JPH0749338Y2 - 冷蔵庫 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、複数の温度差を持った貯蔵室を有し、多種多
様な食品に応じた適切な温度での保存を行うようにした
冷蔵庫に関する。

従来の技術 以下第５図、第６図及び第７図を参照しながら従来例に
ついて説明する。近年、冷蔵庫は食生活の多様化による
食品保存温度の適切化を図るため多室化の傾向にある。
このような背景に於いて、冷蔵庫本体１は横仕切り壁２
により上下に区画され、その上部には縦仕切り壁３によ
り左右に区画された冷凍室４及び低温室５が互いに隣接
して配置され、下部には第１の冷蔵室６及び第２の冷蔵
室７が上下に隣接して、そしてこの両室の側方に仕切り
板８を介して縦長の第３の冷蔵室９が隣接して夫々配置
されている。冷凍室４内には冷却器10と送風機11が配置
され冷却器10の側方にはダクト12が形成され、第１の冷
蔵室６の奥上部に配置された温度調節装置13に接続して
いる。さらに前記送風機11の後方には通風路（図示せ
ず）が配置され、前記低温室５の奥上部に配置された低
温室用温度調節装置14に接続している。前記温度調節装
置13の前面及び下面には、前記第１の冷蔵室６及び、前
記第２の冷蔵室７用の冷気吐出口15、側面には前記第３
の冷蔵室９用の冷気吐出口16が設けられており、この側
面の冷気吐出口16の相対向する所に前記第３の冷蔵室９
の背面板17が位置し、この背面板17は冷気吐出口18を有
している。以上のような構成において以下その動作を述
べる。冷却器10で生成された冷気の一部は、後方の通風
路を通って低温室用温度調節装置14に入り、ここで低温
室用がチルド（約０℃）又はパーシャル（約−３℃）と
なるように風量を調節して室内へ吐出されている。さら
に生成された冷気の一部は、側方のダクト12を通って温
度調節装置13に入り、ここで第１の冷蔵室６、第２の冷
蔵室７及び第３の冷蔵室９が所定の温度となるように風
量を調節し、前面及び下面の吐出口15から第１の冷蔵室
６と第２の冷蔵室７へ吐出される。また側面の吐出口16
から一部は直接、また一部は背面板17の後方を通って吐
出口18から第３の冷蔵室９への吐出されている。しかし
ながら以上のような構成では、近年の冷凍食品の増加や
ホームフリージングの普及により冷凍室４の収納能力が
不足したり、また低温室５の側面が冷凍室４と隣接して
いるのでこの両室の温度差が冷凍室４…−18℃、低温室
５…−３℃〜０℃と15℃〜18℃と大きくその結果、低温
室５が冷凍室４から熱影響を受け、低温室５が過冷とな
り、食品が冷凍することがあった。

考案が解決しようとする課題 以上のように従来例においては、冷凍室の食品収納量不
足という使い勝手面での課題と、低温室内の食品凍結と
いう品質面での課題を有していた。

本考案は上記従来例の課題を解消するのであり、冷凍室
の食品収納量を向上せしめ、且つ低温室の過冷を防止し
た冷蔵庫を提供するものである。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本考案は、冷蔵庫本体を左右
に２分割し、一方の上部から下部へ第１の冷凍室、第１
の冷蔵室、第２の冷蔵室を配置し、他方の上部から下部
へ第２の冷凍室、低温室、第３の冷蔵室を配置し、前記
第１の冷蔵室に第１の冷蔵室、第２の冷蔵室、第３の冷
蔵室用の温度調節装置を備え、かつ、前記低温室に該低
温室用温度調節装置を備え、前記第１の冷蔵室と低温室
との間の仕切り板に前記各温度調節装置に接続して前記
各冷蔵室及び低温室へ冷気を導びくダクトを並列に配置
したものである。

作用 本考案は上記構成により、冷凍室の食品収納力を向上さ
せると共に、低温室へ他室からの熱影響が減少するため
低温室が過冷とならず、生鮮魚肉類の保存に有効な−３
℃〜０℃の温度を保てることになる。また第１の冷蔵
室、第２の冷蔵室、第３の冷蔵室及び低温室へのダクト
は各室内に突出することがなく、室内が広々と使えるこ
とになる。

実施例 以下本考案の実施例を第１図、第２図、第３図及び第４
図に従い説明する。従来と同一構成部分については同一
符号を付し、その詳細な説明は省略し異なる部分につい
てのみ説明する。

冷蔵庫本体19は複数の貯蔵室を有しており、縦仕切り20
により左右に分割した一方の上部に第１の冷凍室21、中
央部に第１の冷蔵室22が配置され、各々専用に第１の冷
凍室扉23、第１の冷蔵室扉24を有している。下部には第
２の冷蔵室25が配置され引き出し式の第２の冷蔵室扉26
を有している。他の一方の上部には、前記第１の冷凍室
21の横に隣接して第２の冷凍室27、その下部には前記第
１の冷蔵室22の横に隣接して低温室28が配置されてお
り、各々専用に第２の冷凍室扉29及び低温室扉30を有し
ている。さらに低温室28の下部には前記第２の冷蔵室25
の横に隣接して第３の冷蔵室31が配置され、引き出し式
の第３の冷蔵室扉32を有している。前記第１の冷蔵室22
の奥上部には、第１の冷蔵室22、第２の冷蔵室25及び第
３の冷蔵室31の室温を調節装置33、前記低温室28の奥上
部には低温室用温度調節装置33−Ａが各々設置されてい
る。また第１の冷蔵室22と低温室28との間は仕切り板34
により区画され、該仕切り板34には前記第１の冷蔵室2
2、第２の冷蔵室25及び第３の冷蔵室31への冷気吐出口3
5を有した第１ダクト36及び低温室28への冷気吐出口37
を有した第２ダクト38が夫々左右並列に収納され、前記
第１ダクト36は前記温度調節装置33に、前記第２ダクト
38は低温室用温度調節装置33−Ａに各々接続している。

以上のような構成において、冷蔵庫本体19の上部には第
１の冷凍室21と第２の冷凍室27とが並列に存在するので
冷凍室全体の食品収納量が増大している。

また低温室28の設定温度は０℃〜−３℃、同じく第１の
冷蔵室22は４℃であり、低温室28とその側面が隣接する
第１の冷蔵室22との温度差は４℃〜７℃と小さい。即ち
生鮮魚肉類の保存に有効な低温室28が他室から受ける熱
影響は小さくなる。さらに温度調節装置33内で風量を調
節された吐出冷気は仕切り板34内のダクト36を通って冷
気吐出口35より第１の冷蔵室22、第２の冷蔵室25及び第
３の冷蔵室31へと吐出され、同様に低温室用温度調節装
置33−Ａ内で風量を調節された吐出冷気は仕切り板34内
の第２のダクト38を通って冷気吐出口37より低温室28へ
と吐出される。

従って第１の冷蔵室22、第２の冷蔵室25、第３の冷蔵室
31及び低温室33−Ａの各室内にはダクトを構成するもの
が不要となる。

考案の効果 以上のように本考案は、冷蔵庫本体を左右に２分割し、
一方の上部を第１の冷凍室、中央部を第１の冷蔵室、下
部を第２の冷蔵室とし、他の一方の上部を前記第１の冷
凍室と隣接して第２の冷凍室とし、中央部を前記第１の
冷蔵室と隣接して低温室とし、下部を前記第２の冷蔵室
と隣接して第３の冷蔵室とすることにより冷凍室の食品
収納方向上及び低温室への熱影響が減少し、適性温度の
確保ができるものである。また第１の冷蔵室と低温室と
の間の仕切り板に第１の冷蔵室、第２の冷蔵室、第３の
冷蔵室及び低温室への冷気吐出ダクトを左右並列に収納
するので、前記各室内にダクトが突出することなく室内
が広々と使えるようになる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の一実施例を示す冷蔵庫の外観図、第２
図は同冷蔵庫の冷気の流れの概略図、第３図は同冷蔵庫
の要部拡大図、第４図は同冷蔵庫の第２の冷蔵室及び低
温室部の水平断面図、第５図は従来の冷蔵庫の外観図、
第６図は同冷蔵庫の冷気の流れの概略図、第７図は同冷
蔵庫の要部分解図である。 19……冷蔵庫本体、21……第１の冷凍室、22……第１の
冷蔵室、25……第２の冷蔵室、27……第２の冷凍室、28
……低温室、31……第３の冷蔵室、33……温度調節装
置、33−Ａ……低温室用温度調節装置、34……仕切り
板、36……第１ダクト、38……第２ダクト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】冷蔵庫本体を左右に２分割し、一方の上部
   から下部へ第１の冷凍室（21）、第１の冷蔵室（22）、
   第２の冷蔵室（25）を配置し、他方の上部から下部へ第
   ２の冷凍室（27）、低温室（28）、第３の冷蔵室（31）
   を配置し、前記第１の冷蔵室（22）に第１の冷蔵室（2
   2）、第２の冷蔵室（25）、第３の冷蔵室（31）用の温
   度調節装置（33）を備え、かつ、前記低温室（28）に該
   低温室用温度調節装置（33A）を備え、前記第１の冷蔵
   室（31）と低温室（28）との間の仕切り板（34）に前記
   各温度調節装置（33）、（33A）に接続して前記各冷蔵
   室及び低温室へ冷気を導びくダクトを並列に配置したこ
   とを特徴とする冷蔵庫。