿で塗膜を100回こすっても
下地が表われなくなる温度と時間を調べた。この塗膜の
ラビングテストの結果〔温度(℃)×時間(分)〕を、
最低硬化条件として後の第6表に示す。
なお、第6表における判定基準は、次の通りである。
○:合格、△:ほぼ合格 ×:不合格 (ハ)塗料組成物の調製とその塗膜物性 前記(ロ)で調製した低温硬化性組成物(ワニス)75
部、チタン白(PWC=40%)25部及びトルエン25部を配
合して、塗料組成物を調製した。これをトリクロルエチ
レンで脱脂したボンデライト#1077(被塗物)に塗布
し、焼付けて、厚さ30μの塗膜を形成した。
形成した塗膜の諸物性を、エリクセン試験についてはJI
S−B−7729(B法)、その他の試験についてはJIS−K
−5400に従って、試験を行ない調べた。すなわち、耐衝
撃性については1/2インチ、1kgの条件で、耐薬品性につ
いては20℃、24時間の条件で、耐水性については20℃、
24時間の条件で行なった。
なお、耐薬品性、耐水性及び耐汚染性の判定基準は、次
の通りである。
◎:全く変化なし ○:変化なし △:やや変化あり ×:変化あり 実施例2 (1)ブロックイソシアネート化合物の製造 イソシアヌレート化(トリマー化)HDI(日本ポリウレ
タン工業株式会社製コロネートEH)461.0部とMEK100
部、触媒としてトリエチルアミン0.08部を仕込んだ。こ
れを攪拌しながら60〜70℃に加熱し、この中に8−キノ
リノール339.0部をMEK100部に溶かした溶液を加えた。
次いで、この溶液を60〜70℃にて反応液の残NCO含量が
ゼロになるまで(約22時間)反応を続けて、反応生成物
であるブロックイソシアネート化合物の溶液を得た。得
られた反応生成物は、固形分=80.0%、粘度=1100cP/2
5℃、有効NCO含量=9.8%の淡黄色液体であった。
(2)性能試験 得られたブロックイソシアネート化合物の熱解離性、低
温硬化性組成物の熱硬化性、及びこれを塗料化した場合
の塗膜物性を、低温硬化性組成物(ワニス)の調製を除
き、実施例1と同様にして調べた。すなわち、本実施例
においては、実施例1と異なり、低温硬化性組成物(ワ
ニス)は、得られたブロックイソシアネート化合物23.7
部にアクリルポリオール(大日本インキ化学工業株式会
社製アクリディックA−801;固形分=50.0%、水酸基価
=50)62.1部(すなわち、NCO/OH=1.0)とMEK14.2部と
を配合して調製した。
ブロックイソシアネート化合物の熱解離性を後の第1表
に、塗料化した場合の塗膜物性を後の第4表に、そして
低温硬化性組成物の熱硬化性を後の第6表に示す。
実施例3 (1)ブロックイソシアネート化合物の製造 イソシアヌレート化(トリマー化)HDI(日本ポリウレ
タン工業株式会社製コロネートEH)509.8部とMEK100
部、触媒としてトリエチルアミン0.08部を仕込んだ。こ
れを攪拌しながら60〜70℃に加熱し、この中に2−メル
カプトピリジン290.2部をMEK100部に溶かした溶液を加
えた。
次いで、この溶液を60〜70℃にて反応液の残NCO含量が
ゼロになるまで(約14時間)反応を続けて、反応生成物
であるブロックイソシアネート化合物の溶液を得た。得
られた反応生成物は、固形分=80.1%、粘度=900cP/25
℃、有効NCO含量=10.9%の淡黄色液体であった。
(2)性能試験 得られたブロックイソシアネート化合物の熱解離性、低
温硬化性組成物の熱硬化性を、低温硬化性組成物(ワニ
ス)の調製を除き、実施例1と同様にして調べた。すな
わち、本実施例においては、実施例1と異なり、低温硬
化性組成物(ワニス)は、得られたブロックイソシアネ
ート化合物22.2部にアクリルポリオール(大日本インキ
化学工業株式会社製アクリディックA−801;固形分=5
0.0%、水酸基価=50)64.5部(すなわち、NCO/OH=1.
0)とMEK13.3部とを配合した調製した。
ブロックイソシアネート化合物の熱解離性を後の第1表
に、低温硬化性組成物の熱硬化性を後の第6表に示す。
実施例4 (1)ブロックイソシアネート化合物の製造 イソシアヌレート化(トリマー化)HDI(日本ポリウレ
タン工業株式会社製コロネートEH)480.8部とMEK100
部、触媒としてトリエチルアミン0.08部を仕込んだ。こ
れを攪拌しながら60〜70℃に加熱し、この中に2−クロ
ル−3−ピリジノール319.2部をMEK100部に溶かした溶
液を加えた。
次いで、この溶液を60〜70℃にて反応液の残NCO含量が
ゼロになるまで(約28時間)反応を続けて、反応生成物
であるブロックイソシアネート化合物の溶液を得た。得
られた反応生成物は、固形分=80.0%、粘度=970cP/25
℃、有効NCO含量=10.2%の淡黄色液体であった。
(2)性能試験 得られたブロックイソシアネート化合物の熱解離性、低
温硬化性組成物の熱硬化性、及びこれを塗料化した場合
の塗膜物性を、低温硬化性組成物(ワニス)の調製を除
き、実施例1と同様にして調べた。すなわち、本実施例
においては、実施例1と異なり、低温硬化性組成物(ワ
ニス)は、得られたブロックイソシアネート化合物23.1
部にアクリルポリオール(大日本インキ化学工業株式会
社製アクリディックA−801;固形分=50.0%、水酸基価
=50)63.1部(すなわち、NCO/OH=1.0)とMEK13.8部と
を配合して調製した。
ブロックイソシアネート化合物の熱解離性を後の第1表
に、塗料化した場合の塗膜物性を後の第5表に、そして
低温硬化性組成物の熱硬化性を後の第6表に示す。
実施例5 実施例1で得られたブロックイソシアネート化合物の溶
液(固形分=80.2%、粘度=850cP/25℃、有効NCO含量
=11.5%の淡黄色液体)37.6部に、ポリエステルポリオ
ール(日本ポリウレタン工業株式会社製ニッポラン800
−75E;固形分=75.0%、水酸基価=217.5)26.6部(す
なわち、NCO/OH=1.0)とMEK35.8部とを配合して低温硬
化性組成物(ワニス)を調製した。
このようにして得られた低温硬化性組成物(ワニス)を
用いて、次のようにして、その接着強度を測定した。
被着材料は、厚さ3mmのポリウレタンRIM(リアクティブ
インジェクションモールディング)成型品、FRP板、ABS
板、軟鋼板(ボンデライト#1077)の各々を使用した。
まず、板をトリクロロエチレンで脱脂し、その上に前記
低温硬化性組成物(ワニス)を乾燥膜厚が50μになるよ
うに塗布した。そして、50℃×5分間予備乾燥し塗膜中
の溶剤を蒸発させ、気泡が入らないようにして、同種類
の板を重ねあわせ、25kg/cm2で圧着下、実施例1と同様
にラビング法にて求めた最低の焼付条件(90℃×20分)
で処理した。その後、25℃×70RH%の恒温恒湿の条件で
7日間放置した後、25mm幅にサンプルをカットし、JIS
−K−6854に準じて、(株)オリエンティック製テンシ
ロンUTM−500にて、引張速度=100mm/minの条件で接着
強度を測定した。
その結果を後の第7表に示す。
比較例1 (1)ブロックイソシアネート化合物の製造 イソシアヌレート化(トリマー化)HDI(日本ポリウレ
タン工業株式会社製コロネートEH)541.8部とMEK100部
を仕込んだ。これを攪拌しながら70〜75℃に加熱し、こ
の中にフェノール258.2部をMEK100部に溶かした溶液を
加えた。
次いで、この溶液を70〜75℃にて反応液の残NCO含量が
ゼロになるまで(約30時間)反応を続けて、反応生成物
であるブロックイソシアネート化合物の溶液を得た。得
られた反応生成物は、固形分=80.0%、粘度=1050cP/2
5℃、有効NCO含量=11.5%の淡黄色液体であった。
(2)性能試験 得られたブロックイソシアネート化合物の熱解離性、低
温硬化性組成物の熱硬化性、及びこれを塗料化した場合
の塗膜物性を、低温硬化性組成物(ワニス)の調製を除
き、実施例1と同様にして調べた。すなわち、本実施例
においては、実施例1と異なり、低温硬化性組成物(ワ
ニス)は、得られたブロックイソシアネート化合物21.4
部にアクリルポリオール(大日本インキ化学工業株式会
社製アクリディックA−801;固形分=50.0%、水酸基価
=50)65.8部(すなわち、NCO/OH=1.0)とMEK12.8部と
を配合して調製した。
ブロックイソシアネート化合物の熱解離性を後の第1表
に、塗料化した場合の塗膜物性を後の第2表に、そして
低温硬化性組成物の熱硬化性を後の第6表に示す。
比較例2 (1)ブロックイソシアネート化合物の製造 イソシアヌレート化(トリマー化)HDI(日本ポリウレ
タン工業株式会社製コロネートEH)484.4部とMEK100部
を仕込んだ。これを攪拌しながら70〜75℃に加熱し、こ
の中にp−クロロフェノール315.6部をMEK100部に溶か
した溶液を加えた。
次いで、この溶液を70〜75℃にて反応液の残NCO含量が
ゼロになるまで(約30時間)反応を続けて、反応生成物
であるブロックイソシアネート化合物の溶液を得た。得
られた反応生成物は、固形分=80.1%、粘度=900cP/25
℃、有効NCO含量=10.3%の淡黄色液体であった。
(2)性能試験 得られたブロックイソシアネート化合物の熱解離性、低
温硬化性組成物の熱硬化性、及びこれを塗料化した場合
の塗膜物性を、低温硬化性組成物(ワニス)の調製を除
き、実施例1と同様にして調べた。すなわち、本実施例
においては、実施例1と異なり、低温硬化性組成物(ワ
ニス)は、得られたブロックイソシアネート化合物23.0
部にアクリルポリオール(大日本インキ化学工業株式会
社製アクリディックA−801;固形分=50.0%、水酸基価
=50)63.3部(すなわち、NCO/OH=1.0)とMEK13.8部と
を配合して調製した。
ブロックイソシアネート化合物の熱解離性を後の第1表
に、塗料化した場合の塗膜物性を後の第5表に、そして
低温硬化性組成物の熱硬化性を後の第6表に示す。
比較例3 (1)ブロックイソシアネート化合物の製造 イソシアヌレート化(トリマー化)HDI(日本ポリウレ
タン工業株式会社製コロネートEH)435.7部とMEK100部
を仕込んだ。これを攪拌しながら70〜75℃に加熱し、こ
の中にN,N′−エチルエタノールアニリン364.3部をMEK1
00部に溶かした溶液を加えた。
次いで、この溶液を70〜75℃にて反応液の残NCO含量が
ゼロになるまで(約25時間)反応を続けて、反応生成物
であるブロックイソシアネート化合物の溶液を得た。得
られた反応生成物は、固形分=80.2%、粘度=800cP/25
℃、有効NCO含量=9.3%の淡黄色液体であった。
(2)性能試験 得られたブロックイソシアネート化合物の熱解離性、低
温硬化性組成物の熱硬化性、及びこれを塗料化した場合
の塗膜物性を、低温硬化性組成物(ワニス)の調製を除
き、実施例1と同様にして調べた。すなわち、本実施例
においては、実施例1と異なり、低温硬化性組成物(ワ
ニス)は、得られたブロックイソシアネート化合物24.5
部にアクリルポリオール(大日本インキ化学工業株式会
社製アクリディックA−801;固形分=50.0%、水酸基価
=50)60.8部(すなわち、NCO/OH=1.0)とMEK14.7部と
を配合して調製した。
ブロックイソシアネート化合物の熱解離性を後の第1表
に、塗料化した場合の塗膜物性を後の第3表に、そして
低温硬化性組成物の熱硬化性を後の第6表に示す。
比較例4 (1)ブロックイソシアネート化合物の製造 イソシアヌレート化(トリマー化)HDI(日本ポリウレ
タン工業株式会社製コロネートEH)498.9部とMEK100部
を仕込んだ。これを攪拌しながら70〜75℃に加熱し、こ
の中に1,2,3−ベンゾトリアゾール301.1部をMEK100部に
溶かした溶液を加えた。
次いで、この溶液を70〜75℃にて反応液の残NCO含量が
ゼロになるまで(約20時間)反応を続けて、反応生成物
であるブロックイソシアネート化合物の溶液を得た。得
られた反応生成物は、固形分=79.8%、粘度=1100cP/2
5℃、有効NCO含量=10.6%の淡黄色液体であった。
(2)性能試験 得られたブロックイソシアネート化合物の熱解離性、低
温硬化性組成物の熱硬化性、及びこれを塗料化した場合
の塗膜物性を、低温硬化性組成物(ワニス)の調製を除
き、実施例1と同様にして調べた。すなわち、本実施例
においては、実施例1と異なり、低温硬化性組成物(ワ
ニス)は、得られたブロックイソシアネート化合物22.5
部にアクリルポリオール(大日本インキ化学工業株式会
社製アクリディックA−801;固形分=50.0%、水酸基価
=50)64.0部(すなわち、NCO/OH=1.0)とMEK13.5部と
を配合して調製した。
ブロックイソシアネート化合物の熱解離性を後の第1表
に、塗料化した場合の塗膜物性を後の第4表に、そして
低温硬化性組成物の熱硬化性を後の第6表に示す。
比較例5 (1)ブロックイソシアネート化合物の製造 イソシアヌレート化(トリマー化)HDI(日本ポリウレ
タン工業株式会社製コロネートEH)505.3部とMEK100部
を仕込んだ。これを攪拌しながら70〜75℃に加熱し、こ
の中にN−β−ヒドロキシエチルピロリジン294.7部をM
EK100部に溶かした溶液を加えた。
次いで、この溶液を70〜75℃にて反応液の残NCO含量が
ゼロになるまで(約25時間)反応を続けて、反応生成物
であるブロックイソシアネート化合物の溶液を得た。得
られた反応生成物は、固形分=79.9%、粘度=1000cP/2
5℃、有効NCO含量=10.8%の淡黄色液体であった。
(2)性能試験 得られたブロックイソシアネート化合物の熱解離性、低
温硬化性組成物の熱硬化性を、低温硬化性組成物(ワニ
ス)の調製を除き、実施例1と同様にして調べた。すな
わち、本実施例においては、実施例1と異なり、低温硬
化性組成物(ワニス)は、得られたブロックイソシアネ
ート化合物22.3部にアクリルポリオール(大日本インキ
化学工業株式会社製アクリディックA−801;固形分=5
0.0%、水酸基価=50)64.3部(すなわち、NCO/OH=1.
0)とMEK13.4部とを配合して調製した。
ブロックイソシアネート化合物の熱解離性を後の第1表
に、低温硬化性組成物の熱硬化性を後の第6表に示す。
比較例6 (1)ブロックイソシアネート化合物の製造 イソシアヌレート化(トリマー化)HDI(日本ポリウレ
タン工業株式会社製コロネートEH)551.2部とMEK100部
を仕込んだ。これを攪拌しながら70〜75℃に加熱し、こ
の中にN,N′−ジメチルエタノールアミン248.8部をMEK1
00部に溶かした溶液を加えた。
次いで、この溶液を70〜75℃にて反応液の残NCO含量が
ゼロになるまで(約33時間)反応を続けて、反応生成物
であるブロックイソシアネート化合物の溶液を得た。得
られた反応生成物は、固形分=80.1%、粘度=980cP/25
℃、有効NCO含量=11.8%の淡黄色液体であった。
(2)性能試験 得られたブロックイソシアネート化合物の熱解離性、低
温硬化性組成物の熱硬化性を、低温硬化性組成物(ワニ
ス)の調製を除き、実施例1と同様にして調べた。すな
わち、本実施例においては、実施例1と異なり、低温硬
化性組成物(ワニス)は、得られたブロックイソシアネ
ート化合物21.0部にアクリルポリオール(大日本インキ
化学工業株式会社製アクリディックA−801;固形分=5
0.0%、水酸基価=50)66.4部(すなわち、NCO/OH=1.
0)とMEK12.6部とを配合して調製した。
ブロックイソシアネート化合物の熱解離性を後の第1表
に、低温硬化性組成物の熱硬化性を後の第6表に示す。
比較例7 (1)ブロックイソシアネート化合物の製造 イソシアヌレート化(トリマー化)HDI(日本ポリウレ
タン工業株式会社製コロネートEH)523.8部とMEK100部
を仕込んだ。これを攪拌しながら70〜75℃に加熱し、こ
の中に5−ヒドロキシ−1,3−ジオキサン276.2部をテト
ラヒドロフラン100部に溶かした溶液を加えた。
次いで、この溶液を70〜75℃にて反応液の残NCO含量が
ゼロになるまで(約35時間)反応を続けて、反応生成物
であるブロックイソシアネート化合物の溶液を得た。得
られた反応生成物は、固形分=79.7%、粘度=700cP/25
℃、有効NCO含量=11.1%の淡黄色液体であった。
(2)性能試験 得られたブロックイソシアネート化合物の熱解離性、低
温硬化性組成物の熱硬化性を、低温硬化性組成物(ワニ
ス)の調製を除き、実施例1と同様にして調べた。すな
わち、本実施例においては、実施例1と異なり、低温硬
化性組成物(ワニス)は、得られたブロックイソシアネ
ート化合物21.9部にアクリルポリオール(大日本インキ
化学工業株式会社製アクリディックA−801;固形分=5
0.0%、水酸基価=50)65.0部(すなわち、NCO/OH=1.
0)とMEK13.1部とを配合して調製した。
ブロックイソシアネート化合物の熱解離性を後の第1表
に、低温硬化性組成物の熱硬化性を後の第6表に示す。
比較例8 比較例1で得られたブロックイソシアネート化合物の溶
液(固形分=80.0%、粘度=1050cP/25℃、有効NCO含量
=11.5%の淡黄色液体)37.6部に、ポリエステルポリオ
ール(日本ポリウレタン工業株式会社製ニッポラン800
−75E;固形分=75.0%、水酸基価=217.5)26.6部(す
なわち、NCO/OH=1.0)とMEK35.8部とを配合して低温硬
化性組成物(ワニス)を調製した。このようにして得ら
れた低温硬化性組成物(ワニス)を用いて、実施例5と
同一の材料、同一の条件で接着強度を測定した。
その結果を後の第7表に示す。
第1表より、コロネートEHを公知のブロック剤であるフ
ェノールでブロックした場合には160℃×20分(比較例
1)で解離したのに対し、本発明のブロック剤である2
−ピリジノールでブロックした場合には90℃×20分(実
施例1)で解離し、解離温度は70℃低下した。
そして、第6表より、例えば、フェノールでブロックし
たものの場合170℃×20分(比較例1)で硬化したのに
対し、本発明の2−ピリジノールでブロックしたものの
場合には110℃×20分(実施例1)で硬化し(硬化温度
は60℃低下)、また塗料化したものの塗膜特性も優れて
いた(第2表参照)。
〔発明の効果〕
以上説明した通り、本発明により初めて、従来のブロッ
クイソシアネート化合物に比べて、顕著に低温で解離す
る新規なブロックイソシアネート化合物の提供が可能と
なった。そのため、従来に比べて顕著に低温での加熱
(焼き付け)により硬化する本発明のブロックイソシア
ネート化合物を含有する組成物の提供も可能となった。
その結果、例えば、本発明の組成物を耐熱性に乏しいプ
ラスチックの塗装、接着等に適用すれば、プラスチック
に変形を生ずることのない低温で硬化して、その迅速
化、完全化を図ることができ、ひいては製品の品質の向
上、省エネルギー、コストダウンとなる。
このように、本発明は、その適用範囲も広く、従って、
その実用的、経済的意義が著しく大きいものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 由光 神奈川県厚木市酒井2508 (72)発明者 高橋 恭子 神奈川県横浜市緑区荏田町1183―1 (56)参考文献 特開 昭56−110717(JP,A) 特開 昭58−40134(JP,A) 特開 昭57−25320(JP,A) 特開 昭57−174337(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシ
    アヌレート化物を、置換基R1及びR2(但し、R1はハロゲ
    ン原子、水素原子、ニトロ基又はアルキル基を表わし、
    R2は−OH又は−SHを表わす。)を有する、芳香族性かつ
    含窒素の六員環又は縮合六員環化合物でブロックしたブ
    ロックイソシアネート化合物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のブロックイソシアネート
    化合物及びポリオールを含有して成る低温硬化性組成
    物。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のブロックイソシアネート
    化合物及びポリオールを含有して成る一液型ポリウレタ
    ン塗料組成物。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のブロックイソシアネート
    化合物及びポリオールを含有して成る一液型ポリウレタ
    ン接着剤組成物。
JP1149702A 1989-06-14 1989-06-14 ブロックイソシアネート化合物、並びにこれを含有する低温硬化性組成物、塗料組成物及び接着剤組成物 Expired - Lifetime JPH0749462B2 (ja)

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