JPH0747031Y2 - スピーカシステム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、キャビネットのバッフル板以外の部材にスピ
ーカを取り付けたスピーカシステムに関する。

（従来技術およびその問題点） 従来、この種のスピーカシステムとしては、実開昭62-1
39188号公報に記載されているように、第５図において
磁気回路を構成するトッププレート５を延長して突出部
２を形成し、この突出部２を介して固定支持枠４によっ
てスピーカをキャビネット２のバッフル板７以外の部
材、例えば底板８に取り付けるとともに、振動板を支持
するフレーム12もしくはこのフランジ12aとバッフル板
７との間に弾性体13を介在させ、振動を遮断するように
構成されたものが提案されている。

この従来のスピーカシステムは、キャビネットのバッフ
ル７とスピーカとの間に弾性体13を介在させて、スピー
カの振動がバッフル７に伝達することを抑制させて、再
生音を濁らせる不要共振、ノイズを排除するよう考案さ
れたものである。なお、６はヨークである。

しかしながら、このスピーカシステムでは、トッププレ
ート５が突出部２を介して直接又は間接的に底板８に連
結されているので、磁気回路の磁束密度が不安定となる
とともに、一方のみでスピーカを支持しているので、ス
ピーカの振動に歪みを生ずるという問題点を有してい
る。

（考案の目的） 本考案は以上の点に鑑み提案されたもので、その目的と
するところは、スピーカユニットとフロントバッフルと
の接点を零にして再生音を濁らせる不要共振、ノイズを
除去するとともに、振動の歪みを完全に排除することが
できるスピーカシステムを提供するにある。

すなわち、本考案に係るスピーカシステムは、キャビネ
ットのバッフル板以外の部材にスピーカ本体１を取り付
けてなるスピーカシステムにおいて、前記スピーカ本体
１の外周部に少なくとも２個以上の突出部２をスピーカ
の中心軸に対し回転対称となるように形成し、この突出
部２に取付孔2aを穿設し、この取付孔2aに補助取付金具
３を介してバッフル板以外の部材にスピーカ本体１を取
り付けて、バッフル板とは非接触としたことにより、上
記の目的を達成するものである。

（考案の開示） 本考案を図に沿って説明する。第１図ないし第２図は本
考案の一実施例を示す図であって、図中、１はスピーカ
本体、２はスピーカ本体の突出部、３は補助取付金具、
４は略Ｌ字状の固定支持枠である。

このスピーカ本体１の突出部２は、第２図に示すよう
に、トッププレート５を三角形（Ａ図）、四角形（Ｂ
図）、および突出片を有する円形（Ｃ図）等のようにス
ピーカの中心軸に対して回転対称となるように形成し、
かつこの三角形および四角形の各辺に接する円がヨーク
６の外周と同形になるように形成されている。したがっ
て、このトッププレート５をヨーク６に載置すると、第
１図に示すように、ヨーク６の外側に三角形、四角形お
よび円形の突出部２がそれぞれ形成されることになる。
この各突出部２に取付孔2aを穿設し、略コ字形の補助取
付金具３のフランジ部3aを介して、バッフル板７以外の
部材、例えば底部８に固定されたＬ字形の固定支持枠４
にスピーカ本体１を取り付けることができる。

このトッププレート５の突出部２の取付孔2aは、トップ
プレート５の同一外周上に位置し、かつ等間隔で、スピ
ーカの中心軸に対し回転対称となるように２以上設けら
れているので、強固に固定でき、取付固定が安定し、振
動による歪みを防止することができる。

第３図および第４図は本考案の他の実施例を示す図であ
ってヨーク６のボトムプレート９にＬ字形の固定支持枠
４を介して、バッフル板７以外の部材にスピーカ本体１
を取り付けた例を示している。

この実施例では、第３図（Ａ），（Ｂ）に示すように、
ヨーク６の底部にタップ孔6aを穿設し、このタップ孔6a
に植込ボルト10を固定し、かつこの植込ボルト10にボト
ムプレート９を固定するとともに、このボトムプレート
９にボルト孔9aを設けて、ボルト、ナットを介してＬ字
形の固定支持枠４に取付、固定されている。一方、スピ
ーカ本体の先端部は、第４図に示すようにバッフル板７
に略同寸法の開口を設け、この開口に遊嵌状態で位置す
るように保持されている。

このようにスピーカ本体１をバッフル板７以外の部材に
取付、固定し、かつスピーカ本体１の先端部がバッフル
板７に点接触していないので、スピーカの振動がバッフ
ル板７に伝達されることがなく、再生音を濁らせる不要
共振、ノイズが発生することはない。

以上、本考案を特定形のスピーカに限って説明したが、
これに限定されるものではなく、その他のスピーカにも
応用することができることは勿論である。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、キャビネットのバッフル
板以外の部材にスピーカ本体を取り付けてなるスピーカ
システムにおいて、前記スピーカ本体の外周部に少なく
とも２個以上の突出部をスピーカの中心軸に対し回転対
称となるように形成し、この突出部に取付孔を穿設し、
この取付孔に補助取付金具を介してバッフル板以外の部
材にスピーカ本体を取り付けて、バッフル板とは非接触
としたので、 スピーカユニットとフロントバッフルとの接点が零とな
り、しかもスピーカユニット自体は回転対称に配置され
た突出部により強固に固定され、再生音を濁らせる不要
共振、ノイズを除去するとともに、振動の歪みを完全に
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を示す図であっ
て、第１図は本考案に係るスピーカシステムの一部切欠
断面図および第２図（Ａ），（Ｂ）はトッププレートの
形状を示す平面図、第３図および第４図は本考案の他の
実施例を示す図であって、第３図（Ａ），（Ｂ）はスピ
ーカ本体を示す各側面図および第４図は本考案に係るス
ピーカ本体の一部切欠断面図、第５図は従来のスピーカ
システムを示す縦断面図である。 １……スピーカ本体 ２……突出部 ３……補助取付金具 ４……固定支持枠 ５……トッププレート ６……ボトムプレート ７……バッフル板 ８……底板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】キャビネットのバッフル板以外の部材にス
   ピーカ本体を取り付けてなるスピーカシステムにおい
   て、前記スピーカ本体の外周部に少なくとも２個以上の
   突出部をスピーカの中心軸に対し回転対称となるように
   形成し、この突出部に取付孔を穿設し、この取付孔に補
   助取付金具を介してバッフル板以外の部材にスピーカ本
   体を取り付けて、バッフル板とは非接触としたことを特
   徴とするスピーカシステム。