JPH074630Y2 - 時 計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、デザイン・用途における自由度を高め、かつ
安価に供給し得る腕時計その他の時計に関する。

〔従来の技術〕

従来の時計、例えば腕時計は文字盤、液晶表示等を含む
時計駆動部（ムーブメント）、バンドおよびバンド止め
具から構成されていた。ここで、ムーブメントは水晶発
振、液晶表示の技術を採用され年々軽量化、薄型化され
つつあり、文字盤のデザイン、表示の配列等も流行によ
り変化している。一方、バンドの材質は、金属、皮、ゴ
ム、プラスチック等から成り、流行に応じて種々のデザ
インが試みられている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、従来の時計では腕時計、置き時計、掛け時計等
の用途毎に限定された商品でしかなく、また、バンド、
枠組の材質により、そのデザインはある程度限定的なも
のであり、逆にデザインの種類を増加させようとすると
コスト高となる課題を有していた。また、店頭において
販売する際には、個々の時計を並べて陳列するため、陳
列用のスペースを要するという課題を有していた。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の時計は上記の課題に鑑みてなされたものであ
り、デザイン、用途における自由度を高め、かつ低価格
の商品を供給するため、表面に印刷可能なシートと、当
該シートの裏面に固着される時計駆動部とから構成さ
れ、前記シートは当該時計駆動部の時刻表示部分と略一
致する切り抜き部と、当該切り抜き部の外縁から延設す
る所定形状に沿って切り取り線若しくは切り取り線上に
点在する切り込みを有することを特徴とする時計を提供
するものである。

〈作用〉 前記シートの表面には、印刷することによって種々の模
様、例えば、腕時計及び時計バンドのデザイン、掛時計
のデザイン等が安価に施され得る。しかも、時計（ムー
ブメント）を該シートの裏面に接着等するだけの工程で
完成し、シート自体が切り取り可能なため、種々の形状
に切り取り、用途を自由に選択できる。

〔実施例〕

以下、本考案の時計を詳細に説明する。第１図（ａ）〜
（ｄ）は本考案の第一の実施例を示し、表面に印刷する
ことができる材質、例えば、紙、紙にビニール等のプラ
スチックフィルムを積層したもの若しくは印刷可能なプ
ラスチック又は布地等から成るシート１と、液晶表示等
を有するムーブメント（枠体を有した時計駆動部）２
と、該ムーブメント２をシート１に固定するテープ３と
から主に構成されている。

ここで、シート１には、ムーブメント２の液晶表示と一
致する箇所にくり抜かれた表示用窓４、切り取り線又は
該線上に点在する切り込み５、バンド穴６、陳列等のた
めの穴８が設けられ、他に付属品として、プラスチック
等の材質から成る止め具７を有している。

なお、テープ３を用いる代りに、ムーブメント２をシー
ト１に接着剤で直接接着しても良く、ムーブメント２を
シート１と共にプラスチックフィルムによるシュリンク
包装を行って固定することも可能である。

一方、バンド穴６および止め具７を使用せずに、マジッ
クテープ等をバンド止めの手段とすることもできる。

また、ムーブメント２の時刻表示は液晶以外に時針を有
するものであっても、文字盤に対応する形状の表示用窓
４を設け、適用することが可能である。

以上の構成を有する本実施例の時計は、切り取り線５に
沿って切り取り第１図（ｄ）に示すように、バンド穴６
を合わせ止め具７で係合することにより、腕時計として
利用される。なお、切り取り線５により形成される形状
は、置時計、掛時計等の他の用途によって種々存在し得
る。

本実施例では、印刷可能なシート１を有するため、印刷
によってシート１の表面に極めて多くのデザインを容易
に施すことができ、従来の腕時計のデザインと異なり、
そのコストを低く抑えることができるという効果を有し
ている。更に、シート１の表面になんら印刷をしない場
合には、購入者がシート１に自由にデザインを施して利
用することもできる。

一方、穴８をフック等に引掛けて商品自体を棚、壁等に
陳列することにより、陳列のスペースを削減しつつ、同
時に広告効果を発揮し得る。

第２図は本考案とは別途の使用例であり、参考までに示
す。主にシート１と、ムーブメント２と、テープ３とか
ら構成される点で第１の実施例と共通しているが、シー
ト１は切り取り線又は切り込み５を有していない。従っ
て、購入者は、シート１（表面が印刷処理されているも
の、印刷処理されていないもの）の全面をそのまま利用
して穴８をフック等に引掛けて壁掛けの時計として使用
することもできるし、ムーブメント２を含む適当な形状
にシート１を切り取り腕時計、置時計等の用途に使用す
ることもできる。

第３図（ａ）、（ｂ）は本考案とは別途の使用例であ
り、参考までに示す。（ａ）はクリスマスカード等の二
つ折りのカードを示し、時刻表示用窓４を設けられ裏面
にムーブメントを接着等された土星形のシート９と、該
シート９が折り込まれて付設されるカード紙10とから構
成されている。一方、（ｂ）は人形を形取った置き物を
示し、時刻表示用窓４を設けられ裏面にムーブメントを
接着等されたシート11と、該シート11を支持するための
支持材12とから構成されている。

尚、（ａ）に示したカードは、カード紙10を開いたとき
に、折り込まれたシート９がカード紙10の表面に土星形
として立体的に形成されるものである。

（ａ）のカードおよび（ｂ）の置き物は、土星、人形等
の種々のデザインを施され、かつ時刻表示部を有するシ
ート9,11を時計以外の用途に拡大した例である。

〔考案の効果〕

以上、詳しく説明した通り、本考案の時計によれば、表
面に印刷可能なシートと、当該シートの裏面に固着され
る時計駆動部とから構成され、前記シートは当該時計駆
動部の時刻表示部分と略一致する切り抜き部と、当該切
り抜き部の外縁から延設する所定形状に沿って切り取り
線若しくは切り取り線上に点在する切り込みを有するた
めに、極めて多種のデザインを施すことができ、かつ安
価に供給できる。特に前記シートは切り取り線等により
種々の形状に切り取り可能であるため、腕時計、掛け時
計等の様々な用途に応用可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）〜（ｄ）は各々本考案の一実施例を示す正
面図、裏面図、横断面図、使用状態の説明図、第２図及
び第３図（ａ）、（ｂ）は本考案とは別途の使用例を示
す参考図。 符号の説明 １……シート、２……ムーブメント ３……テープ、４……表示用窓 ５……切り取り線、６……バンド穴 ７……止め具、８……穴 9,11……シート、10……カード紙 12……支持材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】表面に印刷可能なシートと、 当該シートの裏面に固着される時計駆動部とから構成さ
   れ、 前記シートは当該時計駆動部の時刻表示部分と略一致す
   る切り抜き部と、 当該切り抜き部の外縁から延設する所定形状に沿って切
   り取り線若しくは切り取り線上に点在する切り込みを有
   することを特徴とする時計。
2. 【請求項２】前記シートが紙、紙とプラスチックフィル
   ムの積層体、表面に印刷可能なプラスチックまたは布地
   である請求項（１）記載の時計。
3. 【請求項３】前記シートと前記時計駆動部は接着剤、粘
   着テープ若しくはシュリンク包装手段により固着される
   請求項（１）または（２）記載の時計。