JP3296895B2 - 溶融異方性ポリアリレ−トパルプ、その製造方法及びポリアリレ−ト紙 - Google Patents

溶融異方性ポリアリレ−トパルプ、その製造方法及びポリアリレ−ト紙

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  • Paper (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融異方性ポリアリレ
−ト繊維状物よりなるパルプ、その製造方法、及び該パ
ルプと溶融異方性ポリアリレ−ト短繊維からなるポリア
リレ−ト紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐水性、耐薬品性、易加工性の優
れた紙として、ポリオレフィンからなる紙が用いられて
いる。しかしながら、ポリオレフィンからなる紙は、一
般に低融点であり耐熱性は低く、例えば、電気絶縁材料
等には不向きであった。これに対し、アラミド系のパル
プあるいは繊維よりなる紙は、耐熱性に優れていること
から、電気絶縁材料に利用されている。しかしながら、
アラミドからなる紙は、その化学構造からくる吸湿性を
持つため、高い絶縁性を有する用途、及び長期耐久性を
必要とされる建材用途に用いた場合、満足できる性能を
有するものではなかった。以上の問題を解決するため
に、吸湿性も低く、耐熱性及び耐薬品性、耐久性に優れ
た溶融液晶ポリマ−であるポリアリレ−トからなる紙が
提案されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】通常、紙を抄造する場合は、水を介する、
即ち繊維、パルプ等が吸湿することによって容易に行な
われる。従って、電気絶縁材料として優れた性能である
「非吸湿性」は、紙を抄造する場合においては、大きな
障害となる。従って、吸湿性の極めて低い、ポリアリレ
−トからなるパルプおよび繊維を抄造することは極めて
困難である。また、紙を抄造する場合は、パルプや繊維
が、互いに絡み合うことによって、シ−ト状を形成する
が、ポリアリレ−トは剛性が強いために、パルプや繊維
が絡み合いにくく、一層、抄造性を困難なものにしてい
る。
【0004】一般に、細デニ−ルの繊維あるいは繊維状
物を用いることによって、抄造性が向上する場合がある
が、ポリアリレ−ト繊維は、結晶配向化が極めて大きい
ためフィブリル化しやすく、そのため、繊維を叩解する
ことによって得られる繊維状物は細デニ−ル化が進行し
ていると考えられていたため、製造困難である細デニ−
ルポリアリレ−ト繊維を用いて、紙を製造することは考
えられていなかった。ポリアリレ−ト繊維は、破断伸度
が低いため、通常の熱可塑性重合体のように紡糸後、高
い倍率で延伸することが実質的に不可能であるため、単
繊維デニ−ルの小さいもの(特に3デニ−ル以下)を操
業的に安定製造することはできなかった。従って、従来
用いられている5デニ−ル程度のものを叩解して得られ
たパルプをかろうじて抄造した紙が用いられていた。し
かしながら、抄造性を向上させるために、一般に用いら
れている樹脂等の接着バインダ−を用いて抄造した場合
は、ポリアリレ−トが有する吸湿性及び耐熱性等の優れ
た性能が大幅に損なわれるという問題が生じる。本発明
は、上記のような問題を解決した、吸湿性が低く、さら
に耐熱性及び耐薬品性に優れた紙、加えて該紙を製造す
るために必要なパルプ、及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、抄造性の高い
パルプとして、溶融異方性ポリアリレ−ト繊維の叩解物
からなるパルプであって、該叩解物の60重量%以上が0.
7デニ−ル以下であり、かつ4デニ−ル以上の繊維状物
を20重量%以上含まない、濾水度がカナデイアンスタン
ダ−ドフリ−ネスで450cc以下であるパルプを見出だ
し、さらに、3デニ−ル以下であり、繊維長が2〜10mm
である溶融異方性ポリアリレ−ト繊維からなる短繊維を
特定の割合で混入することによって、抄造性をさらに高
めた紙が得られることを見出だしたものである。また、
本願発明者等は、2デニ−ル以下の繊維を60重量%以上
含むあるいは、4デニ−ル以上の繊維を20重量%以上含
まない溶融異方性ポリアリレ−ト繊維を叩解することに
よって、該パルプが得られることを見出だすに至った。
本発明に用いられる溶融異方性ポリアリレ−トは、例え
ば芳香族ジオ−ル、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロ
キシカルボン酸等より得られるポリマ−であり、好適に
は化1及び化2に示す反復構成単位の組み合わせからな
るポリマ−が挙げられる。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】特に、パラヒドロキシ安息香酸と2−ヒド
ロキシ6−ナフトエ酸の構成単位からなる部分が60モル
%以上である溶融異方性ポリアリレ−トが好ましい。ま
た、成分中には適宜、テレフタル酸、ビスフェノ−ル、
及びそのアミン誘導体、あるいは酸化チタン、カオリ
ン、シリカ、硫酸バリウム、カ−ボンブラック、顔料、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含んでいても
良い。本発明にいう溶融異方性とは、溶融相において光
学異方性を示すものである。このような特性は、公知の
方法、例えばホットステ−ジにのせた試料を窒素雰囲気
化で昇温加熱し、その透過光を観察することにより容易
に認定することができる。本発明で用いられるポリアリ
レ−トは、溶融状態で結晶となり剪断下でノズルから吐
出される(溶融紡糸)ことにより、分子鎖が高配向し強
度の高い繊維が得られる。以上の工程で、すでに充分な
強度を有する繊維が得られるが、さらに適宜熱処理を施
すことによって、さらに強度を高めることも可能であ
る。
【0009】また、本願発明でいうパルプを構成する繊
維状物は、ほぐれ、フィブリル化及び/または枝分かれ
しているフィブリル化物なども含んだものをいう。パル
プを構成する繊維状物が4デニ−ル以上のものは、抄造
しようとした場合、繊維状物の直径が大きいことから空
隙率が大きくなり、繊維状物同志の絡み合いが減少し、
抄造性が著しく悪化する。したがって、パルプを構成す
る繊維状物に対して、4デニ−ル以上の繊維状物が20重
量%をこえると、抄造は困難となる。0.7デニ−ル以下
の細い繊維状物は、抄造時に互いの繊維状物が絡み合い
抄造性が良好となり、さらに、抄造され紙のきめも細か
く均一になるため、電気絶縁体としての性能も向上す
る。従って、0.7デニ−ル以下の繊維状物が60重量%以
上含まれていない場合は、抄造性も低く、電気絶縁体と
しての性能も低下する。また、カナデイ アンスタンダ
−ドフリ−ネス(以下CFと略す)は、450cc以下であ
る必要がある。450ccを越える場合は、パルプを構成す
る繊維の絡みが少なく、抄造性に問題が生じる。CF
は、250〜450ccが好ましい。
【0010】以上のようなパルプを用いるだけでも抄造
は可能であるが、成分Aとしてのパルプの他に、成分B
即ち、3デニ−ル以下であり、さらに繊維長が2〜10mm
である溶融異方性ポリアリレ−ト繊維からなる短繊維を
混入することで、さらに抄造性を高めることができる。
抄造工程において、湿紙は絡み以外にある程度の腰があ
る方が、抄造性が向上することから、成分Bである短繊
維を混入する。該短繊維の繊維長が2mm未満の場合は、
繊維あるいはパルプとの絡み合って繋ぎに成ることは不
可能であり、10mmを越えるとパルプと混入した場合に好
分散が得られない。さらに、該短繊維が3デニ−ルを越
えた場合は、空隙率が大きくなり絡み合いが減少して、
抄造性が低下する。また、成分Aの混入率を80〜60%、
かつ成分Bの混入率を20〜40%にする。各成分の混入率
がこの範囲を外れた場合は、抄造性が低いものとなる。
【0011】さらに、本発明者らは、成分Aであるパル
プの効果的な製造方法を見出だすに至った。即ち、2デ
ニ−ル以下の繊維を60重量%以上含むパルプ原料、ある
いは4デニ−ル以上の繊維を20重量%以上含まないパル
プ原料を叩解することにより、成分Aのパルプを製造す
るものである。パルプを構成する溶融異方性ポリアリレ
−ト繊維は、細いものが多いほうが抄造性は向上する。
かかる細デニ−ルの繊維を製造するために、通常、パル
パ−リファイナ−等で叩解を行なうわけだが、長時間の
叩解は、繊維の粉末化を促進するのみでなく、必ずしも
太い繊維がなくなるわけではないため、抄造に良好なパ
ルプを得ることは困難である。叩解によって、繊維はフ
ィブリル化あるいは枝分かれを生じるが、繊維本体に対
して、フィブリル化された部分は僅かであり、繊維表面
を極薄く削り取るかたちとなるため、繊維自体がそれほ
ど細くはならず、粉状物が増加することとなる。また、
繊維直径に対して、繊維長は遥かに長く、繊維の端から
端まで割くことはほとんど不可能であるため、5デニ−
ル程度の繊維を叩解したとしても、細デニ−ルの繊維状
物はそれほど増加しない。例えば、4デニ−ル以上の繊
維を叩解してパルプにした場合は、時間をかけて抄造し
たとしても、抄造の障害になる太い繊維を20%以下にす
ることは不可能である。
【0012】また、通常にデイ スクレファイナ−での
叩解時間は、通常木材パルプの20倍必要であり、時間及
び労力、電力の負担は遥かに大きなものであり、一般的
なパルプをただ長時間叩解するのみでは、効率が極めて
悪く、良好なパルプも得られない。従って、本願発明の
ように、特定の繊度を特定の割合で混入することによっ
て、粉末化した繊維及び、抄造の障害になる太い繊維を
含まない、良好なパルプを得ることが可能となる。
【0013】また、得られる紙の密度は、0.4〜1.35g/c
m3↑であることが好ましい。0.4g/cm3↑程度の低い密
度のものは、樹脂含浸性がよくプレプリグ等に使用され
る。0.4g/cm3↑未満の密度の紙は、機械的強度が不足
して、実用面の使用に耐えられない。また、密度の高い
紙は、機械的強度が高いため、応用範囲が広く、絶縁
紙、建材等に用いられる。1.35g/cm3↑を越える密度を
有する紙は、ほぼフィルム化しているため、引裂強度、
加工機能が低下する。また、紙の密度は、用途に合わせ
て、紙を抄造した後、キャレンダ−あるいは熱プレス等
を用いることにより好適な密度に調製する。以上のよう
に、本発明は、耐熱性、非吸水性、耐薬品性等の優れた
性能を有しながら、抄造性が極めて低いため工業的及び
商業的に製造することが不可能であった溶融異方性ポリ
アリレ−ト紙を、ポリアリレ−トが有する優れた性能を
少しも損なうことなく、効率的に抄造することを可能に
するものである。
【0014】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれにより何等限定されるもので
はない。
【実施例】本実施例、比較例に記載されている対数粘
度、融点、裂断長、繊度分布、CFの測定は次ぎのよう
にして行なった。 [対数粘度の測定]試料をペンタフルオロフェノ−ルに
0.1重量%溶解し(60〜80℃)、60℃の恒温槽中で、ウ
ベロ−デ型粘度計で相対粘度(ηrel)を測定し、次式
によって計算した。 ηinh=ln(ηrel)/c ここで、cはポリマ−濃度(g/dl)である。 [融点の測定]DSC(例えばMettler社製TA3000)装
置にサンプルを10〜20mgとり、アルミ製パンへ封入した
後、窒素を50cc/min流し、昇温速度20℃/minで測定した
とき、吸熱ピ−ク温度の頂点を表す温度を融点(Tm)
として測定する。1st-run で明確な吸熱ピ−クを現れな
い場合は、50℃/minの昇温温度で、予想される吸熱ピ−
ク温度より50℃以上高い温度で3分程度加熱し完全に溶
融した後、80℃/minで50℃まで冷却し、しかるのち20℃
/minの昇温速度で測定した値を用いる。
【0015】[裂断長の測定]抄造性の代用特性とし
て、未キャレンダ−製品の裂断長(単位km)を測定し
た。裂断長は引張強度を目付で除したものであり、この
値が大きいものほど破れにくく抄造性の高いものとな
る。0.2km未満では通常の抄紙機での運転性はないと判
断した。 [繊度分布の測定]まず、適量の繊維サンプルをピンセ
ットで取り2枚のスライドグラスで挟み、マイクロスコ
−プを用いて3か所の異なった領域で200倍のそれぞれ
の拡大写真を撮る。該写真を適度な倍率で拡大して、各
繊維群の中の20本の繊度(デニ−ル)を測定し、計算に
より、繊度分布(%)を求める。拡大倍率が大きいた
め、写真に写っている繊維状物はほとんど末端が写って
いるものはなく、またフィブリル化、枝分かれの部分
は、繊維状物本体に比べて極小さいため、繊維状物本体
の繊度を測定した。各写真について以上の操作を行った
平均を繊度分布として記載した。 [CFの測定]パルプの濾水度及びパルプのフィブリル
化を表す数値として、CFを用いた。測定方法は、JISP
-8121-1976に従った。
【0016】原料繊維の製造は以下のように行った。用
いる溶融異方性ポリアリレ−トとして、パラヒドロキシ
安息香酸と2−ヒドロキシ6−ナフトエ酸が73/27モル
%比であり、溶融粘度が430ポイズ、融点(Tm)が280
℃であるものを用いた。このポリマ−を140℃の真空乾
燥機中10時間乾燥させた後、単軸ベント押し出し機より
押出してサンド(ステンレスパウダ−)層と金属繊維か
らなる平均空孔径5μmのフィルタ−で濾過した後、ノ
ズル径0.08mm、50ホ−ルの紡糸口金を用い、紡糸口金外
部に独立した加熱器を設置し、紡糸口金温度(T1)を
320℃、吐出後ノズル面から30cm離れた場所における繊
維の温度(T2)を繊維外周から空冷することにより50
℃となるような条件で紡糸した。ここでT1及びT2の
温度は赤外探知方式の非接触型温度計で実測した値であ
る。このときの剪断速度γ、吐出線速度はV0↓及び巻
取速度V1↓は γ =3.5×104↑(sec−1↑) V0↓=21 (m/min) V1↓=770 (m/min) DF=V1↓/V0↓=36.7 であり、得られた紡糸原
糸の単繊維は1.5デニ−ル(75d/50f)であった。
【0017】上記により得られた1.5dのポリアリレ−ト
繊維及び、5.drの株式会社クラレ製のベクトランNT 1
500d/300fを各繊維長にカットしたもの、あるいは、ノ
ズルから押し出す際に、高温高圧のガスにより細かい繊
維状に吹き飛ばしサクションしている金網上に捕集して
繊維を得る、いわゆるメルトブロ−ン法により得られた
0.16〜2デニ−ルが74%、4デニ−ル以上が2%以下の
繊度分布を有するポリアリレ−ト繊維群(以下MBと称
す)をパルプ原料として用いた。上記パルプ原料繊維を
各100g、10lの水で解き、通常の紙用デイ スクレファ
イナ−を使用し、クリアランス開度を0.1mmとして、10
回通過させてパルプを製造した。(原料繊維1、原料繊
維2、原料繊維3)次に、該パルプの繊度分布及びカナ
デイアンスタンダ−ドフリ−ネス(CF)の測定を行な
った。また、原料繊維4では、20回通過させてえたパル
プを用い、同様に測定を行なった。結果を第1表として
表す。
【0018】
【表1】 なお、原料繊維のA×Bとの記載は、A;デニ−ル及び
B;繊維長(mm)を意味する。
【0019】実施例1〜4,比較例1〜4 上記にて製造あるいは用いたパルプ及び各種の繊度及び
繊維長を有する短繊維を様々な割合で混入し、幅30cmの
試験抄紙機を用い、1層の丸網及びヤンキ−ドライヤ−
を用いて抄造を行った。丸網でのスラリ−濃度は1%、
またヤンキ−ドライヤ−の表面温度は120℃であり、抄
紙速度は毎分20mmで行った。さらに、得られた紙の抄造
性の代用特性として、未キャレン製品の裂断長を測定
し、0.2km以上のものを抄造性良好と判定した。結果
を第2表に表す。
【0020】
【表2】 なお、短繊維のA×Bとの記載は、A;デニ−ル及び
B;繊維長(mm)を表したものである。
【0021】第2表から明らかなように、パルプ60%と
1.5デニ−ルである繊維長5mmの短繊維を40%混入して
抄紙したもの(実施例1)は、抄造性の高いものであっ
た。一方、比較例1は、実施例1と同様のパルプ及び単
繊維を用いたものであるが、短繊維の混入割合が多いた
めに抄造性は低いものとなった。また、比較例2は用い
る短繊維の繊維長が長すぎるため、比較例3は用いる短
繊維の繊度が大きすぎるために、抄造性の満足できるも
のは得られなかった。比較例4では、CFは低いもの
の、4d以上の繊維状物が多く残っているために抄造性
が低いものであった。
【0022】また、第1表から明らかなように、MB及
び1.5デニ−ルであり繊維長が5mmである短繊維を叩
解したものは、0.7デニ−ル以下のものが60%存在し、
4デニ−ル以上の繊維がほとんど存在せず、CFも低い
パルプとなっている。しかし、5デニ−ルの短繊維を用
いて叩解したものは、クリアランスの通過回数を増加さ
せたとしても(原料繊維4)、粉状物が増えるためにC
Fは低い値となっているが、0.7デニ−ル以下のものが
それほど増えず、4デニ−ル以上のものが多く残存して
いるため、抄造性の低いパルプしか得られていない。
【0023】次に、ポリアリレ−ト紙と他のポリマ−か
らなる紙の性能の比較を行った。ポリアリレ−ト紙とし
て、実施例1と同様にMBを60%と1.5デニ−ルである
繊維長5mmの短繊維を40%配合して抄紙したものを、19
0℃で2kg/cm2↑のキャレンダ−加工して、高密度化し
たものを用いた。(実施例4)他のポリマ−からなる紙
として、市販のメタ系アラミド紙(比較例5)、パラ系
アラミド紙(比較例6)、ポリエチレン紙(比較例7)
を用いて、防水率及び加熱減少率を測定し、ポリアリレ
−ト紙との比較を行った。吸水率及び加熱減少率は、そ
れぞれ湿度65%、20℃の条件下で24時間放置後、250℃
で240時間放置後の、紙の重量変化を測定することによ
って調べた。結果を第3表として示す。
【0024】
【表3】
【0025】第3表から明らかなように、実施例4は、
吸水性及び加熱減少率が極めて低く、電気絶縁紙として
優れた性能を示している。一方、比較例5及び比較例6
は、吸水率及び加熱減少率が大きく、電気絶縁紙やプリ
ント回路基板にように高度な電気絶縁性や長期の耐久性
を求められる用途には問題がある。また、比較例7は、
吸水性は極めて低いために、常温での絶縁性は良好であ
るが、融点が低いために、実用温度が100℃程度である
電気絶縁紙として用いる場合には問題が生じ、また、様
々な樹脂と併用する建材用途に用いるには極めて困難で
ある。
【0026】
【発明の効果】本発明は、これまで、非吸水性、耐熱
性、耐薬品性、水耐久性、耐切創性等の優れた性能を有
しながら、抄造の著しく困難であったポリアリレ−ト紙
の抄造性を向上させることに成功したものである。具体
的には、かかる抄造に用いられるパルプさらにその製造
方法、及び該パルプとポリアリレ−ト短繊維で構成され
たポリアリレ−ト紙を発明したものである。したがっ
て、本発明を用いることによってはじめて、上記の優れ
た性能を有するポリアリレ−ト紙を商業的に製造するこ
とが可能となる。これらの応用範囲としては、電気電子
分野、建材、雑用品があり、より具体的には、プリント
回路基板、電気絶縁紙、ハニカムコア用原紙等を挙げる
ことができるが、無論これらに限定されるものではな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−239600(JP,A) 特開 昭63−35816(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 13/24 D01F 6/62 306 D01F 6/62 308

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融異方性ポリアリレート繊維の叩解物
    からなり、該叩解物の60重量%以上が0.7デニール以下
    であり、かつ4デニール以上の繊維状物を20重量%以上
    含まない、濾水度がカナデイアンスタンダードフリーネ
    スで450cc以下であるパルプ(成分A)を80〜60重量%
    混入し、3デニール以下であり、繊維長が2〜10mmであ
    る溶融異方性ポリアリレート繊維からなる短繊維(成分
    B)を20〜40重量%混入してなるポリアリレート紙。
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