JPH0748718A - 溶融異方性ポリアリレ−トパルプ、その製造方法及びポリアリレ−ト紙 - Google Patents

溶融異方性ポリアリレ−トパルプ、その製造方法及びポリアリレ−ト紙

Info

Publication number
JPH0748718A
JPH0748718A JP19473293A JP19473293A JPH0748718A JP H0748718 A JPH0748718 A JP H0748718A JP 19473293 A JP19473293 A JP 19473293A JP 19473293 A JP19473293 A JP 19473293A JP H0748718 A JPH0748718 A JP H0748718A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
polyarylate
pulp
denier
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19473293A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3296895B2 (ja
Inventor
Kenji Nishiomote
憲二 西面
Yukio Oikawa
侑夫 及川
Tomoyasu Sonedaka
友康 曽根高
Mamoru Okamura
守 岡村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP19473293A priority Critical patent/JP3296895B2/ja
Publication of JPH0748718A publication Critical patent/JPH0748718A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3296895B2 publication Critical patent/JP3296895B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0366Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement reinforced, e.g. by fibres, fabrics

Abstract

(57)【要約】 【目的】非吸水性、耐薬品性、耐熱性に優れたポリアリ
レ−ト紙、さらに該ポリアリレ−ト紙を効率よく抄造す
るために必要なパルプ及びその製造方法を提供する。 【構成】パルプを構成する繊維に対して、0.7デニ−ル
以下の繊維を60重量%以上含み、かつ4デニ−ル以上の
繊維を20重量%以上含まない、濾水度がカナデイアンス
タンダ−ドフリ−ネスで450cc以下である溶融異方性ポ
リアリレ−ト繊維からなるパルプ(成分A)を100〜40
%混入し、3デニ−ル以下であり、さらに繊維長が2〜
10mmである溶融異方性ポリアリレ−ト繊維からなる短繊
維(成分B)を0〜50%混入してなるポリアリレ−ト
紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融異方性ポリアリレ
−ト繊維状物よりなるパルプ、その製造方法、及び該パ
ルプと溶融異方性ポリアリレ−ト短繊維からなるポリア
リレ−ト紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐水性、耐薬品性、易加工性の優
れた紙として、ポリオレフィンからなる紙が用いられて
いる。しかしながら、ポリオレフィンからなる紙は、一
般に低融点であり耐熱性は低く、例えば、電気絶縁材料
等には不向きであった。これに対し、アラミド系のパル
プあるいは繊維よりなる紙は、耐熱性に優れていること
から、電気絶縁材料に利用されている。しかしながら、
アラミドからなる紙は、その化学構造からくる吸湿性を
持つため、高い絶縁性を有する用途、及び長期耐久性を
必要とされる建材用途に用いた場合、満足できる性能を
有するものではなかった。以上の問題を解決するため
に、吸湿性も低く、耐熱性及び耐薬品性、耐久性に優れ
た溶融液晶ポリマ−であるポリアリレ−トからなる紙が
提案されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】通常、紙を抄造する場合は、水を介する、
即ち繊維、パルプ等が吸湿することによって容易に行な
われる。従って、電気絶縁材料として優れた性能である
「非吸湿性」は、紙を抄造する場合においては、大きな
障害となる。従って、吸湿性の極めて低い、ポリアリレ
−トからなるパルプおよび繊維を抄造することは極めて
困難である。また、紙を抄造する場合は、パルプや繊維
が、互いに絡み合うことによって、シ−ト状を形成する
が、ポリアリレ−トは剛性が強いために、パルプや繊維
が絡み合いにくく、一層、抄造性を困難なものにしてい
る。
【0004】一般に、細デニ−ルの繊維あるいは繊維状
物を用いることによって、抄造性が向上する場合がある
が、ポリアリレ−ト繊維は、結晶配向化が極めて大きい
ためフィブリル化しやすく、そのため、繊維を叩解する
ことによって得られる繊維状物は細デニ−ル化が進行し
ていると考えられていたため、製造困難である細デニ−
ルポリアリレ−ト繊維を用いて、紙を製造することは考
えられていなかった。ポリアリレ−ト繊維は、破断伸度
が低いため、通常の熱可塑性重合体のように紡糸後、高
い倍率で延伸することが実質的に不可能であるため、単
繊維デニ−ルの小さいもの(特に3デニ−ル以下)を操
業的に安定製造することはできなかった。従って、従来
用いられている5デニ−ル程度のものを叩解して得られ
たパルプをかろうじて抄造した紙が用いられていた。し
かしながら、抄造性を向上させるために、一般に用いら
れている樹脂等の接着バインダ−を用いて抄造した場合
は、ポリアリレ−トが有する吸湿性及び耐熱性等の優れ
た性能が大幅に損なわれるという問題が生じる。本発明
は、上記のような問題を解決した、吸湿性が低く、さら
に耐熱性及び耐薬品性に優れた紙、加えて該紙を製造す
るために必要なパルプ、及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、抄造性の高い
パルプとして、溶融異方性ポリアリレ−ト繊維の叩解物
からなるパルプであって、該叩解物の60重量%以上が0.
7デニ−ル以下であり、かつ4デニ−ル以上の繊維状物
を20重量%以上含まない、濾水度がカナデイアンスタン
ダ−ドフリ−ネスで450cc以下であるパルプを見出だ
し、さらに、3デニ−ル以下であり、繊維長が2〜10mm
である溶融異方性ポリアリレ−ト繊維からなる短繊維を
特定の割合で混入することによって、抄造性をさらに高
めた紙が得られることを見出だしたものである。また、
本願発明者等は、2デニ−ル以下の繊維を60重量%以上
含むあるいは、4デニ−ル以上の繊維を20重量%以上含
まない溶融異方性ポリアリレ−ト繊維を叩解することに
よって、該パルプが得られることを見出だすに至った。
本発明に用いられる溶融異方性ポリアリレ−トは、例え
ば芳香族ジオ−ル、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロ
キシカルボン酸等より得られるポリマ−であり、好適に
は化1及び化2に示す反復構成単位の組み合わせからな
るポリマ−が挙げられる。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】特に、パラヒドロキシ安息香酸と2−ヒド
ロキシ6−ナフトエ酸の構成単位からなる部分が60モル
%以上である溶融異方性ポリアリレ−トが好ましい。ま
た、成分中には適宜、テレフタル酸、ビスフェノ−ル、
及びそのアミン誘導体、あるいは酸化チタン、カオリ
ン、シリカ、硫酸バリウム、カ−ボンブラック、顔料、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含んでいても
良い。本発明にいう溶融異方性とは、溶融相において光
学異方性を示すものである。このような特性は、公知の
方法、例えばホットステ−ジにのせた試料を窒素雰囲気
化で昇温加熱し、その透過光を観察することにより容易
に認定することができる。本発明で用いられるポリアリ
レ−トは、溶融状態で結晶となり剪断下でノズルから吐
出される(溶融紡糸)ことにより、分子鎖が高配向し強
度の高い繊維が得られる。以上の工程で、すでに充分な
強度を有する繊維が得られるが、さらに適宜熱処理を施
すことによって、さらに強度を高めることも可能であ
る。
【0009】また、本願発明でいうパルプを構成する繊
維状物は、ほぐれ、フィブリル化及び/または枝分かれ
しているフィブリル化物なども含んだものをいう。パル
プを構成する繊維状物が4デニ−ル以上のものは、抄造
しようとした場合、繊維状物の直径が大きいことから空
隙率が大きくなり、繊維状物同志の絡み合いが減少し、
抄造性が著しく悪化する。したがって、パルプを構成す
る繊維状物に対して、4デニ−ル以上の繊維状物が20重
量%をこえると、抄造は困難となる。0.7デニ−ル以下
の細い繊維状物は、抄造時に互いの繊維状物が絡み合い
抄造性が良好となり、さらに、抄造され紙のきめも細か
く均一になるため、電気絶縁体としての性能も向上す
る。従って、0.7デニ−ル以下の繊維状物が60重量%以
上含まれていない場合は、抄造性も低く、電気絶縁体と
しての性能も低下する。また、カナデイ アンスタンダ
−ドフリ−ネス(以下CFと略す)は、450cc以下であ
る必要がある。450ccを越える場合は、パルプを構成す
る繊維の絡みが少なく、抄造性に問題が生じる。CF
は、250〜450ccが好ましい。
【0010】以上のようなパルプを用いるだけでも抄造
は可能であるが、成分Aとしてのパルプの他に、成分B
即ち、3デニ−ル以下であり、さらに繊維長が2〜10mm
である溶融異方性ポリアリレ−ト繊維からなる短繊維を
混入することで、さらに抄造性を高めることができる。
抄造工程において、湿紙は絡み以外にある程度の腰があ
る方が、抄造性が向上することから、成分Bである短繊
維を混入する。該短繊維の繊維長が2mm未満の場合は、
繊維あるいはパルプとの絡み合って繋ぎに成ることは不
可能であり、10mmを越えるとパルプと混入した場合に好
分散が得られない。さらに、該短繊維が3デニ−ルを越
えた場合は、空隙率が大きくなり絡み合いが減少して、
抄造性が低下する。また、成分Aの混入率を100〜30
%、かつ成分Bの混入率を0〜70%にする必要があり、
好ましくは、成分Aを80〜60%、かつ成分Bを20〜40%
を混入するのが望ましい。各成分の混入率がこの範囲を
外れた場合は、抄造性が低いものとなる。
【0011】さらに、本発明者らは、成分Aであるパル
プの効果的な製造方法を見出だすに至った。即ち、2デ
ニ−ル以下の繊維を60重量%以上含むパルプ原料、ある
いは4デニ−ル以上の繊維を20重量%以上含まないパル
プ原料を叩解することにより、成分Aのパルプを製造す
るものである。パルプを構成する溶融異方性ポリアリレ
−ト繊維は、細いものが多いほうが抄造性は向上する。
かかる細デニ−ルの繊維を製造するために、通常、パル
パ−リファイナ−等で叩解を行なうわけだが、長時間の
叩解は、繊維の粉末化を促進するのみでなく、必ずしも
太い繊維がなくなるわけではないため、抄造に良好なパ
ルプを得ることは困難である。叩解によって、繊維はフ
ィブリル化あるいは枝分かれを生じるが、繊維本体に対
して、フィブリル化された部分は僅かであり、繊維表面
を極薄く削り取るかたちとなるため、繊維自体がそれほ
ど細くはならず、粉状物が増加することとなる。また、
繊維直径に対して、繊維長は遥かに長く、繊維の端から
端まで割くことはほとんど不可能であるため、5デニ−
ル程度の繊維を叩解したとしても、細デニ−ルの繊維状
物はそれほど増加しない。例えば、4デニ−ル以上の繊
維を叩解してパルプにした場合は、時間をかけて抄造し
たとしても、抄造の障害になる太い繊維を20%以下にす
ることは不可能である。
【0012】また、通常にデイ スクレファイナ−での
叩解時間は、通常木材パルプの20倍必要であり、時間及
び労力、電力の負担は遥かに大きなものであり、一般的
なパルプをただ長時間叩解するのみでは、効率が極めて
悪く、良好なパルプも得られない。従って、本願発明の
ように、特定の繊度を特定の割合で混入することによっ
て、粉末化した繊維及び、抄造の障害になる太い繊維を
含まない、良好なパルプを得ることが可能となる。
【0013】また、得られる紙の密度は、0.4〜1.35g/c
m3↑であることが好ましい。0.4g/cm3↑程度の低い密
度のものは、樹脂含浸性がよくプレプリグ等に使用され
る。0.4g/cm3↑未満の密度の紙は、機械的強度が不足
して、実用面の使用に耐えられない。また、密度の高い
紙は、機械的強度が高いため、応用範囲が広く、絶縁
紙、建材等に用いられる。1.35g/cm3↑を越える密度を
有する紙は、ほぼフィルム化しているため、引裂強度、
加工機能が低下する。また、紙の密度は、用途に合わせ
て、紙を抄造した後、キャレンダ−あるいは熱プレス等
を用いることにより好適な密度に調製する。以上のよう
に、本発明は、耐熱性、非吸水性、耐薬品性等の優れた
性能を有しながら、抄造性が極めて低いため工業的及び
商業的に製造することが不可能であった溶融異方性ポリ
アリレ−ト紙を、ポリアリレ−トが有する優れた性能を
少しも損なうことなく、効率的に抄造することを可能に
するものである。
【0014】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれにより何等限定されるもので
はない。
【実施例】本実施例、比較例に記載されている対数粘
度、融点、裂断長、繊度分布、CFの測定は次ぎのよう
にして行なった。 [対数粘度の測定]試料をペンタフルオロフェノ−ルに
0.1重量%溶解し(60〜80℃)、60℃の恒温槽中で、ウ
ベロ−デ型粘度計で相対粘度(ηrel)を測定し、次式
によって計算した。 ηinh=ln(ηrel)/c ここで、cはポリマ−濃度(g/dl)である。 [融点の測定]DSC(例えばMettler社製TA3000)装
置にサンプルを10〜20mgとり、アルミ製パンへ封入した
後、窒素を50cc/min流し、昇温速度20℃/minで測定した
とき、吸熱ピ−ク温度の頂点を表す温度を融点(Tm)
として測定する。1st-run で明確な吸熱ピ−クを現れな
い場合は、50℃/minの昇温温度で、予想される吸熱ピ−
ク温度より50℃以上高い温度で3分程度加熱し完全に溶
融した後、80℃/minで50℃まで冷却し、しかるのち20℃
/minの昇温速度で測定した値を用いる。
【0015】[裂断長の測定]抄造性の代用特性とし
て、未キャレンダ−製品の裂断長(単位km)を測定し
た。裂断長は引張強度を目付で除したものであり、この
値が大きいものほど破れにくく抄造性の高いものとな
る。0.2km未満では通常の抄紙機での運転性はないと判
断した。 [繊度分布の測定]まず、適量の繊維サンプルをピンセ
ットで取り2枚のスライドグラスで挟み、マイクロスコ
−プを用いて3か所の異なった領域で200倍のそれぞれ
の拡大写真を撮る。該写真を適度な倍率で拡大して、各
繊維群の中の20本の繊度(デニ−ル)を測定し、計算に
より、繊度分布(%)を求める。拡大倍率が大きいた
め、写真に写っている繊維状物はほとんど末端が写って
いるものはなく、またフィブリル化、枝分かれの部分
は、繊維状物本体に比べて極小さいため、繊維状物本体
の繊度を測定した。各写真について以上の操作を行った
平均を繊度分布として記載した。 [CFの測定]パルプの濾水度及びパルプのフィブリル
化を表す数値として、CFを用いた。測定方法は、JISP
-8121-1976に従った。
【0016】実施例1〜2,比較例1〜2 原料繊維の製造は以下のように行った。用いる溶融異方
性ポリアリレ−トとして、パラヒドロキシ安息香酸と2
−ヒドロキシ6−ナフトエ酸が73/27モル%比であり、
溶融粘度が430ポイズ、融点(Tm)が280℃であるもの
を用いた。このポリマ−を140℃の真空乾燥機中10時間
乾燥させた後、単軸ベント押し出し機より押出してサン
ド(ステンレスパウダ−)層と金属繊維からなる平均空
孔径5μmのフィルタ−で濾過した後、ノズル径0.08m
m、50ホ−ルの紡糸口金を用い、紡糸口金外部に独立し
た加熱器を設置し、紡糸口金温度(T1)を320℃、吐
出後ノズル面から30cm離れた場所における繊維の温度
(T2)を繊維外周から空冷することにより50℃となる
ような条件で紡糸した。ここでT1及びT2の温度は赤
外探知方式の非接触型温度計で実測した値である。この
ときの剪断速度γ、吐出線速度はV0↓及び巻取速度V
1↓は γ =3.5×104↑(sec−1↑) V0↓=21 (m/min) V1↓=770 (m/min) DF=V1↓/V0↓=36.7 であり、得られた紡糸原
糸の単繊維は1.5デニ−ル(75d/50f)であった。
【0017】上記により得られた1.5dのポリアリレ−ト
繊維及び、5.drの株式会社クラレ製のベクトランNT 1
500d/300fを各繊維長にカットしたもの、あるいは、ノ
ズルから押し出す際に、高温高圧のガスにより細かい繊
維状に吹き飛ばしサクションしている金網上に捕集して
繊維を得る、いわゆるメルトブロ−ン法により得られた
0.16〜2デニ−ルが74%、4デニ−ル以上が2%以下の
繊度分布を有するポリアリレ−ト繊維群(以下MBと称
す)をパルプ原料として用いた。上記パルプ原料繊維を
各100g、10lの水で解き、通常の紙用デイ スクレフ
ァイナ−を使用し、クリアランス開度を0.1mmとして、1
0回通過させてパルプを製造した。(実施例1、実施例
2、比較例1)次に、該パルプの繊度分布及びカナデイ
アンスタンダ−ドフリ−ネス(CF)の測定を行なっ
た。また、比較例2では、20回通過させてえたパルプを
用い、同様に測定を行なった。結果を第1表として表
す。
【0018】
【表1】 なお、原料繊維のA×Bとの記載は、A;デニ−ル及び
B;繊維長(mm)を意味する。
【0019】実施例3〜6,比較例3〜6 実施例1〜2,比較例2で製造あるいは用いたパルプ及
び各種の繊度及び繊維長を有する短繊維を様々な割合で
混入し、幅30cmの試験抄紙機を用い、1層の丸網及びヤ
ンキ−ドライヤ−を用いて抄造を行った。丸網でのスラ
リ−濃度は1%、またヤンキ−ドライヤ−の表面温度は
120℃であり、抄紙速度は毎分20mmで行った。さらに、
得られた紙の抄造性の代用特性として、未キャレン製品
の裂断長を測定し、0.2km以上のものを抄造性良好と
判定した。結果を第2表に表す。
【0020】
【表2】 なお、短繊維のA×Bとの記載は、A;デニ−ル及び
B;繊維長(mm)を表したものである。
【0021】第2表から明らかなように、パルプを短繊
維を用いず抄紙したものでも、抄造性は良好であったが
(実施例4)、パルプ60%と1.5デニ−ルである繊維長
5mmの短繊維を40%混入して抄紙したもの(実施例3)
は、さらに抄造性の高いものであった。一方、比較例3
は、実施例3と同様のパルプ及び単繊維を用いたもので
あるが、短繊維の混入割合が多いために抄造性は低いも
のとなった。また、比較例4は用いる短繊維の繊維長が
長すぎるため、比較例5は用いる短繊維の繊度が大きす
ぎるために、抄造性の満足できるものは得られなかっ
た。比較例6では、CFは低いものの、4d以上の繊維
状物が多く残っているために抄造性が低いものであっ
た。
【0022】また、第1表から明らかなように、MB及
び1.5デニ−ルであり繊維長が5mmである短繊維を叩
解したものは、0.7デニ−ル以下のものが60%存在し、
4デニ−ル以上の繊維がほとんど存在せず、CFも低い
パルプとなっている。しかし、5デニ−ルの短繊維を用
いて叩解したものは、クリアランスの通過回数を増加さ
せたとしても(比較例2)、粉状物が増えるためにCF
は低い値となっているが、0.7デニ−ル以下のものがそ
れほど増えず、4デニ−ル以上のものが多く残存してい
るため、抄造性の低いパルプしか得られていない。
【0023】次に、ポリアリレ−ト紙と他のポリマ−か
らなる紙の性能の比較を行った。ポリアリレ−ト紙とし
て、実施例3と同様にMBを60%と1.5デニ−ルである
繊維長5mmの短繊維を40%配合して抄紙したものを、19
0℃で2kg/cm2↑のキャレンダ−加工して、高密度化し
たものを用いた。(実施例7) 他のポリマ−からなる紙として、市販のメタ系アラミド
紙(比較例7)、パラ系アラミド紙(比較例8)、ポリ
エチレン紙(比較例9)を用いて、防水率及び加熱減少
率を測定し、ポリアリレ−ト紙との比較を行った。吸水
率及び加熱減少率は、それぞれ湿度65%、20℃の条件下
で24時間放置後、250℃で240時間放置後の、紙の重量変
化を測定することによって調べた。結果を第3表として
示す。
【0024】
【表3】
【0025】第3表から明らかなように、実施例7は、
吸水性及び加熱減少率が極めて低く、電気絶縁紙として
優れた性能を示している。一方、比較例7及び比較例8
は、吸水率及び加熱減少率が大きく、電気絶縁紙やプリ
ント回路基板にように高度な電気絶縁性や長期の耐久性
を求められる用途には問題がある。また、比較例8は、
吸水性は極めて低いために、常温での絶縁性は良好であ
るが、融点が低いために、実用温度が100℃程度である
電気絶縁紙として用いる場合には問題が生じ、また、様
々な樹脂と併用する建材用途に用いるには極めて困難で
ある。
【0026】
【発明の効果】本発明は、これまで、非吸水性、耐熱
性、耐薬品性、水耐久性、耐切創性等の優れた性能を有
しながら、抄造の著しく困難であったポリアリレ−ト紙
の抄造性を向上させることに成功したものである。具体
的には、かかる抄造に用いられるパルプさらにその製造
方法、及び該パルプとポリアリレ−ト短繊維で構成され
たポリアリレ−ト紙を発明したものである。したがっ
て、本発明を用いることによってはじめて、上記の優れ
た性能を有するポリアリレ−ト紙を商業的に製造するこ
とが可能となる。これらの応用範囲としては、電気電子
分野、建材、雑用品があり、より具体的には、プリント
回路基板、電気絶縁紙、ハニカムコア用原紙等を挙げる
ことができるが、無論これらに限定されるものではな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 守 岡山市海岸通1丁目2番1号株式会社クラ レ内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融異方性ポリアリレ−ト繊維の叩解物か
    らなるパルプであって、該叩解物の60重量%以上が0.7
    デニ−ル以下であり、かつ4デニ−ル以上の繊維状物を
    20重量%以上含まない、濾水度がカナデイ アンスタン
    ダ−ドフリ−ネスで450cc以下であるパルプ。
  2. 【請求項2】2デニ−ル以下の繊維を60重量%以上含む
    溶融異方性ポリアリレ−ト繊維を叩解することを特徴と
    する請求項1に記載のパルプの製造方法。
  3. 【請求項3】4デニ−ル以上の繊維を20重量%以上含ま
    ない溶融異方性ポリアリレ−ト繊維を叩解することを特
    徴とする請求項1に記載のパルプの製造方法。
  4. 【請求項4】溶融異方性ポリアリレ−ト繊維の叩解物か
    らなり、該叩解物の60重量%以上が0.7デニ−ル以下で
    あり、かつ4デニ−ル以上の繊維状物を20重量%以上含
    まない、濾水度がカナデイ アンスタンダ−ドフリ−ネ
    スで450cc以下であるパルプ(成分A)を100〜30重量%
    混入し、3デニ−ル以下であり、繊維長が2〜10mmであ
    る溶融異方性ポリアリレ−ト繊維からなる短繊維(成分
    B)を0〜70重量%混入してなるポリアリレ−ト紙。
JP19473293A 1993-08-05 1993-08-05 溶融異方性ポリアリレ−トパルプ、その製造方法及びポリアリレ−ト紙 Expired - Fee Related JP3296895B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19473293A JP3296895B2 (ja) 1993-08-05 1993-08-05 溶融異方性ポリアリレ−トパルプ、その製造方法及びポリアリレ−ト紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19473293A JP3296895B2 (ja) 1993-08-05 1993-08-05 溶融異方性ポリアリレ−トパルプ、その製造方法及びポリアリレ−ト紙

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0748718A true JPH0748718A (ja) 1995-02-21
JP3296895B2 JP3296895B2 (ja) 2002-07-02

Family

ID=16329317

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19473293A Expired - Fee Related JP3296895B2 (ja) 1993-08-05 1993-08-05 溶融異方性ポリアリレ−トパルプ、その製造方法及びポリアリレ−ト紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3296895B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3296895B2 (ja) 2002-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3756908A (en) Synthetic paper structures of aromatic polyamides
US6485828B2 (en) Flat synthetic fiber, method for preparing the same and non-woven fabric prepared using the same
RU2315827C2 (ru) Изделия, содержащие волокна и/или фибриды, волокна и фибриды и способ их получения
CN106133216B (zh) 聚酯粘合剂纤维
EP0040833B1 (en) Papery product
US5954920A (en) Paper comprising aromatic polyester and process for producing the same
JP3296895B2 (ja) 溶融異方性ポリアリレ−トパルプ、その製造方法及びポリアリレ−ト紙
KR100522480B1 (ko) 인쇄배선기판용부직보강재및그의제조방법
JP5254720B2 (ja) フィブリル化溶融液晶ポリマー繊維の製造方法
JP2891071B2 (ja) パラ系芳香族ポリアミド紙の製造方法
JP6715352B2 (ja) ポリエステルバインダー繊維
JPH02216295A (ja) 高強力ポリエステル繊維紙の製造方法
JP3460389B2 (ja) パラ系芳香族ポリアミド紙の製造方法
JP6534885B2 (ja) 延伸ポリエステル主体繊維および該繊維を含む繊維構造体
JP4031435B2 (ja) 抄紙用ポリエステルバインダー繊維
JPH08209583A (ja) 芳香族ポリエステルからなる紙及びその製造方法
JPS6012479B2 (ja) シ−ト状構造物の製造方法
JPH08170295A (ja) 耐熱シ−ト
JP7259360B2 (ja) 液晶ポリエステル繊維からなる不織布
JPH10325065A (ja) 不織布及びその製造方法とプリント配線基板
JPH07331581A (ja) 芳香族ポリエステルパルプ状物およびその製造方法
TW554097B (en) Divisible hollow copolyester fibers, and divided copolyester fibers, woven or knitted fabric, artificial leather and nonwoven fabric comprising same
JP2019081979A (ja) 湿式不織布
JPS5876598A (ja) ポリエステル紙の製造方法
JPH0921089A (ja) 耐熱性紙及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080412

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090412

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees