JPH0746713Y2 - 出窓用シヤツターのシヤツターケース構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、住宅等の建物に建付けられる出窓用シヤツタ
ーのシヤツターケース構造に関するものである。

［従来技術及び考案が解決しようとする課題］ 近時、出窓にシヤツターを使用することが試みられる
が、この場合、出窓屋根部をシヤツターケースに使用す
ると、屋根部は、巻取り軸を収容する関係上、屋根部前
面の見付け厚がどうしても肉厚になつてしまううえに、
その分、窓部の大きさが狭くなつてしまうという問題が
ある。そこで、巻取り軸を室内奥方側に変位させ、その
前方に、シヤツターカーテンを室内奥方の巻取り軸にガ
イドするガイド体を配することでケース前面部の前記見
付け厚を薄くする試みがある。

ところで、シヤツターケースには、内部を点検するため
の点検口を設ける必要があるが、従来のものは、点検口
をケース底面としていた。ところがケース底面としたと
きに、作業者は、下から上を覗き込む作業姿勢が強いら
れることになつて作業性に劣し疲労しやすいうえ、ケー
ス底面に溜つている油や埃が点検口を開けたとき室内に
落下してしまう等の問題が有る。

そこで、正面を向く無理のない作業姿勢で点検できるよ
う点検口をケース前面板とすることが提唱されるが、こ
の様にしたものにおいて、前述したように巻取り軸の前
方にガイド体を配したものでは、該ガイド体が邪魔にな
つて巻取り軸の点検がしづらいという問題が有るうえ、
点検蓋とケースとの取付けには、雨仕舞いの関係から高
度の防水性が要求されることになつて組付けが面倒にな
る許りでなく、ここを開けて巻取り軸を動かし閉鎖して
いるシヤツターカーテンを巻取つてしまう惧れもあつて
防犯性にかける欠点がある。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、上記の如き実情に鑑みこれらの欠点を一掃す
ることができる出窓用シヤツターのシヤツターケース構
造を提供することを目的として創案されたものであつ
て、出窓用シヤツターのシヤツターカーテンを巻取るシ
ヤツターケースを出窓屋根部に形成したものにおいて、
前記シヤツターケースには、シヤツターカーテンをケー
ス後方の室内側にガイドするガイド体と、該ガイド体に
ガイドされたシヤツターカーテンを巻取る巻取り軸とを
ケース内の前後で、かつガイド体よりも巻取り軸の方が
低位となるように配すると共に、シヤツターケースの前
方屋外側面部を、屋外に露出し、底面がガイド体よりも
下側に位置する上半部と、該上半部よりも後方室内側に
位置する下半部とで形成し、シヤツターカーテンの昇降
案内をするガイドレール上端部をシヤツターケース上半
部底面に取付けて、シヤツターケース下半部よりも屋外
側前方位置にシヤツターカーテンの開閉経路が位置する
ように構成する一方、上記下半部屋外側前面には、巻取
り軸の点検口にするための点検板を着脱自在に取付けた
ことを特徴とするものである。

そして本考案は、この構成によつて、出窓屋根と成るシ
ヤツターケースの見付け厚寸法を小さくできると共に、
雨仕舞いをあまり心配すること無く前側からのケース内
点検が防犯性に優れたものとしてできるようにしたもの
である。

［実施例］ 次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。図
面において、１は建物に突設の出窓に取付けたサツシで
あつて、該サツシ１の室内外側には障子２、窓シヤツタ
ー３が併設されており、開口部の突出両側には、シヤツ
ターカーテン3aを案内するガイドレール４が立設されて
いる。５はこのシヤツターカーテン3aを収納するシヤツ
ターケースであつて、前記出窓の屋根を兼ねるものであ
る。

このシヤツターケース５の屋外側部位には、シヤツター
カーテン3aの巻取りを円滑にガイドするためローラ等の
部材で構成されるガイド体６が設けられており、また、
ガイド体６より後方の室内側には、巻取り軸７がガイド
体６よりも低位に位置する状態で設けられている。更に
シヤツターケース５の前面部は、常時外部から見えて見
付け部となる上半部5aと、該上半部5aに対して段差状に
奥まつて形成される下半部5bとから形成され、そして上
半部5aの底面に前記ガイドレール４の上端部が取付けら
れていて、下半部5bよりも屋外側前方位置位置してにシ
ヤツターカーテン3aの開閉経路が形成されている。さら
に前記下半部5bの屋外側前面は開口していて点検口とな
り、該点検口に着脱自在な点検板5cが取付けられてい
る。

叙述の如く構成された本考案の実施例において、巻取り
軸７の正逆回動によつて、シヤツターカーテン3aは、ガ
イド体６にガイドされながら後方に案内されて巻取り軸
７に巻取られ、あるいは巻取り軸７から繰り出されたも
のがガイド体６にガイドされてガイドレール４を降下す
ることになり、これによつて出窓に設けたシヤツターカ
ーテン3aの開閉作動が成されることになる。

この様に、本考案が実施されたものにあつては、出窓に
窓シヤツターを設け、その場合に、出窓の屋根部に兼用
されるシヤツターケース５は、前面見付け部となる上半
部5aにガイド体６を設け、そして該ガイド体で室内側後
方にガイドされるシヤツターカーテン3aを室内側後方に
配した巻取り軸７に巻装することになつて、前面見付け
部には巻取り軸７のないものとし、これによつてシヤツ
ターケース５は、外観的には上半部のみが露出すること
になつて肉薄状となり、すつきりとした印象を与えるこ
とになる。そしてこの肉薄の上半部5aが突出し、下半部
5bは段差状に奥まつている構成であるので、その分、出
窓の開口高さを広く確保できて、圧迫感の無いものにで
きる。

また、ケース下半部5bは、点検口となつて、ここからケ
ース内を覗き込むことができるが、その場合に、巻取り
軸７はガイド体６よりも低位に位置するよう配されてい
るため、ケース下半部5bに形成される点検口と巻取り軸
７とが対向する配置関係となり、この結果、点検口から
屋内側正面を覗き込むことで巻取り軸７を目視できるこ
とになつて、巻取り軸７の点検をする際に、ケース底面
を点検口とした場合のように無理な作業姿勢が強いられ
ることがない。しかもこの点検口に設けられる点検板5c
は、シヤツターカーテン3aが閉鎖しているときにはこれ
に隠されて外部から見えることが無く、従つて、点検口
を上半部前面に設けたものの如く防犯性に問題が生じる
ことがない許りでなく、上半部5aが前方に張出している
構造と成るので雨仕舞いに優れ、点検板5cの取付けに際
し、必要以上の防水対策を採る必要が無く、作業性が向
上することになる。

尚、本考案は上記実施例に限定されないことは勿論であ
つて、ローラ状のガイド体６に代えて、第４図、第５図
に示す如く、緩やかな曲線に沿つて湾曲自在な弾性材か
ら成る円弧状のスムーサガイド体6aを用いてシヤツター
カーテン3aの巻込み案内をすることもできる。そしてこ
の場合には、スムーサガイド体6aの付勢力によつてシヤ
ツターカーテン3aの弛みを無くすることができるという
利点があり都合が良い。

［作用効果］ 以上要するに、本考案は叙述の如く構成されたものであ
るから、出窓に設けられて、屋根部に兼用されるシヤツ
ターケースの見付け部は、上半部のみとなつて見付け厚
が薄くなりすつきりとした外観を与えることになる。一
方、上半部に対し段差状に奥まり、シヤツターカーテン
の昇降ガイドレールよりも室内側に位置する状態でガイ
ド体よりも下位に位置する下半部は点検板が着脱自在に
取付けられて点検口部となるが、該点検板が取り付けら
れる下半部屋外側前面は、ガイド体よりも下位に位置す
る巻取り軸と前後方向で直接的に対向することになり、
この結果、巻取り軸の点検が、下半部底面に点検口を設
けた場合のように下から上方を覗き込むような無理な姿
勢が強いられることはなく、点検板を取外した下半部屋
外側前面から前方を覗くという極く自然な作業姿勢でで
きることになつて点検作業の作業性が著しく向上する。

そしてこの点検作業の作業性を改善すべく屋外側前面に
点検板を着脱自在に設けたにも拘らず、該点検板が設け
られるのは、シヤツターカーテンの昇降案内をするガイ
ドレールよりも屋外側に位置するシヤツターケース下半
部であるので、シヤツターカーテン閉鎖時、点検板がシ
ヤツターカーテンに隠れて外部から見えることが無くな
つて防犯性が何ら損なわれることがない。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る出窓用シヤツターのシヤツターケ
ース構造の実施例を示したものであつて、第１図は窓シ
ヤツタ側断面図、第２図は同平面図、第３図は同背面断
面図、第４図と第５図は別の実施例による側断面図と要
部斜視図である。 図中、３は窓シヤツター、3aはシヤツターカーテン、４
はガイドレール、５はシヤツターケース、5aは見付部、
5bは点検口部、5cは点検板、６はガイド体、７は巻取り
軸である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】出窓用シヤツターのシヤツターカーテンを
   巻取るシヤツターケースを出窓屋根部に形成したものに
   おいて、前記シヤツターケースには、シヤツターカーテ
   ンをケース後方の室内側にガイドするガイド体と、該ガ
   イド体にガイドされたシヤツターカーテンを巻取る巻取
   り軸とをケース内の前後で、かつガイド体よりも巻取り
   軸の方が低位となるように配すると共に、シヤツターケ
   ースの前方屋外側面部を、屋外に露出し、底面がガイド
   体よりも下側に位置する上半部と、該上半部よりも後方
   室内側に位置する下半部とで形成し、シヤツターカーテ
   ンの昇降案内をするガイドレール上端部をシヤツターケ
   ース上半部底面に取付けて、シヤツターケース下半部よ
   りも屋外側前方位置にシヤツターカーテンの開閉経路が
   位置するように構成する一方、上記下半部屋外側前面に
   は、巻取り軸の点検口にするための点検板を着脱自在に
   取付けたことを特徴とする出窓用シヤツターのシヤツタ
   ーケース構造。