JPH0747361Y2 - ごみコンテナの移載装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ビルの各階に配置されごみを収容するコンテ
ナと、そのコンテナを搬送する昇降ケージとの間で、ご
みコンテナと空のコンテナとを容易に入れ替えすること
のできるごみコンテナの移載装置に関する。

［従来の技術］ 従来、ビルのごみ処理設備としては、ダストシュートが
ある。このダストシュートにおいては、ビルの高さが7,
8階位の場合はよいが、それより高い高層ビルになる
と、ごみの落下速度が速くなり、その落下時の騒音が甚
だしくなるため、防音設備を施すか、あるいは、落下速
度を減速させるための緩衝弁等を設ける必要があった。

また、ダストシュート内面にごみ汚汁が付着固結し、悪
臭が発生し、環境を悪化させ、衛生上好ましくない。布
団、毛布、スポンジなど伸縮性が強くシュート内で拡が
るようなものが投入されるとシュートが詰まり、それら
を除去するのに多大な労力を必要とする等の欠点があ
る。

そこで、これらの欠点を除去すべく、ダストシュートに
代わるビルのごみ処理設備として、特開昭59-149201号
公報に記載されるようなダムウエイターが考えられてい
る。

このダムウエイターは、ビルの各階を上下に貫いて設け
られた昇降路と、その昇降路の各階に対する壁面に設け
たごみ捨扉と、ごみ入口及びごみ排出部を有して昇降路
内に昇降自在に設けられ且つごみ入口を前記ごみ捨扉に
位置合わせして各階に停止可能なごみケージと、前記昇
降路下部に設けられた、ごみケージ内のごみを一時的に
貯留可能なごみ貯留装置とで構成されており、ごみ投棄
者は、ごみ捨扉の近傍に取り付けられたごみケージ呼び
出しスイッチでごみケージを呼び出し、ケージが到着し
たらごみ捨扉を開いてごみ入口からケージ内にごみを投
入した後、ごみ捨扉を閉じることによりごみを投棄する
ことができる。

また、ごみケージは、呼び出しに応じて各階のごみを収
集し、ケージ内にごみが満杯になると自動的に昇降路に
沿って下降した後、ごみ排出部からごみ貯留装置ヘごみ
を排出するようになっている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、上記ダムウエイターにあっては、ごみを
投棄する場合、その都度ごみケージを呼び出さなければ
らなず、また、呼び出しの際、他の階でごみの投棄中で
あるときには、呼び出しからごみケージの到着までの時
間がかかり、その待ち時間が長くなるという問題があ
る。

そこで、本出願人等は、これらの問題を解決するため
に、ビルの各階にごみコンテナを収容するごみ投入設備
を配置して何時でも自由にごみの投棄ができるようにし
た「ビルのごみ処理設備」（実願平1-139177号）を先に
提案した。

この提案においては、各階にコンテナを設置し、そのご
みコンテナを搬送するコンテナ収集ケージ上に、ごみコ
ンテナを積卸しする移載装置が設けられ、その移載装置
には多段に伸縮するように形成されたフォークが示され
ている。

本考案は、上記提案を改良するもので、その目的は、空
コンテナと各階のごみコンテナとを容易に入れ替えする
ことのできるごみコンテナの移載装置を提供するにあ
る。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本考案は、ビルの各階に、水
平回転方向に移動自在に設けられ、半円筒状に形成され
たごみを収容するコンテナと、上記ビルの上下方向に沿
って昇降自在に設けられ上記コンテナを搬送するための
昇降ケージと、該昇降ケージに回動自在に設けられ、そ
のケージ上に載置されたコンテナを水平回転方向に移動
させて上記各階のごみコンテナと空コンテナとを入れ替
えるためのコンテナ交換装置とを備えて構成したもので
ある。

［作用］ あらかじめ昇降ケージ上に空コンテナを載置させてお
き、各階のごみコンテナを昇降ケージ上に移載させる場
合には、上記空コンテナ及びごみコンテナを交換装置で
水平回転方向に移動させればよい。

この移載の際、コンテナが半円状に形成されているの
で、ごみコンテナ，空コテナはコンテナ交換装置の回動
で容易に水平回転方向に移動でき、その入れ替えを同時
に行うことができる。

［実施例］ 本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。

第１図は本考案のごみコンテナの移載装置の全体図を示
し、第２図〜第４図はその要部を示すものである。

第１図において、１はビルで、このビル１には、各階２
を上下に貫く昇降路３が区画形成され、各階２には、昇
降路３の外側にごみを収容するコンテナ４が設置され、
それらコンテナ４はごみ投入設備５内に収納されてい
る。

上記昇降路３内には、上記コンテナ４を載置して搬送す
る昇降ケージ６が昇降路３に沿って昇降自在に設けら
れ、この昇降ケージ６は、ビル１の上層階に設けられた
捲上げ装置７に捲上げロープ８を介して昇降自在に支持
されている。

ビル１の下層階９には、上記コンテナ４内のごみを一時
的に貯留するごみ貯留装置10が設けられ、このごみ貯留
装置10の近傍には、コンテナ４を反転させてその内のご
みをごみ貯留装置10の投入ホッパ11に投入するための反
転装置12が設けられ、この反転装置12と昇降路３との間
には、昇降ケージ６内のコンテナ４を受け取って反転装
置12へ移送するための移送用コンベア13が設けられ、上
記ごみ貯留装置10の排出側には、ごみ収集車14にごみを
排出するための排出装置15が設けられている。

上記昇降路３には、各階２に通じる開口部16が形成され
ており、この開口部16には、開口部16を開閉する上下方
向にスライド自在な開閉戸17が設けられ、その開口部16
の外側床上に上記ごみ投入設備５が設けられている。

ごみ投入設備５は第２図に示すように、ごみ投入口18を
有し、そのごみ投入口18を開閉する開閉ドラム19が設け
られている。

この開閉ドラム19は、ごみ投入口18から投入されるごみ
をごみ収容部20内に受けて一時的に収容し、また、ハン
ドル21の操作で反転されて収容部20内のごみをコンテナ
４内に落下させるようになっている。

上記ごみ投入設備５内に収容されるコンテナ４は、第２
図及び第３図に示すように、半円筒状に形成されてお
り、上部のごみ収容室23と下部の台車部24とが一体に形
成され、その台車部24の下面には、コンテナ４を水平回
転方向に移動させるための車輪25が円周方向に沿って複
数設けられている。

各階２のごみ投入設備５内の床上には、上記コンテナ４
を半円状に囲繞する半環状のガイドレール26が敷設され
ており、このガイドレール26には、その円周内面に沿っ
て上記台車24を案内する複数のガイドローラ27が間隔を
隔てて回転自在に設けられている。

また、ごみ投入設備５内の一側（コンテナ４の移動前方
向）には、第４図に示すように、収容するコンテナ４の
回転方向（図中実線矢印方向）への移動を規制するため
のストッパ28が伸縮自在に設けられ，また、その反対側
（コンテナ４の移動後方側）には、コンテナ４の回転方
向への移動を許容し、反回転方向（図中鎖線矢印の方
向）への移動を規制するラチェット29が設けられてい
る。

上記昇降ケージ６は、第２図及び第３図に示すように、
各階２の開口部16に面が開放さた開放部30が形成されて
おり、この開放部30には、昇降ケージ６上のコンテナ４
を水平回転方向に移動させて、各階２のごみコンテナ４
と昇降ケージ６上の空コンテナ４とを入れ替えるための
コンテナ交換装置31が回動自在に設けられている。

コンテナ交換装置31は、第２図及び第３図に示すよう
に、上記開放部30に、昇降ケージ６の頂板32から底板33
に垂下され、その両端部が頂板32,底板33に軸支される
と共に、頂板32上の駆動装置34に回転自在に連結された
回転軸35と、その回転軸35にその軸心が軸着された回動
レバー36とからなり、この回動レバー36の回動で昇降ケ
ージ６上のコンテナ４を一方向に回転移動させて各階２
の方向に移載させると同時に各階２上のコンテナ４を水
平回転方向に移動させて昇降ケージ６上に移載させて空
コンテナ4bとごみコンテナ4aとを入れ替えるようになっ
ている。

上記昇降ケージ６上には、その上に載置されるコンテナ
４を半円状に囲繞する半環状のガイドレール37が設けら
れ、このガイドレール37の内周面には、この内周に沿っ
てコンテナ４を案内する複数のガイドローラ38が間隔を
隔てて回転自在に設けられ、また、昇降ケージ６の一側
（コンテナ４の移動後方側）には、第４図に示すように
コンテナ４の回転方向への移動を許容し、反回転方向へ
の移動を規制するラチェット39が設けられている。

次に、上記実施例の作用を説明する。

各階２に配置されたコンテナ４内に、ごみ投入設備５を
介してごみが投入される。

ごみを収容したごみコンテナ4aは昇降ケージ６上に移載
され下層階９に搬送されてごみ貯留装置14に一時的に貯
留される。

このごみコンテナ4aを昇降ケージ６上に移載する場合、
昇降ケージ６上にあらかじめ空コンテナ4bを載置してお
き、コンテナ交換装置31の回動レバー36を第３図中の実
線矢印方向に回転移動させる。この回動レバー36の回動
で、昇降ケージ６上の空コンテナ4bは各階２の方向にガ
イドレール37の内周に沿ってガイドローラ38に案内され
て回転移動し、各階２の床上に移載され、第４図に示す
ように突出された移動方向前方のストッパ28に当接して
停止されると共に移動方向後方のラチェット29でその移
動が係止される。これと同時に回動する回動レバー36で
各階２のごみコンテナ4aがガイドレール26の内周に沿っ
てガイドローラ27に案内されて回転移動して昇降ケージ
６上に移載される。このとき、回動レバー36の回転中心
である回転軸35が昇降ケージ６の入口部にあるので、ガ
イドレール26で形成される円弧は半円より小さく、した
がってその中に収まるコンテナ４は半円より小さいの
で、空コンテナ4bを完全に投入設備５内に収めるために
は、回動レバー36を第５図に示すように、過剰に回転す
る。従って、昇降ケージ６上に移載されたごみコンテナ
4aは第５図に示すように、過剰に回転移動するが、回動
レバー36を逆方向に回動させてごみコンテナ4aを昇降ケ
ージ６のラチェット39に当接させるまで図中鎖線矢印の
方向に反回転移動させれば、ごみコンテナ4aを所定の位
置に停止させることができる。

このようにコンテナ４を半円筒状に形成すると共に、ご
み収容室23と走行自在な台車部24とを一体にしたので、
コンテナ交換装置31の回動レバー36の回動で水平回転方
向に移動させることができ、空コンテナ4bとごみコンテ
ナ4aとを容易に入れ替えすることができる。

また、半環状のガイドレール26,37及びこれらガイドレ
ール26,37の内周面にコンテナ４の移動を案内するガイ
ドローラ27,38を設けたので、コンテナ４を正確な位置
に移動させることができる。

さらに、ごみコンテナ4aと空コンテナ4bとを同時に入れ
替えるコンテナ交換装置31を設けたので、先に提案した
「ビルのごみ処理設備」（実願平1-139177号）のように
ケージの多段式フォークで各階のごみコンテナを取り出
した後、そのフォークで空コンテナを各階に供給する移
載装置に比べて能率的にコンテナの入れ替えができる。

なお、上記実施例においては、コンテナ４の台車部24の
下面に車輪25を設けた例を示したが、各階２の床面およ
び昇降ケージ６の床面に円周方向に沿って複数のローラ
を間隔を隔てて設け、上記車輪25に代えるようにしても
よい。

［考案の効果］ 本考案によれば、各階に、半円筒状に形成したコンテナ
を水平回転方向に移動自在に配置し、昇降ケージにコン
テナ交換装置を設けたので、昇降ケージ上の空コンテナ
と各階のごみコンテナとの入れ替えが同時にでき、その
入れ替えを能率的に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す全体図、第２図はその要
部を示す縦断面図、第３図は第２図のＡ−Ａ線断面図、
第４図は第２図のＢ−Ｂ断面図、第５図は上記実施例の
作用を示す平面図である。 図中、１はビル、２は各階、４はコンテナ、4aはごみコ
ンテナ、4bは空コンテナ、６は昇降ケージ、31はコンテ
ナ交換置である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ビルの各階に、水平回転方向に移動自在に
   設けられ、半円筒状に形成されたごみを収容するコンテ
   ナと、上記ビルの上下方向に沿って昇降自在に設けられ
   上記コンテナを搬送するための昇降ケージと、該昇降ケ
   ージに回動自在に設けられ、そのケージ上に載置された
   コンテナを水平回転方向に移動させて上記各階のごみコ
   ンテナと空コンテナとを入れ替えるためのコンテナ交換
   装置とを備えたことを特徴とするごみコンテナの移載装
   置。