JPH0747599A - ポリエステル製テープ - Google Patents

ポリエステル製テープ

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JPH0747599A
JPH0747599A JP9016493A JP9016493A JPH0747599A JP H0747599 A JPH0747599 A JP H0747599A JP 9016493 A JP9016493 A JP 9016493A JP 9016493 A JP9016493 A JP 9016493A JP H0747599 A JPH0747599 A JP H0747599A
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雄 高橋
Akira Nakamura
昭 中村
Ryosuke Kamei
良祐 亀井
Tetsuya Takahashi
哲也 高橋
Shigenori Terasono
重則 寺園
Eiichiro Takiyama
栄一郎 滝山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、引張強度、結節強度、耐分繊性に
優れた結束テープおよび機械的強度に優れた筋付きテー
プを提供することにある。 【構成】 温度190℃、剪断速度100sec-1にお
ける溶融粘度が1×103 〜4×104 ポイズであり、
融点が70〜190℃である脂肪族ポリエステルからな
るテープ。 【効果】 土壌等に埋めた場合生分解性を有し、引張り
強さ、柔軟性に優れており、包装用紐類、自動結束用結
束テープ、重量物の梱包用途に有用な結束テープおよび
機械的強度に優れた筋付きテープが得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性を有し、実用
上十分な高分子量と特定の溶融特性を有する脂肪族ポリ
エステルを用いて成形された引張り強さおよび結節強度
に優れたテープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、流通システムや農作業の自動化の
進歩に伴い包装資材や農業用資材のプラスチック化が進
む一方、これら多量に使用されているプラスチックの廃
棄物が、河川、海洋、土壌を汚染する可能性を有し、大
きな社会問題になっており、この汚染防止のために生分
解性を有するプラスチックの出現が待望され、既に、例
えば、微生物による発酵法により製造されるポリ(3−
ヒドロキシブチレート)やブレンド系の天然高分子であ
る澱粉と汎用プラスチックとのブレンド物等が知られて
いる。しかし、前者はポリマーの熱分解温度が融点に近
いため成形加工性に劣ることや微生物が作りだすため、
原料原単位が非常に悪い欠点を有している。また、後者
は天然高分子自身が熱可塑性でないため、成形性に難が
あり、利用範囲に大きな制約を受けている。一方、脂肪
族のポリエステルは生分解性を有することは知られてい
たが、実用的な成形品物性を得るに十分な高分子量物が
得られないために、ほとんど利用されなかった。最近、
ε−カプロラクトンが開環重合により高分子量になるこ
とが見いだされ、生分解性樹脂として提案されている
が、融点が62℃と低く、原料が高価なため特殊用途へ
の利用に限定されている。グリコール酸や乳酸などもグ
リコリドやラクチドの開環重合により高分子量が得ら
れ、僅かに医療用繊維等に利用されているが、融点と分
解温度が近く、成形加工性に欠点を持ち、包装用資材や
農業用資材に大量に使用されるには至っていない。
【0003】この耐腐食、高強度等の要求される包装用
資材、農業用資材等の一つとして、結束テープや筋付き
テープ等(以下、総称してテープという)はポリオレフ
ィンのうち高密度のポリエチレン、ポリプロピレン樹脂
を原料としたものが主たるものである。テープは包装用
の紐類、自動結束用バインダーテープや梱包用途として
多く使用されており、筋付きテープは梱包、農業用、建
築用、林業用の結束用紐や縄として使用されている。ま
たポリエステル系のポリエチレンテレフタレート、ポリ
プロピレンテレフタレート等は特殊用途の高強力用とし
て使用されているが、この成形品に用いられている高分
子量ポリエステル(ここで言う高分子量ポリエステルと
は、数平均分子量が10,000以上を指す)は、テレ
フタル酸(ジメチルテレフタレートを含む)とエチレン
グリコールとの縮合体であるポリエチレンテレフタレー
トに限定される、といっても過言ではない。このテレフ
タル酸の代りに、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用
いた例もあるが、生分解性を付与しようとする試みの報
告はまだされていないのが現状である。従って、従来、
ジカルボン酸に脂肪族タイプを使用した、生分解性を有
する脂肪族のポリエステルを用いて、テープを成形し、
実用化しようとする思想は皆無といってよい。
【0004】この実用化の思想の生まれていない理由の
一つは、テープが特殊な成形条件と成形品物性が要求さ
れるにもかかわらず、たとえ結晶性であったとしても、
前記脂肪族ポリエステルの融点は100℃以下のものが
ほとんどであり、その上熔融時の熱安定性に乏しいこ
と、更に重要なことは脂肪族ポリエステルの性質、特に
引張り強さで代表される性質が、上記ポリエチレンテレ
フタレートと同一レベルの数平均分子量でも著しく劣っ
た値しか示さず、強度等を要する成形物を得ようとする
発想をすること自体困難であったものと考えられる。脂
肪族のポリエステルの数平均分子量をより上昇させて物
性向上を期待する研究は、その熱安定性の不良から十分
に進展していないこともその理由の一つと推察される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら脂肪
族のポリエステルをその成分として用い、実用上十分な
高分子量を有し、引張り強さに代表される機械的性質に
優れ、且つ、廃棄処分手段のひとつとしての生分解性、
即ち、微生物等による分解も可能な、使用後廃棄処分の
しやすいテープを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高分子量
で十分な実用性をもったテープ成形性を有するポリエス
テルを得るための反応条件を種々検討した結果、生分解
性を保持しつつ、実用上十分な高分子量を有する特定の
脂肪族ポリエステルを得、これから成形されたテープは
上記生分解性を有することはもちろん熱安定性、機械的
強度に優れていることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、(A)温度190
℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が1×1
3 〜4×104 ポイズであり、融点が70〜190℃
である脂肪族ポリエステルを主成分として押出成形され
てなるテープ、(B)脂肪族ポリエステルが数平均分子
量10,000以上、0.03〜3.0重量%のウレタ
ン結合を含む(A)のテープ、(C)数平均分子量が
5,000以上、融点が60℃以上の脂肪族ポリエステ
ルプレポリマー100重量部に、0.1〜5重量部のジ
イソシアナートを反応させることにより得られる脂肪族
ポリエステルを用いてなる(A)又は(B)のテープに
ある。以下、本発明の内容を詳細に説明する。
【0008】本発明でいう脂肪族ポリエステルとは、グ
リコール類と脂肪族ジカルボン酸(またはその酸無水
物)との2成分、あるいは必要に応じて、これに第三成
分として、3官能または4官能の多価アルコール、オキ
シカルボン酸および多価カルボン酸(またはその酸無水
物)から選ばれる少なくとも1種の多官能成分を加えて
反応して得られたポリエステルを主成分とするものであ
り、分子の末端にヒドロキシル基を有する、比較的高分
子量のポリエステルプレポリマーを作り、これをカップ
リング剤により、さらに高分子量化させたものである。
【0009】従来から、末端基がヒドロキシル基であ
る、数平均分子量が2,000〜2,500の低分子量
ポリエステルプレポリマーをカップリング剤としてのジ
イソシアナートと反応させて、ポリウレタンとし、ゴ
ム、フォーム、塗料、接着剤とすることは広く行われて
いる。
【0010】しかし、これらのポリウレタン系フォー
ム、塗料、接着剤に用いられるポリエステルプレポリマ
ーは、無触媒で合成されうる最大限の、数平均分子量が
2,000〜2,500の、低分子量プレポリマーであ
り、この低分子量プレポリマー100重量部に対して、
ポリウレタンとしての実用的な物性を得るためには、ジ
イソシアナートの使用量は10〜20重量部にも及ぶ必
要があり、このように多量のジイソシアナートを150
℃以上の溶融した低分子量ポリエステルに添加すると、
ゲル化してしまい、通常の溶融成形可能な樹脂は得られ
ない。従って、このような低分子量のポリエステルプレ
ポリマーを原料とし、多量のジイソシアナートを反応さ
せて得られるポリエステルは本発明のテープ用原料には
用いえない。
【0011】またポリウレタンゴムの場合のごとく、ジ
イソシアナートを加えて、ヒドロキシル基をイソシアナ
ート基に転換し、さらにグリコールで数平均分子量を増
大する方法も考えられるが、使用されるジイソシアナー
トの量は前述のように実用的な物性を得るにはプレポリ
マー100重量部に対して10重量部以上であり上記と
同様の問題がある。比較的高分子量のポリエステルプレ
ポリマーを使用しようとすればそのプレポリマー合成に
必要な重金属系の触媒が上記使用量のイソシアナート基
の反応性を著しく促進して、保存性不良、架橋反応、分
岐生成をもたらし、好ましくないことから、ポリエステ
ルプレポリマーとして無触媒で合成されたものを使用し
ようとすれば、数平均分子量は高くても2,500位の
ものが限界である。
【0012】本発明に用いられる脂肪族ポリエステルを
得るためのポリエステルプレポリマーはその合成用触媒
を含有する上記のような比較的高分子量のものであり、
末端基が実質的にヒドロキシル基であり、数平均分子量
が5,000以上、好ましくは10,000以上の比較
的高分子量であり、融点が60℃以上の飽和脂肪族のポ
リエステルであり、グリコール類と多塩基酸(またはそ
の無水物)とを触媒反応させて得られる。数平均分子量
が5,000未満であると、本発明で利用する0.1〜
5重量部という少量のカップリング剤では、良好な物性
を有するテープ用ポリエステルを得ることができない。
数平均分子量が5,000以上のポリエステルプレポリ
マーは、ヒドロキシル価が30以下であり、少量のカッ
プリング剤の使用で、溶融状態といった苛酷な条件下で
も、残存する触媒の影響を受けないので反応中にゲルを
生ずることなく、高分子量ポリエステルを合成すること
ができる。
【0013】すなわち本発明のテープを構成するポリマ
ーは、脂肪族グリコールと脂肪族ジカルボン酸からなる
数平均分子量(Mn)が5,000以上、好ましくは1
0,000以上で、融点が60℃以上のポリエステルプ
レポリマーが、例えばカップリング剤としてのジイソシ
アナートに由来するウレタン結合を介して連鎖した構造
をとるものである。さらにまた本発明のテープを構成す
るポリマーは、上記のポリエステルプレポリマーが、多
官能成分に由来する長鎖分岐を有し、これが例えばカッ
プリング剤としてのジイソシアナートに由来するウレタ
ン結合を介して連鎖した構造をとるものである。カップ
リング剤としてオキサゾリン、ジエポキシ化合物、酸無
水物を使用する場合は、ポリエステルプレポリマーはエ
ステル結合を介して連鎖構造をとる。
【0014】用いられるグリコール類としては、例えば
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等があげられる。エチレンオキシドも利用することが
できる。これらのグリコール類は、併用してもよい。
【0015】グリコール類と反応して脂肪族のポリエス
テルを形成する脂肪族ジカルボン酸(またはその酸無水
物)には、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシ
ン酸、ドデカン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、な
どが一般に市販されており、本発明に利用することがで
きる。脂肪族ジカルボン酸(またはその酸無水物)は併
用してもよい。
【0016】(第三成分)これらのグリコール類および
ジカルボン酸の他に、必要に応じて、これに第三成分と
して、3官能または4官能の多価アルコール、オキシカ
ルボン酸および多価カルボン酸(またはその酸無水物)
から選ばれる少なくとも1種の多官能成分を加えて反応
させてもよい。この第三成分を加えることにより、分子
に長鎖の枝別れを生じ、分子量が大となるとともにMw
/Mnが大となり、すなわち分子量分布が広くなって、
フィルム成形等に望ましい性質を付与することができ
る。添加される多官能成分の量は、ゲル化の危険がない
ようにするためには、脂肪族ジカルボン酸(またはその
酸無水物)の成分全体100モル%に対して3官能の場
合は0.1〜5モル%であり、4官能の場合は0.1〜
3モル%である。
【0017】(多官能成分)第三成分として使用される
多官能成分としては、3官能または4官能の多価アルコ
ール、オキシカルボン酸および多価カルボン酸が挙げら
れる。3官能の多価アルコール成分としては、トリメチ
ロールプロパン、グリセリンまたはその無水物が代表的
であり、4官能の多価アルコール成分は、ペンタエリト
リットが代表的である。
【0018】3官能のオキシカルボン酸成分は、(i)
カルボキシル基が2個とヒドロキシル基が1個を同一分
子中に有するタイプと、(ii)カルボキシル基が1個と
ヒドロキシル基が2個のタイプとに分かれるが、市販品
が容易に、且つ低コストで入手可能といった点からは、
(i)の同一分子中に2個のカルボキシル基と1個のヒ
ドロキシル基とを共有するリンゴ酸が実用上有利であ
り、本発明の目的には十分である。4官能のオキシカル
ボン酸成分には、次の3種類がある。すなわち、(i)
3個のカルボキシル基と1個のヒドロキシル基とを同一
分子中に共有するタイプ、(ii)2個のカルボキシル基
と2個のヒドロキシル基とを同一分子中に共有するタイ
プ、(iii )3個のヒドロキシル基と1個のカルボキシ
ル基とを同一分子中に共有するタイプがあり、いずれの
タイプも使用可能であるが、市販品が容易に、且つ低コ
ストで入手可能といった点からは、クエン酸ならびに酒
石酸が実用上有利であり、本発明の目的には十分であ
る。
【0019】3官能の多価カルボン酸(またはその酸無
水物)成分は、例えばトリメシン酸、プロパントリカル
ボン酸等を使用することができるが、実用上から無水ト
リメリット酸が有利であり、本発明の目的には十分であ
る。4官能の多価カルボン酸(またはその酸無水物)
は、文献上では脂肪族、環状脂肪族、芳香族等の各種タ
イプがあるが、市販品を容易に入手し得るといった点か
らは、例えば無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸
無水物が挙げられ、本発明の目的には十分である。
【0020】これらグリコール類および脂肪族ジカルボ
ン酸は脂肪族系が主成分であるが、少量の他成分たとえ
ば芳香族系を併用してもよい。但し、他成分を導入する
と生分解性が悪くなるため、20重量%以下、好ましく
は10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下であ
る。本発明に用いられる脂肪族ポリエステル用ポリエス
テルプレポリマーは、末端基が実質的にヒドロキシル基
であるが、そのためには合成反応に使用するグリコール
類および脂肪族ジカルボン酸(またはその酸無水物)の
使用割合は、グリコール類を幾分過剰に使用する必要が
ある。
【0021】比較的高分子量のポリエステルプレポリマ
ーを合成するには、エステル化に続く脱グリコール反応
の際に、脱グリコール反応触媒を使用することが必要で
ある。
【0022】脱グリコール反応触媒としては、例えばア
セトアセトイル型チタンキレート化合物、並びに有機ア
ルコキシチタン化合物等のチタン化合物があげられる。
これらのチタン化合物は、併用もできる。これらの例と
しては、例えばジアセトアセトキシオキシチタン(日本
化学産業(株)社製“ナーセムチタン”)、テトラエト
キシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシ
チタン等があげられる。チタン化合物の使用割合は、ポ
リエステルプレポリマー100重量部に対して0.00
1〜1重量部、望ましくは0.01〜0.1重量部であ
る。チタン化合物はエステル化の最初から加えてもよ
く、また脱グリコール反応の直前に加えてもよい。
【0023】さらに、数平均分子量が5,000以上、
望ましくは10,000以上の末端基が実質的にヒドロ
キシル基であるポリエステルプレポリマーに、さらに数
平均分子量を高めるためにカップリング剤が使用され
る。カップリング剤としては、ジイソシアナート、オキ
サゾリン、ジエポキシ化合物、酸無水物等があげられ、
特にジイソシアナートが好適である。なお、オキサゾリ
ンやジエポキシ化合物の場合はヒドロキシル基を酸無水
物等と反応させ、末端をカルボキシル基に変換してから
カップリング剤を使用することが必要である。ジイソシ
アナートはその種類には特に制限はないが、例えば2,
4−トリレンジイソシアナート、2,4−トリレンジイ
ソシアナートと2,6−トリレンジイソシアナートとの
混合体、ジフェニルメタンジイソシアナート、1,5−
ナフチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナ
ート、水素化キシリレンジイソシアナート、ヘキサメチ
レンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナートが
あげられ、特に、ヘキサメチレンジイソシアナートが、
生成樹脂の色相、ポリエステル添加時の反応性等の点か
ら好ましい。
【0024】これらカップリング剤の添加量は、ポリエ
ステルプレポリマー100重量部に対して0. 1〜5重
量部、望ましくは0. 5〜3重量部である。0. 1重量
部未満では、カプリング反応が不十分であり、5重量部
を超えると、ゲル化が発生し易くなる。
【0025】添加は、ポリエステルプレポリマーが均一
な溶融状態であり、容易に撹拌可能な条件下で行われる
ことが望ましい。固形状のポリエステルプレポリマーに
添加し、エクストルーダーを通して溶融、混合すること
も不可能ではないが、脂肪族ポリエステル製造装置内
か、或は溶融状態のポリエステルプレポリマー(例えば
ニーダー内での)に添加することが実用的である。
【0026】本発明において使用される脂肪族ポリエス
テルは押出成形されてテープにするためには、特定の溶
融特性が要求される。即ち、温度190℃、剪断速度1
00sec-1における溶融粘度は1×103 〜4×10
4 ポイズであり、好ましくは6×103 〜3×104
イズ、1×104 〜2×104 ポイズが特に好ましい。
1×103 ポイズ未満では成形安定性が不良となり、結
束テープでは原反が厚みむらとなり、延伸不均一でデニ
ールむらとなる。また、4×104 ポイズを超えるとメ
ルトフラクチャーが起り、テープ肌が悪くなったり、吐
出不安定による延伸むらとなる。なお、溶融粘度の測定
はノズル径が1.0mmであり、L/D=10のノズル
を用い樹脂温度190℃で測定した剪断速度と見かけ粘
度の関係のグラフより剪断速度100sec-1の時の粘
度を求めた。
【0027】さらに、本発明において使用される脂肪族
ポリエステルの融点は70〜190℃であることが必要
であり、70〜150℃であることがより好ましく、特
に80〜135℃が好ましい。70℃未満では耐熱性が
不十分であり、190℃を超えるものは製造が難しい。
70℃以上の融点を得るためには、ポリエステルプレポ
リマーの融点は60℃以上であることが必要である。
【0028】本発明において使用される脂肪族ポリエス
テル中にウレタン結合を含む場合のウレタン結合量は
0.03〜3.0重量%であり、0.05〜2.0重量
%がより好ましく、0.1〜1.0重量%が特に好まし
い。ウレタン結合量はC13NMRにより測定され、仕込
み量とよく一致する。0.03重量%未満ではウレタン
結合による高分子量化の効果が少なく、成形加工性に劣
り、3.0重量%を超えるとゲルが発生する。
【0029】本発明に係るテープ成形のため上記の脂肪
族ポリエステルを使用するに際しては、必要に応じて酸
化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等の他、滑剤、ブロ
ッキング防止剤、光安定剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止
剤,ワックス類、着色剤、フィラー等を併用できること
は勿論である。すなわち、酸化防止剤としては、p−t
−ブチルヒドロキシトルエン、p−t−ブチルヒドロキ
シアニソール等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、
ジステアリルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジ
プロピオネート等のイオウ系酸化防止剤等、熱安定剤と
しては、トリフェニルホスファイト、トリラウリルホス
ファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等、紫外
線吸収剤としては、p−t−ブチルフェニルサリシレー
ト、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾ
フェノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン
等、滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸ナトリ
ウム等、帯電防止剤としては、N,N−ビス(ヒドロキ
シエチル)アルキルアミン、アルキルアミン、アルキル
アリルスルホネート、アルキルスルフォネート等、難燃
剤として、ヘキサブロモシクロドデカン、トリスー
(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、ペンタブ
ロモフェニルアリルエーテル等、無機充填剤としては、
炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、タルク、マイ
カ、硫酸バリウム、アルミナ等、結晶化促進剤として、
ポリエチレンテレフタレート、ポリートランスシクロヘ
キサンジメタノールテレフタレート等、があげられる。
【0030】本発明において用いられる脂肪族ポリエス
テルを主成分とする原料は、これを溶融押し出しするこ
とにより、テープとすることができる。テープとして
は、結束テープおよび筋付きテープがある。これらは、
通常次のようにして製造することができる。
【0031】(1)結束テープの製造 本発明において結束テープとは3,000デニール以上
の太さのものをいい、脂肪族ポリエステルを主成分とす
る原料をサーキュラーダイス、Tダイス等を用いた公知
の成形機を使用して溶融押出後延伸することにより製造
することができる。押出温度は一般に170℃〜230
℃、好ましくは180℃〜210℃である。この230
℃を超えるとゲルの発生が起き未延伸、蛇玉の原因とな
る。フィルム状に溶融押出し或いは、サーキュラーダイ
スでチューブ状に直接押出ても良い。冷却固化後、該フ
ィルムをリボン状にスリットして延伸、緩和熱処理を行
う。溶融押出において、結束テープの物性充足のため等
の目的で当該ポリエステルと他の樹脂を2層または3層
と多層に貼合共押出の多層結束テープも可能である。延
伸方法は湿式、乾式即ち浴中、スチーム熱ロール、オー
ブン熱板式の通常の延伸を用い、高温下で全延伸倍率は
3〜9倍好ましくは4〜8倍で延伸できる。なお、延伸
方法は、1段でもよいが2段延伸でも良い。
【0032】延伸の温度は40℃〜130℃で好ましく
は60℃〜100℃で、2段延伸は全延伸倍率の30%
〜90%、好ましくは60%〜85%の範囲で延伸し、
第2段階目80℃〜120℃で、好ましくは90℃〜1
00℃である。全延伸倍率の70%〜10%、好ましく
は40%〜15%の範囲で延伸する。一段の温度が40
℃以下でも延伸は可能であるが、耐分繊能力が低下して
割れ易い。100℃を超過すると延伸ムラとなる。更に
緩和熱処理は90℃〜140℃好ましくは110℃〜1
50℃が良い。緩和率は5%〜30%が良いが更に好ま
しくは10%〜20%である。緩和熱処理温度が90℃
未満であったり、緩和率が5%未満の場合結束テープ経
時収縮率が増大する。逆に、前者が140℃を超えた
り、後者が30%を超えるとテープ形状が昆布状となり
巻姿が悪くなる。
【0033】本発明に係る数平均分子量10,000以
上、望ましくは20,000以上の脂肪族ポリエステル
は、融点が70℃〜190℃以上で結晶性があれば、強
靭な結束テープとすることができ、しばり紐などの包装
梱包材料、農業用資材として利用することが可能であ
る。
【0034】(2)ポリエステル製筋付きテープの製造 本発明のポリエステル製筋付きテープは、高分子量結晶
性脂肪族ポリエステルを主成分とする原料を、インフレ
ーション法、T−ダイ法等の成形法によって筋付きのダ
イより押し出してフィルムとした後、適当な幅にスリッ
トしたフィルムを熱板、オーブン、熱ロール等で延伸し
て筋付きテープとされる。押出温度は120〜260
℃、好ましくは130〜240℃である。120℃未満
ではフィルムの肌荒れが生じ易く、260℃を超えると
フィルムの揺れが大きくなり安定的な成形が出来ない。
延伸温度は、30〜160℃、好ましくは40〜150
℃である。延伸倍率は3〜7倍である。筋の形状はU
型、四角型、三角型等何れでも良く、筋の高さ、幅、間
隔は適宜決められる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により説明す
る。
【0036】(実施例1)700Lの反応機を窒素置換
してから、1,4−ブタンジオール183kg、コハク
酸224kgを仕込んだ。窒素気流下で昇温を行い、1
92〜220℃にて3.5時間、更に窒素を停止して2
0〜2mmHgの減圧下に3.5時間にわたり脱水縮合
によるエステル化反応を行った。採取された試料は、酸
価が9.2mg/g、数平均分子量(Mn)が5,16
0、また重量平均分子量(Mw)が10,670であっ
た。引続いて、常圧の窒素気流下で触媒のテトライソプ
ロポキシチタン34gを添加した。温度を上昇させ、温
度215〜220℃で15〜0.2mmHgの減圧にて
5.5時間、脱グリコール反応を行った。採取された試
料は数平均分子量(Mn)が16,800、また重量平
均分子量(Mw)が43,600であった。このポリエ
ステル(A1)は、凝縮水を除くと収量は339kgで
あった。
【0037】ポリエステル(A1)339kgを含む反
応器にヘキサメチレンジイソシアナート5.42kgを
添加し、180〜200℃で1時間カプリング反応を行
った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。ついで、抗酸化剤としてイルガノックス1010
(チバガイギー(株)製)を1.70kgおよび滑剤と
してステアリン酸カルシウムを1.70kgを加えて、
更に30分間撹拌を続けた。この反応生成物をエクスト
ルーダーにて水中に押出し、カッターで裁断してペレッ
トにした。90℃で6時間、真空乾燥した後のポリエス
テル(B1)の収量は300kgであった。
【0038】得られたポリエステル(B1)は、僅かに
アイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が110
℃、数平均分子量(Mn)が35,500、重量平均分
子量(Mw)が170,000、MFR(190℃)は
1.0g/10分、オルトクロロフェノールの10%溶
液の粘度は230ポイズ、温度190℃、剪断速度10
0sec-1における溶融粘度は1.5×104 ポイズで
あった。平均分子量の測定は、Shodex GPC
System−11(昭和電工(株)製ゲルクロマトグ
ラフィ),溶媒はCF3 COONaのHFIPA5mm
ol溶液、濃度0.1重量%、検量線は昭和電工(株)
製PMMA標準サンプルShodex Standar
d M−75で行った。
【0039】ポリエステル(B1)を露点調節型の熱風
循環乾燥機を用いて120℃、3時間乾燥後、90φの
押出機にダイス巾1200m/m巾、リップギャップ
0.7m/mのTダイス押出装置を用いて、溶融押出
し、水冷チルロールで冷却固化してシート原反を作っ
た。この原反20m/m巾にスリットして熱板延伸を行
い、緩和熱処理を行った。延伸は倍率4.5倍、温度は
90℃、緩和温度は120℃、緩和率は10%、延伸速
度は80m/分で10m/m巾、12000デニールの
結束テープを製造した。得られた結束テープの物性は引
張強度4.3g/dで実用性のある充分なものであっ
た。以下、実施例および比較例の製造条件、外観評価、
得られた結束テープの物性結果を表1にまとめて示す。
なお、引張速度等の物性はJIS Z1533の測定法
により行った。この結束テープを土中に5ヶ月間埋めて
おいたところ、実用に耐えない強度にまで分解してい
た。
【0040】(実施例2〜3)実施例1の条件でヤーン
巾、デニールを変えて結束テープを製造した。結束テー
プの物性は表1に示した。なお、この結束テープを土中
に5ヶ月間埋めておいた結果は、実施例1と同様であっ
た。
【0041】(実施例4)700Lの反応機を窒素置換
してから、1,4ーブタンジオール177kg、コハク
酸198kg、アジピン酸25kgを仕込んだ。窒素気
流下で昇温を行い、190〜210℃にて3.5時間、
更に窒素を停止して20〜2mmHgの減圧下にて3.
5時間にわたり脱水縮合によるエステル化反応を行っ
た。採取された試料は、酸価が9.6mg/g、数平均
分子量(Mn)が6,100、また重量平均分子量(M
w)が12,200であった。引続いて、常圧の窒素気
流下で触媒のテトライソプロポキシチタン20gを添加
した。温度を上昇させ、温度210〜220℃で15〜
0.2mmHgの減圧下にて6.5時間、脱グリコール
反応を行った。採取された試料は数平均分子量(Mn)
が17,300、また重量平均分子量(Mw)が46,
400であった。このポリエステル(A2)は、凝縮水
を除くと収量は337kgであった。
【0042】ポリエステル(A2)333kgを含む反
応器にヘキサメチレンジイソシアナート4.66kgを
添加し、180〜200℃で1時間カプリング反応を行
った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。ついで、抗酸化剤としてイルガノックス1010
(チバガイギー(株)製)を1.70kgおよび滑剤と
してステアリン酸カルシウムを1.70kgを加えて、
更に30分間撹拌を続けた。この反応生成物をエクスト
ルーダーにて水中に押出し、カッターで裁断してペレッ
トにした。90℃で6時間、真空乾燥した後のポリエス
テル(B2)の収量は300kgであった。
【0043】得られたポリエステル(B2)は、僅かに
アイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が103
℃、数平均分子量(Mn)が36,000、重量平均分
子量(Mw)が200,900、MFR(190℃)は
0.52g/10分、オルトクロロフェノールの10%
溶液の粘度は680ポイズ、温度190℃、剪断速度1
00sec-1における溶融粘度は2.2×104 ポイズ
であった。
【0044】ポリエステル(B2)を実施例1と同様に
して押出原反成形し、実施例1と同様に延伸緩和して1
0m/m巾、12000デニールの結束テープを製造し
た。引張強度4.5g/dで、頗る強靭なものであっ
た。結束テープの物性は表1に示す。この結束テープを
土中に5ヶ月間埋めておいたところ、実用に耐えない強
度まで分解していた。
【0045】(実施例5〜6)実施例1の条件でデニー
ルを変えて結束テープを製造した。ここで得た結束テー
プについて土中に5ヶ月間埋めておいたところ、実用性
のない結束バンドに分解していた。
【0046】(実施例7)700Lの反応機を窒素置換
してから、エチレングリコール145kg、コハク酸2
51kg、クエン酸4.1kgを仕込んだ。窒素気流下
で昇温を行い、190〜210℃にて3.5時間、更に
窒素を停止して20〜2mmHgの減圧下にて5.5時
間にわたり脱水縮合によるエステル化反応を行った。採
取された試料は、酸価が8.8mg/g、数平均分子量
(Mn)が6,800、また重量平均分子量(Mw)が
13,500であった。引続いて、常圧の窒素気流下で
触媒のテトライソプロポキシチタン20gを添加した。
温度を上昇させ、温度210〜220℃で15〜0.2
mmHgの減圧下にて4.5時間、脱グリコール反応を
行った。採取された試料は数平均分子量(Mn)が3
3,400、また重量平均分子量(Mw)が137,0
00であった。このポリエステル(A3)は、凝縮水を
除くと収量は323kgであった。
【0047】ポリエステル(A3)323kgを含む反
応機にヘキサメチレンジイソシアナート3.23kgを
添加し、180〜200℃で1時間カプリング反応を行
った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。ついで、抗酸化剤としてイルガノックス1010
(チバガイギー(株)製)を1.62kgおよび滑剤と
してステアリン酸カルシウムを1.62kgを加えて、
更に30分間撹拌を続けた。この反応生成物をエクスト
ルーダーにて水中に押出し、カッターで裁断してペレッ
トにした。90℃で6時間、真空乾燥した後のポリエス
テル(B3)の収量は300kgであった。
【0048】得られたポリエステル(B3)は、僅かに
アイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が96℃、
数平均分子量(Mn)が54,000、重量平均分子量
(Mw)が324,000、MFR(190℃)は1.
1g/10分、オルトクロロフェノールの10%溶液の
粘度は96ポイズ、温度190℃、剪断速度100se
-1における溶融粘度は1.6×104 ポイズであっ
た。
【0049】ポリエステル(B3)を実施例1と同様な
条件で結束テープを製造した。得られた結束テープの引
張り強さは4.8g/dで、頗る強靭な結束テープであ
った。この結束テープを土中に5ヶ月間埋めておいたと
ころ、使用に耐えない強度まで分解していた。
【0050】(実施例8)700Lの反応機を窒素置換
してから、1,4−ブタンジオール200kg、コハク
酸250kgおよびトリメチロールプロパン2.8kg
を仕込んだ。窒素気流下で昇温を行い、192〜220
℃にて4.5時間、更に窒素を停止して20〜2mmH
gの減圧下にて5.5時間にわたり脱水縮合によるエス
テル化反応を行った。採取された試料は、酸価が10.
4mg/g、数平均分子量(Mn)が4,900、また
重量平均分子量(Mw)が10,000であった。引続
いて、常圧の窒素気流下で触媒のテトライソプロポキシ
チタン37gを添加した。温度を上昇させ、温度210
〜220℃で15〜1.0mmHgの減圧下にて8.0
時間、脱グリコール反応を行った。採取された試料は数
平均分子量(Mn)が16,900、また重量平均分子
量(Mw)が90,300であった。(Mw/Mn=
5.4)。このポリエステル(A4)は、理論的に凝縮
水76kgを除くと収量は367kgであった。
【0051】ポリエステル(A4)367kgを含む反
応器にヘキサメチレンジイソシアナート3.67kgを
添加し、160〜200℃で1時間カップリング反応を
行った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。ついで、抗酸化剤としてイルガノックス1010
(チバガイギー(株)製)を367gおよび滑剤として
ステアリン酸カルシウムを367gを加えて、更に30
分間撹拌を続けた。この反応生成物をエクストルーダー
にて水中に押出し、カッターで裁断してペレットにし
た。90℃で6時間、真空乾燥した後のポリエステル
(B4)の収量は350kgであった。
【0052】得られたポリエステル(B4)は、僅かに
アイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が110
℃、数平均分子量(Mn)が17,900、重量平均分
子量(Mw)が161,500(Mw/Mn=9.
0)、MFR(190℃)は0.21g/10分、温度
180℃、剪断速度1000sec-1における溶融粘度
は2.0×104 ポイズであった。平均分子量の測定
は、Shodex GPC System−11(昭和
電工(株)製ゲルクロマトグラフィー)、溶媒はCF3
COONaのHFIPA2mmol溶液、濃度0.1重
量%、検量線は昭和電工(株)製PMMA標準サンプル
Shodex Standard M−75で行った。
【0053】ポリエステル(B4)を露点調節型の熱風
循環乾燥機を用いて120℃、3時間乾燥後、90φの
押出機にダイス巾1200m/m巾、リップギャップ
0.7m/mのTダイス押出装置を用いて、溶融押出
し、水冷チルロールで冷却固化してシート原反を作っ
た。この原反を20m/m巾にスリットして熱板延伸を
行い、緩和熱処理を行った。延伸は倍率4.5倍、温度
は90℃、緩和温度は120℃、緩和率は10%、延伸
速度は80m/m分で10m/m巾、10,000デニ
ールの結束テープを製造した。得られた結束テープの物
性は引張強度4.0g/dで実用性のある充分なもので
あった。
【0054】(比較例1)実施例1の押出温度条件を1
80℃に変更した。モーターアンペアが急上昇すると共
にしばらくすると原反が肌荒れしてサージングも起こし
た。一応スリットして延伸したが、延伸切れが多くスト
ップした。
【0055】(比較例2)実施例1延伸の全倍率を3倍
とした。未延伸が発生したが延伸は可能であった。しか
し巻き姿は綾落が多かった。
【0056】(比較例3)ポリエステル(A1)を用
い、実施例1の製造条件と同じ条件で成形したが、延伸
途中で切断し、目的とする結束テープを得ることができ
なかった。
【0057】(比較例4)実施例4で合成したポリエス
テル(A2)を用いた。実施例1と同じ条件でポリエス
テル(A2)を成形したが、4倍に延伸途中で切断し、
目的とする結束テープを得ることができなかった。
【0058】(比較例5)実施例7で合成したポリエス
テル(A3)を用いた。実施例1と同じ条件でポリエス
テル(A3)を成形したが、4倍に延伸途中で切断し、
目的とする結束テープを得ることができなかった。
【0059】(比較例6)実施例1の条件で浴中のみで
延伸した、全倍率4.5倍、温度70℃に20℃ダウン
した。ネック点が浴槽より後部に移して、ヤーン延伸ム
ラを発生した。引張強度2.8g/dであった。
【0060】(実施例9)実施例1で得たポリエステル
(B1)を成形温度190℃で、筋付きのサ−キュラ−
ダイより押出してフィルムとした後、200mm巾にス
リットして70℃の熱板延伸機で5倍延伸し、15,0
00デニ−ルの筋付きテープを製造した。筋の形状はU
型で、深さ0.8mm、リップギャップ0.8mm、筋
間隔2.5mmのものを使用した。得られた筋付きテー
プは、引張り強さが4.6g/dで、ボリュウムがあり
ソフト感に優れるものであった。この筋付きテープを土
中に5ヶ月間埋めておいたところ、実用性のない強度ま
で分解変化していた。
【0061】(実施例10)実施例1で得たポリエステ
ル(B1)を80℃で延伸したほかは実施例9と同様の
条件で筋付きテープを製造した。得られた筋付きテープ
は、引張り強さが4.2g/dで、ボリュウムがありソ
フト感に優れるものであった。この筋付きテープを土中
に5ヶ月間埋めておいたところ、引張強度が実用性のな
い状態にまで分解変化していた。
【0062】(実施例11)実施例1で得たポリエステ
ル(B1)を220℃でフィルム成形したほかは実施例
9と同様の条件で筋付きテープを製造した。得られた筋
付きテープは、引張り強さが4.4g/dで、ボリュウ
ム感があり、ソフト感に優れるものであった。この筋付
きテープを土中に5ヶ月間埋めておいたところ、実施例
1の場合とほぼ同じ結果を得た。
【0063】(実施例12)実施例4で得たポリエステ
ル(B2)を成形温度190℃でフィルムとし、65℃
で延伸したほかは実施例9と同様の条件で筋付きテープ
を製造した。得られた筋付きテープは、引張り強さが
5.0g/dで、ボリュウム感があり、ソフト感に優れ
るものであった。この筋付きテープを土中に5ヶ月間埋
めておいたところ、実用的強度を持たない状態にまで分
解変化していた。
【0064】(実施例13)実施例7で得たポリエステ
ル(B3)を実施例12と同様の条件で筋付きテープを
製造した。得られた筋付きテープは、引張り強さが5.
4g/dで、ボリュウムがありソフト感に優れるもので
あった。この筋付きテープを土中に5ヶ月間埋めておい
たが、実施例10とほぼ同様の結果を得た。
【0065】(実施例14)実施例8で得たポリエステ
ル(B4)を成形温度190℃で、筋付きのサ−キュラ
−ダイより押出してフィルムとした後、200mm巾に
スリットして70℃の熱板延伸機で5倍延伸し、15,
000デニ−ルの筋付きテープを製造した。筋の形状は
U型で、深さ0.8mm、リップギャップ0.8mm、
筋間隔2.5mmのものを使用した。得られた筋付きテ
ープは、引張り強さが3.2g/dで、ボリュウムがあ
りソフト感に優れるものであった。この筋付きテープを
土中に5ヶ月間埋めておいたところ、実用性のない強度
まで分解変化していた。
【0066】(比較例7)実施例1で得たポリエステル
(A1)を成形温度200℃で、筋付きのサ−キュラ−
ダイより押出してフィルムとしようとしたが安定して製
造できなかった。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明の、温度190℃、剪断速度10
0sec-1における溶融粘度が1×103 〜4×104
ポイズであり、融点が70〜190℃である脂肪族ポリ
エステルからなるテープ、特に、数平均分子量が5,0
00以上、融点が60℃以上の脂肪族ポリエステルプレ
ポリマー100重量部に、0.1〜5重量部のジイソシ
アナートを反応させることにより得られる、脂肪族ポリ
エステルを用いてなるテープは、土壌等に埋めた場合生
分解性を有し、焼却処理したとしても燃焼発熱量はポリ
エチレンやポリプロピレンと比較して低く、結束テープ
としては、引張り強さ、柔軟性に優れており、包装用紐
類、自動結束用結束テープ、重量物の梱包用途に有用で
あり、筋付きテープとしては機械的強度に優れ、ボリュ
ウム感があり、梱包、農業用、漁業用、林業用の結束用
等の紐や縄として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 (72)発明者 亀井 良祐 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内 (72)発明者 高橋 哲也 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内 (72)発明者 寺園 重則 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内 (72)発明者 滝山 栄一郎 神奈川県鎌倉市西鎌倉4−12−4

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度190℃、剪断速度100sec-1
    における溶融粘度が1×103 〜4×104 ポイズであ
    り、融点が70〜190℃である脂肪族ポリエステルを
    主成分として押出成形してなるテープ。
  2. 【請求項2】 脂肪族ポリエステが数平均分子量10,
    000以上であり、0.03〜3.0重量%のウレタン
    結合を含む請求項1に記載のテープ。
  3. 【請求項3】 数平均分子量が5,000以上、融点が
    60℃以上の脂肪族ポリエステルプレポリマー100重
    量部に、0.1〜5重量部のジイソシアナートを反応さ
    せることにより得られる、脂肪族ポリエステルを用いて
    なる請求項1または請求項2記載のテープ。
  4. 【請求項4】 引張り強さ2g/d以上である請求項1
    〜請求項3記載のテープ。
  5. 【請求項5】 テープが結束テープである請求項1〜請
    求項4に記載のテープ。
  6. 【請求項6】 テープが筋付きテープである請求項1〜
    請求項4に記載のテープ。
  7. 【請求項7】 脂肪族ポリエステルが、脂肪族グリコー
    ルと脂肪族ジカルボン酸からなる数平均分子量(Mn)
    が5,000以上のポリエステルプレポリマーを、ウレ
    タン結合を介して連鎖した構造をとるものである、請求
    項1または請求項2に記載のテープ。
  8. 【請求項8】 脂肪族ポリエステルが、脂肪族グリコー
    ル、脂肪族ジカルボン酸および3官能または4官能の多
    価アルコール、オキシカルボン酸および多価カルボン酸
    もしくはその無水物から選ばれる少なくとも1種の多官
    能成分を加えて反応させてなる、数平均分子量(Mn)
    が5,000以上のポリエステルプレポリマーを、ウレ
    タン結合を介して連鎖した構造をとるものである、請求
    項1または請求項2に記載のテープ。
  9. 【請求項9】 ポリエステルプレポリマーが、グリコー
    ル単位としてエチレングリコール、1,4−ブタンジオ
    ール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコ
    ール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサ
    ンジメタノールからなる群から選ばれる単位を有し、ジ
    カルボン酸単位としてコハク酸、アジピン酸、スベリン
    酸、セバシン酸、ドデカン酸、無水コハク酸、無水アジ
    ピン酸からなる群から選ばれる単位を有する、請求項7
    または請求項8に記載のテープ。
  10. 【請求項10】 ポリエステルプレポリマーが第三成分
    としての3官能または4官能の多価アルコールとして、
    トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリトリ
    ットからなる群から選ばれる1種以上を含有する、請求
    項8に記載のテープ。
  11. 【請求項11】 ポリエステルプレポリマーが第三成分
    としての3官能または4官能のオキシカルボン酸とし
    て、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸からなる群から選ばれ
    る1種以上を含有する、請求項8に記載のテープ。
  12. 【請求項12】 ポリエステルプレポリマーが第三成分
    としての3官能または4官能の多価カルボン酸として、
    トリメシン酸、プロパントリカルボン酸、無水トリメリ
    ット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカ
    ルボン酸無水物およびシクロペンタンテトラカルボン酸
    無水物からなる群から選ばれる1種以上を含有する、請
    求項8に記載のテープ。
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