JPH0747454B2 - エレベータの削り片搬出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エレベータの機械室床の削り片を搬出する削
り片搬出装置に関するものである。

〔従来の技術〕

一般にエレベータは、高層建築にはなくてはならない交
通機関として重要な位置をしめるに至つている。そし
て、長い期間、使用したエレベータが老朽化すると、新
しいものにモデルチエンジするが、その際に機械室内の
作業として既設の巻上機や制御盤などの機械室機器を機
械室から外部へ搬出し、次に、新設の機械室機器を機械
室に搬入することが行なわれる。

従来。このような機械室機器の搬出・搬入を行なうの
に、機械室の出入口扉や窓を介し既設の機械室機器を屋
上に出して、屋上から地上までレツカー車などにより吊
り下し、次に、逆の手順で新設の機械室機器を搬入する
ようになつていた。しかしながら、上記のような方法で
は、機械室と屋上間の搬出、搬入に多大の労力を要する
ばかりか、レツカー車が道路が狭くて入れないとか、屋
上の高さまで届かない等の制限があり、必ずしもレツカ
ー車を用いることができないという問題があつた。

そこで、このような問題を解決する一手段として、昇降
路最上段に機械室床の削り片を受ける作業床を仮設し、
この作業床の周囲を養生した後、機械室床を削つて大き
な穴を穿設して、この穴と昇降路を介して機械室機器の
搬出、搬入を行なうものが同一願人により提案され、実
用されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記の従来技術にあつては、昇降路最上階に作業床を仮
設する作業に危険が伴うばかりか、作業床で受けた削り
片を外部に搬出するのに最上階から階段を用いなければ
なにず多大の労力が必要であつた。さらに、削り作業終
了後、作業床を撤去しなければならず、この撤去作業に
も危険が伴うという問題があつた。

本発明の目的は、昇降路の上部に作業床を仮設すること
なく、昇降路を介して安全かつ効率的に機械室床の削り
片を外部に搬出することのできるエレベータの削り片搬
出装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的は、穴が穿設される機械室床の下方に前記機械
室床の削り片を受け入れる昇降可能なバケツトを備えた
ことにより、達成される。

〔作用〕

機械室床の下方に備えられるバケツトは、前記機械室床
の削り片を受け入れるとともに、昇降路内を昇降して削
り片を昇降路下部に下ろすので、この昇降路下部でバケ
ツトから削り片を取出すことにより、機械室床の削り片
を搬出できる。これにより、昇降路の上部に作業床を仮
設することなく、昇降路を介して安全かつ効率的に機械
室床の削り片を搬出することができる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を図に基づいて説明する。第１
図は本発明の一実施例になる削り片搬出装置を備えたエ
レベータの全体縦断面図、第２図は第１図に示すバケツ
トの拡大斜視図である。

この第１図において、１は図示しない乗かごの昇降する
昇降路、２はこの昇降路１の上部に設けられる機械室
で、この機械室２に図示しない巻上機や制御盤などの機
械室機器が据付けられる。３は機械室２の下部を形成す
る機械室床、４は建屋床、５は機械室２の天井部に設け
られる吊上装置、例えば電動チエーンブロツク、６はこ
の電動チエーンブロツク５に巻掛けられる吊上げ用チエ
ーン、７は機械室床３の下方に備えられるバケツトで、
機械室床３の穴3aを介し吊上げ用チエーン６により支持
され、機械室床３の削り片を受け入れるようになつてい
る。そして、このバケツト７には、第２図に示すよう
に、バケツト７を吊上げる台付ロープ８、この台付ロー
プ８と吊上げ用チエーン６を互いに連結するシヤツクル
９、機械室床３の削り片をそれぞれ収納する複数の袋1
0、網目状に組まれて袋10を保持する鉄筋11などが装着
されている。尚、穴3aは、主索落し穴として設けられて
いるが、更に機械室機器を通すため、機械室床３を削
り、この穴3aが拡張されるようになつている。

この実施例にあつて、機械室床３の削り片の搬出作業を
行なうには、まず昇降路１の下部にバケツト７を支持す
る受台（図示せず）を固設し、この受台上でバケツト７
を組立てる。このとき、バケツト７に網目状に組まれた
鉄筋11をはめ込むとともに、この鉄筋11間に複数、例え
ば９個の袋10を挿入してバインド線（図示せず）等によ
り鉄筋11に固定する。そして、機械室２の天井に電動チ
エーン５を装着して、この電動チエーン５の吊上げ用チ
エーン６の先端部を昇降路１下部のバケツト７まで下ろ
し、このバケツト７に取付けられる台付ロープ８と吊上
げ用チエーン６の先端部をシヤツクル９により連結す
る。次いで電動チエーンブロツク５を起動し、バケツト
７を第１図に示すように昇降路１の最上部まで吊上げて
おく。

このようにしてバケツト７を機械室床３の下方に設けて
おいて、この機械室床３の削り作業を開始する。機械室
床３より落下する削り片はバケツト７に受け入れられ、
袋10に収納される。そして、これらの袋10の中に削り片
が一杯になると、このバケツト７を電動チエーン５によ
り吊上げ用チエーン６を介して昇降路１下部の受台まで
吊り下ろす。そこで、昇降路１下部の階床4aから作業員
が昇降路１内に入り、袋10を鉄筋11から取外してこの袋
10を１個ずつ階床4aを介し外部に運び出し、機械室床３
の削り片を搬出するようになつている。また、以上の作
業を順次繰返して行ないながら、機械室床３を削り落と
て穴3aを拡張し、その後、この穴3aを介して機械室機器
の搬出、搬入を行なうようになつている。

この一実施例によれば、昇降路１の上部に作業床を仮設
することなく、昇降路１を介して安全かつ効率的に機械
室床３の削り片を外部に搬出することができる。また、
バケツト７に削り片をそれぞれ収納する袋10を備えたた
め、この袋10とともに削り片が運搬でき、削り片の搬出
をより効率的に行なうことができる。

尚、この実施例ではバケツト７の吊上装置として電動チ
エーンブロツク５を設けたが、この電動チエーンブロツ
ク５の代わりに、その他のもの、例え手動のチエーンブ
ロツクを設けることもできる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、昇降路の上部に作業床を仮設すること
なく、昇降路を介して安全かつ効率的に機械室床の削り
片を外部に搬出できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例になる削り片搬出装置を備え
たエレベータの全体縦断面図、第２図は第１図に示すバ
ケツトの拡大斜視図である。 １……昇降路、２……機械室、３……機械室床、3a……
穴、4a……最下階階床、５……電動チエーンブロツク
（吊上装置）、７……バケツト、８……台付ロープ、９
……シヤツクル、10……袋、11……鉄筋。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】昇降路の最上部を覆う機械室床に穴を穿設
   し、この穴から前記昇降路を介し既設の機械室機器を外
   部に搬出し、しかる後、前記昇降路および穴を介して新
   設の機械室機器を機械室内に搬入するようにしたエレベ
   ータにおいて、前記機械室床の下方に、この機械室床の
   削り片を受け入れる昇降可能なバケツトを備えたことを
   特徴とするエレベータの削り片搬出装置。