JP2019081979A - 湿式不織布 - Google Patents
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Abstract
【課題】地合いが良好で、嵩高性や柔軟性を具備する湿式不織布を提供する。【解決手段】熱伸長性ショートカット繊維と熱接着性複合ショートカット繊維を含む湿式不織布であり、前記熱伸長性ショートカット繊維の180℃で20分間処理後の熱伸長率が1〜20%であり、前記湿式不織布を構成する繊維が熱接着して、繊維間に結合点を形成していることを特徴とする湿式不織布である。【選択図】 図1
Description
本発明は、新規な湿式不織布に関し、さらに詳しくは、嵩高かつ柔らかい風合いの湿式不織布に関する。
繊維長が2〜25mmのポリエステル等の合成樹脂からなるショートカット繊維は、円網抄紙機や長網抄紙機等の抄造法(抄紙法)で製造される湿式不織布用途の原料として知られている。
一般的に、抄紙工程(湿式不織布製造工程)の水中分散性や不織布の地合いを考慮して無捲縮のものが多く、かつ抄き上げ後乾燥やカレンダー工程で熱収縮を起こすため、同じ合成繊維からなる乾式不織布に比べ、ペーパーライクで硬い風合い傾向があった。(非特許文献1の34ページc)
また、嵩高性も捲縮を付与した短繊維を用いる乾式不織布に比べると、劣る傾向にある。(非特許文献1の29ページの乾式不織布や乾式パルプ不織布との特徴比較。)
また、嵩高性も捲縮を付与した短繊維を用いる乾式不織布に比べると、劣る傾向にある。(非特許文献1の29ページの乾式不織布や乾式パルプ不織布との特徴比較。)
このような課題を解決するために、サイドバイサイド型複合繊維や偏心芯鞘型複合繊維のショートカット繊維を用いて、熱処理の段階でらせん状またはΩ型の立体捲縮を発現させ、嵩高性、柔軟性を不織布に付与することが提案されている。(特許文献1、2)
しかしながら、このような繊維は、抄紙工程の抄き上げ紙の乾燥(直接加熱体に接触するヤンキー式もしくは多筒式の接触乾燥型)やサーモカレンダー等の加熱工程において、立体捲縮により、不織布としては収縮によるウェブ地合い悪化する問題がある。
不織布の基礎知識 第9版(日本不織布協会 発行、1997年5月1日初版発行、2012年6月1日第9版発行)
本発明は、前記背景のもとになされたものであり、地合いが良好で、嵩高性や柔軟性を具備する湿式不織布を提供する。
熱伸長性ショートカット繊維と熱接着性複合ショートカット繊維を含む湿式不織布であり、前記熱伸長性ショートカット繊維の180℃で20分間処理後の熱伸長率が1〜20%であり、前記湿式不織布を構成する繊維が熱接着して、繊維間に結合点を形成していることを特徴とする湿式不織布である。
本発明により、嵩高性、かつ風合いの柔らかい合成繊維による湿式不織布を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、熱伸長性ショートカット繊維と熱接着性ショートカット繊維を含む不織布に関するものである。
まずは、本発明の湿式不織布を得るための原料繊維となる熱伸長性(自己伸長性と呼ぶこともある)ショートカット繊維について説明する。
本発明の原料繊維となる熱伸長性ショートカット繊維は、合成樹脂からなり、その繊維物性は、180℃で20分間処理後の熱伸長率が1〜20%、好ましくは3〜18%の熱伸長率(乾熱収縮率としては、−20〜−1%、好ましくは−18〜−3%)の物性を有することが必要である。
また、本発明の湿式不織布は、湿式不織布を構成する繊維が熱接着して、繊維間に結合点を形成していることが必要である。
また、前記の熱伸長性ショートカット繊維は、10%伸度時の強度が1.0cN/dtex以下であり、好ましくは0.8cN/dtex以下である。
そして、破断伸度は80〜200%であり、好ましくは100〜180%である。
ここで述べる熱伸長性とは、熱を加えることにより伸びる性質をもつことである。
本発明の湿式不織布は、湿式不織布を構成する繊維を用いて抄紙した後に、熱接着して、繊維間に結合点を形成させて固定して、その後の熱処理によって、繊維自体が熱伸長することで、湿式不織布の厚みが増すこととなる。熱融着と熱伸長を1度の熱処理で同時に行うことも可能である。
前記熱伸長性ショートカット繊維の物性としては、10%伸度時の強度が1.0cN/dtex以下、破断伸度が80〜200%と柔らかい繊維である。
熱伸長した後は、更に柔らかくなるので(低モデュラス、高伸度)、前記特許文献で挙げた繊維より良好で、更には立体捲縮を発現しない分、不織布の地合いもよい。
熱伸長性ショートカット繊維を構成するポリマーとしては、紡糸口金から吐出して繊維が成形される合成樹脂であれば足りるが、より具体的にはポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステル系、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル系、ポリアミド6やポリアミド66等の脂肪族ポリアミド系、ポリパラフェニレンテレフタラミドやポリメタフェニレンイソフタラミドなどの芳香族ポリアミド系、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリアクリロニトリル系やビニロン、ポリフェニレンスルフィド等、使用目的に応じて任意に選択することが可能である。
一般に紡糸速度が3,000m/min以上の高速紡糸繊維(部分配向繊維;POYともよばれる)からなる繊維は熱伸長性を示し、高速紡糸が設備的に可能であるフィラメント紡糸機で得たフィラメントを引き揃えて、水中分散が良好な親水油剤を付与し、オフラインのカッターでショートカット繊維にする方法も可能ではある。
しかし、ショートカット繊維の生産性を考慮すると、短繊維の装置(紡糸速度2000m/min以下)が好ましく、このプロセスでも熱伸長性繊維の製造が可能である。
繊維用原料のポリマーとしては、エチレンテレフタレートが主たる成分であるポリエチレンテレフタレート系ポリエステルが好ましい。なお、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステルについては、目的に応じて、酸成分としてイソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、α、β―(4−カルボキシフェノキシ)エタン、4、4−ジカルボキシフェニル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、またはこれらのエステル類、ジオール成分としてジエチレングリコール、1、3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリアルキレングリコール、等を1成分以上共重合させてもよく、さらにペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメリット酸、トリメシン酸等の3個以上のカルボン酸成分、または水酸基をもつ成分を共重合して分岐をもたせてもよい。
また、上記に例示されるような組成の異なるポリマーの混合物も含まれうる。さらにこれらのポリエステルには、公知の添加剤、例えば、顔料、染料、艶消し剤、防汚剤、抗菌剤、消臭剤、蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤等を含んでもよい。また、ポリエステルの固有粘度としては、0.30〜1.30dl/g、好ましくは、0.40〜1.20dl/gの範囲とすることが望ましい。固有粘度が前記範囲より高くても低くても、安定した生産性、品質が得られない可能性がある。
前記の熱伸長性ショートカット繊維は、従来の短繊維のプロセスとして公知の紡糸工程と延伸・熱処理・カット・梱包工程が分離された2ステップ以上の通常の紡績用や乾式不織布用、詰綿用の捲縮付短繊維(繊維長が30mm以上)の製造工程をベースとするが、熱伸長性ショートカット繊維を製造するポイントとしては、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル(以下PETと称す)を紡糸速度2,000m/min以下、好ましくは1,300m/min以下で引き取り未延伸糸を得る。
その後、横型延伸機に移行し、PETのガラス転移温度(約70℃)未満である65℃以下の温水中で未延伸糸の自然延伸倍率(以下、NDRと称す)の1.03〜1.10倍、好ましくは1.03〜1.08倍の低延伸倍率で、分子配向歪みを残しながら延伸後、90℃以上の温度で弛緩熱処理、あるいはオーバーフィード率10〜50%、好ましくは20〜50%、より好ましくは30〜50%で熱処理することを特徴とする。
弛緩熱処理は、空気中、温水中のいずれでもよいが、温水中が好ましい。
ここでいう弛緩熱処理とは、トウが大きく弛まない程度で、トウにかかるテンションが実質ゼロとなるように熱処理機内を搬送して熱処理することをいう。
オーバーフィードとは、上流側のローラーの速度を下流側のローラーの速度より速く設定することで行う。すなわち、上流側(紡糸側)のローラー対の周速度V1m/分、下流側のローラー対の周速度をV2m/分とすると、V1をV2より大きく設定することである。
本願に記載するオーバーフィード率は、[(V1−V2)/V1]×100(%)と定義する。
その後は、抄紙工程のスラリーに均一に分散するように親水性油剤を付与し、公知のロータリーカッターで2〜20mmのショートカット繊維とし、梱包する。
紡糸速度は、その後延伸工程で熱伸長性を付与、制御するため、高速紡糸による未延伸糸の配向結晶化が進まない範囲で小さく設定する。
その未延伸糸をより低温・低倍率で延伸する理由は、高速紡糸で形成されている結晶の配向とサイズを合わせるためであって、延伸後の弛緩熱処理、またはオーバーフィード条件での熱処理工程での熱収縮を大きくして、結晶の配向低下と結晶化の促進を進めるためである。
1段目の延伸温度が65℃を超え、更にはPETのガラス転移温度である70℃を超えると配向結晶化が進み、2段目の弛緩収縮やオーバーフィードの率が低下し、十分な熱伸長率が得られない。
また、未延伸糸のNDRの1.03〜1.10倍より高くても低くても2段目の弛緩収縮やオーバーフィード率が低下し、十分な熱伸長率が得られない。
なお、NDRが何を示すかは、図1に示す。
1段目の低温低倍率延伸を経た延伸糸は、2段目の弛緩熱処理またはオーバーフィードに入るが、温度は90℃以上であることが必要である。
温度が90℃未満であると、結晶化率、結晶サイズともに不十分で、熱伸長性が小さくなる。好ましくは91℃以上、更に好ましくは95℃以上、最も好ましいのは100℃以上である。
その後、抄紙工程での水中分散性を向上するために親水性油剤を付与するが、ポリエーテル・ポリエステル共重合体を主たる成分とする油剤を付与することが好ましい。
本発明で用いられる抄紙用の親水性油剤としては、ポリエーテル・ポリエステル共重合体が特に好ましい。より具体的には、テレフタル酸および/またはイソフタル酸、低級アルキレングリコール並びにポリアルキレングリコールおよび/またはそのモノエーテルからなるものであることが好ましい。
ここで好ましく用いられる低級アルキレングリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールなどが挙げられる。一方、好ましく用いられるポリアルキレングリコールとしては、平均分子量が600〜6,000のポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体、ポリプロピレングリコールが例示できる。さらにポリアルキレングリコールのモノエーテルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノフェニルエーテル等があげられる。
なお、好ましく用いられるポリエーテル・ポリエステル共重合体は、テレフタレート単位とイソフタレート単位のモル比が95:5〜40:60の範囲内が水中分散性の点から好ましいが、アルカリ金属塩スルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等を少量共重合していてもよい。
このような成分からなるポリアルキレングリコール誘導体の平均分子量は、使用するポリアルキレングリコールの分子量にもよるが、通常1,000〜20,000、好ましくは3,000〜15,000である。
平均分子量が少なすぎると水中分散性の向上効果が十分でなく、一方大きすぎると該重合体の乳化分散が難しくなる。
また、このようなポリアルキレングリコール誘導体は、通常水分散液として繊維表面に付着させるが、このようなポリアルキレングリコール誘導体は、通常、比較的容易に水中へ分散させることができる。なお、得られる水性分散液の安定性をより向上させるため、界面活性剤や有機溶媒を少量添加してもよく、また油剤等の各種処理剤を混合使用しても何ら差しつかえない。
このようなポリアルキレングリコール誘導体を延伸トウに付着させる方法は特に限定されないが、トウにスプレー、ローラータッチ(キスロール)、ディップバスで付与した後、油剤付着量の安定化、かつ付着の均一のために、ローラーニップを行うことが好ましい。
ショートカットに使用されるカッターは、通常の短繊維工程で用いられるロータリーカッターが好ましい。ロータリーカッターは、例えば実用新案登録3103190号公報に記載されているようなものであり、欠点の原因となる繊維長バラツキを低減させる点からも好ましい。
以上のようなプロセスで製造された熱伸長性ショートカット繊維を用いて、嵩高かつ柔軟な湿式不織布について説明する。
湿式不織布の原料となる繊維に熱伸長性ショートカット繊維を用いても、それを交絡や相互接着などの手段で固定しなければ、熱加工により熱伸長しても、所望の嵩高性や柔軟性は得られない。
湿式不織布を構成する熱伸長性ショートカット繊維を含む繊維を固定する方法としては、前記熱伸長性ショートカット繊維と、鞘成分を芯成分および熱伸長性ショートカット繊維の融点より20℃以上低融点である芯鞘型の熱接着性複合ショートカット繊維、その他必要に応じて、他の合成繊維や天然繊維、添加剤や機能剤を入れ、混合した水スラリーを、円網や短網、長網などの抄紙ネットで抄き上げて湿式ウェブとし、ヤンキー式ドライヤーで前記熱接着性複合ショートカット繊維を溶融させる、あるいは、仮接着をさせておき、その後熱風ドライヤー(通気乾燥型等)で更に高温の温度で熱接着性複合ショートカット繊維の本接着と熱伸長性ショートカット繊維の熱伸長をさせる等の方法があるが、特に後者の方が嵩高性・柔軟性を高める面で好ましい。そして、熱接着させることにより不織布形状が維持される。
なお、湿式不織布でよく使用される熱カレンダーローラー(サーモカレンダー)は、不織布嵩、柔軟性ともに低める方向であるので使用しない方が好ましい。
熱風ドライヤーでの熱処理は、テンションのかかっていない弛緩熱処理でもよく、ピンテンターやピンなどで抄造ウェブを固定して定長熱処理としてもよい。その際、1.0倍を超えたドラフトで定長熱処理すると、目的とする嵩高性が落ちる方向であるので好ましくない。
弛緩熱処理とするか定長熱処理とするかは、目的とする不織布の物性や湿式不織布製造工程により選択される。
なお、熱処理温度は、熱伸長性が発現する70℃以上の温度であることが好ましく、抄紙後にヤンキー式ドライヤーなどで仮接着や熱接着性複合ショートカット繊維を接着させた際は、その接着温度以上の温度をかけることが好ましい。
ここで述べる弛緩熱処理とは、ウェブが大きく弛まない程度で、ウェブにかかるテンションが実質ゼロとなるように熱処理機内を搬送して熱処理することをいう。
そして、定長熱処理とは、ウェブが弛まず、かつウェブのテンションがゼロより大きい状態を保つように、ウェブ幅およびウェブ搬送比(熱処理機出口ウェブ速度/入口ウェブ速度)を固定して、熱処理機内にウェブを搬送して熱処理することをいう。
熱接着性複合ショートカット繊維の例としては、芯がポリエチレンテレフタレート、鞘がイソフタル酸やアジピン酸、εカプロラクトン等のテレフタル酸以外の酸成分や、ジエチレングリコールやトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリオキシアルキレンなどのエチレングリコール以外のジオール成分を共重合した非晶性あるいは結晶性の芯成分の融点より軟化点または融点が20℃以上低いポリエチレンテレフタレート系ポリマーやエラストマーとするポリエステル系複合ショートカット繊維や、芯がポリエステルで鞘が芯成分より融点が20℃以上低い高密度ポリエチレンや中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖上線状低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、無水マレイン酸やアクリル酸などの変性ポリオレフィン、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、オレフィン系エラストマーなどのポリオレフィンからなるポリエステル/ポリエチレン系複合ショートカット繊維、芯がアイソタクチックポリプロピレンで鞘成分がアイソタクチックポリプロピレンを除く前述のポリオレフィンからなるポリオレフィン系芯鞘複合ショートカット繊維等、よく知られたものが挙げられ、樹脂成分や物性は目的に応じて選択される。
なお、前記熱伸長性ショートカット繊維と同様に、繊維長が2〜25mmの熱接着性複合ショートカット繊維とすることは均一な抄造ウェブを成形するのに必要であり、均一な地合いを得るために無捲縮であることが好ましい。
本発明の湿式不織布中に、熱伸長性ショートカット繊維は、少なくとも30質量%以上、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは40〜80質量%含まれることが、嵩高性、柔軟性を発現させるために必要である。
前記熱接着性複合ショートカット繊維は、目的に応じて含有量が決定されるが、熱伸長性ショートカット繊維の熱固定を考慮すると、少なくとも10質量%以上、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜60質量%含まれる。
また、本発明の性能を損なわない範囲で、その他の繊維(例えば、非熱伸長性、立体捲縮熱発現性等のショートカット)が含まれてもよい。
本発明では、風合いの柔らかい不織布を提供するものであるが、柔らかさの指標として、不織布にしたときの剛軟度で表すことができるが、数値が低い方が柔らかい。
また、不織布を構成する繊維の熱接着状態は、繊維間の結合点形成を光学顕微鏡を用いて、観察することができる。
不織布断面積中に、1cm2単位で、任意に3箇所観察し、3箇所すべてで熱接着(湿式不織布を構成する繊維間の結合点)がそれぞれ1個以上必要である。好ましくはそれぞれ2個以上、より好ましくはそれぞれ3個以上である。
熱接着状態が3箇所中に1箇所でもみられなかったら、ウェブの熱伸長に伴い不織布の地合い・目付斑が大きくなる。
以下に本発明の構成及び効果を具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明は、これら実施例になんら限定を受けるものではない。なお、実施例中の各値は、以下の方法に従って求めた。
(1)固有粘度([η])
ポリマーを一定量計量し、35℃のo−クロロフェノールに0.012g/mlの濃度に溶解してから、常法に従って求めた。
ポリマーを一定量計量し、35℃のo−クロロフェノールに0.012g/mlの濃度に溶解してから、常法に従って求めた。
(2)融点(Tm)、ガラス転移点(Tg)
TAインスツルメント・ジャパン(株)社製のサーマル・アナリスト2200を使用し、昇温速度20℃/分で測定した。
TAインスツルメント・ジャパン(株)社製のサーマル・アナリスト2200を使用し、昇温速度20℃/分で測定した。
(3)単糸繊度
カッター前のトウから単糸を取り出し、JIS L 1015:2005 8.5.1 A法に記載の方法により測定した。
カッター前のトウから単糸を取り出し、JIS L 1015:2005 8.5.1 A法に記載の方法により測定した。
(4)強度・伸度・10%強度
カッター前のトウから単糸を取り出し、JIS L 1015:2005 8.7.1法に記載の方法により測定した。なお、強度は最大強度、伸度は破断伸度を示す。10%強度は、引張強伸度試験において、伸度が10%のときに対応する強度を示す。
カッター前のトウから単糸を取り出し、JIS L 1015:2005 8.7.1法に記載の方法により測定した。なお、強度は最大強度、伸度は破断伸度を示す。10%強度は、引張強伸度試験において、伸度が10%のときに対応する強度を示す。
(5)熱伸長率(負の乾熱収縮率)
カッター前のトウを1mサンプリングし、1,500〜2,500dtexに小分けして、100gの重りをつるした段階で試長を500mm(=L1)とする。180℃で20分間処理後、再び100gの荷重をかけて糸長間距離(=L2)を測定し、次式で熱伸長率(負の乾熱収縮率)を算出する。
−(L1−L2)/L1×100(単位:%)
カッター前のトウを1mサンプリングし、1,500〜2,500dtexに小分けして、100gの重りをつるした段階で試長を500mm(=L1)とする。180℃で20分間処理後、再び100gの荷重をかけて糸長間距離(=L2)を測定し、次式で熱伸長率(負の乾熱収縮率)を算出する。
−(L1−L2)/L1×100(単位:%)
(6)不織布評価
(6−1)目付
JIS P8124(紙のメートル坪量測定方法)に基づいて測定した。
(6−2)不織布厚み
JIS P8118(紙及び板紙の厚さと密度の試験方法)に準拠して測定した。
(6−3)風合い(柔軟性)
45度カンチレバー法(JIS L1096 6.19.1A法)による剛軟度で判断した。(剛軟度が小さい程、柔らかいということを示す。)
(6−4)熱接着性
光学顕微鏡を用いて、不織布断面中において、1cm2単位で、任意に3箇所を観察する。
3箇所すべてで熱接着状態がそれぞれ1個以上有れば○、3箇所に1箇所でも熱接着状態がみられなかったら×とした。
(6−1)目付
JIS P8124(紙のメートル坪量測定方法)に基づいて測定した。
(6−2)不織布厚み
JIS P8118(紙及び板紙の厚さと密度の試験方法)に準拠して測定した。
(6−3)風合い(柔軟性)
45度カンチレバー法(JIS L1096 6.19.1A法)による剛軟度で判断した。(剛軟度が小さい程、柔らかいということを示す。)
(6−4)熱接着性
光学顕微鏡を用いて、不織布断面中において、1cm2単位で、任意に3箇所を観察する。
3箇所すべてで熱接着状態がそれぞれ1個以上有れば○、3箇所に1箇所でも熱接着状態がみられなかったら×とした。
[熱伸長性ショートカット繊維Aの製造方法]
固有粘度0.64dl/gのポリエチレンテレフタレートチップを170℃で5時間乾燥後、溶融押出機で溶融し、直径0.18mmの丸穴キャピラリーを3,000孔有する公知の紡糸口金から、溶融吐出させた。この際、口金温度は290℃、吐出量は500g/分であった。さらに吐出ポリマーを30℃の冷却風で冷却し、1,230m/分で巻き取り、未延伸糸を得た。このときの、NDRは100%(2.00倍)であった。続いて、65℃の温水中で2.1倍でネック延伸し(NDRの1.05倍)、更に92℃の温水中で43%(延伸倍率換算で0.57倍)のオーバーフィードを行い、その後、ポリエーテル・ポリエステル系親水油剤を付与し、無捲縮の状態でニップローラーを通し、ロータリーカッターで5mmにカットし、ショートカット綿を得た。延伸速度は70m/minに設定した。この時の単糸繊度は1.2デシテックス、強度は2.4cN/dtex、伸度は160%、10%強度は0.7cN/dtex、熱伸長率は15%であった。
固有粘度0.64dl/gのポリエチレンテレフタレートチップを170℃で5時間乾燥後、溶融押出機で溶融し、直径0.18mmの丸穴キャピラリーを3,000孔有する公知の紡糸口金から、溶融吐出させた。この際、口金温度は290℃、吐出量は500g/分であった。さらに吐出ポリマーを30℃の冷却風で冷却し、1,230m/分で巻き取り、未延伸糸を得た。このときの、NDRは100%(2.00倍)であった。続いて、65℃の温水中で2.1倍でネック延伸し(NDRの1.05倍)、更に92℃の温水中で43%(延伸倍率換算で0.57倍)のオーバーフィードを行い、その後、ポリエーテル・ポリエステル系親水油剤を付与し、無捲縮の状態でニップローラーを通し、ロータリーカッターで5mmにカットし、ショートカット綿を得た。延伸速度は70m/minに設定した。この時の単糸繊度は1.2デシテックス、強度は2.4cN/dtex、伸度は160%、10%強度は0.7cN/dtex、熱伸長率は15%であった。
[熱伸長性ショートカット繊維Bの製造方法]
92℃の温水中で12%(延伸倍率換算で0.88倍)のオーバーフィード条件を変更した以外は、前記の熱伸長性ショートカット繊維Aの製造方法と同一の条件で実施した。この時の単糸繊度は1.2dtex、強度は2.8cN/dtex、伸度は115%、10%強度は0.8cN/dtex、熱伸長率は3%であった。
92℃の温水中で12%(延伸倍率換算で0.88倍)のオーバーフィード条件を変更した以外は、前記の熱伸長性ショートカット繊維Aの製造方法と同一の条件で実施した。この時の単糸繊度は1.2dtex、強度は2.8cN/dtex、伸度は115%、10%強度は0.8cN/dtex、熱伸長率は3%であった。
[熱伸長性ショートカット繊維Cの製造方法]
ネック延伸の温水温度を55℃とし、92℃の温水中で50%(延伸倍率換算で0.5倍)のオーバーフィード条件を変更した以外は、前記の熱伸長性ショートカット繊維Aの製造方法と同一の条件で実施した。この時の単糸繊度は1.2dtex、強度は1.7cN/dtex、伸度は210%、10%強度は0.5cN/dtex、熱伸長率は25%であった。
ネック延伸の温水温度を55℃とし、92℃の温水中で50%(延伸倍率換算で0.5倍)のオーバーフィード条件を変更した以外は、前記の熱伸長性ショートカット繊維Aの製造方法と同一の条件で実施した。この時の単糸繊度は1.2dtex、強度は1.7cN/dtex、伸度は210%、10%強度は0.5cN/dtex、熱伸長率は25%であった。
[実施例、比較例に使用する熱接着性複合ショートカット繊維の製造方法]
固有粘度0.64dl/gのポリエチレンテレフタレートチップを170℃で5時間乾燥後、溶融押出機で溶融して芯成分とし、また、固有粘度0.54dl/gのイソフタル酸40モル%共重合ポリエチレンテレフタレートを24時間常温真空乾燥で2軸溶融押出機で溶融して鞘成分とし、直径0.3mmの丸穴キャピラリーを1,032孔有する公知の芯鞘型複合紡糸口金から、溶融吐出させた。この際、口金温度は290℃、吐出量は480g/分であった。さらに吐出ポリマーを30℃の冷却風で冷却し、1,350m/minで巻き取り、未延伸糸を得た。続いて、56℃の温水中で3.0倍延伸し、その後、ポリエーテル・ポリエステル系親水油剤を付与し、無捲縮の状態でニップローラーを通し、ロータリーカッターで5mmにカットし、ショートカット綿を得た。単糸繊度は1.2dtexであった。
固有粘度0.64dl/gのポリエチレンテレフタレートチップを170℃で5時間乾燥後、溶融押出機で溶融して芯成分とし、また、固有粘度0.54dl/gのイソフタル酸40モル%共重合ポリエチレンテレフタレートを24時間常温真空乾燥で2軸溶融押出機で溶融して鞘成分とし、直径0.3mmの丸穴キャピラリーを1,032孔有する公知の芯鞘型複合紡糸口金から、溶融吐出させた。この際、口金温度は290℃、吐出量は480g/分であった。さらに吐出ポリマーを30℃の冷却風で冷却し、1,350m/minで巻き取り、未延伸糸を得た。続いて、56℃の温水中で3.0倍延伸し、その後、ポリエーテル・ポリエステル系親水油剤を付与し、無捲縮の状態でニップローラーを通し、ロータリーカッターで5mmにカットし、ショートカット綿を得た。単糸繊度は1.2dtexであった。
[実施例、比較例に使用する非熱伸長性ショートカット繊維の製造方法]
固有粘度0.64dl/gのポリエチレンテレフタレートチップを170℃で5時間乾燥後、溶融押出機で溶融し、直径0.18mmの丸穴キャピラリーを1,540孔有する公知の紡糸口金から、溶融吐出させた。この際、口金温度は290℃、吐出量は500g/minであった。さらに吐出ポリマーを30℃の冷却風で冷却し、1,230m/minで巻き取り、未延伸糸を得た。このときの、NDRは100%(2.00倍)であった。続いて、72℃の温水中で2.3倍でネック延伸し(NDRの1.15倍)、更に92℃の温水中で1.1倍の2段目延伸を行い、その後、ポリエーテル・ポリエステル系親水油剤を付与し、無捲縮の状態でニップローラーを通し、連続熱風循環式オーブンで120℃で25分弛緩熱処理した後、ロータリーカッターで5mmにカットし、ショートカット綿を得た。延伸速度は70m/minに設定した。この時の単糸繊度は1.2dtex、強度は4.5cN/dtex、伸度は50%、10%強度は1.7cN/dtex、熱伸長率は−6.0%(乾熱収縮率は6.0%)であった。
固有粘度0.64dl/gのポリエチレンテレフタレートチップを170℃で5時間乾燥後、溶融押出機で溶融し、直径0.18mmの丸穴キャピラリーを1,540孔有する公知の紡糸口金から、溶融吐出させた。この際、口金温度は290℃、吐出量は500g/minであった。さらに吐出ポリマーを30℃の冷却風で冷却し、1,230m/minで巻き取り、未延伸糸を得た。このときの、NDRは100%(2.00倍)であった。続いて、72℃の温水中で2.3倍でネック延伸し(NDRの1.15倍)、更に92℃の温水中で1.1倍の2段目延伸を行い、その後、ポリエーテル・ポリエステル系親水油剤を付与し、無捲縮の状態でニップローラーを通し、連続熱風循環式オーブンで120℃で25分弛緩熱処理した後、ロータリーカッターで5mmにカットし、ショートカット綿を得た。延伸速度は70m/minに設定した。この時の単糸繊度は1.2dtex、強度は4.5cN/dtex、伸度は50%、10%強度は1.7cN/dtex、熱伸長率は−6.0%(乾熱収縮率は6.0%)であった。
[比較例に使用する未延伸バインダー繊維の製造方法]
固有粘度0.64dl/gのポリエチレンテレフタレートチップを170℃で5時間乾燥後、溶融押出機で溶融し、直径0.18mmの丸穴キャピラリーを3,000孔有する公知の紡糸口金から、溶融吐出させた。この際、口金温度は290℃、吐出量は500g/minであった。さらに吐出ポリマーを30℃の冷却風で冷却し、1,230m/minで巻き取り、未延伸糸を得た。このときの、NDRは100%(2.00倍)であった。続いて、ポリエーテル・ポリエステル系親水油剤を付与し、無捲縮の状態でニップローラーを通し、ロータリーカッターで5mmにカットし、ショートカット綿を得た。この時の単糸繊度は1.2dtexであった。
固有粘度0.64dl/gのポリエチレンテレフタレートチップを170℃で5時間乾燥後、溶融押出機で溶融し、直径0.18mmの丸穴キャピラリーを3,000孔有する公知の紡糸口金から、溶融吐出させた。この際、口金温度は290℃、吐出量は500g/minであった。さらに吐出ポリマーを30℃の冷却風で冷却し、1,230m/minで巻き取り、未延伸糸を得た。このときの、NDRは100%(2.00倍)であった。続いて、ポリエーテル・ポリエステル系親水油剤を付与し、無捲縮の状態でニップローラーを通し、ロータリーカッターで5mmにカットし、ショートカット綿を得た。この時の単糸繊度は1.2dtexであった。
[比較例に使用する立体捲縮熱発現性ショートカット繊維の製造方法]
固有粘度0.64dl/gのポリエチレンテレフタレート及び固有粘度0.47dl/gのポリエチレンテレフタレートの2種のチップを、共に170℃で5時間乾燥後、通常の複合溶融紡糸装置を使用して溶融し、2種の成分が偏心芯鞘に複合(質量比50:50)するようにして(孔直径0.30mm、口金孔数1,032)、口金温度290℃、総吐出量 440g/分でストランド状に吐出させた。
固有粘度0.64dl/gのポリエチレンテレフタレート及び固有粘度0.47dl/gのポリエチレンテレフタレートの2種のチップを、共に170℃で5時間乾燥後、通常の複合溶融紡糸装置を使用して溶融し、2種の成分が偏心芯鞘に複合(質量比50:50)するようにして(孔直径0.30mm、口金孔数1,032)、口金温度290℃、総吐出量 440g/分でストランド状に吐出させた。
さらに吐出ポリマーを30℃の冷却風で冷却し、1,350m/minで巻き取り、未延伸糸を得た。このときの、NDRは110%(2.10倍)であった。
続いて、72℃の温水中で2.5倍でネック延伸し(NDRの1.19倍)、更に92℃の温水中で1.0倍の2段目延伸を行い、その後、140℃の熱ローラーで1.0倍で熱処理後、ポリエーテル・ポリエステル系親水油剤を付与し、無捲縮の状態でニップローラーを通し、ロータリーカッターで5mmにカットし、ショートカット綿を得た。延伸速度は70m/minに設定した。この時の単糸繊度は1.2dtex、強度は2.8cN/dtex、伸度は70%、10%強度は0.8cN/dtex、熱伸長率は−18.2%(乾熱収縮率は18.2%)であった。
[実施例1]
前記の熱伸長性ショートカット繊維A(熱伸長率15%)75質量%と熱接着性複合ショートカット繊維25質量%を水と混合撹拌して約1質量%の水スラリーとし、熊谷理機工業株式会社製の角型シートマシンを使って、大きさが約25cm×約25cmで、目付が約50g/m2の手抄きウェブを作成する。これをヤンキー式ドライヤーにより110℃で60秒乾燥・熱処理を行って抄き上げ紙を得、その後、150℃の熱風オーブン中で5分の定長熱処理(ピンで1.0倍に固定)を行って、評価用湿式不織布サンプルを得た。不織布厚みは0.40mm、剛軟度は1.0cmであり、嵩高で柔らかいものであった。
前記の熱伸長性ショートカット繊維A(熱伸長率15%)75質量%と熱接着性複合ショートカット繊維25質量%を水と混合撹拌して約1質量%の水スラリーとし、熊谷理機工業株式会社製の角型シートマシンを使って、大きさが約25cm×約25cmで、目付が約50g/m2の手抄きウェブを作成する。これをヤンキー式ドライヤーにより110℃で60秒乾燥・熱処理を行って抄き上げ紙を得、その後、150℃の熱風オーブン中で5分の定長熱処理(ピンで1.0倍に固定)を行って、評価用湿式不織布サンプルを得た。不織布厚みは0.40mm、剛軟度は1.0cmであり、嵩高で柔らかいものであった。
[比較例1]
前述の非熱伸長性ショートカット繊維60質量%と未延伸ショートカット繊維40質量%を水と混合撹拌して約1質量%の水スラリーとし、熊谷理機工業株式会社製の角型シートマシンを使って、大きさが約25cm×約25cmで、目付が約50g/m2の手抄きウェブを作成する。これをヤンキー式ドライヤーにより110℃で60秒乾燥・熱処理を行って抄き上げ紙を得、その後、210℃の熱カレンダーローラーで線圧4.9N/m、2m/min中で熱接着させ、評価用湿式不織布サンプルを得た。不織布厚みは0.06mm、剛軟度は4.8cmであり、ペーパーライクで風合いも硬いものであった。
前述の非熱伸長性ショートカット繊維60質量%と未延伸ショートカット繊維40質量%を水と混合撹拌して約1質量%の水スラリーとし、熊谷理機工業株式会社製の角型シートマシンを使って、大きさが約25cm×約25cmで、目付が約50g/m2の手抄きウェブを作成する。これをヤンキー式ドライヤーにより110℃で60秒乾燥・熱処理を行って抄き上げ紙を得、その後、210℃の熱カレンダーローラーで線圧4.9N/m、2m/min中で熱接着させ、評価用湿式不織布サンプルを得た。不織布厚みは0.06mm、剛軟度は4.8cmであり、ペーパーライクで風合いも硬いものであった。
[比較例2]
実施例1の熱伸長性ショートカット繊維を非熱伸長性ショートカット繊維に置き換えた他は実施例1と同様に実施した。不織布厚みは0.20mm、剛軟度は6.5cmであり、ペーパーライクで風合いも硬いものであった。
実施例1の熱伸長性ショートカット繊維を非熱伸長性ショートカット繊維に置き換えた他は実施例1と同様に実施した。不織布厚みは0.20mm、剛軟度は6.5cmであり、ペーパーライクで風合いも硬いものであった。
[実施例2]
熱風オーブン温度を70℃とした他は実施例1と同様に実施した。不織布厚みは0.34mm、剛軟度は1.0cmであり、嵩高で柔らかいものであった。
熱風オーブン温度を70℃とした他は実施例1と同様に実施した。不織布厚みは0.34mm、剛軟度は1.0cmであり、嵩高で柔らかいものであった。
[実施例3]
定長熱処理のピン位置を辺の長さをそれぞれ0.90倍とした他は実施例1と同様に実施した。不織布厚みは0.45mm、剛軟度は0.9cmであり、嵩高で柔らかいものであった。
定長熱処理のピン位置を辺の長さをそれぞれ0.90倍とした他は実施例1と同様に実施した。不織布厚みは0.45mm、剛軟度は0.9cmであり、嵩高で柔らかいものであった。
[実施例4]
熱伸長性ショートカット繊維30質量%と熱接着性複合ショートカット繊維70質量%を水と混合撹拌して約1質量%の水スラリーとした他は実施例3と同様に実施した。不織布厚みは0.25mm、剛軟度は2.5cmであり、嵩高で柔らかいものとなった。
熱伸長性ショートカット繊維30質量%と熱接着性複合ショートカット繊維70質量%を水と混合撹拌して約1質量%の水スラリーとした他は実施例3と同様に実施した。不織布厚みは0.25mm、剛軟度は2.5cmであり、嵩高で柔らかいものとなった。
[実施例5]
定長熱処理を弛緩熱処理(金網→孔穿きテフロン板使用)に変更した他は実施例4と同様に実施した。不織布厚みは0.35mm、剛軟度は1.5cmであり、嵩高で柔らかいものとなった。
定長熱処理を弛緩熱処理(金網→孔穿きテフロン板使用)に変更した他は実施例4と同様に実施した。不織布厚みは0.35mm、剛軟度は1.5cmであり、嵩高で柔らかいものとなった。
[実施例6]
実施例1の熱伸長性ショートカット繊維A50質量%と熱接着性複合ショートカット繊維50質量%を変更した以外は、実施例1と同様の条件で実施した。
不織布厚みは0.35mm、剛軟度は1.5cmであり、嵩高で柔らかいものであった。
実施例1の熱伸長性ショートカット繊維A50質量%と熱接着性複合ショートカット繊維50質量%を変更した以外は、実施例1と同様の条件で実施した。
不織布厚みは0.35mm、剛軟度は1.5cmであり、嵩高で柔らかいものであった。
[比較例3]
熱伸長性ショートカット繊維Aを100質量%と熱接着性複合ショートカット繊維0質量%を変更した以外は、実施例1と同様の条件で実施したが、繊維を接着結合させる樹脂がないため、不織布にならなかった。
熱伸長性ショートカット繊維Aを100質量%と熱接着性複合ショートカット繊維0質量%を変更した以外は、実施例1と同様の条件で実施したが、繊維を接着結合させる樹脂がないため、不織布にならなかった。
[比較例4]
熱伸長性ショートカット繊維Aを0質量%と熱接着性複合ショートカット繊維100質量%を変更した以外は、実施例1と同様の条件で実施したが、熱接着性繊維の熱収縮が大きく塊状となり、不織布にならなかった。
熱伸長性ショートカット繊維Aを0質量%と熱接着性複合ショートカット繊維100質量%を変更した以外は、実施例1と同様の条件で実施したが、熱接着性繊維の熱収縮が大きく塊状となり、不織布にならなかった。
[比較例5]
熱伸長性ショートカット繊維Aを20質量%と熱接着性複合ショートカット繊維80質量%を変更した以外は、実施例1と同様の条件で実施したが、熱接着性繊維の熱収縮が大きく、硬く、かつ表面が不均一な不織布となった。
熱伸長性ショートカット繊維Aを20質量%と熱接着性複合ショートカット繊維80質量%を変更した以外は、実施例1と同様の条件で実施したが、熱接着性繊維の熱収縮が大きく、硬く、かつ表面が不均一な不織布となった。
[実施例7]
熱伸長性ショートカット繊維B(熱伸長率が3%)を75質量%と熱接着性複合ショートカット繊維を25質量%を変更した以外は、実施例1と同様の条件で実施した。
不織布厚みは0.25mm、剛軟度は2.5cmであり、嵩高で柔らかいものであった。
熱伸長性ショートカット繊維B(熱伸長率が3%)を75質量%と熱接着性複合ショートカット繊維を25質量%を変更した以外は、実施例1と同様の条件で実施した。
不織布厚みは0.25mm、剛軟度は2.5cmであり、嵩高で柔らかいものであった。
[比較例6]
前述の熱伸長性ショートカット繊維C(熱伸長率25%)Aを75質量%と熱接着性複合ショートカット繊維25質量%を変更した以外は、実施例1と同様の条件で実施した。
不織布厚みは0.45mm、剛軟度は1.3cmであり、表面凹凸が目立ち、不織布品位としてはよくなかった。
前述の熱伸長性ショートカット繊維C(熱伸長率25%)Aを75質量%と熱接着性複合ショートカット繊維25質量%を変更した以外は、実施例1と同様の条件で実施した。
不織布厚みは0.45mm、剛軟度は1.3cmであり、表面凹凸が目立ち、不織布品位としてはよくなかった。
[比較例7]
立体捲縮熱発現性ショートカット繊維(特許文献1、2の性質を示すショートカット繊維に相当)を75質量%と熱接着性複合ショートカット繊維25質量%に変更した以外は、実施例1と同様の条件で実施した。
不織布厚みは0.49mm、剛軟度は1.6cmであり、表面に穴あきや凹凸が目立ち、不織布品位としてはよくなかった。
立体捲縮熱発現性ショートカット繊維(特許文献1、2の性質を示すショートカット繊維に相当)を75質量%と熱接着性複合ショートカット繊維25質量%に変更した以外は、実施例1と同様の条件で実施した。
不織布厚みは0.49mm、剛軟度は1.6cmであり、表面に穴あきや凹凸が目立ち、不織布品位としてはよくなかった。
Claims (5)
- 熱伸長性ショートカット繊維と熱接着性複合ショートカット繊維を含む湿式不織布であり、前記熱伸長性ショートカット繊維の180℃で20分間処理後の熱伸長率が1〜20%であり、前記湿式不織布を構成する繊維が熱接着して、繊維間に結合点を形成していることを特徴とする湿式不織布。
- 前記熱伸長性ショートカット繊維が少なくとも30%以上含まれる、請求項1に記載の湿式不織布。
- 前記熱接着性複合ショートカット繊維が少なくとも10%以上含まれる、請求項1に記載の湿式不織布。
- 前記熱伸長性ショートカット繊維が30〜90%、前記熱接着性ショートカット繊維が10〜70%含まれる、請求項1に記載の湿式不織布。
- 熱伸長性ショートカット繊維の10%伸度時の強度が1cN/dtex以下、破断伸度が80〜200%である、請求項1〜4に記載の湿式不織布。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017210417A JP2019081979A (ja) | 2017-10-31 | 2017-10-31 | 湿式不織布 |
Applications Claiming Priority (1)
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- 2017-10-31 JP JP2017210417A patent/JP2019081979A/ja active Pending
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