JPH0747829A - 減衰特性制御装置 - Google Patents

減衰特性制御装置

Info

Publication number
JPH0747829A
JPH0747829A JP11305194A JP11305194A JPH0747829A JP H0747829 A JPH0747829 A JP H0747829A JP 11305194 A JP11305194 A JP 11305194A JP 11305194 A JP11305194 A JP 11305194A JP H0747829 A JPH0747829 A JP H0747829A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire pressure
tire
steering
damping characteristic
wheel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11305194A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Yamamoto
真規 山本
Hiroyoshi Kojima
弘義 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP11305194A priority Critical patent/JPH0747829A/ja
Publication of JPH0747829A publication Critical patent/JPH0747829A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤ圧に応じてサスペンションの減衰特性
を制御する安価な減衰特性制御装置を得る。 【構成】 車輪のタイヤ圧が適正値より高い場合には縦
ばね定数が大きくなるため共振周波数が高くなり、乗り
心地が低下する。したがって、ショックアブソーバの減
衰係数を小さくし、乗り心地をよりソフトにする。車輪
のタイヤ圧が適正値より低い場合には操縦安定性が低下
する。したがって、減衰係数を大きくし、ロール剛性を
大きくして、操縦安定性の低下を抑制する。ショックア
ブソーバの減衰係数を制御するものであるため、スタビ
ライザの剛性を制御する従来装置より安価となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のサスペンション
の減衰特性制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開昭62─59169号公報には、タ
イヤの空気圧に基づいてサスペンションの制御を行うサ
スペンション制御装置が記載されている。この公報に記
載されたサスペンション制御装置においては、サスペン
ションの一構成要素であるスタビライザの剛性が制御さ
れる。タイヤの空気圧が低下するとタイヤに生じるコー
ナリングフォースが減少するため車両の操縦安定性が低
下する。後輪のタイヤの空気圧が前輪のそれより相対的
に低い場合には、ステア特性がオーバステア側へシフト
するため、前輪側に設けられたスタビライザの剛性が高
くされ、アンダステア側へ戻されるのである。
【0003】スタビライザの剛性の制御は、スタビライ
ザの中間部に設けられた剛性制御装置によって行われ
る。この剛性制御装置は、管と、その管内に収容された
磁性流体と、管の外周面に取り付けられた電磁石と、電
磁石に電流を供給する電流供給装置とを備えたものであ
る。電磁石に前後輪間のタイヤの空気圧差に基づいて決
定された電流が電流供給装置によって供給されることに
よって磁性流体の粘度が制御され、スタビライザの剛性
が制御されるのである。磁性流体の粘度が高くなると剛
性が高くなる。上記公報に記載されたサスペンション制
御装置によれば、前後輪間におけるタイヤの空気圧の相
対的な差に基づく車両の操縦安定性の低下が抑制され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に記
載されたサスペンション制御装置においては、コストが
高いという問題があった。剛性制御装置を備えたスタビ
ライザは高価なものなのである。
【0005】一方、スタビライザの剛性の制御でなく、
サスペンションの一構成要素であるショックアブソーバ
の減衰特性を制御するサスペンション制御装置が知られ
ている。このサスペンション制御装置においては、ショ
ックアブソーバの減衰特性が路面状態等に基づいて制御
されるが、タイヤの空気圧に基づいて制御されるわけで
はない。したがって、タイヤの空気圧の変化に伴う操縦
安定性の低下や乗り心地の低下を抑制することができな
い。
【0006】本発明は、以上の事情を背景として、タイ
ヤの空気圧の変化に基づく操縦安定性や乗り心地の変化
をコストアップを回避しつつ抑制することを課題として
なされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】第一発明の要旨は、車輪
と車体との間に設けられたサスペンションの減衰特性を
制御する減衰特性制御装置に、(a) 車輪のタイヤの空気
圧を検出する空気圧検出手段と、(b) その空気圧検出手
段によって検出された空気圧が高い場合には低い場合よ
り減衰特性を小さくする減衰特性制御手段とを設けるこ
とにある。
【0008】ここで、空気圧検出装置は、感圧ダイヤフ
ラム式のセンサを備えたもの等タイヤの空気圧を直接検
出するものであっても、車輪速センサを含むもの等車輪
速センサの出力信号に基づいてタイヤの空気圧を推定す
るものであってもよい。後者の例としては、例えば、外
乱オブザーバを利用したり、フィルタを利用したりする
ものがある。また、複数個の車輪速センサの出力値の差
に基づいてタイヤの空気圧の相対的な変化量を推定する
ものであってもよい。
【0009】第二発明の要旨は、前記減衰特性制御手段
を、操舵関連量と車体速度との少なくとも一方が大きい
場合には小さい場合より減衰特性を大きくするものとす
ることにある。減衰特性を、操舵関連量のみに基づいて
制御しても、車体速度のみに基づいて制御しても、これ
ら両方に基づいて制御してもよい。操舵関連量は、ステ
アリングホイールの操舵角度,操作速度等を含む。
【0010】
【作用】第一発明の減衰特性制御装置において、タイヤ
の空気圧が高い場合には低い場合よりサスペンションの
減衰特性が小さくされ、タイヤの空気圧が低い場合には
高い場合より減衰特性が大きくされる。
【0011】図9に、各空気圧のタイヤに作用する荷重
とタイヤの縦たわみとの関係を示す。図から、荷重が同
じ場合には、タイヤの空気圧が高いほど縦たわみが小さ
くなり、縦ばね定数が大きくなることがわかる。縦ばね
定数が大きくなると共振周波数が高くなり、乗り心地が
低下する。したがって、空気圧が高い場合には低い場合
より減衰特性を小さくして乗り心地をよくすることが望
ましい。
【0012】図10に、各空気圧のタイヤにおける負荷
率とコーナリングパワーとの関係を示す。コーナリング
パワー指数は、空気圧が1.7kgf/cm2 (0.17MPa
)のタイヤに生じるコーナリングパワーを100とし
た場合の値である。図から、空気圧が低下するとコーナ
リングパワーが減少することがわかる。コーナリングパ
ワーが減少すると操縦安定性が低下する。したがって、
空気圧が低い場合には高い場合より減衰特性を大きくし
てロール減衰を大きくすることが望ましい。
【0013】サスペンションの減衰特性の制御は、例え
ば、ショックアブソーバの減衰係数を制御することによ
って行うことができ、スタビライザの剛性を制御する場
合より安価に目的を達し得る。
【0014】第二発明の減衰特性制御装置においては、
さらに、操舵関連量と車体速度との少なくとも一方が大
きい場合には小さい場合より減衰特性が大きくされる。
つまり、タイヤの空気圧が一定である限り、操舵関連量
や車体速度が大きい場合には小さい場合より減衰特性が
大きくされるのである。例えば、操舵関連量が大きい場
合に減衰特性が大きくされ、ロール速度が抑制されて操
縦安定性の低下が抑制される。操舵関連量が小さく、直
進走行状態に近い場合に減衰特性が小さくされ、乗り心
地の低下が抑制される。ただし、減衰特性は、第一発明
と同様に、タイヤの空気圧が高い場合には低い場合より
小さくされるため、操舵関連量や車体速度のみによって
決まるわけではない。
【0015】
【発明の効果】第一発明の減衰特性制御装置によれば、
タイヤの空気圧の変化に伴う乗り心地の低下や操縦安定
性の低下をコストアップを回避しつつ抑制することがで
き、第二発明の減衰特性制御装置によれば、第一発明の
効果を得ることができる上、操舵関連量の増大に伴う操
縦安定性の低下を抑制することができるとともに、直進
走行状態における乗り心地の低下を抑制できる。
【0016】
【発明の望ましい態様】以下、本発明の望ましい実施態
様を列挙し、必要に応じてそれぞれに関連した説明を行
う。 (1)前記減衰特性制御手段が、サスペンションの一構
成要素であるショックアブソーバの減衰特性を制御する
ショックアブソーバ制御手段を含むことを特徴とする請
求項1または2記載の減衰特性制御装置。ショックアブ
ソーバの減衰係数等減衰特性を制御することによって、
ロール剛性や乗り心地を制御することができる。減衰係
数を大きくすれば、ロール速度が遅くなり、アンチロー
ルを図ることができる。また、スタビライザの剛性を制
御する従来の減衰特性制御装置よりコストダウンを図る
ことができる。
【0017】(2)前記空気圧検出装置が、感圧ダイヤ
フラム式の圧力センサを含むことを特徴とする請求項1
または2記載の減衰特性制御装置。圧力センサによって
タイヤの空気圧を直接計測することができる。
【0018】(3)前記空気圧検出装置が、前記タイヤ
を支持するタイヤ支持部材の回転角速度を検出する回転
角速度検出装置を含み、その回転角速度検出装置の検出
値に基づいてタイヤの空気圧を推定する回転角速度依存
空気圧推定手段を含むことを特徴とする請求項1,2,
態様1,2のいずれか1つに記載の減衰特性制御装置。
例えば、直進走行時において、左右車輪のタイヤを支持
するタイヤ支持部材の回転角速度差が生じた場合には、
回転角速度が小さい方の車輪のタイヤの空気圧が他方の
それより低いと推定することができる。
【0019】(4)前記回転角速度対応空気圧推定手段
が、予め定められた周波数付近の回転角速度変化量を抽
出するフィルタ(ファースト・フーリエ・トランスフ
ァ)を含むことを特徴とする態様3記載の減衰特性制御
装置。回転角速度変化量に基づいた特定の周波数付近の
ピーク(共振周波数)の変化量に基づいて、タイヤの空
気圧を推定することができる。感圧ダイヤフラム等の空
気圧センサが不要となるため、構造を簡単にし得、その
分コストダウンを図ることができる。
【0020】(5)前記回転角速度依存空気圧推定手段
が、外乱オブザーバを利用して空気圧を推定することを
特徴とする態様3記載の減衰特性制御装置。外乱オブザ
ーバを利用すれば、タイヤ支持部材の回転角速度等に基
づいてタイヤ支持部材とタイヤとの間に仮想的に設けら
れたばねのばね定数の変化量を推定することが可能とな
り、そのばね定数の変化量の推定値に基づいてタイヤの
空気圧の変化量を推定することができる。
【0021】(6)前記減衰特性制御手段が、ステアリ
ングホイールの操舵関連量を検出する操舵関連量検出装
置を含み、その操舵関連量検出装置によって検出された
操舵量が大きい場合には小さい場合より減衰特性を大き
くする操舵関連量対応減衰特性制御手段を含むことを特
徴とする請求項2,態様1ないし5のいずれか1つに記
載の減衰特性制御装置。操舵関連量は、ステアリングホ
イールの操舵角度,操舵速度等を含む量である。操舵角
度や操舵速度が、ステアリングホイールのニュートラル
位置から離れる方向に大きい場合に減衰特性が大きくさ
れる。
【0022】(7)前記ショックアブソーバ制御手段
が、ステアリングホイールの操舵方向を検出する操舵方
向検出装置を含み、その操舵方向検出装置によって検出
された操舵方向に基づいて制御対象としてのショックア
ブソーバを決定する対象ショックアブソーバ決定手段を
含むことを特徴とする態様1,3ないし6のいずれか1
つに記載の減衰特性制御装置。例えば、タイヤの空気圧
に基づく減衰特性の制御を、旋回時において外側に位置
する車輪と車体との間のショックアブソーバに対しての
み行う。このようにすることによって、すべての車輪と
車体との間のショックアブソーバに対してタイヤの空気
圧に基づく制御を行うより、操縦安定性の低下をより抑
制し得る等効果的に制御を行うことができる。また、す
べての車輪のタイヤについて空気圧を検出する必要がな
くなり、制御が簡単になる等の利点もある。
【0023】
【実施例】第一発明の一実施例としての減衰特性制御装
置を車両に搭載した例を図面に基づいて詳細に説明す
る。図2,3において、10〜16はそれぞれ左右前後
輪であり、これらはサスペンションを介して図示しない
車体を支持している。左右前輪10,12および左右後
輪14,16はそれぞれ車軸18,20に取り付けら
れ、車軸18,20が、サスペンション支持部材24
(左後輪14のサスペンション支持部材24のみを図3
に示す)に支持されている。サスペンション支持部材2
4には、ショックアブソーバ26〜29および図示しな
いサスペンションスプリングが上下方向に延びた姿勢で
取り付けられている。ショックアブソーバ26〜29は
それぞれアクチュエータ32〜35を備えており、それ
らの減衰係数がアクチュエータ32〜35によりそれぞ
れ調節されるようにされている。
【0024】サスペンション支持部材24には、また、
各車輪10〜16のタイヤの空気圧(以下、タイヤ圧と
略称する)を検出するタイヤ圧センサ40〜46がそれ
ぞれ取り付けられている。左後輪14のサスペンション
支持部材24に取り付けられたタイヤ圧センサ44を図
3に示す。他のタイヤ圧センサ40,42,46も、タ
イヤ圧センサ44と同様の部分に設けられる。
【0025】左後輪14は、タイヤ48,リム50,デ
ィスクホイール52等を備えている。ディスクホイール
52と同心状にディスクロータ54,ハブ56等が配設
され、これらの中心孔に車軸20が相対回転不能に嵌合
されている。これら、左後輪14,ディスクロータ5
4,ハブ56等は、車軸20と一体的に回転するのであ
る。車軸20はサスペンション支持部材24に、ベアリ
ング60を介して回転可能に支持されている。
【0026】サスペンション支持部材24の上部には、
前記ショックアブソーバ28が取り付けられ、下部には
ジョイント61によりロアアーム62が連結されてい
る。
【0027】リム50には小孔が形成され、接続管68
が固定されている。接続管68には連結ホース70が接
続され、連結ホース70が車軸20の中央部に形成され
た中心孔72に接続されている。中心孔72は環状溝7
4によって、サスペンション支持部材24の通路76に
連通させられ、通路76の先端にタイヤ圧センサ44が
設けられている。つまり、タイヤ48の内部とタイヤ圧
センサ44とが接続管68,連結ホース70,中心孔7
2,環状溝74および通路76により構成されるタイヤ
圧取出通路によって連通させられているのである。
【0028】タイヤ圧センサ44は、ダイヤフラム式の
ものであり、図示しないハウジング,導電性の感圧ダイ
ヤフラム,固定電極、圧力伝達ダイヤフラム等を備えた
ものである。ハウジング内部が感圧ダイヤフラムによっ
て低圧側の第一室と高圧側の第二室とに分けられ、両室
には液が封入されている。第一室と第二室との封入液は
それぞれ圧力伝達ダイヤフラムを介して大気圧と通路7
6の内圧(すなわち、タイヤ48の内圧)とを受けるよ
うにされている。固定電極は、第一室と第二室とにそれ
ぞれ配設され、固定電極と感圧ダイヤフラムとの間の電
圧がそれぞれ検出される。第二室の封入液に作用する圧
力が変わると感圧ダイヤフラムが変形させられ、感圧ダ
イヤフラムとそれぞれの固定電極との間の静電容量が変
化させられ、検出される電圧が変化する。その電圧の変
化量に基づいて第二室の封入液に作用する圧力、すなわ
ち、タイヤ48の内圧が検出される。
【0029】ショックアブソーバ28は、減衰係数が連
続的に可変のものである。ショックアブソーバ28は、
図4に示すように、本体80,弁装置82,アクチュエ
ータ34,シリンダ84等を備えている。本体80の上
方にはアキュムレータ85が取り付けられており、本体
80の内部には、弁装置82とアクチュエータ34とが
収容され、弁装置82によって下方の第一液室86と上
方の第二液室88との2個の液室に仕切られている。第
二液室88はアキュムレータ85と連通させられてい
る。
【0030】シリンダ84はシリンダチューブ90とピ
ストン92とを備えたものであり、本体80の下方に固
定されている。ピストン92の下端部はサスペンション
支持部材24に連結されている。また、シリンダ90の
ピストン92の上側の室は第一液室86と連通させられ
ている。
【0031】弁装置82は、図5,6に示すように、内
筒96,外筒98,ロータ100等を備えたものであ
る。内筒96の外周面には4個の突部102〜108が
設けられており、内筒96と外筒98との間の空間が4
個の液室110〜116に区切られている。また、内筒
96の周壁には、図7に示す形状の開口118〜124
がそれぞれ隣接する突部102〜108の間に形成され
ている。
【0032】内筒96および外筒98の両端はそれぞれ
プラグ126,127によって閉塞されている。プラグ
126には穴128,129が形成され、プラグ127
には穴130,132が形成されている。穴128,1
29が液室112,116に連通し、穴130,132
が液室110,114に連通している。
【0033】内筒96の内側には、星型のロータ100
が配設されている。ロータ100の上端突部がプラグ1
26の中心孔134を貫通し、アクチュエータ34の出
力軸136に接続されている。ロータ100は、アクチ
ュエータ34によって、内筒96内で回転させられる。
ロータ100の回転に伴って、4個の突部が内筒96の
内周面に沿って回転し、突部の開口118〜124に対
する相対位置が変わる。その結果、後に詳述するよう
に、開口118〜124のオリフィス部の開口面積が制
御され、減衰係数が制御されるのである。また、内筒9
6の内部は、ロータ100の外周面によって4個の液室
140〜146に区切られている。
【0034】ロータ100の突部が、図7における位置
Aにある状態で、ピストン92が上昇させられた場合に
は、第一液室86の作動液は、穴130,液室110,
開口118のAs部,液室140,開口124のAb
部,液室116,穴129を経て、第二液室88に流出
させられる。また、液室110の作動液は、開口118
のAb部,液室142,開口120のAs部,液室11
2,穴128を経て、第二液室88に流出させられる。
以下、同様に、第一液室86の作動液が各流路を経て第
二液室88に流出させられ、アキュムレータ85へ収容
される。
【0035】ピストン92が下降させられた場合には、
上述とは逆の流路を経て、アキュムレータ85内の作動
液が、第一液室86へ流入させられる。
【0036】このように、作動液の流路の途中に、狭い
開口(以下、オリフィス部と略称する)Asと広い開口
Abとがあるため、これら作動液の流量はオリフィス部
Asの開口面積によって決められることになる。
【0037】アクチュエータ34によってロータ100
が反時計回りに回転させられ、突部と開口118との相
対位置が位置B,C,D,Eと移動するにつれて、オリ
フィス部の開口面積が小さくなり、作動液の流量が少な
くなる。ロータ100の回転に伴って、減衰係数が予め
定められた範囲内において連続的に制御されるのであ
る。この場合におけるロータ100の回転範囲は位置A
と位置Eとの間であり、減衰係数Cの制御範囲は図1に
おけるC1 とC2 との間である。オリフィス部の開口面
積が大きくなるにつれて減衰係数(減衰特性)が小さく
なる。そのため、サスペンションスプリングの伸縮が許
容され易い状態になり、乗り心地がソフトになる。それ
に対して、オリフィス部の開口面積が小さくなるにつれ
て減衰係数が大きくなり、ロール減衰が大きくなって、
車両がロールし難くなる。
【0038】上記アクチュエータ32〜35は図2の減
衰特性制御装置150によって制御される。この減衰特
性制御装置150は図示しないCPU,RAM,RO
M,入力部,出力部等を備えたコンピュータを主体とす
るもので、入力部には、各タイヤ圧センサ40〜46が
接続され、出力部には、ショックアブソーバ26〜29
のアクチュエータ32〜35が接続されている。また、
ROMには、図1のグラフで表されるタイヤ圧対応減衰
係数決定テーブル,図8のフローチャートで表されるル
ーチン等が格納されている。
【0039】図1に示すように、減衰係数は、タイヤ圧
の増加に伴って小さくされる。タイヤ圧が高くなると、
縦ばね係数が大きくなるため、共振周波数が高くなり、
乗り心地が低下する。そのため、図8のルーチンの実行
によって減衰係数が小さくされ、乗り心地の低下が抑制
される。タイヤ圧が低くなると、コーナリングフォース
が小さくなるため、操縦安定性が低下する。そのため、
減衰係数が大きくされて操縦安定性の低下が抑制され
る。
【0040】図8のルーチンは、各車輪10〜16のタ
イヤ圧に基づいてそれぞれ独立に実行されるのである
が、ここでは、左後輪14のタイヤ48のタイヤ圧PLR
に基づく実行について説明する。ステップ1(以下、S
1と略称する。他のステップについても同様とする)に
おいて、各ショックアブソーバ26〜29の減衰係数の
初期化が行われる。減衰係数の値はタイヤ圧が適正値で
ある場合における大きさ(設定値)に設定され、その設
定値になるように各アクチュエータ32〜35が駆動さ
れるのである。S2において、タイヤ圧センサ44の出
力値が読み込まれ、タイヤ圧PLRが検出される。S3に
おいて、タイヤ圧PLRから図1のタイヤ圧対応減衰係数
決定テーブルに基づいて減衰係数の値が求められる。S
4において、その減衰係数が得られるようにアクチュエ
ータ34が駆動され、ロータ100が決められた角度だ
け回転させられる。
【0041】タイヤ圧PLRが適正値より高い場合には、
ロータ100が時計回りに回転させられ、減衰係数が小
さくされるが、タイヤ圧PLRが適正値より低い場合には
反時計回りに回転させられ、減衰係数が大きくされる。
【0042】以上のように、本実施例の減衰特性制御装
置によれば、タイヤ圧の変化に伴う操縦安定性の低下や
乗り心地の低下を良好に抑制することができる。しか
も、スタビライザの剛性を制御する場合より安価で済
む。
【0043】また、上記実施例においては、減衰係数が
車輪10〜16のそれぞれのタイヤ圧の高さ自体に基づ
いて制御されるようにされているため、各車輪10〜1
6すべてのタイヤ圧が低い場合にも制御される。前記従
来のサスペンション制御装置においては、前後輪間にお
けるタイヤ圧差が大きい場合にのみ制御されていたた
め、4輪すべてのタイヤ圧が低い場合には、操縦安定性
の低下や乗り心地の低下を抑制することができなかっ
た。それに対して、本実施例においては、4輪すべての
タイヤ圧が低い場合にも、操縦安定性の低下や乗り心地
の低下を抑制することができる。
【0044】さらに、本実施例においては、タイヤ圧が
低い場合だけでなく、高い場合においても制御が行われ
る。4輪すべてのタイヤ圧が、温度上昇や積載荷重の増
大によって高くなっても、減衰係数が小さくされるた
め、乗り心地の低下や操縦安定性の低下を抑制すること
ができる。
【0045】なお、上記実施例においては、4輪独立に
制御されていたが、前輪と後輪とに分けて制御が行われ
るようにしてもよい。例えば、左右前輪10,12にお
いて、それぞれのタイヤ圧と適正値との差が大きい方の
タイヤ圧を前輪側のタイヤ圧とし、そのタイヤ圧の高さ
に基づいてショックアブソーバ26,27の減衰係数が
同じ大きさになるよう制御するのである。
【0046】また、タイヤ圧センサは上記実施例に示す
ダイヤフラム式のものにおいて、固定電極の代わりに圧
電素子を使用したもの等であってもよく、さらに、タイ
ヤ圧を直接検出しなくても、非駆動輪の左右車輪のタイ
ヤのディスクロータの回転角速度差やステアリングホイ
ールの操舵力差等に基づいて推定してもよい。例えば、
直進走行時において上記左右車輪において回転角速度差
が生じた場合には、回転角速度が小さい方の車輪のタイ
ヤ圧が他方の車輪のそれより低いと推定するのである。
この場合には、タイヤ圧の絶対的な低下でなく相対的な
低下が検出されることになる。また、車両停止時に、ス
テアリングホイールを操舵した場合において、操舵力が
大きい場合には前輪のタイヤ圧が減少していると推定す
ることができる。
【0047】さらに、上記実施例における減衰特性制御
装置を、エアサスペンション等を備えた車両にも適用す
ることができる。エアサスペンションにおいては、空気
室と補助空気室とを接続する接続管の絞りの制御が行わ
れることになる。
【0048】また、上記実施例においては、連続的に切
り換え可能なショックアブソーバが制御されることによ
って減衰特性が制御されるようになっていたが、段階的
に切り換え可能なショックアブソーバの制御によっても
目的を達しうる。図11に、減衰係数が段階的に切り換
え可能なショックアブソーバの一部を示す。ショックア
ブソーバ230〜233(図には、これらを代表してシ
ョックアブソーバ230のみを示す)は作動液を満たし
たシリンダ240と、バルブ242を有するピストン2
44とを備えており、シリンダ240内がピストン24
4によって上室248と下室250とに分けられてい
る。
【0049】バルブ242はバルブ本体252と中空の
ロータリバルブ254とを備えており、ロータリバルブ
254の回転によって作動液の流路面積を制御するもの
である。バルブ本体252には、図に示すように、位置
X,Y,Zにオリフィス256,257,258が形成
され、ロータリバルブ254の周壁のオリフィス256
に対応する位置Xにはオリフィス260が形成され、オ
リフィス257に対応する位置Yにはオリフィス26
1,262が形成され、位置Zにはオリフィス263が
形成されている。ロータリバルブ254にはコントロー
ルロッド264が嵌め込まれ、ロータリバルブ254と
コントロールロッド264とが一体的に回転可能とされ
ている。コントロールロッド264には、アクチュエー
タ265が取り付けられており、コントロールロッド2
64がアクチュエータ265の駆動によって回転させら
れるようになっている。また、アクチュエータ265に
は図示しない減衰特性制御装置が接続され、ロータリバ
ルブ254がその指令により回転させられる。
【0050】ロータリバルブ254が図中の原位置にあ
る場合には、すべてのオリフィス256〜258が開状
態にされる。すなわち、オリフィス256とオリフィス
260とが連通させられ、オリフィス257とオリフィ
ス261とが連通させられ、さらに、オリフィス258
とオリフィス263とが連通させられている。このロー
タリバルブ254の位置をソフトSという。
【0051】ロータリバルブ254が図中の原位置から
時計回りに60°回転させられると、すべてのオリフィ
ス256〜258が閉状態にされる。この場合のロータ
リバルブ254の位置をハードHの位置という。さら
に、ロータリバルブ254が時計回りに60°回転させ
られると、オリフィス257と262とが連通させら
れ、ミディアムMの位置とされる。
【0052】ロータリバルブ254がソフトSの位置に
ある場合における作動を説明する。ピストン244が下
降させられた場合には、下室250内の作動液が上室2
48へ流れる。その場合における作動液は、矢印に示す
ように、通路266を経てロータリバルブ254内に流
入した作動液はそれぞれオリフィス260,256を経
て、オリフィス261,257を経て、また、オリフィ
ス263,258,通路268,269を経て流れる。
通路269を経て直接上室248へ流れる作動液もあ
る。また、ピストン244が上昇させられた場合には、
上室248内の作動液が下室250に、矢印のように流
れる。すなわち、オリフィス256,260を経て、ま
た、オリフィス257,261を経てそれぞれロータリ
バルブ254内に流入させられた作動液は、通路266
を経てあるいは、オリフィス263,258,通路26
8を経て流れる。また、通路270を経て直接下室25
0へ流れる作動液もある。
【0053】ロータリバルブ254がソフトSの位置に
ある場合には、オリフィス256〜258すべてが開状
態になるため、バルブ242における作動液の流路面積
が最も大きくなり、ショックアブソーバ230の減衰係
数が最も小さくなる。
【0054】ロータリバルブ254がハードHの位置に
ある場合には、作動液は通路269あるいは通路270
を経て流れるだけである。バルブ242の流路面積が最
も小さくなり、ショックアブソーバ230の減衰係数が
最も大きくなる。ロータリバルブ254がミディアムM
の位置にある場合には、バルブ242の流路面積が上記
ハードHとソフトSとの中間となり、減衰係数も中間の
大きさとなる。
【0055】以上のように構成されたショックアブソー
バ230を備えた車両における減衰特性制御を説明す
る。アクチュエータ265の制御は、図8のフローチャ
ートに従って行われる。S1おける減衰係数の初期値
は、前記実施例における場合と同様に、タイヤ圧が適正
値であると仮定して設定されるのであるが、本実施例に
おいては、ロータリバルブ254がミディアムMの位置
とされ、減衰係数がハードHにおける場合とソフトSに
おける場合との中間の大きさにされる。また、S3にお
ける減衰係数の決定は、図12のグラフで表されるタイ
タ圧対応減衰係数決定テーブルに基づいて行われる。
【0056】図12において、タイヤ圧が適正値からP
1値以上になった場合には、ロータリバルブ254がミ
ディアムMからソフトSの位置になるようアクチュエー
タ265が駆動される。そして、ロータリバルブ254
がソフトSの位置にある場合において、タイヤ圧がP2
値以下になれば、ロータリバルブ254がミディアムM
の位置になるようアクチュエータ265が駆動される。
同様に、タイヤ圧が適正値からP3値以下に低下した場
合には、ミディアムMからハードHに切り換えられ、タ
イヤ圧が上昇してP4値以上になれば、ハードHからミ
ディアムMに切り換えられる。
【0057】このように、本実施例においては、ロータ
リバルブ254の回転時におけるタイヤ圧のしきい値に
ヒステリシスが設けられている。ヒステリシスが設けら
れていない場合には、タイヤ圧がしきい値近傍で変化す
るとロータリバルブ254の作動が頻繁に行われる。そ
れに対して、本実施例によれば、ロータリバルブ254
の作動回数が減り、振動や騒音が少なくなるとともに装
置の寿命が長くなる。
【0058】第二発明の一実施例としての減衰特性制御
装置について図面に基づいて詳細に説明する。図13,
14において、減衰特性制御装置300はタイヤ圧検出
装置302〜305,車体速度等演算手段306,操舵
角検出手段307,減衰特性決定手段308等の複数個
のコンピュータを含んだものである。タイヤ圧検出装置
302〜305の図示しない入力部には、左右前後輪1
0〜16の回転角速度を検出する後述する車輪速センサ
310〜313が接続され、車輪速センサ310〜31
3のうちの車輪速センサ310,311が車体速度等演
算手段306の入力部に接続されている。操舵角検出手
段307の入力部には操舵角センサ316が接続されて
いる。また、減衰特性決定手段308の入力部には、減
衰制御モード選択スイッチ318およびタイヤ圧検出装
置302〜305等のコンピュータが接続されるととも
に、出力部には、図示しない駆動回路を介して各ショッ
クアブソーバ230〜233のロータリバルブ254を
回転させるアクチュエータ265が接続されている。ま
た、各車輪10〜16は、図16(これら車輪10〜1
6を代表して車輪12のみを示す)に示すように、タイ
ヤ320,リム321,ディスクホイール322等を備
えたタイヤ付きホイールである。
【0059】タイヤ圧検出装置302〜305は、構造
が同じものであるため、これらを代表してタイヤ圧検出
装置303について説明する。タイヤ圧検出装置303
は、外乱オブザーバ340を利用してタイヤ圧の変化量
を検出する部分であり、ハード的には図15に示すよう
に構成されている。図15において342はディスクロ
ータ、344は車輪速センサ311の電磁ピックアップ
部である。ディスクロータ342は図16に示すディス
クホイール322と一体的に設けられたものであり、外
周に多数の歯346を備えている。電磁ピックアップ部
344はそれらの歯346の通過に応じて周期的に変化
する電圧を発生する。この電圧は波形整形器348によ
って矩形波に整形され、コンピュータ350のI/Oポ
ート352に供給される。
【0060】タイヤ付ホイールである車輪12は、図1
7に示すように、相対回転可能なリム側部354とベル
ト側部356とがねじりばね358によって連結された
ものと考えることができる。上記ディスクロータ342
はディスクホイール322と一体的に回転するように取
り付けられるため、電磁ピックアップ部344は厳密に
はリム側部354の回転速度を検出することになる。
【0061】コンピュータ350は図15に示すように
CPU360,ROM362およびRAM364を備え
ており、ROM362に図示しない回転速度演算ルーチ
ンが格納されることによって、上記ディスクロータ34
2,電磁ピックアップ部344および波形整形器348
と共に図14の角速度検出部368を構成している。こ
のコンピュータ350は別のコンピュータ370と接続
されている。このコンピュータ370もCPU372,
ROM374,RAM376およびI/Oポート378
を備えており、ROM374に図18のフローチャート
で表される相関演算ルーチンを始めとする種々の制御プ
ログラムが格納されることによって、外乱オブザーバ3
40,相関関数演算部380,正規化部382,タイヤ
圧演算部384を構成している。
【0062】角速度検出部368は上記4個の車輪10
〜16に対応する各電磁ピックアップ344および波形
整形器348から供給される信号に基づいて各車輪10
〜16のリム側部354の角速度を算出する。角速度
は、予め定められた一定のサンプリング時間内における
波形整形器348からの矩形波の立上がりの時間間隔の
平均から演算される。
【0063】まず、予め定められたサンプリング時間内
における矩形波の最初と最後の立上がりの時期とサンプ
リング時間内における立上がりの回数とが検出される。
立上がりが生じる毎に割り込みルーチンにより、コンピ
ュータ350に内蔵のタイマの示す時間が読み込まれる
とともに、立上がりの数がカウントされるのである。続
いて、サンプリング時間内における車輪12の平均角速
度が演算される。サンプリング時間内における全ての立
上がり間の平均時間間隔が演算され、それからリム側部
354の角速度ωR が演算され、RAM376の角速度
メモリに格納されるのである。
【0064】外乱オブザーバ340は、車輪12の図1
7に示すモデル化に基づいて構成されている。以下、こ
の外乱オブザーバ340の構成について説明する。車輪
12を、リム側部354の慣性モーメントJR とベルト
側部356の慣性モーメントJB とがばね定数Kのねじ
りばね358により接続されたものとモデル化すれば、
次の状態方程式が成立する。 JR ωR ′=−KθRB+T1 ・・・(1) JB ωB ′=KθRB−Td ・・・(2) θRB′=ωR ′−ωB ′・・・(3) ただし、ωR およびωR ′はリム側部354の角速度お
よび角加速度、ωB およびωB ′はベルト側部356の
角速度および角加速度、θRBはリム側部354とベルト
側部356とのねじり角、T1 はリム側部354に加え
られる駆動・制動トルク、Td は路面からのトルク(外
乱トルクと回転負荷トルクとの和)である。なお、実際
にはリム側部354の慣性モーメントJR とベルト側部
356の慣性モーメントJB との間にはダンパが存在す
るが、その影響は比較的小さいため無視できる。
【0065】上記状態方程式をベクトルおよび行列を用
いて表せば(4) 式となる。
【0066】
【数1】
【0067】ここで、タイヤ圧が変化し、ねじりばね3
58のばね定数がKからK+ΔKに変化したときの車輪
12の運動は(5) 式で表される。
【0068】
【数2】
【0069】すなわち、ばね定数KがΔKだけ変化する
ことは正常なタイヤ320に(5) 式の最終項で表される
外乱が加えられたのと等価である。この外乱にはばね定
数の変化量の情報が含まれており、かつ、タイヤ圧に応
じて変化するので、この外乱を推定することによってタ
イヤ圧の変化量を推定することができる。この外乱の推
定に外乱オブザーバの手法を用いるのであり、推定すべ
き外乱は(6) 式で表される。
【0070】
【数3】
【0071】しかし、理論上ベクトル[w]の中の一つ
の要素しか推定できないため、第2要素であるw2 を推
定することとする。外乱を(7) 式 w2 =(−1/JB )Td +(ΔK/JB )θRB・・・(7) で定義すれば、車輪12の状態方程式は(8) 式 ように
なるため、この式に基づいて外乱オブザーバ340を構
成する。
【0072】
【数4】
【0073】外乱オブザーバ340は外乱をシステムの
状態変数の一つとして推定するものである。そこで、
(7) 式の外乱w2 をシステムの状態に含めるために、外
乱のダイナミクスを(9) 式で近似する。 w2 ′=0・・・(9) これは図19に示すように連続して変化する外乱を階段
状に近似(零次近似)することを意味し、外乱オブザー
バ340の外乱推定速度を推定すべき外乱の変化に比べ
て十分速くすれば、この近似は十分に許容される。(9)
式より、外乱をシステムの状態に含めると(10)式の拡張
系が構成される。
【0074】
【数5】
【0075】上記(10)式において[ωB θRB2
T が検出できない状態となる。したがって、このシステ
ムに基づいて外乱オブザーバ340を構成すれば、外乱
2と検出できない状態変数ωB ,θRBとを推定するこ
とができる。記述を簡単にするために、(10)式のベクト
ルおよび行列を分解して次のように表すこととする。
【0076】
【数6】
【0077】このとき、状態[z]=[ωB θRB
2T を推定する最小次元オブザーバの構成は次式で表
される。 [zp ′]=[A21][xa ]+[A22][zp ]+[B2 ][u]+[G]{ [xa ′]−([A11][xa ]+[A12][zp ]+[B1 ][u])}=( [A21]−[G][A11])[xa ]+([A22]−[G][A12])[zp ] +[G][xa ′]+([B2 ]−[G][B1 ])[u]・・・(11) ただし、[zp ]は[z]の推定値、[zp ′]は推定
値[zp ]の変化率、[G]は外乱オブザーバ340の
推定速度を決めるゲインである。これをブロック線図で
表わすと図20のようになる。なお、図20において
[I]は単位行列であり、sはラプラス演算子である。
また、真値と推定値との誤差[e]を[e]=[z]−
[zp ]とおき、誤差[e]の変化率を[e′]とする
と、(12)式の関係を得る。 [e′]=([A22]−[G][A12])[e]・・・(12) これは外乱オブザーバの推定特性を表しており、行列
([A22]−[G][A12])の固有値がすなわち外乱
オブザーバ340の極となる。したがって、この固有値
がs平面の左半面において原点から離れるほど外乱オブ
ザーバ340の推定速度が速くなる。オブザーバゲイン
[G]は希望の推定速度になるように決定すればよい。
【0078】以上のように構成された外乱オブザーバ3
40においては、角速度検出部368において演算され
たリム側部354の角速度ωR を入力として、ねじりば
ね358のばね定数KがΔK変化した場合の(7) 式で表
される外乱w2 が推定され、外乱推定値w2pが取得され
るが、それとともに検出が不可能であるベルト側部35
6の角速度ωB ,リム側部−ベルト側部間のねじり角θ
RBも推定され、それぞれ推定値ωBp,θRBp が取得され
る。
【0079】上記外乱およびねじり角の推定値w2p,θ
RBp を用いて相関関数演算部380において相関演算が
行われ、正規化部382で正規化が行われて、ねじりば
ね358のばね定数Kの変化が求められる。
【0080】まず、ねじりばね358のばね定数Kの変
化の取得について説明する。相関関数演算部380にお
いて、図18のフローチャートで表される相関演算ルー
チンが実行される。S21の初期設定において、整数i
が1にリセットされ、前記(7) 式で表される外乱w2
推定値w2pとねじり角推定値θRBp との相互相関値C
(w2p,θRB p )とねじり角推定値θRBp の自己相関値
C(θRBp ,θRBp )とが0にリセットされる。相互相
関値メモリおよび自己相関値メモリの内容が0にされる
のである。
【0081】続いて、S22で現時点の外乱推定値w
2pi およびねじり角推定値θRBpiが読み込まれ、S23
で外乱推定値w2pi とねじり角推定値θRBpiとの積が演
算され、相互相関値C(w2p,θRBp )に加算される。
ただし、最初にS23が実行される際には相互相関値C
(w2p,θRBp )が0であるため、相互相関値メモリに
外乱推定値w2pi とねじり角推定値θRBpiとの積が格納
されるのみである。同様にS24でねじり角推定値θ
RBpiの2乗が演算され、自己相関値メモリの自己相関値
C(θRBp ,θRBp )に加算される。
【0082】S25において整数iが予め定められた整
数M以上になったか否かが判定されるが、当初は判定が
NOであるため、S26で整数iが1増加させられ、再
びS22〜S24が実行される。この実行がM回繰り返
されたときS25の判定がYESとなり、ばね定数変化
取得用相関演算ルーチンの1回の実行が終了する。
【0083】相関関数演算部380において以上のよう
にして相互相関値C(w2p,θRBp)と自己相関値C
(θRBp ,θRBp )とが求められた後、正規化部58に
おいて次式 Lk =C(w2p,θRBp )/C(θRBp ,θRBp )・・・(13) によりLK 値が求められ、RAM376のLK 値メモリ
に格納される。このLK値は前記(7)式に基づき、式
(14)で表される。 Lk =(−1/JB )C0 +ΔK/JB ・・・(14) ただし、C0 はC(Tdp,θRBp )/C(θRBp ,θ
RBp ) で表される値であり、ばね定数Kの変化とは無関係であ
るので、タイヤ圧が正常の状態で予め求めておくことに
よって補償できる。
【0084】タイヤ圧演算部384においては、以上の
ようにして取得され、LK 値メモリに格納されているL
K 値に基づいてねじりばね358のばね定数Kの変化量
ΔKが演算される。LK 値は前述のように(−1/
B )・C0 +ΔK/JB に対応する値であるため、L
K 値とばね定数変化量ΔKとの間には一定の関係があ
り、さらにこの変化量ΔKとタイヤ圧の変化量ΔPとの
間にも一定の関係があるため、結局、LK値とタイヤ圧
変化量ΔPとの間に一定の関係がある。この関係がタイ
ヤ圧変化量テーブルとして予めROM374に格納され
ており、このテーブルに基づいてL K 値からタイヤ圧変
化量ΔPが求められるのである。このタイヤ圧変化量Δ
Pは正規のタイヤ圧P0 からの変化量であるから、正規
のタイヤ圧P0 からこのタイヤ圧変化量ΔPを引いた値
P=P0 −ΔPが現在のタイヤ圧Pとして演算され、R
AM376のタイヤ圧メモリに格納される。
【0085】車体速度等演算手段306は、前輪10,
12の回転角速度を検出する車輪速センサ310,31
1の出力値に基づいて車体速度V等を演算するコンピュ
ータである。また、操舵角検出手段307の入力部に接
続された操舵角センサ316は、図示しないステアリン
グホイールの操舵角度(ステアリングホイールの前回の
位置と今回の位置との隔たり)と操舵方向とを検出する
ものであり、この操舵角センサ316の出力値に基づい
て、図示しないステアリングホイールのニュートラルか
らの隔たりの絶対値|θ|(以下、操舵量|θ|と略称
する)およびその操舵方向が検出される。
【0086】さらに、減衰特性決定手段308の入力部
に接続された減衰制御モード選択スイッチ318は、運
転者の操作によって減衰特性等を切り換えるためのスイ
ッチであり、ノーマルモード,スポーツモードの2段階
に切り換え可能とされている。ノーマルモードが選択さ
れた場合には、ソフトとミディアムとの間で切換えが行
われ、スポーツモードが選択された場合には,ミディア
ムとハードとの間で切換えが行われることになる。ま
た、ノーマルモードが選択された場合には、初期設定減
衰係数がソフトとされ、スポーツモードが選択された場
合におけるそれはミディアムとされる。この運転者によ
って選択されたモードに基づいて、減衰特性が切り換え
られる場合には、各車輪について選択的に行われるわけ
ではなく、全輪すべてについて共通して行われる。
【0087】減衰特性決定手段308の図示しないRO
Mには、図21のフローチャートに示すテーブル選択プ
ログラム,図22のフローチャートに示す減衰係数決定
プログラムが格納されるとともに、図23に示す操舵
量,車体速度(以下、操舵量等と略称する)対応減衰係
数決定テーブル等が格納されており、これらに基づいて
減衰係数が決定される。そして、この決定された減衰係
数に応じて、制御対象であるショックアブソーバ230
〜233のアクチュエータ265が駆動される。
【0088】本実施例における操舵量等対応減衰係数決
定テーブルは、減衰係数,操舵量|θ|,車体速度Vお
よびタイヤ圧Pの関係を表すものである。減衰係数,操
舵量|θ|,車体速度Vの関係を表すテーブルが、タイ
ヤ圧Pに応じて2種類準備されているのである。タイヤ
圧Pが正常である場合には、減衰係数が、図23のテー
ブルAに基づいて決定されるが、タイヤ圧Pが設定値よ
り低い場合には、テーブルBに基づいて決定されること
になる。
【0089】テーブルA,Bに基づいて,操舵量|θ|
および車体速度Vの組合せが領域Yに属する場合には領
域Xに属する場合より減衰係数が大きくされる。概し
て、操舵量|θ|および車体速度Vが共に大きい場合,
操舵量|θ|が小さく車体速度Vが大きい場合,操舵量
|θ|が大きく車体速度Vが小さい場合等には領域Yに
属し、操舵量|θ|および車体速度Vが共に小さい場
合,車体速度Vが大きくても操舵量|θ|が非常に小さ
く直進走行に近い場合,操舵量|θ|が大きくても車体
速度Vが非常に小さい場合等には領域Xに属する。本実
施例においては、操舵量|θ|が操舵角センサ316の
最小検出操舵角度である4°以下の場合には、車体速度
Vが大きくても領域Xに属することになり、車体速度V
が16km/h( 4.4m/sec)以下の低速の場合には、操舵
量|θ|が大きくても領域Xに属することになる。
【0090】同じ車体速度に対しては操舵量|θ|が大
きいほど、ロール角度、ひいてはロール速度が大きくな
り、操縦安定性が低下する。そのため、操舵量|θ|が
小さい場合より減衰係数が大きくされてロール速度が遅
くされ、ローリングが抑制される。それによって、タイ
ヤの接地性が向上し、操縦安定性の低下が抑制される。
一方、操舵量|θ|が小さく直進走行に近い場合には、
操舵量|θ|が大きい場合より減衰係数が小さくされ、
乗り心地の低下が抑制される。また、操舵量|θ|が小
さくても車体速度Vが大きい場合には減衰係数が大きく
される。横加速度が、車体速度Vの2乗に比例するた
め、車体速度Vが大きくなると、操縦安定性が低下する
恐れがあるからである。
【0091】テーブルA,Bの比較から明らかなよう
に、領域Xと領域Yとの間のしきい値は、タイヤ圧Pが
正常の場合の方が低い場合より大きい。しきい値を表す
操舵角|θ|,車体速度Vの値がタイヤ圧Pが低い場合
におけるそれらより大きいのである。すなわち、テーブ
ルBにおける方が、減衰係数が大きくされる領域Yが広
い。タイヤ圧Pが低い場合には、操舵量|θ|や車体速
度Vが比較的小さいうちに減衰係数が大きくされ、操縦
安定性の向上が図られるのである。換言すれば、操舵量
|θ|,車体速度Vが同じでも、タイヤ圧Pが正常の場
合には減衰係数が小さく,低い場合には大きくされる領
域Y′があるのである。
【0092】ただし、本実施例においては、旋回時の外
側輪のタイヤ圧Pが設定値より低い場合には、その外側
輪についてテーブルBに基づく制御が行われるが、内側
輪のタイヤ圧Pが設定値より低くてもテーブルAに基づ
く制御が行われるようになっている。そのため、外側輪
のタイヤ圧Pと内側輪のそれとが同じであっても、外側
輪におけるショックアブソーバの減衰係数は大きくさ
れ、内側輪においては大きくされない場合がある。旋回
時には、遠心力によって外側輪のサスペンションに掛か
る荷重が大きくなり、内側輪のそれに掛かる荷重が小さ
くなって、車体がローリングする。その場合に、外側輪
のショックアブソーバの減衰係数が大きくされれば有効
にアンチロールが行われるが、内側輪のショックアブソ
ーバの減衰係数は大きくされない方がタイヤの接地性が
保たれて、操縦安定性が向上する。この効果は上記領域
Y′において得られる。
【0093】以下、減衰特性制御装置300における減
衰係数の決定について説明する。本実施例においては、
各車輪10〜16のそれぞれついてテーブルA,Bのい
ずれかが独立にが選択され、その選択されたテーブルに
基づいて、減衰係数が決定される。まず、テーブル選択
プログラムのS41において、操舵方向が読み込まれ、
S42において、操舵方向が左か否かが判定される。左
方向に操舵されており、YESと判定された場合には、
S43〜S48において、旋回時の外側輪である右前輪
12と右後輪16とについてテーブルA,Bの選択がタ
イヤ圧Pに基づいて行われる。
【0094】S43において、右前輪12のタイヤ圧P
が設定圧より低いか否かが判定される。タイヤ圧Pが設
定圧より低い場合には、S44において、テーブルBが
選択され、設定圧より高い場合(ほぼ正常圧である場
合)には、S45においてテーブルAが選択される。右
後輪16についても、S46〜S48において同様にテ
ーブルの選択が行われる。また、旋回時の内側輪である
左前輪10および左後輪14については、前述のよう
に、タイヤ圧Pとは無関係にテーブルAが選択される。
このように、選択されたテーブルは、その車輪の位置
(右前輪,左前輪等)と対応付けて減衰特性決定手段3
08の図示しないRAMの選択テーブルメモリに格納さ
れる。
【0095】また、操舵方向が右の場合には、S42に
おける判定がNOとなり、S50〜S56が実行され
て、旋回時の外側輪である左前輪10と左後輪14とに
ついてはタイヤ圧Pに基づいてテーブルA,Bのいずれ
かが選択され、内側輪である右前輪12と右後輪16と
についてはタイヤ圧Pとは関係なくテーブルAが選択さ
れる。これら選択されたテーブルも車輪の位置と対応付
けてRAMに格納される。
【0096】次に、減衰係数決定プログラムのS61,
62において車体速度V,操舵量|θ|が読み込まれ、
S63において、これらの組合わせが、テーブルAにお
ける領域Yに属するか否かが判定される。領域Yに属す
る場合には、判定がYESとなり、S64において、全
部の車輪10〜16のショックアブソーバ230〜23
3の減衰係数が大に決定される。車体速度V,操舵量|
θ|の組合わせがテーブルAにおける領域Yに属する場
合には、テーブルBにおいてもこれらの組合わせが領域
Yに属することになるため、テーブルBが選択された車
輪のショックアブソーバについても同様に減衰係数が大
に決定されるのである。
【0097】また、これら車体速度V,操舵量|θ|の
組合わせがテーブルAにおける領域Xに属する場合に
は、S63における判定がNOとなり、S65におい
て、選択テーブルメモリに記憶されたテーブルの種類に
基づいて、いずれかの位置の車輪についてテーブルBが
選択されているか否かが判定される。すべての車輪10
〜16について、テーブルBが選択されていない場合に
は、判定がNOとなり、S66においてすべての車輪1
0〜16のショックアブソーバ230〜233につい
て、減衰係数が小に決定される。すべての車輪10〜1
6についてテーブルAが選択されており、上述の組合わ
せが領域Xに属するからである。
【0098】一方、少なくとも1つの車輪についてテー
ブルBが選択されている場合には、S65における判定
がYESとなり、S67において、さらに、上述の車体
速度V,操舵量|θ|の組合わせがテーブルBにおける
領域Yに属するか否かが判定される。領域Xに属する場
合には、NOと判定され、S66においてすべての車輪
10〜16のショックアブソーバ230〜233の減衰
係数が小に決定される。テーブルBが選択された車輪が
あるが、車体速度V,操作量|θ|の組合わせがテーブ
ルBにおいてもX領域に属するからである。
【0099】また、テーブルBが選択された車輪がある
場合において、これら車体速度V,操舵量|θ|の組合
わせがテーブルAにおいては領域Xに属し、テーブルB
においては領域Yに属する場合には、S63における判
定がNO、S65およびS67における判定がYESと
なり、S68において、それぞれ選択されたテーブルに
基づいて各車輪のショックアブソーバの減衰係数が決定
される。上述の組合わせが領域Y′に属することになる
ため、旋回時の外側輪であり、かつ、タイヤ圧Pが設定
圧より低い車輪(テーブルBが選択された車輪)につい
てはショックアブソーバの減衰係数が大とされるが、そ
れ以外の車輪(テーブルAが選択された車輪)のそれは
小とされるのである。
【0100】前記制御モード選択スイッチ318により
ノーマルモードが選択されている場合に、減衰係数が大
に決定されればショックアブソーバがミディアムに設定
され、減衰係数が小に決定されればソフトに設定され
る。また、スポーツモードが選択されている場合には、
減衰係数の大,小に応じてそれぞれハード,ミディアム
に設定される。ショックアブソーバのロータリバルブ2
54がアクチュエータ265によりそれぞれ設定された
位置へ回転させられるのである。
【0101】以上のように、本実施例の減衰特性制御装
置においては、操舵量等対応減衰特性決定テーブルがタ
イヤ圧Pに基づいて選択されるため、減衰特性をタイヤ
圧Pに応じて決定することができる。また、操舵量|θ
|や車体速度Vが大きい場合には小さい場合より減衰特
性が大きくされるため、操舵量|θ|や車体速度Vの変
化に応じて乗り心地と操縦安定性との両方を適切に制御
することができる。例えば、直進時の乗り心地の低下を
回避しつつ旋回時の操縦安定性を向上させることができ
るのである。
【0102】さらに、本実施例においては、テーブル
A,Bの選択が、旋回時の外側輪に対してのみ行われる
ようになっているため、内側輪の接地性確保により、操
縦安定性の低下をより良好に抑制することができる。内
側輪のタイヤ圧Pを検出する必要がなくなり、制御が簡
単になる利点もある。また、本実施例においては、タイ
ヤ圧Pが車輪速センサの出力信号に基づいて推定される
ようになっているため、タイヤ圧センサが不要となり、
その分、構造を簡単にし得、コストダウンを図ることが
できる。
【0103】なお、上記実施例においては、車体速度
V,操舵量|θ|の組合わせが領域Yに属する場合に、
領域Xに属する場合の減衰係数より1ランク大きくされ
るようになっていたが、2ランク大きくされるようにし
てもよい。その場合には、例えば、ソフトとハードとの
間において切換えが行われることになる。
【0104】また、上記実施例における車両には、減衰
係数が3段階に切り換え可能なショックアブソーバ23
0〜233が取り付けられていたが、減衰係数がソフト
とハードとの2段階に切り換え可能なショックアブソー
バが取り付けられてもよいし、5段,9段,17段など
多段階に切り換え可能なショックアブソーバが取り付け
られてもよい。
【0105】さらに、テーブルは、上記実施例に限ら
ず、図24に示すように、領域が3つに分けられたテー
ブルとすることができる。その場合には、車体速度V,
操舵量|θ|の組合わせが属する領域S,T,Uに応じ
て減衰係数がソフト,ミディアム,ハードの3段階に切
り換えられる。この場合においても、タイヤ圧Pが正常
の場合には、低い場合より相対的にしきい値が大きくさ
れている。また、減衰係数の切換えが2段階若しくは多
段階であってもよい。
【0106】また、図25に示すように、図24におけ
る領域Tにおいて、減衰特性を連続的に変化させること
もできる。その場合には、車両には、ショックアブソー
バ26〜29が搭載されることになる。
【0107】さらに、上記各実施例においては、タイヤ
圧Pが正常の場合と低い場合とによってテーブルが選択
されるようになっていたが、タイヤ圧Pが高い場合と正
常な場合とによってテーブルが選択されるようになって
いてもよく、図26に示すように、タイヤ圧Pの高さに
応じて複数個のテーブルから1個のテーブルが選択され
るようにしてもよい。この場合にも、しきい値がタイヤ
圧Pが高くなると大きくされ、減衰係数が早く大きくさ
れることが回避される。例えば、タイヤ圧Pが高すぎる
場合に減衰係数が大きくされると、かえって、操縦安定
性が低下したり、乗り心地が低下したりするが、本実施
例においては、その場合には、減衰係数が早くから大き
くされないようになっているため、操縦安定性の低下お
よび乗り心地の低下が抑制される。また、図26におい
て、タイヤ圧Bの場合のテーブルをタイヤ圧が正常な場
合のテーブルとすることもできる。
【0108】さらに、各テーブルにおいて、しきい値を
表す線が直線でなく曲線であってもよく、テーブルを操
舵速度と車体速度との関係に基づいて作成してもよい。
また、旋回時あるいは直進時に、操舵方向とは無関係に
すべての車輪についてテーブルA,Bの選択が行われる
ようにしてもよい。
【0109】さらに、上記実施例においては、タイヤ圧
Pが、外乱オブザーバ340を利用して推定されるよう
になっていたが、フィルタとしてのFFT(ファースト
・フーリエ・トランスファー)を利用して推定されるよ
うにしてもよい。車輪速センサ310〜313の出力信
号の変化量をFFTを利用して処理し、周波数35Hz付
近の信号を検出する。周波数35Hzの信号はタイヤ圧P
の変化に伴って変化することが知られているため、周波
数35Hz付近の信号の変化量に基づいてタイヤ圧Pの変
化量を推定することができるのである。勿論、タイヤ圧
センサ40〜46を利用してタイヤ圧を直接計測するこ
ともできる。
【0110】その他、いちいち例示することはしない
が、特許請求の範囲を逸脱することなく当業者の知識に
基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一発明の一実施例である減衰特性制御装置の
ROMに格納されたタイヤ圧対応減衰係数決定テーブル
を表す図である。
【図2】上記減衰特性制御装置を搭載した車両の概略図
である。
【図3】上記車両の車輪のタイヤ周辺の拡大断面図であ
る。
【図4】上記車両のショックアブソーバの断面図であ
る。
【図5】上記ショックアブソーバの分解斜視図である。
【図6】図4のAA断面図である。
【図7】上記ショックアブソーバの開口の拡大図であ
る。
【図8】上記減衰特性制御装置のROMに格納されたプ
ログラムを示すフローチャートである。
【図9】タイヤ圧と負荷率とコーナリングパワー指数と
の関係を示す図である。
【図10】タイヤ圧と縦たわみと荷重との関係を示す図
である。
【図11】第一発明の別の実施例である減衰特性制御装
置が搭載された車両に設けられたショックアブソーバの
一部断面図である。
【図12】図11の減衰特性制御装置のROMに格納さ
れたタイヤ圧対応減衰係数決定テーブルを表す図であ
る。
【図13】第二発明の一実施例である減衰特性制御装置
が搭載された車両の概略図である。
【図14】図13の減衰特性制御装置を示す機能ブロッ
ク図である。
【図15】図14の減衰特性制御装置におけるタイヤ圧
検出装置の構成ブロック図である。
【図16】上記タイヤ圧検出装置の一部である外乱オブ
ザーバにより外乱を検出される車輪の一部を示す断面図
である。
【図17】上記車輪の力学モデルを示す図である。
【図18】上記タイヤ圧検出装置の一構成要素であるコ
ンピュータにより実行される相関演算ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図19】上記外乱オブザーバにおける外乱のダイナミ
クスの近似を説明するための図である。
【図20】上記外乱オブザーバを示すブロック図であ
る。
【図21】図13の減衰特性制御装置のROMに格納さ
れたテーブル選択プログラムを表すフローチャートであ
る。
【図22】図13の減衰特性制御装置のROMに格納さ
れた減衰係数決定プログラムを表すフローチャートであ
る。
【図23】図13の減衰特性制御装置のROMに格納さ
れた操舵量等対応減衰特性決定テーブルを表す図であ
る。
【図24】本発明のさらに別の実施例である減衰特性制
御装置のROMに格納された操舵量等対応減衰特性決定
テーブルを表す図である。
【図25】本発明のさらに別の実施例である減衰特性制
御装置のROMに格納された操舵量等対応減衰特性決定
テーブルを表す図である。
【図26】本発明のさらに別の実施例である減衰特性制
御装置のROMに格納された操舵量等対応減衰特性決定
テーブルを表す図である。
【符号の説明】
10〜16 左右前後輪(車輪) 26〜29,230 ショックアブソーバ 32〜36,265 アクチュエータ 40〜46 タイヤ圧センサ 48 タイヤ 150,300 減衰特性制御装置 302〜305 タイヤ圧検出装置 306 車体速度等演算手段 307 操舵角検出手段 308 減衰特性決定手段 310〜313 車輪速センサ 316 操舵角センサ 318 減衰制御モード選択スイッチ 340 外乱オブザーバ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪と車体との間に設けられたサスペン
    ションの減衰特性を制御する減衰特性制御装置であっ
    て、 前記車輪のタイヤの空気圧を検出する空気圧検出装置
    と、 その空気圧検出装置によって検出された空気圧が高い場
    合には低い場合より減衰特性を小さくする減衰特性制御
    手段とを含むことを特徴とする減衰特性制御装置。
  2. 【請求項2】 前記減衰特性制御手段が、操舵関連量と
    車体速度との少なくとも一方が大きい場合には小さい場
    合より減衰特性を大きくすることを特徴とする請求項1
    記載の減衰特性制御装置。
JP11305194A 1993-06-01 1994-05-26 減衰特性制御装置 Pending JPH0747829A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11305194A JPH0747829A (ja) 1993-06-01 1994-05-26 減衰特性制御装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15609393 1993-06-01
JP5-156093 1993-06-01
JP11305194A JPH0747829A (ja) 1993-06-01 1994-05-26 減衰特性制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0747829A true JPH0747829A (ja) 1995-02-21

Family

ID=26452080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11305194A Pending JPH0747829A (ja) 1993-06-01 1994-05-26 減衰特性制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0747829A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000233614A (ja) * 1999-02-15 2000-08-29 Robert Bosch Gmbh 車輪のアンバランスあるいは空気圧異常の認識方法
WO2004048136A1 (fr) * 2002-11-28 2004-06-10 Societe De Technologie Michelin Methode et systeme pour l´extension de la mobilite d´un vehicule
KR100501368B1 (ko) * 2002-10-19 2005-07-18 현대자동차주식회사 능동 서스펜션을 이용한 스탠딩웨이브 방지 장치 및 그방법
WO2005123426A1 (de) * 2004-06-17 2005-12-29 Daimlerchrysler Ag Reifenschutzsystem
JP2010221818A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Honda Motor Co Ltd 後輪制御装置
WO2017211583A1 (de) * 2016-06-06 2017-12-14 Volkswagen Aktiengesellschaft Verfahren und steuervorrichtung zum steuern zumindest eines schwingungsdämpfers eines kraftfahrzeugs

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000233614A (ja) * 1999-02-15 2000-08-29 Robert Bosch Gmbh 車輪のアンバランスあるいは空気圧異常の認識方法
KR100501368B1 (ko) * 2002-10-19 2005-07-18 현대자동차주식회사 능동 서스펜션을 이용한 스탠딩웨이브 방지 장치 및 그방법
WO2004048136A1 (fr) * 2002-11-28 2004-06-10 Societe De Technologie Michelin Methode et systeme pour l´extension de la mobilite d´un vehicule
US7546763B2 (en) 2002-11-28 2009-06-16 Michelin Recherche Et Technique S.A. Method and system for extending the mobility of a vehicle
WO2005123426A1 (de) * 2004-06-17 2005-12-29 Daimlerchrysler Ag Reifenschutzsystem
JP2010221818A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Honda Motor Co Ltd 後輪制御装置
WO2017211583A1 (de) * 2016-06-06 2017-12-14 Volkswagen Aktiengesellschaft Verfahren und steuervorrichtung zum steuern zumindest eines schwingungsdämpfers eines kraftfahrzeugs

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0933239B1 (en) Apparatus and method for providing a compensated acceleration signal indicative of lateral acceleration of a vehicle
JP3951728B2 (ja) スタビライザ装置
JP3037735B2 (ja) 車両のサスペンション装置
JPH0780410B2 (ja) 車両用サスペンシヨン
US11161386B2 (en) Switchable stabilizer assembly of a vehicle
JPH04163220A (ja) 車両のサスペンション装置
JP3083113B2 (ja) 車両懸架装置
JPH0747829A (ja) 減衰特性制御装置
KR100207167B1 (ko) 차량의 서스펜션 제어장치
JPH0596925A (ja) 車両のキヤンバ角制御装置
JPH0532113A (ja) 車両のキヤンバ角制御装置
JPH0532112A (ja) 車両のキヤンバ角制御装置
JPS62234708A (ja) 車両の姿勢制御装置
JP2001354020A (ja) サスペンション制御装置
JP3060803B2 (ja) 4輪操舵車両の車両特性制御装置
JP3085059B2 (ja) 4輪操舵車両の車両特性制御装置
JPH0577624A (ja) 車両懸架装置
JP3087508B2 (ja) 車両走行状態検出装置
JP3037716B2 (ja) 車両のサスペンション装置
JPH07125518A (ja) 車両のサスペンション装置
JPH085303B2 (ja) スタビライザ制御装置
JP3055377B2 (ja) 4輪操舵車両の車両特性制御装置
JPS63162314A (ja) 車両のロ−ル剛性制御装置
JPH05319053A (ja) 車両用サスペンション制御装置
JPH09109641A (ja) 車両懸架装置