JPH0749421B2 - アクリル又はメタクリル酸エステルの製法 - Google Patents

アクリル又はメタクリル酸エステルの製法

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JPH0749421B2
JPH0749421B2 JP62052244A JP5224487A JPH0749421B2 JP H0749421 B2 JPH0749421 B2 JP H0749421B2 JP 62052244 A JP62052244 A JP 62052244A JP 5224487 A JP5224487 A JP 5224487A JP H0749421 B2 JPH0749421 B2 JP H0749421B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、次式 (R1は水素原子又はメチル基、A及びBは2〜5個の炭
素原子を有する分岐状又は非分岐状のアルキレン基を意
味する)で表わされるアクリル酸エステル又はメタクリ
ル酸エステルの改良製造法に関する。
この化合物は例えば塗料分散液又は皮革助剤を製造する
ための興味あるコモノマーである(例えば米国特許2828
224号及び3356627号参照)。この化合物は例えば米国特
許2871223号明細書に記載の方法によれば、アクリル又
はメタクリル酸クロリドから出発し、三級アミン又はピ
リジン存在下にイミダゾリジン−2−オン誘導体を用い
てエステル交換することにより得られる。しかしこの場
合は化学当量の塩化アンモニウム又は塩酸ピリジウムが
得られ、これは生成物の次の加工の前に分離されねばな
らない。これによつてこの方法は工業的に高価となり、
工業的実施には実際上不適当である。そのほか多量の二
重置換副生物が生成する。
したがつて本発明の課題は、費用のかかる精製をしない
で分散液の成分として使用しうる、式Iの化合物を製造
するための工業的規模で簡単に実施しうる方法を開発す
ることであつた。
本発明者らは、次式 (R2は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味す
る)のアクリレート又はメタクリレートを、次式 (A及びBは後記の意味を有する)の複素環化合物と、
チタンアルコラート又は金属チタン、ジルコニウム、鉄
もしくは亜鉛の1,3−ジカルボニル化合物とのキレート
化合物の存在下に反応させるとき、次式 (R1は水素原子又はメチル基、A及びBは2〜5個の炭
素原子を有する分岐状又は非分岐状のアルキレン基を意
味する)で表わされるアクリル又はメタクリル酸エステ
ルが有利に得られることを見出した。
本方法の成果は予想外であつた。なぜならば化合物Iの
2機能性によつて、化合物IIとの後続反応が起こりやす
く、それが分散液へのIの直接使用を妨げることが予期
されたからである。本発明の反応に関する後続反応又は
競合反応としては、特に塩基性触媒によるミハエル付加
反応が予期された。尿素誘導体例えば米国特許4211804
号の方法で用いられるジイソアネート又は西独特許出願
公開2527261号明細書(特許請求の範囲10c及び例25)及
び同出願広告1545997号明細書に記載のベンゾイイミダ
ゾロン誘導体、ならびにピリミジン誘導体(例えばテト
ラヘドロン・レターズNo.53、4605〜4606頁)へのアク
リレート又はメタクリレータのこの種の付加反応は一般
に知られている。例えばメタクリル酸エステルと1−
(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾリジン−2−オン
の反応は、容易に後続反応を起こして、生成した1−
(2−メタクロイルオキシエチル)−イミダゾリジン−
2−オンが1−(2−メタクロイルオキシエチル)−3
−(2−カルボアルコキシプロピル)−イミダゾリジン
−2−オン(ミハエル生成物)及び/又は1−(2−メ
タクロイルオキシエチル)−3−メタクロイル−イミダ
ゾリジン−2−オンに変える。この後続反応は、例えば
慣用の触媒例えばナトリウムメチラート、炭酸カリウ
ム、水酸化カリウム又は1,8−ジアザピシクロ〔5.4.0〕
ウンデセン−7(DBU)の存在下のエステル交換反応に
おいて認められる(比較例6参照)。この生成物の分離
は、その熱不安定性及び重合しやすいことから、工業的
規模では不可能である。
メチルメタクリレート及び1−(2−ヒドロキシエチ
ル)−イミダゾリジン−2−オンを使用する場合につい
て、本発明の反応は次式により示される。
本発明の方法に用いられる式IIのアクリル酸エステル又
はメタクリル酸エステルにおいて、R1は1〜4個好まし
くは1〜2個の炭素原子を有するアルキル基を意味す
る。この化合物の例は、エチル−、プロピル−、ブチル
−、イソブチル−そして特にメチル−メタクリレート又
は−アクリレートである。
出発物質IIIとして用いられる化合物において、A及び
Bは2〜5個の炭素原子を有する分岐状又は非分岐状の
アクキレン基であつて、その例は−C2H4−、−CH(C
H3)CH2−、CH2CH(CH3)−、−(CH2−、−(C
H2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH2C(CH32CH2
である。複素環の環員子数は好ましくは5及び6であ
る。例えば米国特許3254075号の方法によりアミノエチ
ルエタノールアミン及び尿素から得られる1−(2−ヒ
ドロキシエチル)−イミダゾリジン−2−オンを使用す
ることが特に好ましい。
本発明によるエステル交換反応のための触媒としては、
チタンアルコラート又は金属鉄、亜鉛、チタン及び/又
はジルコニウムの1,3−ジカルボニル化合物とのキレー
トが用いられる。
チタンアルコラートのためのアルコール成分としては、
1〜8個特に2〜4個の炭素原子を有するアルコールが
用いられ、その例はエタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、アリルアルコール、n−ブタノール及びイ
ソブタノールである。この化合物の製造法は、例えばホ
ウベン−ワイル著メトーデン・デル・オルガニツシエン
・ヘミー4版VI/2巻1963年21〜26頁に記載されている。
特に好適なエステル交換触媒は、テトラアルキルチタネ
ート例えばテトラメチル−、テトラプロピル−、テトラ
イソプロピル−又はテトラ−n−ブチル−チタネートで
ある。
前記金属と1,3−ジカルボニル化合物のキレートから成
る触媒においては、普通は金属の酸化段階に相当する分
子のジカルボニル化合物が結合されている。キレート形
成体としては、1,3−ジカルボニル化合物、例えばアセ
ト酢酸エステル、アセチルアセトン、3−メチルアセチ
ルアセトン(3−メチル−ペンタンジオン−2,4)、ベ
ンゾイルアセトン又はジベンゾイルメタンが用いられ、
特に1,3−ジケトンの金属キレート特にアセチルアセト
ネートが好適である。金属キレートの製造及びその使用
は、例えばホウベン−ワイル著メトーデン・デル・オル
ガニツシエン・ヘミー4番VI/2巻1963年53〜55頁及び58
〜61頁、ならびにマルテル及びカルビン著デイー・ヘミ
ー・デル・メタルキレートフエルビンドウンゲン(1958
年)に記載されている。
触媒は一般に単独で又は混合して、化合物IIIに対し0.0
1〜10モル%の量で用いられる。これより多量の添加も
可能であるが、一般に不経済である。アセチルアセトネ
ートの場合は0.05〜1.0モル%、テトラ−C2〜C4−アル
キルチタネートの場合は0.2〜10モル%が好ましい。
エステルIIは化合物IIIの1モルに対し、1〜20モル好
ましくは2〜10モル特に3〜6モルの量で用いられる。
反応は好ましくは普通の重合開始剤の存在下で、例えば
フエノチアジン又はハイドロキノンモノメチルエーテル
特に酸素の存在下で行われる。酸素は普通は空気の形
で、反応混合物上の気相中のその含量が爆発限界以下で
ある量で添加される。例えばその量は、環状尿素1モル
及び1時間につき0.1〜1とする。
反応は常圧、減圧又は加圧で行うことができる。適当な
反応温度は、30〜150℃好ましくは50〜130℃特に70〜12
0℃である。反応は非連続的又は連続的に行うことがで
きる。好ましくは出発物質II及びIIIを一緒に沸騰加熱
し、その際遊離するアルカノールを場合によりエステル
IIとの共沸混合物の形で連続的に留去する。反応時間は
反応温度及び触媒によるが、約1〜6時間である。反応
を不活性溶剤例えばトルオール又はシクロヘキサンの存
在下で行うこともできる。
反応の終了後、必要に応じ触媒を常法により分離する。
テトラアルキルチタネートは、例えば水を用いて加水分
解したのち、過又は遠心分離により除去することがで
きる。ジルコニウム−2,4−ペンタンジオネートを使用
する場合は、意外にも触媒の分離を有利に省略すること
ができる。これによつて、生成物をアクリレート分散液
中に使用する場合に応用技術上の性質が損われることは
ない。
生成物は反応混合物から常法により、例えば過剰のエス
テルIIの蒸発除去することにより単離できる。しかし
(メト)アクリル酸エステルを用いて反応を行うことが
特に好ましくかつ経済的である。これは後でアクリレー
ト分散液に使用するために完全にないしほとんど完全に
除去する必要がなく、一緒に重合含有されうる。
変化率90%以上において、品質の犠牲なしに、未反応分
のヒドロキシ化合物IIIの分離を同様に省略することが
できる。
好ましい範囲で20〜50%の生成物溶液が得られ、これは
アクリレート分散液中に直接に重合含有されうる。
実施例1 メチルメタクリレート2700gを、1−(2−ヒドロキシ
エチル)−イミダゾリジン−2−オン780g、テトラエチ
ルチタネート13g及びフエノチアジン2.7gと共に、撹拌
下に毎時0.9の空気を導入しながら沸騰加熱する。充
填体塔を経て5.3時間に、メタノール及びメチルメタク
リレートからの沸点65℃の共沸混合物が212g留出する。
反応の終了後、25℃に冷却したのち触媒を分離するため
水175gを添加し、0.5時間後に生じた沈殿(69g)を遠心
分離により分離する。溶液3387gが得られ、これは高速
液体クロマトグラフイにより定量すると、1−(2−メ
タクロイルオキシエチル)−イミダゾリジン−2−オン
を31.9%含有し、収率は使用した1−(2−ヒドロキチ
エチル)−イミダゾリジン−2−オンに対し91%であ
る。
実施例2 1−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾリジン−2−
オン130g、メチルメタクリレート450g、ジルコニウムア
セチルアセトネート0.7g及びフエノチアジン0.1gを、撹
拌混合し、これを毎時0.9の空気を導入しながら沸騰
加熱する。実施例1と同様にして2.6時間に、メタノー
ル及びメチルメタクリレートからの共沸混合物が36g留
出する。生成物の溶液が544g残留し、これは高速液体ク
ロマトグラフイにより定量すると、1−(2−メタクロ
イルオキシエチル)−イミダゾリジン−2−オンを33.4
%含有し、収率は使用した1−(2−ヒドロキシエチ
ル)−イミダゾリジン−2−オンに対し91.5%である。
これは変化率93.7%において97.8%の選択率に相当す
る。
実施例3 1−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾリジン−2−
オン130g、メチルメタクリレート450g、亜鉛アセチルア
セトネート0.7g及びフエノチアジン0.1gを、撹拌下に毎
時0.9の空気を導入しながら沸騰加熱する。実施例1
の同様にして3.5時間に、メタノール及びメチルメタク
リレートからの共沸混合物が40g留出する。生成物の溶
液540gが残留し、これは高速液体クロマトグラフイによ
り定量すると、1−(2−メタクロイルオキシエチル)
−イミダゾリジン−2−オンを27.7%含有し、収率は使
用した1−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾリジン
−2−オンに対し75.6%である。これは変化率85.5%に
おいて88.4%の選択率に相当する。
実施例4 1−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾリジン−2−
オン130g、メチルメタクリレート450g、鉄アセチルアセ
トネート3.5g及びフエノチアジン0.1gを、撹拌下に毎時
0.9の空気を導入しながら沸騰加熱する。実施例1と
同様にして5.3時間に、メタノール及びメチルメタクリ
レートからの共沸混合物が32g留出する。生成物の溶液5
50gが残留し、これは高速液体クロマトグラフイにより
定量すると、1−(2−メタクロイルオキシエチル)−
イミダゾリジン−2−オンを22.1%含有し、収率は使用
した1−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾリジン−
2−オンに対し61.4%である。これは68.3%の変化率に
おいて89.9%の選択率に相当する。
実施例5 アミノエチルエタノールアミン1454.6g及び尿素840g
を、この上にある空気を窒素で置き換えたのち、130℃
に0.5時間、続いて210℃まで3.5時間加熱する。さらに2
10℃で0.5時間加熱したのち、アンモニアを脱離しなが
ら進行する反応が終了する。生成物1815gが得られ、こ
れは高速液体クロマトグラフイにより定量すると、1−
(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾリジン−2−オン
を96.6%含有し、収率は96.3%である。
この物質134.9gを精製しないで、メチルメタクリレート
450g、ジルコニウムアセチルアセトネート0.49g及びフ
エノチアジン0.1gと共に、撹拌下に0.9の空気を導入
しながら沸騰加熱する。実施例1と同様にして4.1時間
にメタノール及びメチルメタクリレートからの共沸混合
物が37.6g留出する。生成物の溶液547gが残留し、これ
は高速液体クロマトグラフイにより定量すると、1−
(2−メタクロイルオキシエチル)−イミダゾリジン−
2−オンを33.2%含有し、収率は使用した1−(2−ヒ
ドロキシエチル)−イミダゾリジン−2−オンに対し9
1.8%である。これは変化率93.3%において98.4%の選
択率に相当する。
比較例 1−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾリジン−2−
オン130g、メチルメタクリレート450g、ナトリウムメチ
ラートの30%メタノール溶液1.8g及びフエノチアジン0.
1gを、撹拌しながら沸騰加熱する。実施例1と同様にし
て06時間にメタノール及びメチルメタクリレートからの
共沸混合物が38.1g留出する。得られた反応混合物はガ
スクロマトグラフイにより分析すると、1−(2−メタ
クロイルオキシエチル)−3−(2−カルボメトキシプ
ロピル)−イミダゾリジン−2−オン(副生物)及び1
−(2−メタクロイルオキシエチル)−イミダゾリジン
−2−オン(目的生成物)を、4.3:1の割合で含有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウオルフガング・シユヴアルツ ドイツ連邦共和国7507プフインツタール・ ヴエゾシユトラーセ132 (72)発明者 ゲルハルト・ネストラー ドイツ連邦共和国6700ルードウイツヒスハ ーフエン・フアンーレイデン−シユトラー セ17 (72)発明者 マリア・ギヨパー・スクサニイ ドイツ連邦共和国6700ルードウイツヒスハ ーフエン・レーネーボーン−シユトラーセ 4 (72)発明者 ルドルフ・ミユラー−マル ドイツ連邦共和国6708ノイホーフエン・ウ ルメンウエーク39

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式 (R2は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味す
    る)のアクリレート又はメタクリレートを、次式 (A及びBは後記の意味を有する)の複素環化合物と、
    チタンアルコラート又は金属チタン、ジルコニウム、鉄
    もしくは亜鉛の1,3−ジカルボニル化合物とのキレート
    化合物の存在下に反応させることを特徴とする、次式 (R1は水素原子又はメチル基、A及びBは2〜5個の炭
    素原子を有する分岐状又は非分岐状のアルキレン基を意
    味する)で表わされるアクリル又はメタクリル酸エステ
    ルの製法。
JP62052244A 1986-03-11 1987-03-09 アクリル又はメタクリル酸エステルの製法 Expired - Lifetime JPH0749421B2 (ja)

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DE3607995.2 1986-03-11

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