JPH0747706A - 記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 常に安定したむらのない記録を達成すること
ができる記録装置を提供することを目的とする。 【構成】 前記アパチャ電極１は、後述する絶縁材料か
らなる板状の絶縁層２により構成されており、その長手
方向には多数の開口部４ａが等間隔で一列に並んで設け
られている。また、開口部４ａの半ピッチ分ずらして、
更に後述するトナー搬送方向の下流側にずらして、開口
部４ｂが、長手方向に等間隔で一列に並んでいる。トナ
ー搬送方向の上流側に配置された開口部４ａは、その面
積が、トナー搬送方向の下流側に設けられた開口部４ｂ
の面積よりも大きくなるように設けられる。本実施例の
場合、トナー搬送方向上流側の開口部４ａの短手方向の
長さＷａがトナー搬送方向下流側の開口部４ｂの短手方
向の長さＷｂの１．５倍としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機、プリンタ、フ
ァクシミリ等に適用される記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の記録装置の一つとして、
荷電粒子制御手段として、開口部を有し、その開口部を
通過するトナーの流れを変調制御するアパチャ電極と、
そのアパチャ電極の裏面に配置され、帯電したトナーを
前記アパチャ電極の開口部に搬送するトナー搬送装置
と、そのトナー搬送装置により搬送され、前記アパチャ
電極の開口部を通過したトナーを、前記アパチャの表面
に配置される支持体に導く対向電極とを備える記録装置
が提案されている。

【０００３】しかしながら、この記録装置は、アパチャ
電極に搬送されるトナーが、トナー搬送装置におけるト
ナー搬送体に、鏡像力などによって強固に付着している
ために、トナーの流れを制御することができなかった。

【０００４】そこで、本出願人は、特願平４−２５４４
９４号の出願に於て、前記トナー搬送体と、アパチャ電
極とを少なくとも開口部付近に於いて接触させて配置し
た記録装置を提案している。

【０００５】また、記録密度を向上するために、アパチ
ャ電極の開口部は、例えば、図４に示されるように、長
手方向に等間隔で開口部３４ａの列が設けられ、そして
この開口部３４ａの列の長手方向に、この開口部３４ａ
の半ピッチ分だけずらした開口部３４ｂの列が、トナー
搬送方向にずらして設けられる。これらの開口部３４
ａ、３４ｂの周りからは、制御電極３３ａ、３３ｂが、
図４のように引き回されている。すなわち、トナー搬送
方向の上流側に設けられた制御電極３３ａは、上流側
に、また、トナー搬送方向の下流側に設けられた制御電
極３３ｂは下流側にそれぞれ引き出される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
記録装置において、トナー搬送方向の上流側にある開口
部３４ａを通過するトナーの量が、トナー搬送方向の下
流側にある開口部３４ｂを通過するトナーの量よりも少
なくなる問題が生じている。次に、この問題を図５及
び、図６を用いて詳しく説明する。

【０００７】アパチャ電極３１には、マイナス帯電した
トナー４４が供給されている。図５に示されるように、
トナー搬送方向の上流側の制御電極３３ａに、トナー流
遮蔽電圧として、−２０ボルト印加されると、トナー４
４がトナー搬送ローラ４１に向かうような力が働く電界
が形成される。従って、トナー４４は、アパチャ電極３
１の方向には移動することなく、トナー搬送ローラ４１
と、アパチャ電極３１との間をスムーズに移動する。

【０００８】図６に示されるように、トナー搬送方向の
上流側の制御電極３ａに、トナー流通過電圧として、プ
ラス２０ボルト印加されると、マイナス帯電したトナー
４４が制御電極３３ａに移動するような力の働く電界が
形成される。この電界によって、絶縁層３２を挟んで、
制御電極３３ａの裏にトナー４４が引き寄せされて付着
する。この付着によって、トナー搬送方向上流側の開口
部３４ａに供給されるトナーの量が少なくなるために、
開口部３４ａを通過するトナーの量が減少する。一方、
トナー搬送方向下流側の開口部３４ｂには、制御電極３
４ｂがトナー搬送方向の上流側にほとんど引き回されて
いないために、量が減少することなくトナーが供給され
る。以上説明したような動作によって、トナー搬送方向
の上流側に設けられた開口部３４ａを通過するトナーの
量が、トナー搬送方向の下流側に設けられた開口部３４
ｂを通過するトナーの量よりも少なくなる。この結果、
記録にむらがでるという問題があった。

【０００９】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、常に安定したむらのない記録を
達成することができる記録装置を提供することを目的と
する。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の記録装置は、荷電粒子を搬送する荷電粒子
搬送体と、前記荷電粒子搬送体の搬送方向にずらして配
置された開口部を有し、この開口部の荷電粒子の流れを
制御する荷電粒子制御手段とを有するものであって、前
記荷電粒子制御手段の荷電粒子搬送方向の上流に設けら
れた開口部の面積が、荷電粒子搬送方向の下流に設けら
れた開口部の面積よりも大きいことを特徴とする。

【００１１】

【作用】上記の構成を有する本発明の記録装置は、開口
部の面積が大きいほど、たくさんの荷電粒子がこの開口
部を通過することが可能となる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。

【００１３】図１は本発明を実施した記録装置の構成を
具体化した概略図であり、装置外装２６の右側部には、
画像を記録すべき支持体Ｐを挿入するための挿入口２１
が設けられており、左側部には画像が記録された支持体
Ｐが排出される取り出し口２２が設けられている。そし
て、装置内部には、荷電粒子制御手段としてのアパチャ
電極１と、対向電極６と、トナー搬送装置１０とが設け
られている。

【００１４】前記アパチャ電極１は、図２に詳細に示さ
れるように、後述する絶縁材料からなる板状の絶縁層２
により構成されており、その長手方向には多数の開口部
４ａが等間隔で一列に並んで設けられている。また、開
口部４ａの半ピッチ分ずらして、更に後述するトナー搬
送方向の下流側にずらして、開口部４ｂが、長手方向に
等間隔で一列に並んでいる。トナー搬送方向の上流側に
配置された開口部４ａは、その面積が、トナー搬送方向
の下流側に設けられた開口部４ｂの面積よりも大きくな
るように設けられる。本実施例の場合、トナー搬送方向
上流側の開口部４ａの短手方向の長さＷａがトナー搬送
方向下流側の開口部４ｂの短手方向の長さＷｂの１．５
倍としている。

【００１５】前記絶縁層２の上面には、各開口部４ａ及
び各開口部４ｂを独立して取り囲むように多数の制御電
極３ａ及び、制御電極３ｂが設けられている。前記絶縁
層２は、厚さ２５μｍの高分子樹脂フィルム、望ましく
はポリイミドによって構成されており、前記制御電極３
ａ、３ｂは、厚さ１μｍの金属膜、望ましくは銅によっ
て構成されている。そして、各制御電極３ａ、３ｂは画
像信号印加部５にそれぞれ接続されている。

【００１６】前記アパチャ電極１は、装置内のシャーシ
（図示せず）に設けられた台８によって支えられてい
る。

【００１７】そして、前記アパチャ電極１の下部には、
トナー搬送装置１０が設けられている。このトナー搬送
装置１０は、トナーケース１５によって覆われており、
トナー搬送体としてのトナー搬送ローラ１１と、供給ロ
ーラ１２と、ブレード１３とから構成されている。ま
た、前記トナーケース１５の内部には、トナー１４が貯
蔵されている。前記供給ローラ１２は、前記トナー搬送
ローラ１１にトナー１４を供給するために、図の矢印方
向に回転するように構成されている。更には、前記ブレ
ード１３は、トナー搬送ローラ１１に圧接するように配
設されている。

【００１８】上述のアパチャ電極１は、全ての開口部３
ａ、３ｂがトナー搬送ローラ１１に接するように、台８
によって支持される。

【００１９】前記アパチャ電極１の上方には対向電極６
が配置されている。更に、この対向電極６とアパチャ電
極１との間には、支持体Ｐが通過できるような、例えば
１ミリのスペースが設けられている。そして、この対向
電極６には、直流電源７によって、プラス１キロボルト
の電圧が印加されるようになっている。

【００２０】支持体Ｐは一対のガイドローラ２３によっ
て、挿入口２１から対向電極６の下方へ向って搬送さ
れ、対向電極６を通過した後、内部に熱源を備えたヒー
トローラ２４とプレスローラ２５との間に搬送されて、
支持体上のトナーが熱定着されるように構成されてい
る。

【００２１】次に、上記のように構成される記録装置の
動作を説明する。

【００２２】トナー搬送装置１０に於て、トナーケース
１５に貯蔵されたトナー１４は、供給ローラ１２によっ
て、トナー搬送ローラ１１に供給される。この場所で、
トナー１４は、供給ローラ１２とトナー搬送ローラ１１
とによって、接触しつつ摩擦して、マイナスに帯電す
る。この帯電したトナー１４は、トナー搬送ローラ１１
が回転することによって、ブレード１３を経由して、ア
パチャ電極１の開口部、最初に上流側の開口部４ａ、そ
して、下流側の開口部４ｂに搬送される。前記ブレード
１３によって、トナー搬送ローラ１１に担持されたトナ
ー１４は、薄く均一な厚みのトナー層となる。

【００２３】このトナー搬送ローラ１１上に薄く均一な
厚みのトナー層となって担持されたトナー１４は、アパ
チャ電極１の開口部４に搬送される前に、アパチャ電極
１の絶縁層２とトナー搬送ローラ１１表面との摺動によ
って、せん断力による運動エネルギーを与えられて、ト
ナー搬送ローラ１１へのトナー付着力が緩和される。こ
のトナー搬送ローラ１１との付着力の緩和されたトナー
が、アパチャ電極１の開口部に搬送される。

【００２４】そして、アパチャ電極１の開口部４ａ、４
ｂに搬送されたトナー１４は、画像信号印加部５から制
御電極３ａ、３ｂに印加される電圧によって、この制御
電極３ａ、３ｂにそれぞれ対応して設けられた開口部４
ａ、４ｂの通過が制御される。この際に、制御される帯
電トナーが、トナー搬送ローラ１１との付着力が緩和さ
れた状態で搬送されるために、かなりの低い電圧による
制御が可能となっている。

【００２５】具体的に述べると、画像信号印加部５から
トナー通過電圧として、プラス２０ボルトの電圧が制御
電極３ａ、３ｂに印加されるとき、接地されたトナー搬
送ローラ１１と制御電極３ａ、３ｂとの間に、すなわち
制御電極に対応する開口部４ａ、４ｂの内部において、
マイナス帯電したトナー１４が開口部４ａ、４ｂを通過
できるような電界が発生し、トナー１４は開口部４ａ、
４ｂを通過する。

【００２６】この時、図３に示されるように、トナー搬
送方向の上流側に設けられた制御電極３ａにプラス２０
ボルトのトナー流通過電圧が印加されると、マイナス帯
電したトナー１４が制御電極３ａに移動するような力の
働く電界が形成される。この電界によって、絶縁層２を
挟んで、制御電極３ａの裏にトナー１４が引き寄せられ
て付着する。この付着によって、トナー搬送方向上流側
の開口部４ａに搬送されるトナーの量が少なくなるため
に、開口部４ａを通過するトナーの量が減少していた
が、この開口部４ａの面積が大きくなっているために、
多くのトナーが通過し得る。

【００２７】この結果、トナー供給量の少ないことが、
開口部４ａの面積の大きさによって補正されるために、
所望の量のトナーが開口部４ａを通過する。一方、トナ
ー搬送方向下流側の開口部４ｂには、制御電極３ｂがト
ナー搬送方向の上流側にほとんど引き回されていないた
めに、量が減少することなくトナーが供給される。そし
て、所望の量のトナーが開口部４ｂを通過する。このよ
うな動作によって、トナー搬送方向の上流側に設けられ
た開口部４ａを通過するトナーの量と、トナー搬送方向
の下流側に設けられた開口部４ｂを通過するトナーの量
とが、ほぼ一致させることができる。

【００２８】また画像信号印加部５からトナー遮蔽電圧
として、マイナス２０ボルトの電圧が制御電極３ａ、３
ｂに印加されると、接地されたトナー搬送ローラ１１と
制御電極３ａ、３ｂとの間に、すなわちその開口部４
ａ、４ｂ内部において、マイナス帯電したトナー１４
が、開口部４ａ、４ｂの通過を阻止される電界が発生
し、トナー１４は開口部４ａ、４ｂを通過しない。

【００２９】対向電極６には電源７によってプラス１キ
ロボルトの電圧が印加されている。この電圧印加によっ
て対向電極６とアパチャ電極１との間に電界が形成さ
れ、この電界に沿ってアパチャ電極１の開口部４ａ、４
ｂを通過してきたトナー１４が対向電極６へ吸引され
る。そして、搬送されてきた支持体Ｐにトナー１４が塗
布される。

【００３０】一方、挿入口２１より装置内部に挿入され
た支持体Ｐは、一対のガイドローラ２３によって対向電
極６に搬送される。

【００３１】そして、順次支持体が搬送されることによ
って、トナー画像が支持体Ｐ上に形成される。

【００３２】その後、支持体Ｐは取り出し口の方向に搬
送され、ヒートローラ２４とプレスローラ２５とによっ
て挟み込まれ、支持体Ｐ上のトナー画像は熱定着され
る。

【００３３】トナー像の熱定着された支持体Ｐは、取り
出し口２２へ搬送され、装置外に排出される。

【００３４】以上説明したように、搬送量の減少したト
ナーの量がその面積の差によって、補正されることにな
るために、トナー搬送方向の上流側に設けられた開口部
４ａを通過するトナーの量と、トナー搬送方向の下流側
に設けられた開口部４ｂを通過するトナーの量が、ほぼ
一致する。この結果、濃度むらのない記録が達成され
る。

【００３５】本発明は、以上詳述した実施例に限定され
るものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種
々の変更を加えることができる。

【００３６】例えば、本実施例においては、トナー搬送
方向の下流側の開口部の短手方向を上流側のそれよりも
長くして面積を大きくしたが、開口部の長手方向を長く
したり、相似的に大きくしたり、まったく形状を変えた
りすることによっても可能となってくる。

【００３７】また、アパチャ電極は、開口部が千鳥足状
に配列したものに限定はされなくて、３列以上の複数列
のアパチャ電極にも適用できる。

【００３８】また、本実施例においては、トナー流制御
手段として、アパチャ電極を用いたが、特表平１−５０
３２２１号の公報に記載されたメッシュ状のトナー流制
御手段を用いることも可能であるのは、容易に理解され
る。

【００３９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の記録装置
によれば、搬送量の減少したトナーの量がその面積の差
によって、補正されることになるために、トナー搬送方
向の上流側に設けられた開口部を通過するトナーの量
と、トナー搬送方向の下流側に設けられた開口部を通過
するトナーの量が、ほぼ一致する。この結果、濃度むら
のない記録が達成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施した記録装置の構成断面図であ
る。

【図２】その記録装置に搭載されるアパチャ電極の上面
図である。

【図３】その記録装置の動作説明図である。

【図４】従来の記録装置に搭載されるアパチャ電極の上
面図である。

【図５】従来の記録装置の動作説明図である。

【図６】従来の記録装置の動作説明図である。

【符号の説明】

１ アパチャ電極 ２ 絶縁層 ３ａ、３ｂ 制御電極 ４ａ、４ｂ 開口部 ６ 対向電極 １０ トナー搬送装置 １１ トナー搬送ローラ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 荷電粒子を搬送する荷電粒子搬送体と、 前記荷電粒子搬送体の搬送方向にずらして配置された開
   口部を有し、この開口部の荷電粒子の流れを制御する荷
   電粒子制御手段とを有する記録装置において、 前記荷電粒子制御手段の荷電粒子搬送方向の上流に設け
   られた開口部の面積が、荷電粒子搬送方向の下流に設け
   られた開口部の面積よりも大きいことを特徴とする記録
   装置。